北海道の境界未定地域

北海道内の境界未定地域がまとめてあります。


ご覧になる前に風連湖(根室市・別海町)然別湖(上士幌町・鹿追町)紋別市・生田原町・遠軽町・上湧別町・湧別町上士幌町・鹿追町更別村・忠類村釧路町・厚岸町泊村・留夜別村留別村・紗那村・蘂取村浜頓別町・枝幸町苫小牧市・早来町・厚真町千歳市・恵庭市伊達市・壮瞥町喜茂別町・京極町



ご覧になる前に

[国土地理院, 1/25,000]」となっているリンクは、国土地理院地図閲覧サービス「ウォッちず」にある地図へ直接リンクするようになっています。初めてご覧になる方は、前もってウォッちずの説明FAQをご確認ください。

なお、国家間で領有権を主張しあっている場所として、北海道内には歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島からなる「北方領土」と呼ばれる地域[Mapion,1/1,500,000]がありますが、「日本国内の自治体間に存在する」境界未定地域ではない「北方領土」としての境界問題については、このサイトでは取り扱いません。具体的には、国後島は泊村・留夜別村間で、択捉島は留別村・紗那村・蘂取村間で、それぞれ境界未定となっていますので、以下に項目が用意されていますが、歯舞群島は根室市、色丹島は色丹村にそれぞれ帰属していますので、歯舞・色丹の項目はありません。

また、ここでは「平成16年 全国都道府県市区町村別面積調」の「北海道(道東)」・「北海道(道北)」・「北海道(道央)」・「北海道(道南)」を元に調べてあります。


風連湖【根室市・野付郡別海町(根室支庁)】

最初に道東の境界未定地域を取り上げます。全体図を見ただけでは未定地域が分からないかもしれませんが、ここは風連湖の湖面が未定地域となっています。「ご覧になる前に」で挙げた「北海道(道東)」には次のように書かれていて、実際国土地理院の地図では、風連川の部分までしか境界が表現されていません。

風蓮湖は,水面が境界未定のため,根室市及び根室支庁別海町の面積には含まれません。

http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/200410/doutou.htm

全体図 [Mapion, 1/150,000]

南側が根室市で、北側が別海町です。上記Mapionの地図では一部に境界線が引かれていますが、以下のリンクのように1/21,000の縮尺で確認すると、境界線は描かれていません。

(一)未定地域最東部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

砂洲の切れ目のあたりにリンクしています。

(ニ)ハルタモシリ島付近 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

風連湖に浮かぶハルタモシリ島は、「Mapion判定」によると別海町走古丹のようです。

(三)未定地域最西部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

風連湖に注ぐ風連川、その河口付近にリンクしています。


然別湖【河東郡上士幌町・河東郡鹿追町(十勝支庁)】

実は、今回(平成16(2004)年)より新たに加わった項目だったりします。関係する項目として「上士幌町・鹿追町」もありますので、参照してください。

北海道(道東)」の然別湖の項目を見ると、平成15(2003)年時点の面積も書かれているので、ずっと存在しているかのようですが、「平成15年 全国都道府県市区町村別面積調」の「北海道(道東)」には「然別湖」という項は用意されていません。ただ、新規に発生した境界未定地域というわけではないようで、書かれている面積から考えると「上士幌町・鹿追町」から分派したものと思われます。なぜ分裂したのかというその理由がよく分かりませんが、湖面に存在する境界未定地域は別項として取り扱うという方針が徹底された、と捉えればよいのでしょうか。それでも、上士幌・鹿追町間の境界未定地域は然別湖しか確認できず、前述のような捉え方にも無理があるのですが…。どういう理由でこういう扱いになったのでしょうか、非常に気になります。

なお、湖面にぽつんとたたずんでいる「弁天島」は、「Mapion判定」だと上士幌町のようです。

全体図 [Mapion, 1/75,000]

東側が上士幌町、西側が鹿追町。この地図だと湖面上に境界線があります。が…

(一)未定地域南部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

然別湖の最南部付近です。全体図では境界線があったMapionも、縮尺を1/21,000にすると湖面に境界線はありません。

(ニ)未定地域北部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

然別湖の最北部、「野営場」の東側で境界線が途切れています。


紋別市・紋別郡生田原町・紋別郡遠軽町・紋別郡上湧別町・紋別郡湧別町(網走支庁)

