アクセス解析 千葉・障害差別撤廃条例から、「差別」狩り反対運動を考える

千葉・障害差別撤廃条例から、「差別」狩り反対運動を考える

○あとから書いたまえがき(苦笑)

  うーん、いろいろな方に見ていただけて嬉しいのですが、ここで論じているのは「千葉条例が人権擁護法案と同じような
危険性があり、人権擁護法案反対運動と一緒に行うべきものか」ということであり、僕個人はこの条例には賛成でも反対でも
ありません。正直、この条例ができても、公務員の雇用が増える以外は、障害者の方、千葉県民の方、他県民の方にとって
たいした益にも害にもならないと思うので、賛成でも反対でもありません。
(取り消し線部は、では、千葉条例がまったく障害者の方の
福利のために無意味か、というと、そうではないと考えてみると思えましたので、2006年3月6日に消させて頂きました。加筆させて
頂ければ、この条例は市民的自由を侵害したり、条例自体でなんら強制をできることができず、ゆえにたいした害にも益にも
ならないのではとは直接的な有益性有害性に関してはないと思いますが、あくまで強制力などは持たないですが千葉県としての
障害者の方への福祉の目標や宣言として、間接的な形として有意義なのではという意味では、障害者の方にとって益があるかと思います。
ただ、それは「人権利権」とかそういう言葉で言われるような利益ではないかと思います。2006年3月6日加筆)

  ただ、そう思う条例を、本当に危険性の高い人権擁護法案と同列に扱って、人権擁護法案反対運動の中で扱っていいのかというと、
どうかなあ、と思って書いただけです。
それは後半部の【千葉の障害差別撤廃条例は別問題であり、人権擁護法案反対運動と一緒にすると問題ではないか】という
結論部分を見て頂ければ、申し上げている意図が条例に賛成なわけでなく、単に人権擁護法案と同一視するのはどうかと
いうことだけだというのが、お分かりいただけるかと思います。以下、長文ですがよろしくお願いします。
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 政府の提出している人権擁護法案から、鳥取県における人権擁護条例、太宰府市における人権擁護条例と
地方自治体の条例においても「差別」というものに関する規制の条例化の動きがありますが、その中で
主にインターネットを通じた国民の間から、草の根民主主義的に、「それはおかしいんじゃないか」という形で、
いわば「差別狩り」の様相を呈している動きに対し、反対運動が広がっています。しかし、その運動の高まりの中で、
本来は問題のなく、制定すべき条例や法律まで、「差別」という用語があるため、感情的に「反対」としてしまう傾向が、
反対運動の中にあるように思える面もあります。その例として、ここでは千葉県の障害差別撤廃条例反対運動に
ついてあげてみます。千葉県の障害差別撤廃条例とは、条文自体は短くしかく分かりやすい言葉で書いてあるので、
気軽に読める内容かと思います。内容は、下のリンクからPDFファイルでダウンロードできます。

「障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための条例(仮称)」要綱案(PDF)

【千葉の障害撤廃条例で掲示板で問題視されているものは?】

 千葉の障害撤廃条例で問題視されているものは何か、ということですが、正直反対運動の掲示板を見ても、
何が具体的に問題なのか、明確に指摘されている方、認識されている方はおらず、ただ「問題だから成立しないように
県議会議員などに働きかけなければならない」という結論面が目立ちました。また、一般的な見解か分かりませんが、
少なくともその掲示板では千葉の堂本知事はジェンダーフリー推進論者と捉えられ、ゆえにそのジェンダーフリー推進論者の
堂本知事が提出したこの障害差別撤廃条例に関して、疑惑を感情的に持たれている方が多いように思われました。
そこでまず、千葉の障害撤廃条例、正式名称は「障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための条例(仮称)」要綱案
について、短い文章ですし、上のリンクからではPDFで環境によっては読めない方がいらっしゃるかもしれないし、読まれていないで
反対されている方も少なくないように感じましたので、実際の、条文に関し、以下にすべてをコピーしてみます。

【「障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための条例(仮称)」要綱案の全条文のコピーHTML版】


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「障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための条例(仮称)」要綱案

第1 総則

1 目的

 障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための取組について、基本理念を定め、
県、市町村及び県民の役割を明らかにし、障害のある人に対する理解を広げ、差別をなく
すための施策を総合的に推進し、障害のある人も障害のない人もともに暮らしやすい社会
の実現を図り、もって現在及び将来の県民の福祉の増進に資すること。

