サツマ芋の栽培法
   
このページのまとめ

   1:苗を買うなら植え方を学習しよう。
   2:種芋で始めるなら、種芋に適するかどうかを調査しよう。

 

品種の選択 
 これは難しい選択だ。
当然営利栽培か趣味栽培かで違う。ほとんど入手先は限定される。希望の品種はほぼ可能だ。しかしムラサキマサリは現在入手困難であるが、リンク集のアネットで入手出来る。

要は紫色が濃いか、収量は多いか、栽培は簡単か病害虫は?ツルボケは?と条件が複雑になるであろう。基本的には農林47号、54号、56号が推奨品種だ。

僕の推薦は青果用ならパープルスイートロード「56号」、紫色が濃いならムラサキマサリ「54号」。理由は青果用はパープルスイートロードだけ。濃い色素ならムラサキマサリであるが、ムラサキマサリはアヤムラサキの改良品種であり、あまり普及していない。改良が新しいためだろう。茨城県が推奨品種に指定している。

 よほど趣味的理由がない限り在来種は避けたほうが無難だ。理由は伝統的品種のため収量に難点があるため。もし在来種に決めるなら「種子島ゴールド」か「種子島ろまん」などがオススメです。鹿児島県が登録している。僕は紫芋のコレクターは対象にしていない。紫芋ではないが、むしろ古い品種の沖縄100号、農林1号、2号などが入手困難の部類。

最終判断は個人の好みであるが、貴重品にするか最新の改良品種か迷うところであろう。僕は去年はパープルスイートロード、アヤムラサキ、ムラサキマサリと種子島ゴールドを栽培したが、今年はムラサキマサリを主体にパープルスイートロード少し栽培するつもり。

何と言ってもパープルスイートロードはベニアズマに負けないくらい美味い。おそらく近い将来ベニアズマに取って代わるであろう。従って今年はパープルスイートロードが大量に出回るかもしれない。しかし紫色の果肉を市場が受け入れるかは未知数だ。趣味家としては立派な品種でも市場に多く出回れば、魅力は半減する。


苗の入手
 苗は種苗店で購入するか、自分で種芋を発芽させて利用するかを決める必要がある。サツマイモは普通の野菜のように種は売っていない。

簡便な方法は苗の入手であるが、必要な種類の苗は普通の種苗店ではまず入手は無理だ。理由はその土地で一般的に栽培されている品種しか売っていない。未だムラサキ芋はブームの割に苗の入手は困難だ。そこでオススメの入手先はリンク集で紹介している上山種苗かアネットだ。経験者は読み飛ばしてもらって結構。初心者は自己流でやったらまず失敗だ。ムラサキ芋も普通のサツマイモも同じ。近くに経験者がいらしたら教えてもらうのが良い。出来れば複数の方に聞くことだ。理由は人それぞれ個性があるので、悪気はなくても一般的ではない方法を教える可能性がある。情報は何でもそうであるが、一つの情報を鵜呑みにせずに色々集めるのが大事だと思う。


連作障害
 サツマイモには連作障害はないとされている。鳴門金時や五郎島金時などは当然連作であろう。それに比べて連作してはいけない作物はマメ類、スイカなどで、5年くらい空けた方がよい。しかし病害虫との係わりで、落花生との交作はネコブセンチュウの被害を受けにくい。千葉県はサツマイモもラッカセイも主産地ですから案外輪作かもしれない。


土地の酸性度
 植物栽培にはよく土地の酸性度が問題になる。日本は火山国のため一般に酸性土が多い。沖縄は海底の隆起のためにアルカリ質といわれている。ヨーロッパも沖縄と同じ。水に関して言えば本土の水は軟水で、沖縄やヨーロッパは硬水。よくヨーロッパでは水道水の水は飲むなと言われているが、硬度が高すぎて飲料には適さない。余談で本当かどうか知らないが、フランスではミネラルウオーターよりワインが安いらしい。子供にもワインを飲ませるそうだ。酸性度は昔はドイツ語でペーハーと言っていたが、現在は英語にしてピーエッチと読んでいる。中性が7で7から低くなるほど酸性度は高くなる。サツマイモはやや酸性が最も良い。従って普通野菜などにまく「石灰」は原則的に必要ない。典型的に酸性土を嫌うのはホウレンソウ。酸性土を好むのはスギナ。酸性度の目安になる。