ここでは5つの自治体が関係しています。そして北海道らしく、境界未定の地域が他と比べて広くなって ます。未定地域の数が多いので、詳細についてはそれぞれの未定地域の項目で説明してあります。

その1≪紋別市・湧別町の未定地域≫ 全体図 [Mapion, 1/75,000]

中心点の北西側が紋別市、東側が湧別町です。

(一)未定地域北部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

シブノツナイ湖周辺です。海岸から湖畔までの狭い陸地にはかろうじて境界がありますが、湖面より内陸にかけては境界がありません。

(ニ)未定地域南部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

シブノツナイ湖に注ぐシブノツナイ川に沿って未定地域が続きますが(「未定」なのだから「続く」という表現はおかしいですが…)、このあたりで境界が復活します。

その2≪生田原町・遠軽町の未定地域≫ [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

南が生田原町、北が遠軽町です。尾根上と平野部にそれぞれある境界線が結びついていません。

その3≪遠軽町・上湧別町の未定地域≫ 全体図 [Mapion, 1/75,000]

上記リンクでは一部しか境界未定となっていませんが、実際は石北線遠軽駅の北方から、紋別市境までが未画定の地域となってます。南側が遠軽町、北側が上湧別町です。

(一)未定地域東部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

サナブチ川(縮尺によっては社名渕川、正式な河川名の表記はどっちなんだろう?)に沿って境界が定められていますが、吉成橋のあたりから西側が未画定のようです。

(ニ)未定地域中央部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

このリンク先だけでは、どこの部分なのか分かりませんが、「全体図」リンク先の縮尺変更バージョンです。

(三)未定地域西部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

紋別市との境界付近です。ここまでが未定地域となっているようです。

その4≪上湧別町・湧別町の未定地域≫ 全体図 [Mapion, 1/75,000]

東側が上湧別町で、中央部(「緑蔭」と地名が書かれているあたり)が湧別町です。上記リンク先の地図では、北東側の一部だけが画定しているだけのように表示されますが、実際は上記地図の中心(下の(二)の場所と同じ)までが未定地域となっているようです。

(一)未定地域北部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

未定地域の北端です。縮尺を1/75,000に変えると、地図の北部に「その1」の未定地域も確認できます。

(二)未定地域南部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

上の「全体図」リンク先と同じ位置で、縮尺を変更したものがこちらです。これ以降、紋別市界とぶつかるまで、上湧別町と湧別町の境界は画定していますが、Mapionの1/75,000には境界が書かれていないようです(紋別市との境界に上湧別・湧別町界がぶつかるあたりの地図である1/21,0001/75,000を参照してみてください)。


河東郡上士幌町・河東郡鹿追町(十勝支庁)

然別湖」でも取り上げている、上士幌町と鹿追町の境界未定地域です。

…ですが、いくら探しても、然別湖以外にこの2町間の境界未定地域が確認できません。可能性として、然別湖周辺が境界未定であるということが考えられますが、地図からそのことを読み取るのは不可能です。とにかく、この項は「境界未定地域未確認」ということで、「余談」の「WANTED!」に載せておきます。何かご存知の方は教えていただきたく思います。


河西郡更別村・広尾郡忠類村(十勝支庁)

十勝支庁にあるもう一つの境界未定地域は、帯広南方にある更別村と忠類村の間にあります。地形的には他の未定地域と比べてなだらかな部類の場所であるにもかかわらず、けっこうな長さで境界が定まっていないようです。

全体図 [Mapion, 1/75,000]

北西部が更別村、南東部が忠類村です。それにしても忽然と境界線が消えています。そして、それは大樹町界まで現れません。

(一)未定地域東部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

忽然と消えているほうです。…と言っても、道路の形状や標高線を見る限り、境界が消えているあたりは段丘になっているようです。

(二)未定地域西部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

南西部が大樹町です。2つの村の境界は隣町の境まで未定のままとなっています。


釧路郡釧路町・厚岸郡厚岸町(釧路支庁)

北海道の広大さを示すかのように、この境界未定地域も広大です。全体図のリンクを1/150,000で表示させようと思ったくらいの広さです。ただ、その縮尺だと西側の画定している境界線が表示されないため、全体図では1/75,000でリンクしてあります。