2 定義

(1) 障害;心身の状態が、疾病、変調、傷害その他の事情に伴い、その時々の社会的
環境において求められる能力又は機能に達しないことにより、個人が日常生活又は社
会生活において継続的に制限を受ける状態をいう。

(2) 障害のある人に対する虐待;施設の従事者が、施設を利用する障害のある人につ
いて行う@暴行(身体的虐待)、Aわいせつ行為、B保護の怠慢、C心理的外傷を与え
る行為(心理的虐待)D不当な財産上の利益の取得をいう。

3 基本理念

(1) すべて障害のある人は、障害を理由として差別を受けず、ありのままに、その人ら
しく、地域で暮らす権利を有する。

(2) 障害のある人に対する差別をなくす取組は、差別の多くが障害のある人に対する誤
解、偏見その他の理解の不足から生じていることを踏まえ、障害のある人に対する理
解を広げる取組と一体のものとして、行われなければならない。

(3) 障害のある人に対する差別をなくす取組は、様々な立場の県民がそれぞれの立場を
理解し、相協力すべきことを旨として、行われなければならない。

(4) 障害のある人に対する差別をなくす取組は、差別をする人と差別をされる人という
対立の関係を克服し、すべての人がその人の状況に応じて暮らしやすい社会をつくる
べきことを旨として、行われなければならない。

(5) 障害のある人に対する差別をなくす取組は、障害のある人に対し、虐待をすること
が(1)の権利を著しく侵害するものであることを認識して、行われなければならない。

4 県の責務

 県は、3の基本理念(以下「基本理念」という)にのっとり、障害のある人に対する理
解を広げ、差別をなくすための施策を総合的に策定し実施するものとする。

5 県と市町村との連携

 県は、市町村がその地域の特性に応じた、障害のある人に対する理解を広げ、差別をな
くすための施策を実施する場合にあっては、市町村と連携するとともに、市町村に対して
情報の提供、技術的な助言その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

6 県民の役割

(1) 県民は、基本理念にのっとり、障害のある人に対する理解を深めるとともに、差別
をなくすために相協力するよう努めるものとする。

(2) 県民は、基本理念にのっとり、県又は市町村が実施する、障害のある人に対する理
解を広げ、差別をなくすための施策に協力するよう努めるものとする。

(3) 県民は、基本理念にのっとり、県又は市町村と協力して、障害のある人が障害のあ
ることによる暮らしにくさを表現できる環境を整えるよう努めるものとする。

(4) 障害のある県民及びその関係者は、基本理念にのっとり、障害のあることによる暮
らしにくさを表現し、周囲の人に対して積極的に伝えるよう努めるものとする。

第2 なくすべき差別等

1 各分野における差別

 何人も、障害のある人に対して、障害を理由として、以下のような差別をしてはならない。

分野内容

○福祉サービス
(1) 本人の意に反して、入所施設における生活を強いること。
(2) 福祉サービスの提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。

○医療
(1) 医療の提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
(2) 法令に特別の定めがある場合を除き、本人が希望しない長期間の入院その他の医療を受けることを強い、又は隔離すること。

○商品及びサービスの提供
 商品又はサービスの提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。

○労働者の雇用
(1) 労働者の募集又は採用に当たって、応募若しくは採用を拒否し、又は条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
(2) 賃金、労働時間その他の労働条件又は配置、昇進若しくは教育訓練若しくは福利厚生について、不利益な取扱いをすること。
(3) 解雇し、又は退職を強いること。

○教育
(1) 本人の教育的要求を把握した適切な指導及び必要な支援を行う教育を受けられ
る機会を、本人又はその保護者の意に反して、与えないこと。
(2) 本人又はその保護者が希望しない学校への入学を強いること。
(3) 本人又はその保護者に過重な人的負担、物的負担又は経済的負担を課すこと。

○建物等及び公共交通機関
(1) 不特定かつ多数の者の利用に供されている建物その他の施設の利用を拒否し、
若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
(2) 公共交通機関の利用を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その
他不利益な取扱いをすること。

○不動産の取引
 不動産の売却、賃貸、転貸又は賃借権の譲渡を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他
不利益な取扱いをすること。

