うのとろ母乳相談室のプロフィール

    

 鵜瀞 恵(うのとろ めぐみ)のこと

  1949年生まれの助産師。3人の息子の子育て

 をとうに終わり、孫は女の子3人と男の子2人い

 ます。

  1995年に千葉市新生児・妊産婦訪問導員にな

 っことが母乳’にかかわるきっけとなり、

 翌年、母乳相談室(うのとろ助産所)を開設しま

 した。

  専門的な乳房のケア法や母乳育児支援の方法は、

   助校の大先輩である山西みな子氏の自然

   児相談所で研修しました。

 

  相談室を始めるまでのこと  

2006年4月発行『育児は生き方』初版あとがきより 

 

  母乳相談室の仕事を始めて、今年で11年目に

 

なります。

 

乳育児への思いや日頃から感ていることを

 

本としてまとめたいと思っていましたが、やっ

 

と出版できることになりました。

 

 プロローグでも述べましたように、「母乳」と

 

の出合いは偶然でした。いま、こうして母乳相

 

談の仕事をしている自分がいて、人生なにが転

 

機になるかわからないと不思議に思います。

 

 私は、助産婦学校を卒業と同時に結婚し就職し

 

ました。その年の12月には長男が生まれ、23

 

で母親になりました。

 

 仕事をしたいという思いはありましたが、私に
 
 は仕事と家庭の両立はむずかしく、 約12年間、
 
 3人の息子たちの子育てと主婦業に専念しまし
 
 た。
    

   長男が中学1年生になった時、パートタイムで

 

 看師として再び働き始めました。

 

 そして、三男が高校に入り、40歳をすぎた私は、

 

人生の折り返し点に立っているように感じ、自分

 

はこの先、何をしたい のかと考えるようになりま

 

した。

   

 そこで、その少し前から興味を持っていた心理学

 

宗教な“人間に関すること”を学んでみたい

 

と思い、慶応義塾大学の通信教育課程文学部に

 

学しました。その年の約1月間にわたる夏期ス

 

クーリングを受講するために、病院も辞めました。

  

 それからの数年間は学生にもどり、その合間に、

 

  新生児妊産婦訪 問指導員の仕事をするという感

 

じでした。

 

 2年目の夏期スクーリングでは、バイオエシッ

 

クス(生命倫理学)に出合い、「患者の権利」

 

「インフォームド・コンセント」など、新しい考

 

え方を知りました。

  

 卒業論文は日頃から感じていた「妊産婦の多く

 

が母乳育児をしたいと意欲的なのに、どうして成

 

功しにくいのか」をバイオエシックスの視点から

 

考えたいと思いました。

 

 当初、「母乳」はバイオエシックスから考えに

 

くいテーマでしたが、なんとか『妊産婦の権利と

 

自己決定―母乳育児めぐってー』という題でま

 

とめることができました。

 

 これも、倫理学の樽井教授の丁寧なご指導のお

 

陰と感謝しています。

 

 この卒業論文は本書のベースであり、仕事を

 

る上での私の指針となっています。

   

 この10年間、いろいろなことがありました。

 

母乳相談の仕事は、私の性(しょう)に合ってい

 

て、とてもやりがいがあります。来室されたお母

 

さんと心のふれあい”を持てる喜び、かわいい

 

ちゃんと接することも楽しいものです。

 

 時に、自分のいたらなさや力不足を反省したり、

 

お母さんから教えられたりすることも多く、私

 

自身も良い刺激を受けていると感じます。

  

 この本が、これから出産する方、母乳で育てた

 

と思っている方、そして、そのご家族に少しで

 

もお役に立てば幸いです。編集の清水稔子さんに

 

は大変お世話になりました。彼女は編集者として

 

より、まず、出産や育児の未経験者として、まっ

 

さらの状態私の原稿を読んでくれました。

 

知らなかっことがいっぱいあったと興味を示し

 

てくれ、私の言葉のりないところに疑問を投げ

 

かけてくれました。

 

そして最後に、励まし、協力してくれた夫にも感

 

の気持ちを送ります。  (2006年3月)

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 私の母乳育児への‘思い’とスタンス

   

  『育児は生き方』P50〜51

    母乳で育てるか、ミルクで育てるか  より

 

  この問題に関して、ダナ・ラファエル(米国の

 文化人類学者)は次のよう述べています。

          (『自然の贈り物 母乳哺育』)

 

 

 ……しかしたとえ三週間や六週間、あるいは三

 ヶ月でも母乳をあげて、自分の意志でやめたと

 しても、それはそれで母乳哺育が成功したこと

 になります。

  食物やミルクが保証された国では、母親の満足

 感と興奮と喜びとが、母乳哺育の成功を決め

 基準なのです。(P48)

  理屈抜きに、お母さんはそれぞれ自分に合っ

 た授乳の方法とるべきです。(中略)

  母親の考えが何より優先する、という時代に

 私たちがいることは大変恵まれています。赤ち

 ゃんにお乳をあげることは、お母さんなしには

 始まりません。  赤ちゃんとお母さんの両方

 納得いく方法を選ぶ権利は、お母さんに与えら

 れなければならないのです。 (P118)

  

     

  私は、彼女の考え方、スタンスに共感してい

 

 ます。母乳育児とミルク育児のそれぞれの特徴

 

 を知って、自分の性格やライフスタイル、育児

 

 観に合っていると感じるやり方で赤 ゃんを

 

 てられればいいのです。そうすれば母親は無理

 

 することなく、リラックスして赤 ちゃんに接す

 

 ることができます。

 

   問題は、「母乳育児をしたいのにできない」

 

「母育児を強く希望していたのにできなかった」

 

 場合なのです。なぜなら育児のスタート点での

 

 そのような体験は、その後の育児にも少なか

 

 ず影響するからです。

  

      私もそうでしたが、まわりの人が思う以上に

 

 本人には痛手になり、努力が足りなかったと自分

 

 を責め、後ろめたい気持ちになりやすいのです。

 

 ミルク育児になったことでコンプレックスを 感じ、

 

「こんなはずではない」という不本意な気持ちを引

 

 きずって、育に自信を持てなくなることが問題

 

 なのです。

 

     これは後年になってわかることなのですが、子

 

 ども が一人前に育つ過程にはさまざまなことが関

 

 係します。子育ての長い年月を考えれば、「授乳」

 

 はほんの1〜2年という短い期間のことす。

 

大切なのは、母乳かミルクかではなく、“母親がど

 

のような気持ちで育児をしているか”なのです。

 

でも初心者の母親には、その時はそうは思えません。

 

 そういう意味からも、「母乳で育てるべき」「誰

 

も母乳は出るはず」「母乳を与えれば、育児は万

 

事うまくいく」といった発言や、反対に、「なんで

 

そんなに母乳にこだわるの?」「母乳もミルクも同

 

じように育つのだから、母乳に固執することはない」

 

というようなことを、母子にかかわる医療者や専門

 

家が安易にうことはひかえた方がいいと思います。

 

 医療者や専門家が個人的にどのような考えを持っ

 

いようと、その役割はあくまでも、求められた時

 

に、正しい知識や情報、適切なケアを提供すること

 

です。

 

  かく言う私も、母乳育児の良さを目の当たりに

 

ていると、母乳育児をより多くの母親にしてほし

 

と思うあまり、“思い入れ”が強くなっている自

 

に気づき、反省することがあります。

       

  

        〈『育児は生き方』 P50・51より 〉

   

  

   『育児は生き方』増補新版の紹介

       2014年3月15日出版

                      

                               

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