Language : Japanese


その他の注意 (Cotton, Bridge)


 共鳴弦はあまり気難しくないのですが、Wheelと接している弦は結構気を使います。
以下、Wheelと接している弦について、弦まわりの調整・手入れで注意する点です。


▼Cotton(綿)
 弦がWheelと接する部分にはCottonを巻きます。

・Cottonの巻き方
 Cottonを少量取り、薄く伸ばします。それを弦とWheelの間に挟み込んでから、Wheelを回転させつつ、均等に弦に巻き付けてゆきます。その際、Cottonが固まらないように左手の指でならしてやります。Gut弦・Nylon弦の場合、Cottonの食いつきが悪いようなら、巻く前に弦に少し松ヤニを塗ってやります。また、新品のGut弦・Nylon弦は表面がツルツルしているので、Cottonを巻く部分に軽く紙やすりを当てて表面をざらつかせておきます。
 巻きつけるCottonの量ですが、楽器の癖、個人の好みで一概には言えないと思います。試行錯誤でいくしかないでしょう。私の場合はGros bourdon・Petit bourdonはやや厚めに、Chanterelleは中ぐらい、Chienは薄めにしています。

・使用するCotton
 繊維が長く、ダマやゴミ・汚れがないものを選びます。私はいくつかの種類を試してみましたが、一番気に入ったのは加工する前の綿花です。これはゴミやダマがありますが、使うとき取り除きます。未加工の綿花を使う場合は、アルコールなどに浸して油分を取り除けとも言いますが、私はそのまま使っていました。脱脂した方がよかったのでしょうが、面倒ではあります。
しかし、こういう細々したことに気を使っていたのは随分前の話で、今は家内の化粧用のコットンボールを拝借して使っています。あまり褒められた話ではありませんね。素材を選び始めればきりがないけれど、適当な物を使ってもそれなりに何とかなってしまいます。

*追記(2000年1月)
 その後、家内の化粧用コットンボールを拝借するのは止めました。やはり、あまりよくなかったですね。現在は、医療用の脱脂綿を使っています。怪我の手当がしやすいように板状に加工してあるような物ではなく、単なる綿のかたまりといった脱脂綿です。結構、気に入っています。

・Cottonの寿命
 一度Cottonを巻いたら何年も使えるというわけではありません。Petit bourdon・Gros bourdonは比較的長くもちますが、Chanterelle・Chienは演奏何時間という単位で変えていきます。
取り替え時期の目安ですが、Cottonが部分的に擦り切れてきたり、音の出が悪くなったら取り替えています。資料によってはDrone弦は使用何時間後、Chanterelleは何時間後などと神経質に書いてあるものもありますが、私はあまり気にしていません。
 Cottonを取り替えるときは古いのを全部取り除いてから巻き直します。面倒なので、一部擦り切れた所だけ付け加えたくなりますが、大抵いい結果は出ません。私は面倒がってよくこれをやって、結局は全取り替えで却って手間を増やしています。


▼Bridge
 弦の両端の位置を調節して、Wheelにかかる弦の圧力を加減します。Petit bourdon・Gros bourdonなどの普通のDrone弦はあまり気を使わなくてもそこそこ鳴りますが、問題はChanterelleとChienです。この連中は手をかけてやらないと、音が悪かったり場合によっては鳴らなかったりします。
 6本の弦とも、楽器のお尻側はBridgeによって支えられています。そして楽器の頭側は、Chanterelleについては可動の台木によって、Chienを含む4本のDrone弦については耳(Oreille)と呼ばれる張出しで支えられています。これらの支えを、高すぎる場合は削り、低すぎる場合は紙・革などを弦の下に噛ませて弦を持ち上げてやります。目安となるのは以下の2点です。

1. 弦はWheelに対して垂直になっているか。
 ちょっと誇張して描きましたが、@のように弦がWheelに対して斜めに入っている場合があります。特にChanterelleでは、KeyboxのTangent(弦押さえ) と弦との距離が場所によって異なるという弊害も出ます。弦を乗せる位置を移動して調整します。

2. Wheelにかかる弦の圧力は適切か。
 Aのように弦の片側がWheelから浮いているというのは当然まずいです。
Bのa・bの角度は、大きいほどWheelにかかる圧力が大きくなります。私はa・bともかなり小さくしていますが、このあたりの調整も試行錯誤で気に入った音が出るようにもっていきます。a・bの差ですが、私見ではaよりbが若干大きめの方が良いようです。尚、図は分かりやすいように誇張してあります。実際はこんなに大きな角度ではありません。



 Chienの可動Bridgeについては、注意が必要です。他の弦はBridgeを削りすぎたら弦の下に紙でも噛ませてやれば大丈夫ですが、Chienについては例外です。このBridgeはCrank handleの微妙な動きに反応しなければならないので、紙などを挟むと音がぼけてしまいます。削りすぎたら、Bridge自体を作り直すか、ボンドで薄い木片などを張りつけてごまかします。

First upload : June,1998
Last update : Jan.,2000


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