○情報の提供等
(1) 障害のある人に対して情報の提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること。
(2) 障害のある人が情報の提供をするときに、これを拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、
その他不利益な取扱いをすること。

2 その他の差別

 何人も、1の差別のほか、障害のある人に対して、障害を理由として、不利益に取り扱
う差別をしてはならない。

3 合理的な配慮

 何人も、基本理念を踏まえ、1及び2の差別のほか、障害のある人が障害のない人と実
質的に同等の日常生活又は社会生活を営むために必要な合理的な配慮に基づく措置を行わ
ないこともまた差別であるとの認識に立ち、当該差別の状況に応じて必要な合理的な配慮
に基づく措置を行わなければならない。

4 適用除外

 1及び2に規定する不利益な取扱いをしないこと又は3の合理的な配慮に基づく措置を
行うことが過重な負担になる場合は、これらの規定は、適用しない。

5 虐待の禁止

(1) 何人も、障害のある人に対し、虐待をしてはならない。
(2) 施設の従事者は、施設において、障害のある人に対する虐待を受けたと思われる障害のある人を発見した場合は、
速やかに、これを関係行政機関に通報するよう努めなければならない。
(3) 施設の従事者は、(2)の通報を理由として、解雇その他不利益な取扱いを受けない。
(4) 県が通報を受けたときは、知事は、施設の業務の適正な運営を確保することにより、通報に係る障害のある人に
対する虐待の防止及び保護を図るため、障害者自立支援法の規定による権限を適切に行使するものとする。

第3 推進会議

1 構成員

@障害のある人及びその支援者、A各分野の事業者、B障害者施策又は人権擁護に関し
専門的知識を有する者、C県(各分野の担当課等)、Dその他障害者に対する理解を広げ、
差別をなくすための取組に関わる者

2 組織される分野

(1) 福祉サービス、医療、情報の提供等及びその他の分野
(2) 商品及びサービスの提供の分野
(3) 労働者の雇用の分野
(4) 教育の分野
(5) 建物等及び公共交通機関並びに不動産の取引の分野

3 協議する内容

(1) 2の各分野における障害のある人に対する差別の状況についての共通認識の醸成
(2) 2の各分野における障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための、構成員によるそれぞれの立場に応じた
提案に基づく具体的な取組及びその実施状況
(3) 障害差別解消委員会(以下「委員会」という)と連携して行う、2の各分野における差別の事例及び差別の解消のための
仕組みの分析及び検証に関すること。
4 構成員は、基本理念にのっとり、相協力して障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための取組の推進に
努めなければならない。

第4 差別の事案の解決

1 地域相談員

(1) 身体障害者相談員及び知的障害者相談員
身体障害者相談員及び知的障害者相談員は、業務の一部として、本条例に規定する差別に該当する事案(以下「対象事案」という)
に関する相談に係る業務を行うものとする。

(2) 応募による相談員
知事は、障害のある人に関する相談を受け、又は人権擁護を行う者として応募のあった適当と認める者に委託して、
対象事案に関する相談に係る業務を行わせることができる。

(3) 連携及び協力
 ア;(1)及び(2)の相談員(以下「地域相談員」という)は、この条例に基づく業務を行うに当たっては、指定機関と連携、
   協力するものとする。
 イ;地域相談員以外の障害のある人に関する相談を受け、又は人権擁護を行うものは、知事、指定機関及び地域相談員と連携し、
   対象事案の通知その他この条例に基づく施策の実施に協力するよう努めるものとする。

2 指定機関

(1) 指定機関
 障害のある人の権利擁護事業を行う法人で(2)の業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを
健康福祉センターの所管区域、千葉市及び船橋市ごとに1箇所を知事が指定する。

(2) 業務
 ア;対象事案に係る相談に関すること
 イ:4の(2)のアの申立てのあった事案に係る調査に関すること
 ウ:障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための広報啓発活動に関すること
(3) 連携及び協力
(2)の業務について地域相談員と連携、協力する。

3 障害差別解消委員会(行政組織条例で規定する)

(1) 構成員は、@障害のある人、A人格が高潔で識見の高い者
(2) 委員10 名以内、任期2 年
(3) 事務

 ア:対象事案を解決するための助言及びあっせん、勧告の求め並びに訴訟の援助の相当性に関する審議
 イ:障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための県の施策(条例の解釈指針を含む)への提言