全体図 [Mapion, 1/75,000]

南側が釧路町、北側が厚岸町です。この地図だと分かりにくいかもしれませんが、画定している境界線の東側は中心点の東北東方向(「尾幌分水」のあたり)に、西側は中心点のちょうど西側(国道44号線が地図から見切れるあたり)に、それぞれ確認できます。

(一)未定地域東部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

国道44号線と交わった後、境界線が行方不明になってます。どうやらルークシュポール川の流域が境界未定地域のようです。

(ニ)未定地域西部 [Mapion, 1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

海岸線付近の一部分だけ、境界が画定しています。少々気になるのは、画定している境界線の長さが2つの地図で違っている点です。Mapionの境界線の方が微妙に長く描かれています。


国後郡泊村・国後郡留夜別村(根室支庁)

郡名を見れば分かるように、国後島、つまり「北方領土」と呼ばれる地域の自治体です。北方領土のうち、島内に2つ以上の自治体があるのは国後島と択捉島だけなので、境界未定地域が発生する可能性があるのはその2島だけなのですが、両島ともに境界未定地域を内在しているようです。もっとも、現在北方領土は事実上ロシアによって占有されています。このため、境界がどこまで画定していて、そしてどこが未定地域なのか、まだ自信のある答えを見出せていません。

なお、北方領土の境界未定地域については、国土地理院の1/200,000地勢図(以降「地勢図」と略します)も併用して確認を行っています(使用した地勢図はこの項の末尾に記載)。また、国土地理院の地図閲覧サービスに北方領土の地図は用意されていません。よって、この項目と次項について、国土地理院へのリンクはありませんので、あらかじめご了承ください。

全体図 [Mapion, 1/150,000]

Mapionで境界線が確認できるのは、この縮尺のみとなっています。ただ、国土地理院の地形図閲覧サービスには北方領土の地図がありませんので(単に1/25,000が存在しないからでしょうけど)、Mapionに地図があるだけでも良しと考えるべきでしょう。地勢図「知床岬」で確認してみたところ、ニキショロ湖に境界線がないように見えるので、湖面が未定地域になっているのかもしれません。が、境界線があるかもしれないあたりに「ニキショロ湖」と地名が書かれていたので、そこが未定なのか画定しているのか、地図だけでははっきりしたことが分かりませんでした。

≪参考資料≫


択捉郡留別村・紗那郡紗那村・藥取郡蘂取村(根室支庁)

泊村・留夜別村」の項目でも触れてますが、こちらは北方領土の択捉島にある境界未定地域です。現在択捉島内には3つの村(西から順に留別、紗那、蘂取)があり、その3村すべてが未定地域を抱える自治体となっています。もちろん、こちらも国後島に同じく北方領土であるため、現状では住民の存在しない、いわば「幻の村」ですから、境界が未定であっても今のところは別段問題ではないのかもしれません。

この項に限って、「境界未定地域」へのリンクではなく「境界がある場所」へのリンクにしてあります。他の地域では考えられないことですが、択捉島では境界線が引かれている場所の方が珍しいためです。また、すべての境界線は海岸から島の内陸部へ向けて引かれているものの、すぐに未定となっているという点も、境界線に対してリンクする要因となっています。境界線だけに注目することで、境界未定地域が逆に浮き彫りとなる、現在の択捉島はそんな場所になっているようです。

択捉島の境界 その1 [Mapion,1/75,000]

上記リンクに境界線はありませんが、地勢図「得茂別湖」の同位置に境界線があることを確認しています。場所は択捉島の西部、ブッソウ崎から北方へ向けて2kmほど境界が書かれています。

なお、地勢図に描かれた境界線をよく見ると、一点破線で書かれています。地勢図における一点破線は「町・村・区界」であり、「市・郡界」の境界線は二点破線です。択捉島に現在あるとされている自治体は、3つの郡と3つの村、つまり1郡1村のはず…。となると、この境界線は現在の択捉島にはありえないはずの境界ということになります。

択捉島の境界 その2 [Mapion,1/75,000]

こちらもMapion上に境界線は記されていませんが、地勢図「得茂別湖」では境界線が確認できます。場所は「その1」の南東、萌消崎から萌消湾に沿って境界が3kmほど描かれています。また、この境界線は「その1」と同様に一点破線で示されており、「町・村・区界」を示しているようです。