苗の植え付け方の基本
植えつけ方も普通の挿芽とはまったく違う。切り口のほうを5センチほど普通の草花の要領で挿したら芽は順調に伸びるが、芋の収穫は諦め。では植えつけ方はどうしなければならないか。.実は芋の元になる部分は葉柄の基(ここを葉腋ヨウエキと呼ぶ)にある。従って苗の葉腋を3〜5個土の中に埋め込む事になる。残った芽先部分は土に出して埋めない。埋め込む方法は色々あり、水平植え、船底植え、改良水平植え、斜め植え、釣り針植え垂直植えなどあるが、一般的には水平植えか斜め植えだろう。九州では水平植え、関東では斜め植えが主流。水平植えは5節が標準で斜め植は3節。イラストで書くのはたいへんなので、初心者はリンク集の「子どものための農業教室」か「日本いも類研究会」を参考にしてほしい。種芋から栽培するには種芋を入手しなければならないです。どこから入手するかが問題。メリクロン技術を応用した「ポット苗」もあるようであるが、僕はやったことは無い。要するに無菌培養した苗が一本植えてあって、芯を止めて、葉の根元から出てくる新芽を利用する。巧く行くと30本くらい苗が採れるそうだ。


伏芋
 自分で苗を作るには、伏芋から始める。そのためには芋を入手しなければならない。これが悩みの種。栽培2年目になると去年の収穫品が利用できる(別項で書いたが、種芋専用に収穫する)。芋を土の中に浅く埋めて30℃くらいを確保できる温室のような箱で発芽させる。これに3月上旬頃芋を植え込むわけであるが、その前に芋の消毒か必要。何故消毒が必要かと言うと、無病の芋でも収穫時のキズなどから病原菌が侵入する可能性がある。安全のために消毒は不可欠。通常48℃のお湯で40分間消毒する。48℃の高温?大丈夫。僕も最初は心配であったが、去年予備実験して確認した。また、この処理で発芽もよくなるそうだ。前項の子どものための農業教室にも書いてある。稲などは60℃で消毒するそうだ。正直これは僕は信じられない気持ちだ。

 

温湯消毒のやり方
用意するもの:
  1:プラスチック製のバケツ
  2:温度計
  3:温度計が入るような容器(ビールグラスジョッキなど)
  4:氷10個くらい
  5:種芋
  6:大きなヤカン一杯の湯
手順:ジョッキに氷水をつくる→バケツに半分くらいの水をいれる→左手で温度計を持ちかき回しながら湯を入
   れる。45℃くらいになったら慎重に湯を注ぐ50℃になったら完了。温度が50℃を越しそうになった
   ら慌てて温度計をジョッキの中へ。52℃くらいより温度が上がると壊れる。次に種芋を入れて、時々か
   き回す。48℃を割りそうになったら湯を注意深く注入する。これを40分間続ける。出来れば直ちに伏
   せ込む(温室が用意できていること)。
   上の温度計は100均で買ったものであるが、手持ちの温度計を全部調べたら、古い温度計は目盛は50℃
    まであり、60℃位までは大丈夫な構造になっている。これらは神経質にならなくても余裕をもって作
   業が出来そうだ。


さつまいもの温度管理
さつまいも栽培には色々温度管理が必要。以下は概略温度であって絶対に守らなければいけない温度ではないが、先達の知恵だから出来るだけ尊重しよう。

1:芋の殺菌処理=47℃〜48℃ (40分)種芋消毒しなければ不要。

2:催芽(発芽のための処理)温度 =30℃。苗を買わずに自分で種芋がら苗を採るには重要。

3:発芽後の育苗管理 =22℃〜25℃一応の目安。

4:植え付け地温=18℃〜22℃周囲にサツマイモ農家があれば、これを参考にした方が無難。

5:貯蔵温度=種芋の場合13℃〜15℃が大事な条件。宇都宮大学の吉田教授の資料では9℃以下では腐敗し
  やすいそうだ。よく室内で新聞紙でくるんで保存などと書いてあるが、一般の家庭で9℃以下にならない保証
  があるであろうか。下にも書いたが、我が家は4℃を記録している。これはたまたまであって最低記録では
  ない。雑学ページにも書いたが、10℃〜15℃は休眠中で、9℃以下は冷害をうけると書いてある。去年、
  外観や感触で調べて異常は感じなかったのに発芽率は極めて悪かった。今考えると冷害だったのかもしれな
  い。今、種芋用に台所で保管している方は、要注意又はアキラメ?事実我が家の一階で保管していた芋は少
  なくとも4℃まで下がり発芽は実験の結果発芽しなかった。二階の暖かい部屋で保存していた芋は今
  (4月2日)でも保存箱の中で僅かに新芽が伸びつつある。