4 解決のための手続

(1) 相談

 ア;障害のある人、保護者又は関係者は、対象事案があると思料するときは、地域相談員及び指定機関に相談することができる。
 イ;相談後、地域相談員及び指定機関が取り得る措置・関係者への必要な説明、助言、調整・関係行政機関及び
   障害のある人に対する支援を行っている団体の紹介
     ・法律上の支援(民事上の事件に限る)の制度に関するあっせん
     ・関係行政機関への事実の通告
     ・虐待に該当すると思料される事実の通報
     ・(2)の助言及びあっせんの申立ての支援

(2) 助言及びあっせんの申立て

 ア:障害のある人は、対象事案があると思料するときは、知事に対し、委員会が当該対象事案を解決するために
   必要な助言又はあっせんを行うよう申立てをすることができる。保護者又は関係者は、本人の意思に反しない限り、
   申立てをすることができる。
 イ:申立ては、その対象事案が次のいずれかに該当する場合は、することができない。
     ・行政不服審査法等により不服申立てができる場合であって、行政処分の取消し等を求めるものであること
     ・申立ての原因となる事実のあった日(継続する行為にあっては、その行為の終了した日)から3年を経過して
      いるものであること(その間に申立てをしなかったことにつき正当な理由がある場合を除く)
     ・現に犯罪の捜査の対象となっているものであること

(3) 事実の調査

 ア;知事は、申立てがあったときは、当該申立てに係る事実について調査を行うことができる。この場合において、
   調査の対象者は、正当な理由がある場合を除き、これに協力しなければならない。
 イ知事は、申立てについて必要があると認める場合には、指定機関に必要な調査を行わせることができる。
 ウ関係行政機関の長は、調査の協力を求められた場合において、当該調査に協力することが、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、
  公訴の維持、刑の執行その他公共の安全と秩序の維持(以下「公共の安全と秩序の維持」という)に支障を及ぼすおそれが
  あることにつき相当の理由があると認めるときは、当該調査を拒否することができる。
 エ関係行政機関の長は、調査に対して、当該調査の対象事案に係る事実の存否を答えるだけで、公共の安全と
  秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるときは、当該事実の存否を明らかにしないで、当該調査を拒否することができる。

(4) 助言及びあっせん
 ア:知事は、申立てがあったときは、委員会に対し、助言又はあっせんを行うことの適否について審理を求めるものとする。
 イ:委員会は、助言又はあっせんのために必要があると認めるときは、当該助言又はあっせんに係る障害のある人、
   事業者その他の関係者に対し、その出席を求めて説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。
 ウ:関係行政機関の長は、イの求めに応じることが、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあることにつき
   相当の理由があると認める場合には、イの求めを拒否することができる。
 エ:関係行政機関の長は、イの求めに対して、当該対象事案について事実の存否を答えるだけで、公共の安全と秩序の維持に
   支障を及ぼすおそれがあるときは、当該事実の存否を明らかにしないで、イの求めを拒否することができる。

(5) 勧告等
 ア:委員会は、差別をしたと認められる者が正当な理由なく当該助言又はあっせんに従わないときは、知事に対して
   当該差別を解消するよう勧告をすることを求めることができる。
 イ:知事は、アの求めがあった場合において、本条例に規定する差別をしたと認められる者に対して、当該差別を解消するよう
   勧告をすることができる。この場合において、知事は、アの求めを尊重しなければならない。
 ウ:知事は、正当な理由なく調査を拒否した者に対して、調査に協力するよう勧告をするものとする。
 エ:知事は、関係行政機関に対し勧告を行おうとするときは、あらかじめその旨を当該行政機関の長に通知しなければならない。
   この場合、当該行政機関の長が公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあることにつき相当の理由があると
   認めて通知したときは、勧告を行わないものとする。

(6) 公表
 知事は、正当な理由なく、関係者が出席を拒み、説明をせず、若しくは虚偽の説明をし、若しくは資料を提出せず若しくは
虚偽の資料を提出したとき、又は勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

(7) 意見の聴取
 ア:知事は、勧告又は公表を行う場合には、あらかじめ、期日、場所及び事案の内容を示して、当事者又はその代理人の出頭を
   求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
 イ:ただし、これらの者が正当な理由なく意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないで勧告又は公表をすることができる。

