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「今日も雨かあ」 美影が開けていったカーテンの向こうを見て、思わず呟いた。 大学生になった五日市圭治。 「私も見送りに行きたいんですけど、家の外では圭治さんから離れられませんし」 美影は頬に手をあててため息をついた。 と思いきや、何やら思い付いたらしく、目を輝かせて両手を合わせる。 「そうだ。大学をご一緒するというのはどうでしょう。私、他の方から見えませんし、そうすれば圭治さんのお世話を一日中できます」 人が片手で数えられる程度いるだけのホームをいつもの位置まで歩いて、いつものように財布を取り出した。 隣にいる幸子へ駄賃のジュース代を渡す。 「ほい、お見送りご苦労さん。美影には」 「もちろん内緒。これだから圭治は大好きさ!」 「はいはい」 彼と共に暮らす二人(?)の妖怪たちと、時枝町に暮らす妖怪たちを巻き込んで。 「圭治は肌を出した女が好きと言う話か。ほんにいつの世も男は助平ばかりじゃのう」 「ちょっと待てコラ」 そして幸子の言葉に続いて籐花と瀬織が話して鈴が何だか不名誉なことをほざいた瞬間ふん捕まえた。 「なんじゃ、離せ! 主様、助けて下さい! 犯されるー!」 「そのナリで何をどうさせようっつーんだこのチビ!」 「圭治、お手柔らかにしてやってくれんか。その、なんじゃ。やはりサイズがな」 「だーかーらー、話聞けって!」 「で、なんだっけ。圭治が私のヘソ見て欲情しているって話?」 「まあ、概ねそんな話さ」 「そんな話カケラもしてねえだろうが!」 「はいはーい。お、お待ちくださーい」 なぜだかヘロヘロな声と共に、奥から佐久夜が出てくる。大きな胸を窮屈そうに服の下に押し込め、エプロンなんかしている。 「すみません、お待たせしましたーって、圭治さんじゃないですか」 「ああ、ごめんな。特に用はなかったんだけど、見えなかったからさ。なんか忙しかったのか?」 「ああ、いえいえ。ちょっと家の中を片付けていただけですから」 ふんにゃりと笑って見せる「牛ねーちゃん」こと白沢佐久夜。白澤改め、件であることが発覚したこいつだが、今でも特に代わり映えなく白沢家に居座り続けている。 「ひどいです。これでもご近所さんの憩いの場なんですからね」 ぷんすか、と擬音を口にしながら佐久夜が手を腰に当てる。 「どうしたんだ、けー君。妙に疲れてるけど」 「ああ。ちょっと肉体労働が激しくてな」 「にくたいろうどう」 なぜか発音がたどたどしいイソラの表情が、見る見る赤くなっていくのは、どうしてなのだろうか。俺は怪訝に思いながら、水筒の中身に口をつける。 「け、けけけ、けけ、けー君! ま、ままま、まさか……ち、違うよな! 違うと言ってくれ! ねえ!」 「うー、せおりー。あそぶー!」 「はいはーい。千鶴美ー。もうちょっと我慢しようねー!」 騒がしい日々が、待っている。 |
とっぴんぱらりのぷう〜ようかいたちのはなし〜 の紹介 |
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『とっぱら 〜ざしきわらしのはなし〜』(製作:キャラメルBOX)の二次創作小説集です。
発行日:
2009年度夏コミックマーケット76(8/16)
頒布スペース:
日曜日 東4 ム-23b 「boox」
サイズ:
文庫(A6)
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執筆/挿し絵 |
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表紙:
優さん
ロゴ/表紙デザイン:
そばかすさん
執筆: 挿し絵: |
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