2004
調律師 新巻さんの日記

2月22日
負けたくないとは

前に、人に負けたくない時はこうする、というようなこと を書いて、それからなんとなく気になっていました。また言い訳するようなんですが。人に勝ちたいとは、私は思わないです。この人には勝ちたい、と思うことがある人もいるのだと思うのですが。私も20代の頃、私には負けたくない、という人に会ったことがありました。私は自分のことで精一杯で、そんなことにとりあっている余裕はなかったので気にはしませんでしたが、いろんな思いをして、人に勝ちたいと思うのは私にはわからないな、とその時感じました。私は、去年の自分より今年の自分がよくなっていたい、それくらい目先のことでいつも精一杯です。それから、自分らしくありたい。人に負けるというのは、人のことを気にして自分の心が萎えてしまったり、自分をなくしてしまたり、そういう感覚です。

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2月20日
怒る人

車を運転していて、もうすぐ我が家、という時のこと。家の近く、最後の信号を待っていたら、後ろに並んだ車から人が降りてきて、一番前に並んだ私の目の前の歩行者用の押しボタンを押した。戻る時に私に向かって、「上見ろよ上!」と捨てゼリフを吐いて行った。窓を閉めておいてよかった。え?ここは、長いけど待っていれば信号変わるよ。上?何も書いてない。押しボタンは歩行者用についているだけだよ。確かに、押せばすぐに青に変わるけど。そう思ったけれど、怒ってる人があまりに怖くて、じっとしていた。後ろに娘も乗っているし。何かあったら嫌だもの。その人が押しボタンを押してくれたおかげで信号はすぐに変わって、走り出せたからよかった。そしたら、後ろからぴったりついてくる。よかった、ここで曲がればうちだ、と曲がるとすごい勢いでついてくる。どうしよう。でもうちのマンションにつっこんだ。その私の車の後ろを、すごい音をたてて同じマンションの少し離れた駐車場に入って行く。同じマンションの人だった。私は怖くて、車を降りないでしばらくじっとしていた。私は怒ってる人がいちばん怖い。

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2月17日
検診

娘の6、7か月検診の日でした。3、4か月検診と今度の 検診は、ひとつの節目のような感覚です。身長と体重とのバランスはとてもいいですね、自信もって育ててくださいね、と言ってもらってなんだかほっと安心。寝返りはできないままおすわりができるようになって、顔にちいさなぷつぷつがたくさんあって、私はとても気にしていたけれどお医者さんは、ぜーんぜん平気、と笑顔。私も自分の仕事に細かいことを言われても、問題でない時は、ぜーんぜん平気、と笑顔だけで返せるようになりたいなあ。 図書館から、みんながおもしろいと言ってた「笑う出産」という本を借りてきて読んだ。あまりおもしろくなかった。自分の出産体験がどういうスタンスで、人と違っているかをいくら言っても、もともとそれは人によってそれぞれずいぶものなのだから、あまりおもしろい話しにはならないのに気づいた。それよりも、細かいところの物理的であったり精神的であったりいろんな部分の観察や表現や描写が、その人なりで人とは違っている、というほうがおもしろいことがわかった。前に読んだ伊藤比呂美の子育ての本はとてもおもしろかったな

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2月15日
タンタン

今月に入ってから、そんなに多くはないものの淡々と仕事 をしていて、ペースが戻ってきたような錯覚。子育てだけに埋もれていた日々ももうすぐ終わりかな、と振り返ると、なんだかものすごく楽しい毎日だったような気がしてきた。しかしその時々は、淡々と育児していただけのようにも思う。 私って何でもタンタン。

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2月11日
うさぎ

今日は祝日、久しぶりに吉祥寺へ出かけ、井の頭公園の動 物園に行ってみました。 うさぎに触れあうところがあって、7か月の娘ですが連れて行きました。おすわりさせて、うさぎを目の前に持って行くと、ちいさな人さし指でちょんちょん、と触 っていました。かと思うと耳のあたりをぐしゃっとつかもうとしたりして。私の顔にも同じことをするのですがものすごく痛いので、うさぎさんイタイイタイ、ダメダメ、と慌てました。だって私がそおっと抱っこしていたって、うさぎさんはふわーっ、くにゃーっとしていて、しぼんでしまいそう。うさぎを飼っている人は、毎日こんなにそおっっと抱っこしなければいけない動物を大事にしていてごいなあと思ってしまいました。私なんか、それでもすごくやわらかいと思ってた人間の赤ちゃんだって、そおっと 抱っこなんかできず、ガシッとつかんでつい振りまわして しまうのですから。娘は初めて動物に触れたのでした。これをどこかで覚えていて、もうすこし大きくなってうさぎを飼いたいなんて言 い出したら、私はあのそおっができないので困ってしまうでしょう。自分でちゃんと面倒見なさいよ、なんて、絶対こうはなりたくないと思っている自分の母親と同じセリを言わなきゃならない時がくるような気がして、こわくなりました。