そこで、『角川日本地名大辞典1 北海道 下巻』(以下、『角川地名辞典』と表記)で調べてみました。すると、択捉島南部の集落「内保」[Mapion,1/75,000]の範囲を示す説明の中に「西海岸のオンネモイ以南、アトサヌプリ山からモイケシ岬〜(中略)〜までの地域」と書いてあります。「モイケシ岬」はおそらく「萌消崎」のことだろうし、内保地区は萌消崎よりも北東に位置することから、萌消崎が内保地区のオホーツク海沿岸の端、すなわち境界ではないかと思われます。

さらに内保地区について調べていくと、内保は大正12(1923)年まで「択捉郡内保村」として存在し、その南には同じ択捉郡の「丹根萌村」があったようです。となると、「その1」と「その2」で確認できる、現在地図上に見えるこれらの境界は、当時の「町・村・区界」ではないかという推察ができそうです。もちろん確証はありませんが、当時の境界線が現在の地図にも残ってしまっていると考えるのが妥当ではないかと思います。なお、択捉島における自治体の変遷図をこの項の最後に付け加えてありますので、そちらも参考にしてみてください。

択捉島の境界 その3 [Mapion,1/75,000]

Mapionの地図ではどの縮尺にも境界線がありませんが、地勢図「紗那」を見るとトマカラウスとカンケカラウスの間を流れる川(地勢図では丁寧川という名前になってます)に境界が1〜2kmほど書かれています。なお、この境界も「その1」と同様、地勢図上では一点破線で書かれていることから「町・村・区界」であると考えられ、現在の択捉島には存在しないはずの境界です。

これも本で詳しく調べてみることにします。『角川地名辞典』の「振別」の項を見ると、振別地区[Mapion,1/75,000]の南東側の海岸線の説明として「東海岸の単冠湾内のラッコ島以東から恩根別,チカポロに至る」とあります。Mapionにラッコ島についての記述はありませんが、地勢図上では天寧と書かれている場所の北側にあるゴツゴツした海岸線のあたり[Mapion,1/75,000]に「臘虎島」として地名が書かれています。また恩根別は、単冠湾西部で海へと注いでいる河川[Mapion,1/150,000]が地勢図では恩根別川となっていますので、おそらくその流域の河口付近にでもそのような地名があったのだろうと思われます。

…と、ここまでは良いのですが、問題はチカポロです。この項目の見出しに挙げたリンクの南に「チカッポロ」と書かれています。これが『角川地名辞典』の「チカポロ」のことでしょうが、もしこの記述が正しいとすると、振別地区、言い換えればかつてあった振別郡振別村は、この項目で紹介している境界、すなわち地勢図上に表現されている境界線を飛び越えてしまっていることになります。

この矛盾を調べるために、この海岸線をもう少し西方向へ見ていくことにします。チカッポロに続いて海岸線沿いに書かれている地名は、順にマトロ・具谷[Mapion,1/75,000]となっています。具谷については『角川地名辞典』に記述があり、明治〜大正期にかけて振別地区が振別村であったとき、西隣に老門村という村があって、その村の東海岸における中心集落として具谷地区は存在していたとのことです。つまり具谷は老門村ということになります。なお、その記述中にある『角川地名辞典』での「具谷」の表記が「谷」となってますが、別ページの地図では「具谷」と書かれてましたので、おそらく誤植か何かだと思います。最初は気づかずに読んでましたが…。

これらのことを整理しますと、地勢図ではトマカラウスとカンケカラウスの間に境界線が描かれていて、『角川地名辞典』によればチカポロ(チカッポロ)までが振別村で具谷は老門村と書かれています。どちらの記述からも、振別村と老門村の境界がこの海岸線沿いにあったのは確かなようですが、カンケカラウス・チカッポロの帰属がどちらの村だったかの見解が異なっています。一体どちらが正しいのでしょうか?

