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エクセルのグラフで学ぶ気象学 トピックス12


世界と日本の気温変動の相関関係は?

 日本の年平均気温偏差の経年変化(1898〜2013年)のグラフが気象庁のホームページ日本の年平均気温の偏差の経年変化(1898〜2013年)に掲載されている。そのグラフは以下のものであり、100年間に1.14 ℃の上昇トレンドがあり、回帰線(赤い線)は右肩上がりとなっているが、グラフで薄いグレーで示されている年々の変動はかなり大きい。

TempTrend1898-2013.jpg

 世界の年平均気温偏差のグラフは、気象庁の世界の年平均気温に掲載されている。そのグラフは以下のものであり、100年間に0.69 ℃の上昇トレンドで、国内の年平均気温の上昇トレンドより小さいばかりでなく、年々の変動を示す薄いグレーの線の変動もかなり小さいことがわかる。

2014WorldTempTrend.jpg

 このように、気温の上昇トレンドは同じでも、世界全体と日本とでは年々の変動にはかなりの差があるようだ。どれだけ違うかを、互いの相関を取ることで調べてみた。気象庁のホームページには、北半球と南半球のデータもあるので比較し、さらに東京の年平均気温のデータとも比較してみた。以下、相関係数が大きかった順に紹介する。

 相関係数が最も大きかったのは世界全体と北半球の気温変動(比較期間1892年〜2013年)で、相関係数は0.93だった。南半球の観測点より北半球の観測点が多いことから、このような結果となっているのだろう。続いて相関係数が大きかったのは国内と東京の気温変動(比較期間1899年〜2013年)で、相関係数は0.92だった。相関係数が0.9を超えるのは、この組み合わせだけだった。

 国内の気温変動は、前世紀からのデータが得られていて、都市化の影響の少ない15地点の観測データを基に計算されている。そのデータと都市化の影響が最も強く表れている東京のデータとの間の相関係数が世界全体と北半球のデータの相関係数とほぼ等しいということは興味深い。気温上昇の傾向を見るときに、都市化の影響はそれほど大きくないということだろう。地域による相違が大きいことは、以下の比較の相関係数が小さくなることから結論できる。

 これらの次に相関係数の大きな関係は、世界全体と南半球の気温変動(比較期間1892年〜2013年)で、相関係数は0.83だった。世界全体のデータの1/3程度は南半球のデータであることから、両者の間の相関係数がこの程度の大きさであることは不思議でない。ただ、北半球と南半球の傾向は異なるのだろうなと十分感じさせる値となっている。

 その北半球と南半球の気温変動(比較期間1892年〜2013年)が、次に相関係数が大きい関係であった。その相関係数は0.58で、上位3対の相関係数よりだいぶ小さい。相関係数が上位3位以内の比較では、一方のデータは他方のデータのサブセットであるが、北半球と南半球の比較では、データの包含関係はない。

 続いて相関係数が大きいのは、北半球と日本国内の比較(比較期間1899年〜2013年)である。これらのデータの間には包含関係があるが、相関係数は0.15とかなり小さい。続いて、北半球と東京の比較(比較期間1892年〜2013年)では相関係数が0.11で、包含関係のあるデータとしては相関係数はかなり小さく、異質のデータがかなり含まれていることがわかる。

 これらに続いて相関係数が大きいのは、世界全体と日本国内の比較(比較期間1899年〜2013年)で、データの間には包含関係があるが、相関係数は0.10である。続いて、世界全体と東京の比較(比較期間1892年〜2013年)の相関係数が0.06となる。

 北半球と南半球の気温変動の相関係数はそれなりに高かったのだが、南半球と国内や東京との相関係数は負の値となった。南半球と国内の比較(比較期間1899年〜2013年)の相関係数は-0.02、南半球と東京の比較(比較期間1892年〜2013年)の相関係数は-0.05であった。

 一口に温暖化といっても、地域によって気温変動傾向が異なるようだ。各地で一斉に気温が上昇しているのではなく、一方が上昇しても、他方では下降していることがあるということである。ただ世界全体で見ると平均化され、上昇傾向に収束する。特定の地方では、上昇、下降を繰り返すので、今年がどちらになるかを正確に予報できれば役立つだろう。 

(2014.4.3)

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