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■まえがき
バルセロナというサッカークラブを初めて知ったのは中3の頃。当時、各国代表やJリーグ・海外有名クラブチームのユニフォームを持っているというのがサッカー仲間の間ではひとつのステータスで、1枚8千円〜1万円以上するそれらを着てサッカーをしたりするのは自慢以外のなにものでもなかった。チームが注文した練習着すら買えなかった自分はそんなものとは縁がなかったが「それでもいつかは自分も・・・」という希望は常に持っていた。そんな気持ちもあって、当時は月2回発刊されていた(現在は月1回)“ストライカー”という雑誌を必ず買って見ていた。毎回毎回表紙をカズが飾っていた時代。バルセロナというチームを知ったのはこの雑誌でと記憶している。トヨタカップでバルセロナが来日し、相手はサンパウロだった。「日本とは比べ物にならない別次元のすごいチーム」バルサの魅力はこんな感じで自然とすり込まれていったと思う。 そして雑誌の中でバルセロナの選手が着ているあのバルサカラーの縦じまのユニフォームが必然的に欲しくなった。カッコ良くてたまらない!どうしても欲しい一品となった。同雑誌にはニューフレンドのユニフォームコーナーも必ず載っていて、それを切り抜いてノートに貼り、授業中何度も見ていた(笑)しかしながらもちろんそんなポンと買えるわけがない。 そして苦渋の決断とでも言うべきか・・・ワールドスポーツへ行き、欲しかったユニフォームではなくエンブレムのワッペンだけを購入したのだ。それからどのくらい後だったかもう忘れてしまったけども、欲しくてしかたなかったバルセロナのユニフォームはちゃんと手元に入る。今はお下がりとして弟が持っている。
時は流れて2000年。2000年問題なんていうコンピューターのトラブルが心配される中、1月から4月までの3ヶ月間、ブラジルに留学することができた。1ヶ月間プロと共に混ざってプレーをし、その後2ヶ月はコーチングの研修。毎日のように子供達と草サッカーもし、サッカーがなければ太陽も昇らないと言われる王国の生活を存分に体感した。 この3ヵ月の体験は本当に素晴らしいもので、自分の人生に大きな衝撃と変化を与えてくれたと思う。初めての海外だったこともあるし、長く滞在したこともあって、じっくりと文化を学べたことが大きかった。自分の考え方、生き方が変わったし、全てのモノの見え方が変わった。日々の生活における視点、着眼点が変わってくるし視野も広くなった。自分の生きている世界が100ある内の1だったことに身を持って気付くと、やはり同じ景色も違うく見える。ブラジルを離れる際は本当に涙が止まらなくて日本の恋しさもあったけども、それ以上にここにずっと居たい。そんな気持ちがあった。 お金を貯め、仕事も辞めて実現したブラジル留学。「もうこんなことはまずできないな・・・」そう思っていた。けれど、帰りの長いフライトの中で涌いてきたのは、「もっと世界に出ていろんなものを見てみたい」「次はヨーロッパでサッカーの文化を体感したい」という次への欲だった。具体的には2004年にポルトガルで開催される“ユーロ2004”ヨーロッパNo1を決めるこの大会を見ながら、下の年代の国際大会で圧倒的強さを誇るポルトガルの育成事情を学ぼうと考えていた。ブラジルで学んだポルトガル語は大きなアドバンテージになる。「よし、次はこれだ」そう思っていた。 しかし、日々の生活はそう簡単にそれを許してはくれない。現実問題そんな金銭的な余裕は無かったし、時間と共に「行く」と決めていた気持ちも「行けたらいいな〜」になってしまっていた。
転機は2004−2005シーズンのスペインリーグ、だから2004年の時。2002年あたりから知り合いにビデオを借りてバルセロナ・レアルマドリッド、レアルベティスの3チームの試合を中心にスペインリーグを見ていた。スペインリーグは攻撃的でチームにしても個々にしても驚かされるプレーが満載でとても魅力的なサッカーだった。それまではセリエAが世界のトップリーグという印象だったが、この頃から世界のビックネーム達がこぞってスペインに集結するようになってきた。 そんなスペインリーグのファンになっていた自分にとって、やはりこの試合が、このチームが目に止まった。 スペインの歴史を体現する伝統の一戦「エル・クラシコ」バルセロナVSレアルマドリッドだ。 バルセロナ・・・中学のあの頃もユニフォームを買うくらい好きではあったが、それでも“世界の有名クラブの内の1つ”の域は出ない、それほど意識するようなレベルではなかった。けれど、2004年のバルセロナのホームスタジアム“カンプノウ”で行なわれたクラシコ、レアルとの試合のDVDを見て一気にこの試合を、そしてバルセロナというチーム(もしくはこのクラブ・町)が自分にとって特別なものになった。と同時に2000年のブラジル留学の帰途の際に抱いていたあの気持ちが一気に涌き上がってきて、「生きている内に絶対にこのスタジアムへ行き、クラシコを見たい!」と具体的な夢が出来上がった。ユーロ2004は無理だった。けれど、頭の片隅には「いつかヨーロッパへ行ってみたい」というのは残っていた。イタリア、オランダ、スペイン、ポルトガル、ドイツ、イギリス、フランス、事サッカーに関して言えばこれだけ魅力的な国があったが、“ヨーロッパ”という大きな対象の中で、次なる目標はこの1枚のDVDにより“スペイン”と決まった。「きっとあのクラシコにはサッカーの全てが詰まっているはず!」こうしてバルセロナへ向けての準備が始まった。
スペインでの滞在中、ちょっとしたことでもメモを取るように心掛けた。毎日が刺激的で、発見の連続。それはブラジルでもそうだったし、あの時も毎日メモや日記をとっていた。もちろん日本にいれば日記など書かないのだが、滅多にできないこういった海外での経験は、やはりその時その時にしっかりと書き留めておかないと悲しいかなどうしても忘れてしまうもの。どれだけ素晴らしい事であっても、絶対に忘れないと思っていても人間はどうしても忘れてしまう。また、こんなこと別に書かなくてもいいだろと思うような小さな事もしっかりと書いておくことで後々何らかの形で役立ったり、こういう小さいパーツを組み合わせていくことでその時の事を鮮明に思い出せたりする。そんなわけで、今回も過去の例に習いたくさんのメモ用紙を持参したのだが、想像以上に書く事が多く勉強用のノートから結構な枚数をやぶくことになってしまった(苦笑)たった1ヶ月、されど1ヶ月。この滞在期間で学んだ事はとても多く多岐にわたる。その為、報告の内容はサッカー関連のもの、サッカーとは全く関係無い“町”のこと、文化や人について等々、見る人によっては興味のない内容も多く含まれているかもしれません。しかしながら、ここでの報告は「これを読んで海外に行きたい、海外に興味があるという人が増えてくれればなぁ〜」という願いを込めて書き綴っています。是非とも辛抱強く、字だらけではありますが暇つぶしに本でも読むような気持ちで見て頂ければと思います。 スタイルとしては毎日書いていた日記をベースに、メモした内容なども盛り込み、ほぼそのまま活字にするという形をとっています。その為、HP上で公開するにはややふさわしくない、くだらない内容や表現があるかと思いますが、そのあたりはどうか目をつぶっていただいて“愉快に楽しむ”という方向でよろしくお願いいたします。 |