…と、ここまで書いてきてこんなことを言うのもどうかとは思いますが、この境界線を発端としたここまでの追求も、よく考えてみれば「その1」・「その2」と同様の「旧村界の消し忘れ」の可能性が高そうです。ということは、現行の自治体間における境界未定地域ではありませんから、こんなにいろいろと書かなくても良かったようです。ただ、ちょっと気になる内容だったので未解決のまま載せてしまいました。この件について詳しい方がもしいらっしゃれば、教えていただきたく思います。

択捉島の境界 その4 [Mapion,1/75,000]

択捉島北岸のシリムクリ崎の東方で、海岸線から内陸部に向かって南東方向に境界線が伸びています。今までの例とは違い、Mapionでも境界線が確認できますし、また地勢図「紗那」で見てもちゃんと二点破線(市・郡界)で書かれているので、これが留別村と紗那村との境界だと思われます。

択捉島の境界 その5 [Mapion,1/75,000]

リンク先に境界線は描かれていませんが、地勢図「別飛」では指臼鼻から西方向、ちょうどMapionリンク先の中心点あたりまで境界線が引かれています。ただ残念(?)なことに、地勢図でみると「町・村・区界」となっています。これも消し忘れでしょうか? もしそうであれば、旧別飛村と旧紗那村の境界ということになるのでしょうけど…。

択捉島の境界 その6 [Mapion,1/75,000]

北側の海岸沿いにあるポロスと書かれた集落のあたりからポロス山に向かって境界線が延びています。地勢図「別飛」では「市・郡界」となっていますので、これは紗那村と蘂取村の北側の境界であると考えられます。「その7」の境界が南側の海岸の境界ですので、これを組み合わせることで両村の未定地域がこれら境界の間にあるものと思われます。

択捉郡の境界 その7 [Mapion,1/75,000]

「その6」のちょっと南、イカバネ岬付近から西北西方向にまっすぐ境界線が伸びています。これも地勢図「別飛」で確認すると「市・郡界」となっているので、「その6」と「その7」の間、ポロス山や留茶留山の山域が境界未定地域であることはほぼ間違いないようです。ちなみに『日本歴史地名大系1 北海道の地名』の「紗那村」の説明によれば、「蘂取村との境界はオホーツク海側のポロスと太平洋岸のイカバネ岬を結ぶ線である」とありますので、おそらくここが紗那村と蘂取村の境ということになるでしょう。

さて、2つの項に渡って北方領土の境界未定地域について長々と書いてきてしまいましたが、実際の話、1/50,000地形図とか旧版地図を見ればあっさり分かってしまいそうな気もします。もし持っている方がいましたら、そちらではどうなっているのか教えていただけると幸いです(もちろん、私が購入すれば良いのでしょうが…)。


≪参考・択捉島における明治期以降の自治体の変遷≫

  (明治期)    (大正12年)  (現在)
  蘂取郡蘂取村────┬────蘂取郡蘂取村
  蘂取郡乙今牛村───┘

  紗那郡紗那村────┬────紗那郡紗那村
  紗那郡有萌村────┤
  紗那郡別飛村────┘
  紗那郡留別村────┐
            ├────択捉郡留別村
  択捉郡丹根萌村───┤
  択捉郡内保村────┤
            │
  振別郡振別村────┤
  振別郡老門村────┘

≪参考資料≫


枝幸郡浜頓別町・枝幸郡枝幸町(宗谷支庁)

ここからが道北の境界未定地域です(もっとも、道北にはこれしか境界未定地域がありません)。ここは斜内山から神威岬の海岸線までが境界未定となっています。

全体図 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

北側が浜頓別町、南側が枝幸町です。


苫小牧市・勇払郡早来町・勇払郡厚真町(胆振支庁)

道北に続いては道央の境界未定地域です。なお道南に境界未定はありませんでしたので、これ以降はすべて道央の境界未定地域となっています。

この境界未定地域は、苫小牧市と早来町、苫小牧市と厚真町のそれぞれの間で境界未定地域を持つ関係となっています。早来町と厚真町は接してますが、これらの間に境界未定地域はありません。

その1≪苫小牧市・早来町の未定地域≫ [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

南が苫小牧市、北が早来町で、東側に少し見えるのが厚真町です。ここは苫小牧市と早来町の境界未定地域となっています。遠浅川沿いの境界線と厚真町との境界線との間が未定となっているようです。なお、国土地理院のリンクは未定地域西側に設定してあります。

その2≪苫小牧市・厚真町の未定地域≫ [Mapion,1/75,000]

