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催眠鎮静薬

 心の病気にともなう不眠の治療に用いられるのが催眠鎮静薬です。
 一般には、バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系、その他に分類されます。
 以前はバルビツール酸が広く用いられていましたが、最近ではベンゾジアゼピン系が主流となってしいます。

バルビツール酸系催眠鎮静薬
 バルビツール酸系は神経だけでなく骨格筋や平滑筋、心筋の働きを抑制してさまざまな組織の酸素消費を減少させる働きをもっており、不眠の治療以外にも鎮静薬として用いられてきました。ベンゾジアゼピン系抗不安薬の登場により、その臨床的価値は減少しつつありますが、フェノバルビタールなどはまだ広く使用されています。

ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬
 ベンゾジアゼピン系の催眠薬はGABA神経系という中枢神経の活動を抑制しようと働く神経に作用し、その機能を強めることによって不安や緊張をやわらげて催眠効果をあらわします。
 ベンゾジアゼピン系の催眠薬は他のバルビツール酸系などの催眠薬と比べて、副作用や耐性、薬物依存、薬物相互作用、致死毒性などの面でより安全であることから、不眠の第一選択薬として用いられてきました。しかし、最近になって、薬物耐性や依存性の問題が指摘されています。



1.アモバルビタール(バルビツール酸系催眠鎮静薬)
イソミタール(日本新薬)
作用と特徴:中枢神経(呼吸や血圧など生命の機能を司るところ)全般に抑制作用を示します。バルビツール酸系のうちでは、作用の持続時間は中間型に属し、服用後約30分で睡眠に入り4〜6時間に熟眠が得られます。緊張の緩和や、けいれん状態の抑制にも効果があります。依存性があるので使用には十分な注意が必要です。

2.バルビタール(バルビツール酸系催眠鎮静薬)
バルビタール(各社)
作用と特徴:長時間作用型の催眠鎮静薬です。中枢神経に対し、全範囲な抑制作用を示し、興奮を起こしにくくします。服用後、1〜2時間で効果があらわれ、6〜8時間持続します。連用しているときに中止する場合は徐々に減量します。

3.フェノバルビタール(バルビツール酸系催眠鎮静薬)
純生ルミナール(純生、山善)
フェノバール(藤永、三共)
フェノバルビタール(各社)
フェノバルビタール純生(純生)
ルピアール(エスエス)
ワコビタール(和光堂)
作用と特徴:バルビツール酸系では長時間型に分類される薬です。大脳皮質、脳幹などの中枢神経全体の働きを抑えて眠りに導きます。また、不安を鎮める作用やけいれんを抑える作用もあります。

4.エスタゾラム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
エスタゾラム(共和)
ユーロジン(武田)
作用と特徴:ベンゾジアゼピン系の中間型に分類される薬です。睡眠作用は速やかに出現し、強く、安定しているのが特徴です。睡眠状態は約8時間で消失します。

5.塩酸リルマザホン(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
リスミー(塩野義)
作用と特徴:短時間型の催眠鎮静薬で、後部視床下部の抑制を介して大脳辺縁系の活動を低下させることで、鎮静・催眠作用を発揮します。服用後30分〜1時間で睡眠に入ります。

6.クアゼラム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
ドラール(エスエス)
作用と特徴:ベンゾジアゼピン系では新しいタイプの薬で、効果時間は中・長期型に分類されます。目覚めたときの不快な気分はなく、日中のからだの状態も良好です。また、服用を中断してもリバウンド現象に起こる不眠が少ないことが認められます。

7.トリアゾラム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
カムトリトン(寿)
トリアゾラム(サンノーバ、エルメッド)
トリアラム(小林化工)
ネスゲン(辰巳、メルク・ホエイ)
ハルシオン(住友、ファルマシア)
ハルラック(不治薬品、共和)
パルレオン(大洋、マルコ)
フロサイン(模範薬品、メルク・ホエイ)
ミンザイン(日医工)
作用と特徴:超短時間型の催眠鎮静薬です。寝つきが悪いときに有効で、もっともよく用いられる催眠鎮静薬のひとつです。

8.ニトラゼパム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
チスボン(鶴原)
ニトラゼパム(旭化成、東和薬品)
ネムナミン(北陸)
ネルボン(三共)
ネルロレン(辰巳)
ノイクロニック(大洋)
ノイマックス(東洋ファルマー)
ヒルスカミン(イセイ)
ベンザリン(塩野義)
作用と特徴:長時間型の催眠鎮静薬としてよく用いられますが、けいれんを抑えたり、筋肉を弛緩させる作用があるので、てんかんの治療にも用いられます。

