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イラク国民は米国にグリーン・ゾーン撤退を求める
Iraqis Want U.S. Out of Green Zone
バグダッド発、AP:
グリーン・ゾーンはバグダッドで最も安全な場所だと宣伝されるが、家屋をアメリカに占領されてしまった何千もの普通のイラク人は、アメリカ人がそこから出ていって、要塞が解体されることを求めている。
バグダッド市長アリ・アル・ハイダリはAP通信に対し、「われわれはアメリカ人がグリーン・ゾーンから撤退することを望んでいるし、そのように要求する。なぜなら、そこにはイラクの国家と個人の財産が含まれているからだ」と語った。「イラク政府はこの地域の管理権限を取り戻すべきだと思う」。
ブッシュ大統領は3ヶ月前に主権がイラクに返されたと言うものの、イラクの首都の心臓部にあるチグリス川沿いの10平方キロ、サダム時代の宮殿関係施設と市内で最も素晴らしい土地を含む地域が、アメリカの領土にされたままである。
アメリカ大使館、米軍司令部の中枢、好ましい国の大使館、そしてアメリカの契約企業が最高級の建物を占領している。その一方で、宮殿敷地の周辺には、砲弾やロケット弾の攻撃から守るために砂袋を積み上げて封鎖された何十もの駐車場が点在する。
三ヶ月間に2度しかグリーン・ゾーンの外に出たことのない西側外交官は、「それは世界のなかの世界だ」と表現した。「ここには一度もイラク人と会うことのない人々も相当いるだろう」。
首都じゅうに自動車爆弾と誘拐、銃撃戦が荒れくるっているとき、爆発をさえぎる壁に囲まれての生活は、アメリカの郊外におけるそれと似ている。短パン姿の女性が並木道をジョギングし、プールと喫茶店に隣りあった非番兵士用のラウンジと2軒の中華レストランは夕方には満員となる。域内の商店街には、ポルノ上映館から携帯電話のアクセサリーまでそろっている。
しかし完全に安全であるというわけではない。
5日にレストランの玄関で即席の爆弾が発見されたあと、アメリカ当局はグリーン・ゾーン内の警戒レベルを上げた。米軍の処理部隊が派遣され、爆破装置を無事に解除したと米軍高官が発表した。
7日には迫撃砲弾がグリーン・ゾーン内でも炸裂した。損害と犠牲者は報告されなかった。
一つの問題は、空きスペースがなくなったことだ。サダム時代の大理石を敷き詰めた受付ホールにある何十もの白木作りの部屋は、さまざまな政府部門に事務所がわりに提供されたものだった。
しかし治安当局は、外で起こっている事件が中にも波及する恐れがあると懸念している。
グリーン・ゾーンの常連となっている西側の治安当局者は、「そこでも誘拐の現実的脅威が感じられる」と話した。 「あまりにも広大すぎて、周縁部まで警戒するのはひじょうに難しい」。
グリーン・ゾーンも一日当り平均3件の迫撃砲攻撃を受けている。彼は匿名を条件にして、外国人居住者は夜間、あるいは一人での外出をしないよう、そして移動は最小限にとどめ、武器を持っているなら常に身につけておくように指導されたと話した。
今のところ、グリーン・ゾーンからは誰も誘拐されてない。しかし4月には、外出したあるアメリカ兵がトラックを故意にあてられ、攻撃者は車の後部につめこもうとした、と治安関係者が話した。近くにいたイラク人労働者のグループが介入して、攻撃者は逃げた。
バグダッドの治安関係者のあいだに回覧されている文書によると、9月には、アメリカ政府の職員が米大使館の駐車場で2人の男から殴られた。男たちは逃げ去る前に、アラビア語でなにか囁いていた。
グリーン・ゾーン周縁の線引きをおこなったアメリカ人の立案者は、重要な政府の建物近くに住んで、追い出すことのできなかった何百もの中流階級の住まいを区画内に取り込まなければならなかった。
「周縁部を歩きまわる若い男たちがいるが、彼らがほんとうにはどちら側の立場なのか、誰も知っている者はいない」とその治安関係者は説明した。
双方に不信感がある。
ウム・オマル(オマルの母親)とだけ名乗ったイラク人の主婦は、ゾーン内に取り込まれた50の雑居ビルの一つに住んでいるが、「グリー・ゾーン内に住んでいるイラク人とアメリカ人のあいだには、いかなる友好関係もない」と話した。
「私たちがアメリカ人と接触するのは、出入りするときに検問所でだけ」。
彼女はグリーン・ゾーンから出るには10分かかるが、外から戻るときには3時間はかかると話した。住民は5ヶ所の検問所を通過しなければならないからだ。そのうち2ヶ所はイラク人、3ヶ所はアメリカ兵から検問を受ける。「検問のために車が列になって停車していて、自動車爆弾の危険もあるのよ」。
もう一つの問題は、グリーン・ゾーンに住んでいる人間は、アメリカの後押しする暫定政府を倒し占領軍を追い出そうと17ヶ月間戦ってきた反乱勢力の戦士から、誰であれ疑いの目で見られていることである。
ウム・オマルは、「一部の人々は私たちをアメリカ人への協力者だと非難している」と言った。彼女は、どこであれ家賃がそんなに高くなければ、ためらうことなく引っ越しする、と話した。
アメリカ人外交官は、米国は今でもこの地域をイラク政府に譲渡するつもりでいると主張するが、バグダッドの治安状況が劇的に改善されるまでは不可能だと認めた。
バグダッド市長はおそらくアメリカ人の召使いと見られるのを恐れていて、そのような一部の当局者はすぐにも譲り受けたいと望んでいるが、他の者たちはもっと現実的な見解をもっている。
ファラ・ハッサン・アル・ナキブ内相の報道官サバハ・ハディムは、「理論的には、われわれがグリーン・ゾーン内のアメリカ人から引き取るものだが、他に優先度の高い懸案事項がある」と語った。
「この地域は厳重な警護が必要であり、そのための特殊な軍隊を持っていないので、われわれにはそれは困難だ」と彼は言った。
街頭で話を聞いたバグダッド住民は、アメリカの軍事力と政治権力の象徴が消えるまでは、アラウィ暫定首相には責任をもった主張ができないだろうと語った。
42歳の商店主イマド・サビルは、「イラクの主権は完全ではない」と指摘した。「アメリカの軍隊は立ち去るべきだ」。
彼はグリーン・ゾーンが博物館、公園、市民プールに変容するのを見たがっている。「国民はつらい時期を経験している」と彼は話した。
「国民が楽しんでピクニックできるように、政府はこの地域を作り替えるべきだよ」。
(Associated Press writers Raghad Iwaz and Sameer N. Yacoub contributed to this report from Baghdad.)
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