裁判の確定判決と終局判決
<刑訴法と民訴法を対比する>
*裁判は告知により確定し終局するが、不服申立が確定を取消す。
不服申立とは、裁判官・審査官の判断に対する真否確認の争訟の事を言う。
裁判は法律行為であり民法90条の拘束を受けるので、不服申立てが出来る違法な法律行為は
無効となるから確定は取り消される。裁判は裁判官権の行使(法律行為)であるから
裁判官の違法な裁判権の行使(違法な法律行為)は無効である。
=法務省民事局参事官室に確認=
不服申立により民事訴訟法116・122・341条を活用できる全ての裁判の確定を
取消しするので、不服申立は原裁判を確定及び終局させない。
「民訴法116・122・341条及び民事執行法1・20条」による。
1裁判官の職権
刑事訴訟における再審には、確定を遮断(取消且つ防止)する規定がないので裁判官には絶対の権限があるが、民事訴訟においては、不服申立により裁判の確定は遮断(取消且つ防止)されるので裁判官には絶対の権限はない。絶対の権利は法令を順守している当事者にある(民訴法122・116条を以後、民訴の確定取消規定と記す)。
2民事裁判の民訴確定取消規定には適用準用の除外事項がある。
民訴法327条1項(特別上告)の申立及び民訴法327条1項(特別上告)の訴訟手続を準用する場合の民訴法380条のみが除外される。これ以外の不服申立は、準用する事が出来る。=民訴法116条の規定による。
3裁判の執行の実施権
1)刑事裁判は其々の裁判が確定した後にこれを執行する権限が生じる。=刑訴法471条
2)民事裁判は其々の裁判が確定した後にこれを執行する権限が生じる。=民訴法114条
3)民事執行は民事訴訟法の規定を前提とする。=民執法1条
4)刑訴法・民訴法の執行は共に、その法律に特に定めのある場合はその定めに従う。
4刑訴法・行訴法は民訴法に適用できない=最高裁判所裁判官会議事務局
1)取扱う事件の性質が違うのでけ刑訴法・行訴法を民訴法に適用する事はできない。但し、特に定めのある場合はこの限りでない。
2)刑事事件の構成要件に該当すれば、民事法の違反は刑事事件となる。
5控訴審の確定は、
1)刑事・民事共に、告知によって確定し終局するが不服申立のできる原判決はその確定が取消される。但し手続をせずに申立期間14日間が経過した時に確定判決となる。=刑訴法373条・民訴法285条
1)上告審の訴訟手続は、控訴審の訴訟手続の規定を準用する。
2)刑事訴訟法の上告審の判決は、告知の日から10日を経過した時又は訂正判決が宣告された時又は判決訂正申立の棄却決定の告知日に確定する(刑訴法418条)。刑訴法の再審には確定を遮断(取消)する規定がないので、再審の不服申立は出来るが確定は遮断(取消)されないので、確定したままの新しい裁判となる。
3)民事訴訟法の上告審の裁判に対しては、不服申立てである、受命裁判官等の裁判に対する不服申立て(民訴法329条)・再審異議(民訴法338条)・準再審異議(民訴法349条)が出来る。再審は、各審級(第1審・控訴審・上告審)の訴訟手続を準用する事が出来る(民訴法341条)ので、民訴法116条の規定の準用により確定が取消されるから再審の不服申立期間満了前には確定しない又は申立により原裁判の確定は遮断(取消)される。民訴法122条の規定により決定・命令は判決(控訴・上告等)に関する規定を準用する。
7抗告の確定は
1)刑訴法では、抗告裁判所(高等裁判所)の決定に対する抗告を禁止しているので、決定の告知によって確定する(刑訴法第427条)。
2)民訴法には、抗告裁判所(高等裁判所)の決定に対する抗告の禁止の規定はない。民訴法の抗告は、控訴又は上告に関する訴訟手続の規定を準用する(民訴法331条)。抗告裁判所(高等裁判所)の決定に対しては特別抗告・許可抗告・再抗告等及びその他特に規定されている抗告(再審の棄却却下決定に対する即時抗告=民訴法347条・控訴の原裁判所による棄却却下決定=民訴法第287条2項準用の即時抗告)が出来るので、この不服申立期間満了前には確定しないと規定されている。
8再審の確定は
1)刑事訴訟法において、再審の申立には原裁判の確定を遮断(取消)する規定がないので再審の申立は受理されるが確定したら確定の遮断(取消)が出来ないから、再審にて勝訴する以外は確定を遮断(取消)する事はできない。確定したまま裁判が行なわれる。
2)民事訴訟法においては、条文及びその適用準用が詳細に規定されているので確定を遮断(取消)する規定(民訴法116条)を設け訴訟手続は控訴の規定を準用するから適正な不服がある以上は確定させない事にしている。決定・命令は判決に関する規定を準用する(民訴法122条)。
9執行裁判所の裁判における確定は