(8) 訴訟の援助
 知事は、障害のある人が、差別をしたと認められるものに対して提起する訴訟が助言又はあっせんの審理を行った事案に
係るものである場合であって、委員会が適当と認めるときは、当該訴訟を提起する者に対し、当該訴訟に要する費用の貸付け
その他の援助を行うことができる。

第5 理解を広げるための施策

1 表彰

(1) 知事は、障害のある人に対する理解を広げ差別をなくすため、基本理念にのっとり、その行為が県民の模範となると
  認められる者を表彰することができる。
(2) 知事は、表彰にあたっては、委員会の意見を聴かなければならない。
(3) 地域相談員及び指定機関は、表彰対象者を知事に推薦することができる。
(4) 知事は、表彰を行った場合は、その旨を公表するものとする。

2 情報の提供等
 知事は、障害のある人に対する理解を広げ、差別をなくすための民間の取組について、県民への情報の提供その他の
必要な支援を行うことができる。

第6 その他

1 条例の運用上の配慮
 この条例の運用に当たっては、行政委員会の独立性並びに市町村の自主性及び自立性は、十分配慮されなければならない。

2 関係行政機関の措置
 関係行政機関は、この条例の趣旨にのっとり、公共の安全と秩序の維持に係る事務の執行に関し、障害のある人に対する
理解を広げ、差別をなくすため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 罰則
 委員会の委員で、この条例に基づき業務上知り得た秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

4 検討
 知事は、この条例の施行後、障害のある人に対する差別の状況を勘案し必要があると認めるときは、障害のある人に対する
理解を広げ、差別をなくすための施策に検討を加え、その結果に基づいて必要な見直し等の措置を講ずるものとする。

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【千葉条例と人権擁護法案に類似する危険性はあるか?】

 以上、短いといいながら、けっこうな長さでした(苦笑)ただ、人権擁護法案などと比べると実に短い法文です。
改行や文頭記号等、見やすいように手は加えてありますが、上記が千葉の障害差別撤廃条例なわけですが、
この条例に人権擁護法案との類似する、または類似しなくても危険性があるか、ということについて検証してみたいと思います。

○「障害者」の定義について

 これに関しては条文上「心身の状態が、疾病、変調、傷害その他の事情に伴い、その時々の社会的環境において
求められる能力又は機能に達しないことにより、個人が日常生活又は社会生活において継続的に制限を受ける状態をいう。」
とありますが、これが不明確かを考えるには、その他の今まで施行されている障害者の方に関する法律における定義を
参照することが、有益かと思います。まず、身体障害者福祉法における「障害」の定義ですが、「この法律において、
「身体障害者」とは、別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であつて、都道府県知事から身体障害者手帳の
交付を受けたものをいう。」とされています。そして都道府県知事からの身体障害者手帳の交付に関しては、
身体障害者福祉法施行令における別紙によって個別に定められています。ちなみにこれらの認定の定義は、
障害者自立支援法などでも流用されています。

 ただ、交通バリアフリー法や障害者基本法などを例とするその他の障害者の方に関する法律では、独自に定義がされており、
例えば交通バリアフリー法では「この法律において「高齢者、身体障害者等」とは、高齢者で日常生活又は社会生活に身体の
機能上の制限を受けるもの、身体障害者その他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者をいう。 」というように、
例えば障害者基本法では、「この法律において「障害者」とは、身体障害、精神薄弱又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、
長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」というように、障害者手帳を要件としていない法律も
ありますので、この千葉条例において、「障害者の定義が他の法律と違って身体障害者福祉法や精神障害者福祉法における定義に
基づいていないからおかしい」というのは、まず第一に障害者関連法においても障害者の定義は必ずしも一元的ではない事、
第二に地方自治の本旨から、地方自治体が独自に障害者の定義を定めていてもおかしくない事、また第三に、基本的には
障害者の定義で障害者手帳を要件にするのは、金銭給付が主な法律の場合が多いからだが、この条例の目的は金銭給付ではない、
など、3つの点から、その批判は当てはまらないかと思います。

○「差別」の定義について

 この条例においては、前半部での「定義」の部分では、「障害」と「障害のある人に対する虐待」に関して定めており、
「差別」に関しては定められていないように見えます。しかし、人権擁護法案との相違点は、第二章において
逆に個別具体的に「差別」について定義していることがあります。これは一般的に行われているような、法律ではおおまかに決めて
省令や政令などで後から内容は具体的に決める多くの場合とは違い、条例案の本文に最初から明文化されているという点では、
「差別」に関して存在ないし提出されているさまざまな法や条例の中では、むしろ逆に非常に具体的だといえます。

