Maid & Earl another stories



 我輩がこの館に来て、数ヶ月が過ぎた。
 どこで生まれたか、とんと見当がつかぬが、拾い上げてくれた者が言うには、門の前で独り蹲まって鳴き声をあげていたらしい。
 哀れに感じ助けはしたものの、軍規とやらで、置いておくことはできぬ。
 当初は隠れて世話していたものの、我輩が長じるにつれ、それも難しくなってきた。
 思いあぐねていたところに、その者の友が、我輩を引き請けるということで、貰われてきた。
 以来、我輩はこの館の世話になっている。



「僕」がいてティルダさんがいて少佐がいる日々の、とある出来事。



 この館で起居する人々を観察するに、人間というのは、どうにも面妖なものと思うようになった。
 好かれているならば、その相手とさっさと子を生なせばよいものを、あれやこれやと理由をつけて、そんな話はおくびにも出さぬ。
 館の主、家人、拾い上げてくれた者、それぞれがそれぞれに気を遣って、まどろっこしいことこのうえない。
 慎み深いと言葉はいいが、三人が三人とも心の裡に秘めているばかりでは、いつまでたっても埒があかぬ。
 我輩は、三人に等しく恩義がある。
 此処は一つ、三方丸く収まるように差配してみるとしよう。



僕たちの話の、ささやかな付記。





「私は諦めが悪くてね。やっぱり君がいい」





発行日:
2012年 コミックマーケット82(予定)

頒布スペース:
8/12 日曜日 西2 き-14b 「boox」

8/12 日曜日 東3 ウ-23b 「裸Yシャツ友の会」(委託)

タイトル:
「Maid & Earl another stories」

サイズ:
A5

頒布価格:
500円




表紙
かづはさん
えすえすじぃ

執筆



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ukk.mail@gmail.com