アジェ (下京区西木屋町)

aje

untyou090の評価… 8点

安価で鮮度抜群の塩ホルモンを揃える終日満員御礼店 


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概観

概観2

極上ハラミ

並塩タン

店に着いたのは午後6時半頃だったろうか、これから長い長い戦いが始まろうとは露知らず、お腹が空いた とばかり復唱し期待に胸を膨らませていた私であった。
左記写真通り店名は「アジェ」とかかれた年期の入った暖簾が店の前に掛けてあり、その隣には 10人〜15人程収容できる待合室が設けてある。私が店に到着した時には既にその待合室は満席で 、中に入れない人は外で立ち往生している状態であった。
「凄いなぁ」
今迄待ちを経験した事が 無い私は些か面食らったが、今日は期待できるかもなあ、うひひひひひ とほくそ笑み、着くや否や暖簾の中心に掲げてある順番待ちの 申し込み表に名前を記入した。既に10人から15人の先着がいるようで、 その時はまあ30分くらいで入れるだろうという楽観的観測に至った。
初めの待ち時間の埋め合わせは待合室や店の前で立つことをせず周辺を ぶらぶらする事にした。その時撮ったのが二段目の写真で、裏から撮ったアジェの 様子である。焼肉の煙が建物の壁を隅々まで焦がし、ある種威容な面持ちである。 その後高瀬川周辺の店を見て廻り、順番を飛ばされては困るので一旦店に戻る事にした。
「ん?動いていない」
全くといって回転していない。私の名前から下は名前が増えていたが、肝心の上の名前は 消されていない。此れは困った。待ち時間を大幅に修正する必要性があるようだ。
店の前でずーっと立って待っているのはやはり性格上受け付けなかったので もう一度ふらふら彷徨する事にした。
いやーでも高瀬川あたりの店は洒落た店が本当に多い。京都独特の木材建築が又素晴らしい。 もし神が私に一軒やを授けようと言ったならばこのような木材を使用し、枯山水の庭 を有した情緒有る伝統的日本風建築により作られたものがいいなあなんて理想主義的な感慨に耽けていた。
観光は楽しくはあったが流石に腹が減ってきた。しかしだからといってどうしようもない。只管待つ事しか 手段はなく、その後30分程経ちまた店に帰った時はすでに日は落ちていた。順番待ち表をそっと覗き込む。未 だ前に7人はいる。
もう一度出直しだと思い近くのデイリーストアで時間を潰す事にし、そこで購入したお茶は 格別美味く感じた。空腹状態はお茶の力を最大限に引き出したようだ。
またその後20分程経過し後5人という所まで来た。しかし、これからが本番であった。
次はもう店の前で待つ事にした。しかし、ウロウロし尽して疲労困憊した私にずっと立 って待つという動作は更に私の体を追撃し、店から出る焼肉の香りが否応無に鼻に 入ってくるのは又精神的にも辛かった。
ひたすら待った。腕を組み、唯ひたすら。一組店から出てくると一組呼ばれ、店に入っていく。その光景を 私も含めた店の前で極限の空腹状態で立っている人々がその一挙手一投足を傍観する。何やら緊迫した空気 が流れている。有る一組の男が店から出てきた。
「あ〜腹一杯。もう喰えないや。あははは〜」
と言った瞬間空気の読めぬその男はあらゆる方面からの白い視線を受けたのはいうまでもない。言動には気をつけよう。
店から食べ終わった人が出てこないかとずっと見ているのも疲れたので、呼ばれるまでの残りの時間は静か〜に、静か〜にと、仏になったよ うな精神状態で待つ事にした。
その後30分は待ち、私の名前が呼ばれたのは店に到着して1時間45分後の8時15分の事であった。青天白日の気持ちと いうのはこういう時の事を表現するのかもしれない。
暖簾を潜る唯それだけの行為に喜びを感じた。店に入れた、唯それだけの事である。
カウンターの席に誘われ丸い椅子に腰を下ろした。店内は活気に満ち溢れている。見渡すと目に映る人々の 肉を食すその笑みと笑い声。それもその筈、今この場で肉を焼き食べている人々もみな私同様、長時間の待ち時間を 耐え抜いた精鋭なるサムライばかりである。そう思うとなにやら周りで食している人々に同胞的感情が湧き、 又耐え抜いた事の悦びを噛締めた。
私は早速メニューを手に取る。
注文品は生キモ(800)、生セン(800)、塩特上ハラミ(1000)、塩タン(800)、塩上バラ(900)、塩ホソ(小腸) (600)、塩ココロ(600程)、塩上ミノ(800)である。ちなみに渡されるメニュー表とは別にホワイトボードに 「今日のおすすめ品」というのが設けられているので見逃してはいけない。
