Language : Japanese


調弦 (Tuning)


 ViolinとかGuitarなどの一般的な楽器なら調弦のしかたも統一されていますが、Vielleは細かい点で統一されておらず、いろいろなやり方が存在します。混乱しているとも言えるし、ある意味では自由とも言えるでしょう。

 Vielleには、大きく分けて2種類の調弦法があります。
 (弦の呼び名・読み方についてはこちらを参照のこと)

・Classique(クラシック) または
 Auvergnat(オーヴェルニャ:オーヴェルニュ式)
Chanterelles G (2本はunison)
Chien(Trompette) C
Petit bourdon C
Gros bourdon G
Mouche G(Chanterelleの1 octave上または下)
共鳴弦 CまたはG



・Berrichon(ベリション:ベリー式) または
 Bourbonnais (ブルボネ:ブルボネ式)
Chanterelles D (2本は1 octaveの違い)
Chien(Trompette) D
Petit bourdon D
Gros bourdon D
Mouche G
共鳴弦 GまたはD

 上記のオーヴェルニュ・ベリー・ブルボネはフランスの地方名です。地方名が付いているのは、その地方で使われてきた調弦法ということです。いずれも伝統的にVielleが盛んに演奏されてきたフランス中央部の山がちの地方です。Classiqueの表記は、他がフランス語なのでフランス表記に合わせました。Classiqueの呼び名の由来は私は知りません。憶測で物を言えば、かつての宮廷音楽などから来ているのかもしれませんが....。気になる方は資料でお調べください。でもって、分かったら私に教えてくださるとありがたいのですが。
以後、前者の調弦はClassique、後者はBerrichonの名前で呼びます。
 尚、Moucheについてですが、私が書いたのより1〜2オクターブ低く設定している資料も見たことがあります。私が書いているのが決定版というわけではありません。と言うより、国により、地方により、そして個人により違いが出るのは、民俗楽器のあり方としてむしろ自然ではないかと思います。

▼Classique
 Droneと調性に関してはいろいろあるのですが、実際上ClassiqueのTuningで無理なく演奏できるのはハ調のみ(Chromaticなので長調も短調も可)です。あと、ちょっと小細工してト調といったところ。Wheel周りには弦が6本ありますが、常時6本使用しているわけではありません。というより、弦をたくさんWheelに乗せるとCrank handleが重くなるとか、また調性との絡みで、何本か外している方が普通です。私は、Moucheは使わないし、左手の運指の邪魔なので弦自体を張っていません。
Wheelに乗せる弦は、Chanterelleの2本、Chien、そしてDroneをもう1・2本と、4本前後が多いと思います。
 ハ調で演奏する場合は、Chanterelles、Chien、そしてGros bourdon、Petit bourdonのうち、Cに合わせてあるDroneを使用します。DroneにCとGの両方を入れても構わないのですが、フランスの伝統的奏法では、ハ調ではCだけの場合が多いと思います。また、好みでMoucheも入れますが、使っている人は少ないと思います。
 ト調で演奏する場合は、Chanterelles、Chien、そしてGに合わせてあるDroneを使用します。その際、Chienを1音上げてDにします。もし、Gros bourdon、Petit bourdonともCの場合はこれもどちらかを1音上げてDにして使います。Moucheは好みで入れます。

▼Berrichon
 Dの弦をWheelに乗せて、ニ調、ト調の両刀遣いです。MoucheはGとしてありますが、実はウロ覚えで、もしかしたらDだったかもしれません。Gだったらト調で演奏するとき加えるということですね。いずれにしろ、Moucheはあまり使わないようです。また、Classiqueより全般的に弦の張りが強く、Handleが重くなります。

▼ClassiqueとBerrichonを比べて
 私はClassiqueで始めて、途中で一時期Berrichonに変え、そしてまたClassiqueに戻りました。自分の経験の範囲ですが、感想を述べたいと思います。

・音の高さ
 BerrichonのChanterelleの1本はClassiqueより音が高いので、Berrichonの方がキラキラした音に聞こえます。ただ、私の好みを言えば低めの音の方が好きなのですが。

・音の大きさ
 Berrichonの方が音が高く、弦の張りも強めなので音が大きくなります。音が大きいというのは、長所でもあり短所でもあります。広い場所で弾くときは音は大きい方がいいです。でも、自宅で練習するときは、Vielleは音の大きさの調節が難しいので近所迷惑になるかもしれません。特に日本はピアノの音で殺人が起こったりするので、Vielleのような好き嫌いの出る音でガンガン弾くのは気が引けますね。

・調性について
 Berrichonの方は2つの調で問題なく弾けるので有利です。Classiqueだと調弦しなおさなければなりません。Berrichon向けの曲には2つの調の間で転調するものもあって、これだとClassiqueでは弾けません。そんなこんなで、かつて知り合いのClassiqueのVielle弾きが(私も含めて)どんどんBerrichonに転向していったことがあります。今考えると一種の流行だったようです。

・Chienの音
 弦の張りが違うので、Chienの音も変わります。実を言えば、私のChienはBerrichonのときの方が音も鳴りも良かったので、これはClassiqueに戻して残念に思う点です。

・Classiqueはハ調で弾く
 まあどうでもいいことなんですが、小学校からの音楽教育のおかげでハ調に妙に愛着があったりします。


【後記】
 実は以前と少し内容を変えました。
以前はクラシックの調弦を下のように書いていて、自分でもそのように調弦していたのですが、弦が切れて張り替えたら鳴りが変わってしまいました。で、上記のほうが具合がいいし、一般的でもあるようなので書き変えました。日々、試行錯誤です。

・Classique(クラシック) または
 Auvergnat (オーヴェルニャ:オーヴェルニュ式)
Chanterelles G (2本はunison)
Chien(Trompette) C
Petit bourdon G(Cの場合もある)
Gros bourdon C(Gの場合もある)
Mouche G
共鳴弦 CまたはG


First upload : May,1998
Last update : November,2002


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