Language : Japanese


Chien (Dog)


 Vielleの演奏を聞いていると、Melodyと共にrhythmicalなbuzz音が聞こえます。Vielleを特徴づけるこの音を出しているのが、Chienと呼ばれるDrone弦です。「弦の呼び名」のページでも書きましたが、Chienの名前は弦を指すと同時にこの弦が乗っているBridge(駒)も指します。そして、Buzz音は実はこのBridgeから出てくるのです。
一般の弦楽器では、弦を乗せているBridgeを意図的に振動させるということはまずありません。しかし、Vielleでは可動のBridgeを振動させて伴奏のリズム音を出しています。


▼Buzz音の出る原理
 Wheelの回転を速めると弦の振幅も大きくなり、それにひきずられてBridgeも一緒に振動を始めます。このBridgeが振動して胴をたたく音がBuzz音の正体です。Crank handleの回転スピードを小刻みに変えてリズムを出しているのです。
 Bridgeと楽器のお尻の間で、Drone弦を楽器の中心方向に引っ張っている短い弦(Tirant du chien)が見えますが、これでBridgeの振動しやすさの加減を調節しています。これを強くひくほど弦がWheelに押しつけられて、弦の振幅が大きくなりBridgeも振動しやすくなります。この弦をゆるめると、乾いた感じのリズムになり、ひっぱるとねばっこい音になります。このあたりの調節は、曲のテンポと奏者の好みで決めます。


▼Bridge
 Bridgeの形ですが、尾を水平に伸ばして立っている犬のように見えます。HungaryのHurdy-gurdyでは足がありませんが、フランスのは2本足です。犬の長い尾は、Petit bourdonを乗せている大きめのBridgeの根元の裂け目に入れます。首ではなく、尾で犬をつないでおくのです。
 Bridgeを乗せる胴の部分は、しばしば固い素材をはめこんであります。マホガニーなどの固い木、動物の骨、ちょっと落ちてプラスチックなどです。Bridgeも同様に固い素材で作ります。素材が固いほど音は鋭くなり、その逆は音が柔らかくなります。
このBridgeの出来で結構音が変わるので、試しに自作してみることをお勧めします。私は元のは形も素材も気に入らなかったので、もう少し固い木(ブナ)で作り直しました。骨(象牙は今は使えないんですよね)は手に入りにくいし加工も大変ですが、木ならずっと扱いやすいです。この楽器を調整するには、ナイフ・やすりなどが必携です。

First upload : June,1998
Last update : Oct,1999


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