付き出しは千切されたキャベツにドレッシングをかけたものが出される。次にもってこられたのは生キモ(800)、 生セン(800)だ。800円は安くは無い。しかしその鮮度ときたら双方これまで数ある焼肉店の中でもピカイチ モノである。生センもさる事ながら生キモは特に絶句モノだ。臭みなんてものは言語道断まったくありゃし ない。むしろその甘みに圧倒されるのみだ。あの時長時間待って本当に良かったと何度も何度もそう思い、キモを 口中で躍らせたものである。
次にもってこられた上記三段目の特上ハラミがまた驚きだ。ハラミの上に何やら粉がふりかけられているが、余りの 厚みと可憐な容姿に目を奪われ、写真を撮らずにはいられなかったのだ。このハラミはなんといっても口に入れた弾力性のあり方が半端ではなく、肉が未だ生きている かの如く感じさせる。これは嘗て東大阪で出会ったかまちゃんと同等いやそれ以上の力を 備えた怪物だ。
ここで残念なのは余りの入店の遅さ故に上塩タンが食べる事が出来なかった事だ。アジェの評価は8としているが 、実際9でもよかった。しかし私の大好物の上塩タンを食べずして9点はどうかと逡巡した。もし上塩タンを 食べる機会があればアジェの評価を変更しようと思っている。ちなみに塩タンはといえば800円とそこそこ安めで鮮度 は流石の一言で、他店の並タン以上は望める味である。
メニュー表では唯一赤で書かれてあるアジェお勧めの一品が塩ホソ(600)である。ホソは小腸の事で、皿に10切れ程が 盛られたボリューム満点の品である。このホソには特別のピリカラであっさりとしたダシのタレが用意されてあり、 店側の力の入れようも感じる。これもまた綺麗の何の。鮮度の高いものを仕入れる事ができなきなかった時は否応無し に店を閉めるというその心意気が十二分にそのホソを眺めていると伝わってくる。火に炙るのが勿体無いくらいだ。 そのホソの脂の香ばしさは嘗てやまがた屋でも味わった事がある。流石にプロのやま がた屋のマスターが嘗て焼いてくれた小腸はこの日私のようなアマチュア君が焼いたホソでは比するに値しないが、 もしマスターがアジェのホソを焼けばどのくらいの味を引き出すことができたのだろうかと思った。 この場を借りて未熟な私に焼かれたホソとかのような素晴らしきホソを出してくれたアジェにお詫び申し上げる次第である。
塩ココロ(600程)はピリカラの薬味が付されているのだがこれまた新鮮尚且つ歯応え抜群。これ程美味い焼ココロを出す 店の生ハツは如何なるものか、生憎品切れで食べる事は出来なかった。すべては入店の遅さに原因がある。仕方ない。
塩上ミノのも又綺麗であった。ピンク色である。鮮度無くしてこんな芸術的な色は決して出せない。
上バラはハラミ程の感動をそそる品ではなかったが、冷静に考えて他店で出てくる900円の肉の質ではなかった。 あとキムチ、もやし、辛麺といったものを食し合計8000円。一人で換算すると4000円である。いつもより確実に多く食べた。しかしこの値段である。
今思い返しても1時間45分待ちは非常に堪え辛かった。この付近には代替の店はいくらでもある。しかしなぜ人は皆この店で 待つ事をやめないのか、それは唯一つ。待つ事以上に得られる幸福がその先にあるからだ。ここ飽食国日本で金を積むだけでは到底得られない幸福感が此処にはある。苦労して得る悦び。苦労して食べる悦び。味わってみてはいかがだろうか。
貴方にはその覚悟があるか?

私はある。

(追記)拙い文章を最後まで読んで頂き有難うございます。アジェは本当に混みますので、出来るだけ待つのを避けたい方は少なくとも開店時間に行く事を お勧めします。


(追記2)二号店がオープンしたそうなので紹介させて頂きます。
海鮮チゲ専門店【アジェ】
京都府京都市中京区姉小路堺町上ル 075-223-3737 PM5:00〜AM:00(L.O.11:00) 不定休



住所 京都市下京区西木屋町通松原上ル 水町454美松会館1F
電話 075-352-5757
営業時間 平日18:00〜0:00
日曜・祝日17:00〜23:00
最寄駅 阪急河原町
予算 3500〜4000円
定休日 不定休(木曜に休みが多いらしい)
駐車場 なし(隣にコインパーキング有り)
HP あり



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