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サラハ・アル・モフタール: Salah al-Mukhtar:
イラク・レジスタンスは今後10年の戦闘態勢
The Iraqi Resistance is geared to keep on fighting for a decade to come

アラブ・モニター
2005年7月24日
http://www.arabmonitor.info/


英文記事はここをクリック
 サヌア発: (サヌア=イエメンの首都)
 バース党政権の時期、サラハ・アル・モフタールは何年ものあいだ、イラクの公的発言者のなかでは最も議論好きな1人であった。彼は国連へのイラク代表団として働き、その後、1990年から91年にはアラブ連盟で情報担当の事務局長補佐をつとめた。1993年から1998年にかけては、イラクの主要日刊紙『アル・グムフリヤ』の責任者となった。1999年からは、駐インド大使、2003年には駐ベトナム大使であった。

 サラハ・アルモフタール(61歳)は現在、イエメンに住んでいるが、いつの日か彼はイラクに戻り、イラクはふたたびバース党によって統治されるだろうと確信しているので、彼のイエメン滞在は「一時的」なものと強調する。アラブ・モニターはイラク人社会で一級の人物の1人モフタールとの完全インタビューをおこなうことができた。
 問 われわれが目にしているイラクのレジスタンスは、前政権によって準備されたものなのか、それとも占領されたなかで成長したものなのか?

 モフタール 正確に言うと、現在のイラクのレジスタンスはイラク政府によって作られたり準備されたものではないが、バース党の指導があった。2002年の初め、バース党はいわゆるアル・クドス軍によって市街戦を戦うために、約600万人のイラク人市民への訓練を完了した。占領軍と10年間は戦えるように、大・中・小あわせて約5000万の銃と必要な弾薬を含めて、サダム・フセイン大統領がすべての準備を管理した。サダム・フェダイーンと呼ばれるバース党幹部とバース党戦士のイラク人武装組織のほかに、ゲリラ戦に備えたグループもある。

 私の証言から君たちは次の結論に達することができる。すなわち、レジスタンスは主としてイラクの政治指導部によって準備されたのだと。もちろん、ゲリラ戦の準備を整えるために政府機構も使われた。

 イラクが占領されたあとには、何千人もの人々が武装レジスタンスに合流してきた。そのうちの一部はバース党組織に加わり、他の一部は彼ら自身の組織を公言している。当分のあいだ、アメリカの植民地的な占領と戦う多様なグループが多く存在し、これらの組織は進歩的な勢力、宗教団体、ナショナリストなどを含めて、さまざまな性質のイデオロギーを持つことになるが、主な組織はバース党員によるものである。こうした諸グループのあいだの連携に関しては、強力な調整と協力があると指摘することができる。


 問 もし準備されたものだとするなら、イスラムの宗教グループの増殖をどのように説明するのか?

 モフタール 解放戦争においては、占領に反対する戦いにあらゆる勢力を動員することがひじょうに重要である。祖国を解放する過程にはあらゆるイデオロギーと性格の勢力が参加したことを、すべての歴史的経験が証明している。例えば、ベトナムにおいては、アメリカの占領に反対して仏教徒が積極的に活動した。

 イラクでは、かつて人類史上に類のない危険な植民地主義と対峙(たいじ)している。というのは、外からの支援はなく、イラクの解放を保障するためには、すべての勢力が互いに団結しなければならない環境に置かれているからだ。イスラムの諸グループも進歩的な勢力や世俗的な勢力と肩を並べて戦っており、そのことは帝国主義者の占領を一掃するためにひじょうに重要かつ必要なことである。

 ここで幾つかの誤解を正させてほしい。

 殉教作戦(自爆攻撃)はイスラム勢力に限られたものではなく、バース党指導下の組織も殉教作戦に参加している。この種の戦法はイラク・レジスタンスがとりうる最も効果的な武器である。されは実際に、この国を占領するアメリカ軍をたじろがせ敗北させる力を持つイラクの大量破壊兵器なのだ。相手側がジェット戦闘機や戦車、ミサイルなどの近代技術を駆使した高性能兵器を持っているのに対して、イラク・レジスタンスが持っているのは粗末な兵器である。したがって、そのような敵の優位さをそぐために、殉教作戦はレジスタンスが持つ唯一の効果的な武器となっている。この種の作戦が、パレスチナ人組織によって、またベトナム人によっても、タミールの虎(※)によっても使われたことを思い起こしてほしい。
※訳註: <タミールの虎>は1976年、スリランカで結成されたタミールの虎解放戦線の略称。 http://en.wikipedia.org/wiki/Tamil_Tigers
 問 どれだけのイラク人がレジスタンスで活動しているのか?