1)執行裁判所は、確定請求権のある債権者又は原告のために、本人に代わって代理執行が出来る職権を取得する事により強制執行を実施する事が出来る。
2)民執法第1・20条の規定により民訴法を適用準用する事を職権としている。裁判権は職権である。
3)民事の執行裁判所に於いては債務名義の成立により強制執行の手続の実施が確定する。執行裁判所は代理執行権のある債務名義がなければ、どのような裁判であっても強制執行をする職権はない。=民執法1・20・22条・民訴法122条による。
10裁判の既判力は
1)刑事訴訟法において、最高裁の裁判が確定した場合はその日をもって既判力が生じる。再審の不服申立は出来るが、確定取消規定がないので原裁判は確定したまま確定判決の取消請求の裁判となる。
2)民事裁判の既判力は民事訴訟法において、最終的には再審異議の棄却却下が確定したその日(申立期間の30日間目の翌日)をもって既判力が生じる。最終審は確定日及びその理由を決定し当事者に告知する。確定日及びその理由に誤りがあれば不服申立が出来る。この裁判が確定すれば確定証明書を第一審裁判所に記録として送付する。最終審の確定証明書をもって確定日及びその理由の確定とする。この他に裁判の強制執行は民執法22条の債務名義によって既判力の確定した日及び強制執行のできる内容が規定されている。
11民事裁判の確定の手続
裁判の確定日とその理由は、当事者の事情により異なるので裁判官の決定事項となっているからその旨を当事者に決定で告知しなければならない(民訴法119条)。この決定に対しては期日経過について誤りがあれば不服申立が出来る。この裁判が確定した場合は、第一審に確定証明書を送付する決まりになっている。第一審では、この確定証明書の正本を交付する事ができる。=最高裁判所広報課・人事局庶務課
1)刑事訴訟においては、裁判が確定した場合、記録として整理するのために最終審が裁判書にその旨を明記し証明及び記録としている。刑訴法では最高裁の裁判の確定が遮断(取消)出来ないのでそのような処分が出来る。=法務省刑事局広報室に確認
2)民事訴訟に於いては、全ての裁判の告知に対しては再審異議の不服申立が出来るので、裁判書の送達時点に於いては、確定は遮断(取消且つ防止)されるので、確定はしていない。裁判の確定時期は、民訴法122・341・116条の準用により規定されており、民事裁判は確定した場合は既判力(民訴法114条)が生じ裁判の係属ができないので、係属中の裁判は確定していない事が原則である。上級審において係属中(事件受理され事件番号が定まっている場合)は確定していないことの証である。事件が確定していると原告が主張する場合は、それを証明する公文書を添えて係属中の上級裁判所に確定証明書の申請をすれば、上級裁判所は確定している部分について確定証明書を交付する事ができるので確定証明書がなければその裁判は確定していないことの証明であります。確定日とその理由を証明するのは原告の義務である(民事訴訟規則48条)。民事訴訟・民事執行法においては、確定証明書(公文書)の付記された裁判書の正本をもって確定裁判書(債務名義)とし確定日とその理由が定まる。
3) 民事執行において確定裁判書でなければ債務名義にならない裁判書については,確定裁判書である事を証明することが出来る公文書の添付が必要である(民事執行規則16条2項)。=最高裁判所広報課・人事局庶務課・法務省民事局参事官室に確認
13差押の用語の定義
1)差押の言葉の意味は刑事訴
訟法と民事執行法においては違った意味がある。
2)刑事訴訟法に於いては、押収の一の行為権である。証拠物または没収すべきものを裁判所が強制的に取得する裁判。また、その執行の権限のことを言う。
3)民事執行法に於いては、民事執行法上、私人の金銭債権について、国の執行機関が債務者の財産の事実上・法律上の処分を禁止する行為のことである。=大辞泉
14差押に関する規定
1)刑事訴訟法における差押は、裁判が確定しなくても差押状(命令書等)によって強制執行が実施できる(刑訴法106条)。
2)民事執行法における差押は、権利が移動するので裁判官の命令書があっても、最終審が交付した確定証明書の正本の添付がなければ執行する事は出来ない(民訴法114条・民執法25・27条)。裁判の確定日及びその理由は確定証明書の正本によってのみ定まる(民訴規48条)。仮執行宣言付債務名義による強制競売開始決定は本差押登記があっても命令書があっても強制競売開始決定(最高裁の本案債務名義を含む)・売却許可決定・引渡命令の確定証明書(確定日及びその理由の証明書)の正本がなければ執行する事は出来ない。この確定証明書がない強制執行の実施は担当裁判所職員の違法行為でとなる。
=最高裁判所広報課、人事局庶務課、第1.2.3小法廷・法務省民事局参事官室に確認=
以 上