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2月6日
わけもなくイライラ 

よく、「子供が音がおかしいというので調律してください」と言われる。私は長年そのセリフをよく聞いているが、いつもどうしても、何かおかしい気がしてならない。 あ、それと似ているのが、「子供に聞いたらまだ音が狂ってないというので、今年は調律しなくていいです」というもの。 確かに、子供の方が音に敏感かもしれない。音楽をあまり 聴かないお母さんだったらなおさら、そういう気持ちになるのはわかるような気もする。でも、ピアノという 存在に責任を持つのは、お母さんでしょ。調律師にお金払うのは、お母さんでしょ。子供に、音が狂ってると言わ自分もちゃんと聞いてみて、子供の言うことわからなくてもいいから自分で受け止めて、噛み砕いて、お母さん自信の言葉で調律師と会話してほしい、と思うだけです。私はいつも言っていますが、狂わないピアノはないんです。子供が狂ってないと言っても、ピアノは狂うんですと私はお母さんに、大人同士として話しをしているんです。 お母さん、しっかりしてくださいよ

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2月4日
わけもなくなんとなく悲しい 

わけもなくなんとなく悲しい  毛利子来さんの本をよく読んでいます。 小児科のお医者さんであるこの人の、子どもへの視線が とても好きです。「確かに、子どもが好きではある。でも、そう言い切るとなにか、大きなものが抜け落ちてしまうような気がするのだ。」「...つまり、ただ無邪気で可愛い対象として愛することが出来ない。それより、辛く、悲しく、悔しい思いをしているにちがいない不確かな存在として、身を寄せたい気持ちがつのる。」「なにしろ、子どもは、自分の意志でこの世に生まれて来たのではない。親によって、生きさせられてしまったのだ。」(『父の乳』より) このごろの私のわけもなく悲しい気持ちはこれなのかな。

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1月30日
心を映す

調律師のつくるピアノの音は、その人の心を映すと信じたい。誰に も負けたくないとき、私はそんな風に思っています。ちょっと暗い んですけど。 3年くらい前に一度だけ、私の調律を、「きれいな調律だったねー、 あんな調律する人いるんだ」と言われたことがあります。自分でこ うしよう、と何か信念や考えがあってした調律ならとても自慢でき るのですが、お恥ずかしいことに、自分でこうしよう、という意図 が私にはなくて、というかまだよくわからなくて、ただきれいに調 律するには、こんな感じ?こんな感じ?と必死にやっているだけで、 だからそう言われて嬉しいけれど、同じことは二度とできないので す。だから自慢するようなことじゃないのです。 でも、私の目標は、その時の自分の調律なんです。私の憧れも、そ の時の調律のようにまた人から言ってもらえることなんです。 私は私でしかない、という部分の心を映す調律ができたらいいなと 思います。 しかし、調律は、人にピアノを弾いてもらってナンボのものなので す。出てくる音は、弾く人の心も映すのではないかと私は思います。 ということは、弾く人がとても上手だった、というだけのことだっ たのかな。まあいいか。それもとっても大切な出会いですよね。

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1月25日
ピアノを大切にするということ

11月に日記に書いた、古いピアノを修理するか新しいピアノを買 うか、という話しの人が、娘さんのためにやっぱり新しいピアノを 買うことになりました。お店に選びに行きたいというので、私も アドバイスできたら、と出かけました。 娘さんが弾いて、いちばん気に入ったピアノを買われたのですが、 弾いている途中にご機嫌が悪くなってしまいました。どうしたのか と思うと、家にある古いピアノはどうなってしまうのか、それが心 配で、どこかで処分されてしまうようなことになるのだったら、新 しいピアノなんかいらない、というのです。 優しい気持ちに胸を打たれました。古いものを大切に思う気持ちは、 私もとても大事なことだと感じています。新しいピアノもいいけれ ど、直すのがとても大変でも、そんなにいい音が出なくても、大切 にしているピアノから出てくる音は、心に優しく響く音をしていま す。 その娘さんのピアノは、引き取られてまた誰かが使うために手入れ されるはずなのですが、どこかで処分されるような悲しい思いをす るピアノにならないようにしてあげるには、持っている人がきちん と手入れをしていてあげることです。毎年調律をして、できるだけ 弾いてあげることです。弾かなくても、調律をしておくだけで全然 違います。練習が好きじゃないからもう弾かない、なんて言ったら、 弾かないから調律はいらない、なんて言ったら、その時からそのピ アノは、処分される日を待つだけのただのモノになってしまいます。 悲しいことです。

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1月20日
大人の勝手

このところずっと保育園のことで頭がいっぱいでごめんなさい。 日記を読むとそればかりで嫌になってしまいますね。 それに、保育園に入るのは娘。昨日の日記なんか特にそうだけど、 私がホッとするなんて、ほんと、大人って勝手。   

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1月19日
神頼みが効いた!