 あえていえば「2 その他の差別」において、「何人も、1の差別のほか、障害のある人に対して、障害を理由として、
不利益に取り扱う差別をしてはならない。」とありますが、この条文における差別の定義は、つまり、「障害を理由にして
不利益的取り扱いを行うこと」です。人権擁護法案で問題になっているのは、「差別」の定義の不明確さもそうですが、
「差別的取扱い」のことというよりも、「差別的言動」という、言論の自由に国家が介入することが、強権的に行われる危険性から
反対されていると思います。その点からいえば、「差別的取扱い」に限ったこの条文は、人権擁護法案のような危険性が
あるでしょうか。人権擁護法案の危険性の一つとして、その「差別的言動」の不明確さを放置したまま、人権委員会、
人権擁護委員会などが、捜査権限とそれに反した場合の罰則など、強権的な権力を持っていることに問題が
ありますが、千葉の条例の場合はどうか見ていきたいと思います。

○「推進会議」、「地域相談員」「指定期間」「障害差別解消委員会」について

 これは条文そのままなのですが、まず「推進会議」はおおざっぱに言えば文字通り「差別解消のための調査・協議を行う」機関で、
市民的自由を奪う権利は有していません。次に「地域相談員」ですが、おおざっぱに言えば「関連機関と連携して相談業務を行う」
で、市民的自由を奪う権利は有していません。次に「指定期間」ですが、これは調査・相談業務に限られています。
次に「障害差別解消委員会」についてですが、「ア;障害のある人、保護者又は関係者は、対象事案があると思料するときは、
地域相談員及び指定機関に相談することができる。」という(ア)の点では相談業務になります。次の(イ)ですが、

イ;相談後、地域相談員及び指定機関が取り得る措置
  ・関係者への必要な説明、助言、調整
  ・関係行政機関及び障害のある人に対する支援を行っている団体の紹介
  ・法律上の支援(民事上の事件に限る)の制度に関するあっせん
  ・関係行政機関への事実の通告
  ・虐待に該当すると思料される事実の通報
  ・(2)の助言及びあっせんの申立ての支援

 となり、これが人権委員会のように強権的なのではないか、とイメージを持たれるのかと思います。しかし、まず、説明、助言、調整は
この法律に限らず行政機関では日常的に行われているもので、少なくとも助言に従わないから不利益処分を行う事は、
千葉県行政手続条例において禁止されています。(国の場合は行政手続法になりますが)また、法律上の支援ですが、
まず民事上の事件に限る、としている点が人権擁護法案と異なる点、また、「訴訟の援助」をいくらでも訴えられるようにできる制度と
誤解される方がいますが、これは条文にもありますように、「訴訟に要する費用の貸付」であり、借りたからには当然返す義務が
生じますので、その批判は誤解だと思います。

 問題は「虐待に該当すると思慮される事実の通報」ですが、これが人権擁護法案の危険性と違うのは、人権擁護法案では
「犯罪に該当すると思料される人権侵害について告発をすること」でしたが、ここでは「虐待」と明確に限定しますし、
ここでは人権擁護法案で危惧されるような侮辱罪などを「犯罪に該当すると思料される」として、言論を告発する恐怖があるのに
対して、ここではまず対象が「虐待」という「行為」であり、しかも人権擁護法案の「告発」という強い権限と異なり、
「事実の通報」です。

○「氏名の公表」について

 「氏名の公表」については、確かに行政法上、近年多様され特殊な間接強制の例として問題となっているものです。
司法的判断がなされていない状態での氏名の公表は個人の尊厳を傷つけかねないという懸念があります。
ただ、これに関してはいちおう「行政庁の処分」に当ると思いますので、事後的にではありますが、行政不服審査法や、
それでは中立性に問題があると思われる場合は公正な司法の場で、行政事件訴訟法などの救済があるので、
いわゆる独裁的に決められるものではなく危険性はないと言えます。また、そもそもこれら「氏名の公表」は行政においては
日常的に行われているもので、行政法上広く見受けられるものですが、そこにおいて言論・思想弾圧として氏名の公表が
行われたという例が今までにないと思いますので、ゆえに、「氏名の公表」については問題がないのではと
個人的には思います。「氏名の公表」が行われるとすれば、この条例ではそれは個人ではなく団体名だと思いますし、
仮に個人であっても先ほどのような司法や行政上の救済・コントロール方法、そして「氏名の公表」が事実上
県庁の掲示板や県発行の官報など限定的なものを考えますと、人権侵害の度合いは小さいと思いますし、それと
利益衡量した場合の障害者の方の人権擁護の必要性を考えると、形だけでも実効性を多少持たせる「氏名の公表」は、
この条例すべてを否定するだけの問題かどうか疑問に思えます。