 モフタール アメリカがイラクにでっちあげた政府の諜報機関情報によると、イラク・レジスタンスの戦士の数は、中心勢力として約20万人、その支持者が別に20万人とされるが、この数字は正しくない。なぜなら、いわゆるゲリラ戦には約300万人のイラク人が参加していて、そのような大海を魚たち(=レジスタンスのゲリラ戦士)は泳いでいる。

 バース党の支持者の数は約600万人であり、その半数としても、少なくとも300万人がレジスタンス戦士を支持していることを、皆さんは忘れないでほしい。戦士の数については、少なくとも40万人以上の人々が軍事的にもイデオロギー的にも25年以上にわたって訓練されてきた。この数字には、イラク軍の最良の将官、とくに共和国防衛隊が含まれている。


 問 レジスタンスは新設のイラク治安部隊、新イラク軍、新政府にも浸透しているように思われるが。

 モフタール 最初にも話したように、水面下でのゲリラ戦準備は占領の2年前に完了した。アメリカ占領軍の情報筋とレジスタンスの情報筋の双方から発表された情報によると、イラク人の諜報活動(=レジスタンス側よるスパイ活動)はあらゆるレベルに浸透しており、占領当局がデッチあげた新イラク政府だけでなく、アメリカ軍の最高司令部にも浸透することになった。なぜならば、アメリカ人にはアラビア語を話す翻訳者やガイド、労働者、専門家がひじょうに乏しいので、そこからイラク人の諜報活動が彼らの隊列に浸透した。

 新たに設立された治安部隊、それからいわゆる国家警備隊も、アメリカ人およびアメリカ人と協力するイラク人に対するひじょうに信頼できる情報源をなっている。イラク人のスパイ活動はひじょうに重要な作戦を完遂し、アメリカの植民地統治者だったポール・ブレマー氏が指摘したように、イラク・レジスタンスが遂行したなかで(アメリカにとって)最も痛手となった作戦は、軍事作戦ではなく諜報作戦であったことは間違いない。

 レジスタンスの諜報活動はイラクにもともとあった諜報機関によるものであり、それはレジスタンスに参加するために、諜報機関のエリート将校から選抜された。そのためにイラクの諜報活動は完全にアメリカ人を敵として駆使されたわけで、レジスタンス指導部のもとにあるイラク人の諜報活動はCIAを圧倒したとこは間違いない。 
 問 あなたはアブ・ムスアブ・ザルカウィの存在とそのイラクでの活動を信じていますか?

 モフタール ザルカウィの消息については確かな情報が存在せず、幾つかの情報は彼がイラク占領の初期に殺されたことを示唆しているが、他の情報提供者のなかには、彼がアメリカ軍に捕らえられていると考えている者もいる。いずれが正しい話であるにせよ、ザルカウィなるものは制約された範囲での現象であり、特定の地域で特定の役割を演じているのだと言っておこう。米国の諜報機関情報は、イラクでアメリカ軍と戦っている勢力はイラク人ではなく外国人だと描き、それによってアメリカの大衆世論に(テロとの)戦争が正しいものだと信じこませようとして、すべての攻撃作戦がザルカウィによって遂行されていると発表してきた。他方では、米国はそうすることによって、総じてイラク・レジスタンスの役割を過小評価し、特にバース党の役割を小さく印象づけたがっているのだ。


 問 レジスタンスと米・イラク軍との交渉は、もし行われているとして、有効なものだろうか?

 モフタール 唯一の事実は、米国とレジスタンスのあいだで、調停者を通して幾つかの書簡が交換され、その中でアメリカ側は、レジスタンスが何を望んでいるのか正確なところを尋ねたということである。レジスタンス側は、アメリカ軍の安全なイラク撤退を認める唯一の方法として、アメリカ占領当局が実行すべき幾つかの条件を設けることで回答とした。その条件のなかには、占領前と同じように、前米軍のイラクからの完全かつ無条件の撤退と、イラク国家と個別のイラク国民の双方に対する補償、イラク再建のために国際基金設立の必要性があげられた。
 米国が前提条件なしにレジスタンスとの交渉を追求したため、両者間には何の合意もできなかった。レジスタンス側は、いかなる交渉を始めるにも、その前に会談でみずからの条件を主張した。それはイラク側の要求をどのように遂行するかという詳細と完全撤退に集中すべきだというものであった。


 問 レジスタンスとの戦いへのバグダッド(イラク傀儡かいらい政府)の支援要請に対して、アラブ・イスラム諸国政府はどのように反応しているか?