  平成17年1月18日我が家の室温= + 4℃
       
           種芋の保存温度= +16℃
         
               外気温=  未測定
        
        地下60センチの温度=  未測定
         
         神奈川県農総研平塚= −1.5℃

でした。農総研の今年の最低気温は1月2日の−5.6℃。台所で新聞紙でくるんで、ダンボールに入れてあっても、食用には大丈夫でも、果たして生命力が残っているかは疑問だ。勿論冷蔵庫保存は厳禁。従って僕は発芽箱の温度設定を18℃にして、13℃〜15℃を維持したいと思っている。更に許容差を考えると18℃迄なら良さそうだ。理由は発芽の可能性が有るらしいが、時々チェックして発芽していたら指で潰す事にしている。芽の基を全部潰したら?植物生理学上、発芽の基が新たに出来ると考えたい。今年の採苗時に、普通は2〜3葉残して切るが、葉なしに切ったらどうなるか試してみるつもりだ。1月23日現在新芽が出そうな様子。収穫後の管理はなるべく涼しい所で保管する。例:北側のひさしの下。最低温度が18℃位になったら室内に取り込み、用意してある発芽箱に入れる準備をして、15℃くらいになったら13℃〜15℃で保存する。



公共機関の温度データ

僕は湘南に住んでいるが、神奈川県農業総合研究所(県内に点在する)のデータがとても参考になる。最低気温、平均気温、最高気温、平均地温など詳しいデータが過去10年くらいまでリアルタイムで表示出来る。質問にも親切で「平均気温」とは?と聞いたら「毎時0分0秒のデータ24個を平均したものです」と教えて貰った上に気象庁のここに定義がありますとサブページのアドレスまでリンクしてメールを貰った。また平均地温は屋外の日の当たらない場所で、地下10センチの測定値だそうだ。

  神奈川県内の2004年7月(例の猛暑の日)の最高気温と2005年1月の最低気温を調べてみた。

            最高気温(7月21日)     最低気温(1月2日)
  平塚市上吉沢     37.3℃             −5.6℃
  三浦市        39.3℃             +0.3℃
  小田原市根府川    36.2℃             +2.2℃
  神奈川県山北町    33.4℃             −2.9℃

  同じ神奈川県でも随分地域差があるもので吃驚した。下にリンクした。

http://web05.agri.pref.kanagawa.jp/kisyo/ksmthism.asp


採苗
芋を伏せてから発芽までの日数は、ある資料によると3〜5日で1センチが目安と書いてあるが、実体は芋の種類、大きさ温度条件などで千差万別。あまり気にしなくても良さそうだ。採苗の事を専門家はつる切りと言うが、十分に葉が3〜5枚展開した25センチ〜30センチが目安。根元に1〜2節残せば葉腋から新芽が延びて2番苗が切れる。時期にもよるが4〜5回切れる。品質は2〜4番が良いとのこと。平成16年5月18日採苗完了した。

 
植付
植え付けは地温が18℃位になったら適時。最高地温か平均地温か最低地温かは不明。
最近知った情報であるが一般の芋と種芋は植え付け時期が違う場合もあるらしい。鹿児島県揖宿郡頴娃町立宮脇小学
校のホームページには、加工用の植え付は3月〜5月、収穫は7月〜10月。種芋用の植え付けは6月、収穫は11
月と書いてある。理由は不明。下にリンクする。
http://www12.synapse.ne.jp/miyawakijs/tokusanhin/tokusanbutu3.htm
 


サツマイモの跡地の利用
サツマイモの跡地には何を植えるも考えておきたいものだ。収穫を10月末、苗の植え付けを5月初旬とすると半年以上ある。その間何でも良さそうであるが、窒素肥料をあまり(ほとんど)与えられない。今僕が考えているのは西洋サクラ草のプリムラマラコイデス。これはもう既に発芽済みの苗を150本ほど用意してある。去年植えてコボレ種が発芽した。幸いなことに(これが重要であるが)この花は窒素、リン酸は控えめカリを充分が好ましい種類だ。つまりサツマイモの好みにピッタリ。花期は12月下旬から4月末まで楽しめる。種は買わなくても良いが、畑とは別にプランターに2〜3個植える必要がある。(サクラ草の後にサツマ芋を定植するので、種が出来る前)マラコイデスが初めての方に下にリンクした。

  
プリムラマラコイデス
        


 
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