2006-03-20 14:46


  38号

平成17年(2005)6月

浦潮瓦版

あなたの生活向上のために!

「ウラジオストク日本人会」

 日本人会インタビュー第7弾

ウラジオストクの今を撮りつづけるプロカメラマン

―― 安達貴さん

インタビュアー 小林 丈洋

 

しばらくお休みさせていただいていたインタビューシリーズ、再開に思い至ったのは、カメラマンとして活動されている安達さんのことを知ったときでした。美人モデルのポートフォリアから商品撮影、スナップ撮影まで、何でもこなす確かな技術は、ウラジオの写真業界では超一流との評価。最近はウラジオのみならず、日本の写真業界でも名前を知られるようになり、どんどん活躍の場を広げている、注目のカメラマンです。安達さんとは、どのような方なのでしょうか ―― ロシアの写真事情も含めて、自らの活動について語っていただきました。

 

―― 「写真家」といっても、日本人会の中にはピンとこない方もいらっしゃるでしょう。安達さんのお仕事というのは、どのようなものなんでしょうか。

撮影対象によって写真にもいろいろなジャンルがありますが、僕は基本的に頼まれれば何でも撮るんですよ。中でもメインに撮っているのはモデルさん。モデル事務所から定期的に仕事をもらっています。商品撮影の仕事も最近増えてきましたね。写真以外に、ウェブデザインも手がけていますよ。休日にはボランティアとして孤児院の慰問に行きます。前は地元の大きなボランティア団体に加わっていたんですが、大人数だとまとまりが悪いんで、最近は気の合った有志と行動するようにしているんですよ。

 

―― そもそも写真の道に入ったきっかけは何だったのですか?

 これがまったくの偶然なんですよね。始めたのはウラジオに来てからです。僕の妻はロシア人なんですが、妻の友人が「ファーストフォト」という写真関連会社で働いていて、ある日、そこに顔を出す機会があったんです。このころ、スナップなどを撮るためによくカメラを持ってぶらついていたのですが、その日も広角レンズのついた大きなやつをぶらさげていました。会社の中にモデル志望の女の子が勉強するためのモデルスクールの部門があって、僕のカメラを見たディレ

ターが、「あんたはどういう写真が撮れるのか」と聞いてきたんです。僕もいくつかモデルの写真も撮ったことがあったので、「モデルでも何でもやりますよ」と。

 

―― プロでもないのに、いきなり「なんでもやります」というのは、なかなかすごい度胸ですね(笑)。

 ええ、日本だったらふつう謙遜しますよね。でもロシアでは実績があろうがなかろうが、とにかくアピール(笑)。たいした実力はなくても、とにかくみんな自信満々なんで面食らいます。すると、ディレクターは、「もし興味があるんなら、お金は出せないけど、撮らせてあげてもいい」というんです。ここは3ヶ月コースのモデルスクールを開いていて、最後に「写真の撮られ方」という実習があるんです。このカメラマンをやってみないか、ということでした。持っていたのがごついカメラだったんで、ハッタリがきいたんですね。日本だったらモデルさんを雇うだけで高くつくので、まあタダでもいいか、と了解。2週間後に2、3時間かけて撮りました。

 

―― モデル撮影の仕事の第一歩ですね。

ええ。CDに焼いて、渡しました。そしたら、えらく感激したディレクターが、すぐに電話をかけてきて、「お金を払うからこれからも撮ってくれ」と言ってきたんです。そのうち今度はスクールだけでなく、実際にプロのモデルさんを撮る仕事をもらえるようになりました。これが写真家としてのはじめての仕事です。

 

―― 安達さんの写真が受け入れられたのは、なぜだと思いますか?

写真というのは、見る人によって全然違う受け取り方をされるものなんです。流行にも左右されます。去年はかっこよくても今年はかっこ悪かったりするものです。それから、同じモデルでも、見る角度によって見栄えがまったく違う。こういった要素をすべて考慮に入れて、クライアントに気に入ってもらえるものを撮る、これが僕のモットーです。日本の大御所のカメラマンは自分の感性を絶対視して、見る側のことを何も考えていないことがありますけど、僕は違和感を覚えるんです。プロは好きなように撮ればいいというわけではありません。自分ではこうしたクライアント志向が評価されたのだと思っています。もうひとり同じ仕事をしていた若いカメラマンがいたんですけ