西側が苫小牧市、東側が厚真町となっています。海岸沿いの埋立地(?)のあたりは境界が画定していますが、線路を越えてしばらくすると境界線が消えてしまいます。

(一)未定地域南部 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

JR日高本線を越えたあたりからほぼ北東方向に境界線が伸びていますが、境界線が突然消えて境界未定となっています。

(二)未定地域北部 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

(一)で消えてしまった境界線は、国道235号線の南側で復活しています。地図から分かるように、境界未定地域内には「北海道共同石油備蓄基地」および「苫小牧東部国家石油備蓄基地」があります。これらの備蓄基地の所在地をみると、前者は「北海道苫小牧市厚真町」で後者は「北海道苫小牧市及び厚真町」となっています。Mapionの地図を見る限りは、どちらも微妙な位置にあるような気もしますが、実際のところはどうなんでしょうか。

またそれぞれの備蓄基地の説明には空中写真、つまりは境界未定地域の写真が表示されるようになっています。ただこれらの写真、角度を変えてはいるものの同じ場所を撮影しているので、どこまでが北海道共同石油備蓄基地でどこからが苫小牧東部国家石油備蓄基地なのか判別できません。

≪参考資料≫


千歳市・恵庭市

支笏湖の北方にある恵庭岳の北側斜面が未定地域となっています。調べる前の予想では、漠然と「自衛隊の演習場あたりが未定になっているのでは?」などと思っていましたが、まったくのハズレでした。

全体図 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

南側が千歳市で、北側が恵庭市です。恵庭市域に恵庭岳が含まれないように見えるのがなんとも奇妙ですが、実はその恵庭岳の帰属が、付近を未定地域としている本質なのかもしれません。Mapionの地図の縮尺を1/150,000に変えて見ると、そのような憶測をしてしまう理由がわかってもらえるかと思います(1/150,000では恵庭岳の頂上付近で境界が画定しています)。

なお、国土地理院の地図は恵庭岳の北側斜面にリンクしてあります。ですが、周辺一帯、かなり広い範囲にわたって境界線がありません。千歳・恵庭の両市間の境界はすべて未定となっているばかりか、恵庭市と札幌市・北広島市の各境界も描かれていません。作成ミスだとは思いますが、境界線消しすぎです。


伊達市・有珠郡壮瞥町(胆振支庁)

有珠山周辺の境界が未定となっている地域です。有珠山は火山活動が活発なことから、地形もすぐに変わってしまい、そのためなかなか境界が定められないのかもしれません。

全体図 [Mapion,1/75,000]

南側が伊達市、北側が壮瞥町、北西方向にある自治体は虻田町です。

(一)未定地域東部 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

有珠山山頂付近です。小有珠の頂上を経由して西と北の方向へ延びている境界線は、両自治体と虻田町との境になっていて、そちら側については伊達市・壮瞥町ともに境界が画定しています。

(一)未定地域西部 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

昭和新山の南東まで境界線が伸びていますが、そこから有珠山方向には境界線は見当たりません。何せ昭和新山がぽっこり盛り上がってくるような場所ですから、境界が未定なのも仕方ない気がします。


虻田郡喜茂別町・虻田郡京極町(後志支庁)

後志支庁唯一の境界未定地域は、喜茂別町と京極町の間にあります。喜茂別岳から南西方向に伸びる尾根についての境界が決まっていないようです。またこの未定地域の近くには、境界線によって円グラフのように分割された羊蹄山[Mapion,1/75,000]なんてのもあります。

全体図 [Mapion,1/75,000]

南東方向(喜茂別川流域)が喜茂別町、北西方向(「脇方」と書かれているあたり)が京極町です。…が、未定地域と思われる場所に大きく「京極町」と書いてしまうのはどうかと思います(上記地図の縮尺を変えてみると[Mapion,1/21,000]、それが分かると思います)。

(一)喜茂別岳付近 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

喜茂別岳山頂付近の一部だけ境界がありますが、それ以降の尾根筋に境界線は表現されていません。なおこの地図の北東側区域は札幌市南区です。

また、国土地理院の地形図は、リンク先の図面すべてにおいて境界線がありませんので、あまり参考になりません。

(ニ)未定地域南西部 [Mapion,1/21,000] [国土地理院, 1/25,000]

尾根の上に登ってきた境界線は、このあたりで途切れています。国土地理院の地図は…、やっぱり境界線がありません。