9.ニメタゼラム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
エミリン(住友)
作用と特徴:中枢神経の活動を抑制することで、不安や緊張をやわらげ睡眠に導きます。入眠効果が自然であるとされています。

10.ハルキサゾラム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
ソメリン(三共)
作用と特徴:大脳辺縁系と視床下部に作用して、さまざまな情動障害を取り除くことで覚醒を促す神経系への刺激を抑え、催眠作用を示します。長時間型に分類されますが、翌朝の残眠感が少ないのが特徴です。

11.フルニトラゼパム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
サイレース(エーザイ)
ビビットエース(辰巳)
フルトラース(シオノケミカル)
フルニトラゼパム(共和)
ロヒプノール(ロシュ)
作用と特徴:中間型の催眠鎮静薬で、強力な催眠・鎮静作用があります。入眠障害・熟眠障害・早期覚醒などの不眠症に有効とされ、入眠までの時間の短縮と全睡眠時間の延長をもたらします。アメリカでは麻薬に準じる薬物として取り扱われており、洲によっては持ち込みが禁止されています。

12.フルラゼパム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
インスミン(杏林)
ダルメート(共和)
ネルガート(堀田、鶴原)
ベノジール(協和発酵)
作用と特徴:脳の中枢に作用し、不眠の原因となる外からの過剰な刺激を遮断して、情動活動を低下させることにより睡眠を導きます。中枢抑制作用はニトラゼパムより弱いとされています。

13.ロルメタゼパム(ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
エバミール(日本シエーリング)
ロラメット(ワイスレダリー、山ノ内)
作用と特徴:短時間型の催眠鎮静薬です。服用後15〜30分で入眠し、7〜8時間、作用が持続します。

14.ブロムワレリル尿素(非バルビツール酸系催眠鎮静薬)
純生ブロムワレリル(純生)
ブロバリン(日本新薬)
ブロムワレリル尿素(各社)
作用と特徴:作用の発現がはやく、持続時間の短い催眠作用を示します。軽い不眠に就眠薬として使用されていますが習慣になりやすいので注意が必要です。

15.ブロチゾラム(チエノジアゼピン系催眠鎮静薬)
アムネゾン(日新−山形、メルク・ホエイ)
グッドミン(三菱ウェルファーマ、吉良薬品)
シンベラミン(大洋)
ゼストロミン(東和薬品)
ソレントミン(大正薬品、メルク・ホエイ)
ネストローム(辰巳)
ノスクタール(アズウェル)
ブロゾーム(菱山)
ブロチゾラン(日医工)
ブロメトン(模範薬品、メルク・ホエイ)
メキンテル(ハイゾン)
ユリモラン(長生堂)
レドルパー(大原、旭化成)
レンデム(メディサ、沢井)
レンドルミン(日本ベーリンガー)
ロンフルマン(共和)
作用と特徴:短時間型の催眠鎮静薬で、寝覚めがよく、旅行の際などの一過性の不眠に向いています。また、高齢者が使用しても副作用が少ないのも特徴のひとつです。ただし、ときに睡眠途中で目覚めたときのことを思い出せない前向性健忘がみられることもあります。

16.酒石酸ゾルピデム(非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
マイスリー(藤沢)
作用と特徴:即効性の短時間型の非ベンゾジアゼピン系の薬です。半減期が短い短時間型ですが、リバウンド現象が少ないのが特徴です。また、ベンゾジアゼピン系の薬に比べても、繰り返し使用しても耐性や依存性が形成しにくいといわれています。

17.ゾピクロン(非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静薬)
アモバン(アベンティス、中外、三菱ウェルファーマ)
アモバンテス(小林化工、全星薬品、メルク・ホエイ)
アントマイリン(東和薬品)
スローハイム(共和)
ゾピクール(沢井)
ゾピバン(長生堂)
ドパリール(東洋ファルマー)
メトローム(辰巳)
作用と特徴:脳の中枢神経に直接作用して催眠鎮静作用を示します。比較的強い催眠鎮静薬で、不眠症の治療に用いられます。また、不安を抑える作用もあるので、麻酔の前に使用することもあります。