○「罰則」について

 人権擁護法案では強力な捜査権限に対して、それを拒否した場合、罰則、正確にいえば行政罰の中の秩序罰としての
過料が定められており、人権委員会というものが罰則という強制力を背景に強力な力を持っていることが問題でした。
しかし、千葉県のこの条例の場合は罰則は一つしかありません。それは、「委員会の委員で、この条例に基づき
業務上知り得た秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」という委員の職務上の守秘義務で、
非常に常識的な罰則です。また、各条文は鳥取と違って対象は県民であり、しかも基本的には「努めなければならない」
という努力規定です。はっきりいって、この条例が仮に成立したとしても、千葉県民が障害者の方を徹底的に差別したとしても、
この法案では何も罰せられません。(もちろん、侮辱罪など、一般法で裁かれることはあるかと思いますが)

【千葉の障害差別撤廃条例は別問題であり、人権擁護法案反対運動と一緒にすると問題ではないか】

 以上、千葉の障害差別撤廃条例がはたして人権擁護法案と同じような問題を抱えているか、実際に条文を追って
見てきましたが、少なくとも個人的意見では、まったくそのような危険性は見受けられませんでした。

 もしも人権擁護法案反対運動で、この千葉県の障害差別撤廃条例を同一視して一緒に反対運動を行うならば、
せっかく人権擁護法案のおかしさ、危険さに国民の皆さんが気がついてきたのに、それに対してこの千葉の
障害差別撤廃条例を同一視して一緒に危険なものだと訴えるとすると、普通の方がまともにこの千葉の障害差別撤廃条例
を見ましたら、まず思われるのは「どこが問題なの??」という疑問でしょう。その中で、以上申し上げてきましたように、
実際に本当に問題点と思われる点はありませんし、イメージで「差別の概念があいまいで」など「問題点」を説明すると、
相手の方は「本当かなあ?」と思われ、もしも政治意識の高い方でしたら、僕が実際しましたように、ヤフー等で検索して
実際に条例の条文を読んでみて問題点がもしもまったく感じられなかったら・・・「ああ、あの運動は・・・アレ系か」と思われて、
下手をすると本当に問題が大きい人権擁護法案への反対運動まで、「ああ、あの運動は・・・アレ系か」と偏見の目で見られてしまい、
考慮されない可能性がありますので、私は千葉の障害差別撤廃条例に関して人権擁護法案と同一視して運動することには反対です。

 しかし、当然思想言論の自由がありますし、人権擁護法案とはまったく別に、千葉の障害差別撤廃条例に関する反対運動として、
自由に行われることについては、当然賛成というか僕がどうこう判断できるものではありません。ただ、千葉において、
人権擁護法案とリンクさせて運動されるならば・・・国民は下手をすると人権擁護法案反対運動にまで、一種の偏見を持ち、
人権擁護法案の問題点を訴えても、「ああ・・・あの運動は・・・アレ系か」と、耳に入れてくれない危険性があると思います。
仮にその危険性があるなら、元々人権擁護法案と千葉の条例案は別なわけですから、切り離して運動を行う方が
好ましいのではないでしょうか。

このページの内容は人権擁護法案反対運動に参加されている方でないと読んでもあんまり意味のないページなので、
だいたい2週間を目安に「フォルダ」の方に移すか別のところに移動したいと思います。
 どうもまだご覧いただける方が
いらっしゃっるようですので、普通のエッセイと同じく載せさせておくことにします(2006.05.08加筆)

質問 このエッセイについての貴方の評価をもし頂ければ幸いですm(__)m【千葉条例】
エッセイの内容に賛同した
情報源としては役に立った
役に立つことはなかった
エッセイの内容は間違っている
はっきりいって長いだけの駄文だ

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