先週の保育園申し込みが終わったばかり、無認可の保育所から電 話がありました。12月にこっそり見学に行って、空き待ちをする ならと言われて名前を書いてきたもので、4月からなら入所でき るので予約金を払えば籍を確保してくれる、ということでした。 市に保育園の申し込みが終わってすぐ、というのはさすが。 広い園庭はかなわないけれど、見学の時の感じもよかったし、子 供クリニックもついていてすこし安心だし、ここでいいかな、と ホッとして、気持ちが楽になりました。

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1月16日
面談

私の所属する会社では、調律師と会社の面談というのが一年に一 度あります。仕事のことを話すのですが、今年の私は仕事をどう するかという話しになって、ちょうど4月から保育園に預けてほ どほどに復帰するつもりだと言うと、子供はできるだけ手元で育 てたほうがいいと思うけどね、と言われて、申し込んだそばから もう自信をなくしている私です

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1月14日
保育園申し込み!

相談した友人に教わったとおり、在職証明書のようなものに会社 でハンコを押してもらって、しかし私のような、会社勤めでなく 毎日仕事先が違う、時間もまちまち、という仕事をわかってもら うためと、どんなに今保育に困っている状況か、仕事ができなく て困っている状況か、というのを、延々とお手紙書いて、申し込 み書を提出しました。大変だー。みんなこんなことしてたのか。 本で読んだら、けっこうこれが普通らしい。 あとは運を天にまかせて。神様に祈るのみ。まさに困ったときの 神頼み。

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1月9日
保育園問題

さてさて、娘を保育園に入れようかと思います。先月からすご ーく悩んでいます。毎日頭から離れない問題です。 仕事をバリバリやろうというわけではないんですが、娘を今ま で母に預かってもらっていたのが、なんとなく大変になってき てしまって。実家までの往復のガソリン代、高速代と、母に形 だけ払っている仕事ひとつにつき1000円、これを一か月計算す ると、保育園に払う保育料にかなり近くなってしまうことに気 づいたのです。移動する車の中で娘は必ず泣くし、夜遅くの移動 になったりすると、昼でもそうなんですが、まわりにトラックが いっぱいで怖い。居眠りや酒酔いで後ろからトラックに追突され る、なんて事故を思い出してしまうと、車に乗るということで負 わなくていいリスクをわざわざ背負っているようで、娘に申し訳 ない気持ちになってしまう。 先月市役所に電話して聞いたら、世の中そういうものらしいんで すが、初めてでビックリの連続でした。保育園に申し込む以前の 時点からフルタイムで働かなければならず、預け先に困っている、 そういう人から優先的に入園できるらしいんです。えー、だって、 預けられないからフルタイムでなんて働けないじゃない。それな ら皆さんどうしていらっしゃるんですか?そう言っても、皆さん なんとかしてらっしゃるんです、と市役所の人は言うだけです。 おかしい。それに、無認可の保育所は保育料がすこし高くて、認 可の保育園はすこし安い、というけれど、フルタイムで働いて収 入がたくさんある人は多少保育料が高くたって払えるし、パート でしか働けないし収入も少ない、という人は、保育料の少しでも 安い認可の保育園に優先されてもいいんじゃないのかな。それが 違うのはどうして?わからないわからない。フルタイムで働いて 保育に困っているって言ったって、誰に頼まれたわけじゃなし、 自分の勝手でフルタイムにしてるわけでしょ。パートよりも優先 されるなんて、絶対おかしい。平等じゃない。バカにしてる。 隣の駅に住む会社の友人に泣きついて、相談にのってもらいまし た。彼女は二人の子供を0才から保育園に預けて、仕事を続けて います。 怒っている私を、お役所の人たちはそういうのわからないのよ、 と言ってなぐさめてくれました。お役所の方々、ほんとにわから ないんですか?

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1月8日
6ヶ月

7月8日生まれのおチビは、今日で6か月になりました。もう だいぶ人間らしくなってきて、ただのおチビではなくなって きたような気がします。それで、これからはちゃんと娘と呼ん であげようかと思います。最近は声をかけるとよくにっこりす るようになり、たまーにケタケタと声を出して笑うので可愛い です。 6か月という時間を、振り返って自分ではっきりその長さを感 じることのできる、この半年でした。いままで感じたことのな い、不思議な感じです。この6か月の時間を2回重ねると一年 なんだなあ。一年がとても短く思えます。 これはトシのせいかな?

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1月5日
離乳食開始

今週はヒマだ。仕事がない。用事もない。こんなに早くから ピアノの調律をしようという人があまりいない。私も、自分 の用事は何もする気が起きないし。 赤ちゃんの離乳食は5か月から、といわれているようだが、 5か月になった12月はなんとなく面倒くさくて(そんなこと 言ったら誰かに怒られそう?)、のんびりできるお正月に始 めるか、と思っていたらお正月はそんなにのんびりもしてい なくて、一週間まったくヒマ!という今がチャンス。 初めてなのでおかゆだけ。ちいさーいスプーンで唇をとんが らせて食べるおチビの顔がかわいくて、楽しくなってしまっ た。

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1月1日
明けましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします。日記をマメに書くように 心掛けたいと思っています。(ほんと?)


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