 モフタール アラブ諸国およびイスラム諸国政府の反応は、アメリカ軍の面目を失ったさまを見ていることから、危惧(きぐ)と躊躇(ためらい)を特徴としている。アラブの諺(ことわざ)に、「何も持たなければ、何も与えることができない」という言葉がある。それでアラブの諸政府は、イスラム諸国政府も同じだが、イラクで戦う用意ができていないのである。というのも、最強の帝国さえが敗北し恥をかかせられているのに、彼らがどうしたらアメリカにできなかったことをやれるだろうか。もっとも、一部の政府がイラク派兵を準備したところで、その運命はアメリカ軍の運命と違わないであろう。


 問 イラク駐在のエジプト外交官の誘拐事件は正当化できるか?

 モフタール エジプト大使を誘拐した者たちは、エジプト政府がバグダッドの傀儡政府に手をさしのべ、アメリカの占領を支援することで、イラクにおいて否定的な役割を演じていると考えている。そのように思わせた理由は、大使館の外交的代表権限を昇格させた決定にある。エジプト政府はイラク侵略前に、外交的な代表権限を大使級に昇格させることを拒否していた。
 誘拐者たちが抱いた疑問は、なぜ今になって大使を派遣するのかということだ。また彼らは、エジプトが他国にもイラクへの大使派遣を促す計画を持つにいたったと考えている。それはエジプトが占領者のデッチあげた政府に正当性を認めようとしていると意味になる。傀儡政府を正当化する手続きを止めるには、彼らは制止するための手段として通常ではないことをしなければならないという結論に達した。これは暗殺者からのメッセージだと思っている。


 問 軍事力で排除されたイラク指導部を裁判にかけることがジャファリ政府にできると思うか?

 モフタール イラクでの主役であり真の演じ手は、ジャファリ政府ではなくアメリカ占領者なのだから、それはアメリカの判断にかかっている。手続き全体が国際法の見地から違法であるにもかかわらず、もし米国政府が判断を下せば、ジャファリはアメリカ人の命令に従うだろう。この裁判の件は、イラク・レジスタンスに対して、条件を主張しないで攻撃を止めよ、あるいは少なくとも攻撃を量的に減らせと、圧力をかけるための戦術だと考えている。


 問 アメリカの占領方針およびクルド人の独立国家建設の目標は、イラクのシーア派教徒の方針と、うまくやっていけるだろうか?

 モフタール イラクにおける米国の主要目標は、イラクを強く統一された国から弱い国へと造り変えることである。そうするためには、米国は宗派や民族を基礎にして、あらゆる種類の紛争と混乱を助長しなければならない。したがって、アメリカは異なる方針課題を調和させることには興味を持っておらず、まったく逆に、昔ながらの方針を採用しつづけている。それはアメリカとイスラエルの方針であり、イラクを三つの小国に分割するものである。(だから彼らには)現在、イラクを完全に支配する道を掃き清めるうえで、あらゆる勢力を互いに戦わせておくことが必要なのだ。


 問 イラク当局は憲法を起草することができると思うか?

 モフタール 憲法の起草はひじょうに簡単な問題だが、それ以上に難しい問題は、イラクでもっとも力を持っているのがレジスタンスであるなかで、どうしたらジャファリがその憲法を有効に施行できるかである。


 問 憲法を起草する委員会に参加したスンニ派教徒というのは、どのような者たちか?

 モフタール 彼らはイラクで実力も影響力も持たない市民の少数グループだ。イラクで精力的に活躍しているかという意味では、彼らはなにほどの者でもない。スンニ派、シーア派、クルド人と呼ばれる者は、CIAの召使いであり、長い間、それは意味をなさなかった。なぜならば、イラクは1つの国、1つの国家、1つの運命であり、誰にもこの事実を変えることはできない。


 問 バース党には、将来、公然と活動を再開する機会があると思うか?

 モフタール その質問が占領下でのいわゆる「政治プロセス」にバース党が参加するかという意味だったら、バース党は決してこのプロセスに参加することはないと断言する。しかし、バース党が権力をとるかどうかという意味であるなら、バース党は再び権力をとるだろうと言っておこう。なぜなら、バース党は戦場において優勢を保っているからだ。武装闘争とイラク・レジスタンスの発展を観察することによって、皆さんはイラクの大地を支配する者が将来の政府を担うという結論を得ることができる。


 原註: このインタビューはイタリアの報道機関であるアラブ・モニターによっておこなわれたものである。

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