エクセルのグラフで学ぶ気象学 補説02


ベクトルの加算

 方向と大きさを持った量であるベクトルは、たとえば風向と風速で風の性質を表すのに使える。ところで、風向と風速の異なる2種類の風が合わさると、どのような風向と風速の風になるであろうか?ベクトルは足し算(加法・加算)と引き算(減法・減算)ができることから、このような問題にも応用できる。

 ベクトルの加算の例として、以下に示すベクトルVector_A.jpgとベクトルVector_B.jpgとを加え合わせてみよう。

Vector_08.jpg

 ベクトルは、方向と大きさが同じ量であれば、位置を移動しても同じベクトルである。そこで、それぞれのベクトルの始点を原点に移動してみる。

Vector_09.jpg

 すると、ベクトルVector_A.jpgはその終点の座標Vector_06.jpgによって表され、ベクトルVector_B.jpgも、その終点の座標Vector_10.jpgによって表すことができる。そして、これら二つのベクトルを加え合わせたベクトルは、次の式で示すように、これらの座標のそれぞれの要素を加え合わせることで表すことができる。

Vector_AB.jpg

 このベクトルを図で示すと、次の図のようになる。

Vector_11.jpg

 同じ結果は、図形的にも求められる。ベクトルは平行移動しても同じベクトルなので、ベクトルVector_A.jpgの始点をベクトルVector_B.jpgの終点まで移動し、ベクトルVector_B.jpgの始点とベクトルVector_A.jpgの終点を結べば、Vector_AB0.jpgが得られる。同様に、Vector_B.jpgの始点をVector_A.jpgの終点まで移動することで、同様の結果が得られる。このことは、ベクトルの加算において、加算の順序を交換しても同じ結果が得られるという、交換法則が成り立つことを示している。

Vector_12.jpg

 このようにして得られたベクトルVector_AB0.jpgの長さは

Vector_14.jpg

となる。

 ここで、Vector_AB0.jpgは、Vector_A.jpgVector_B.jpgを含む平面上にある。これを、「Vector_AB0.jpgは、Vector_A.jpgVector_B.jpgが張る平面上にある」、ということが多い。その平面を3次元的に示した図を以下に示す。

Vector_13.jpg

 この平面上にあるベクトルを平面的に示した図を以下に示す。

Vector_Add.jpg

 Vector_AB0.jpgは、それぞれVector_A.jpgVector_B.jpgを隣り合う2辺とする平行四辺形の対角線となる。

 3つ以上のベクトルの加算も同様に計算できる。Vector_C.jpgとすると、

Vector_15.jpg

 ここで、どちらの二つのベクトルを先に加え合わせても、結果は同じになる。すなわち、ベクトルの加算では、結合法則が成り立つ。

 これらの3つのベクトルを加えて得られるベクトルの長さは、以下のようになる。

Vector_16.jpg

(2011.7.31)


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