エクセルのグラフで学ぶ気象学0068


コリオリの力 (4)

 地球のような球体では、コリオリの加速度には水平成分と垂直成分とがあり、その大きさが物体の速度に比例すること、及び緯度によって変化することを前回までに示した。気象学で問題とするコリオリの加速度は、このうち水平成分のみである。コリオリの加速度の垂直成分が、重力加速度の0.1%以下の大きさであることから、その力が大気の運動に与える実質的な影響を無視できるからである。一方、水平方向のコリオリの加速度は、大気の運動方向を変化させる力として作用する。

 前回示したように、速度v.jpgの物体に作用するコリオリの加速度の水平成分は、

Coriolis15.jpg

となる。このコリオリの加速度を物体の速度で除したものはコリオリ・パラメータといわれ、通常f.jpgで表され、以下の式のようになる。

Coriolis16.jpg

ここで、
Omega2.jpg

であるから、その2倍の値は、

Coriolis17.jpg

となる。そして、
Coriolis18.jpg

となることから、中緯度ではf.jpgは10のマイナス4乗のオーダーの値となる。

 北半球では、コリオリの力は風向に直角に右方向に作用する。南半球ではその逆に、風向に直角に左方向に作用する。

Coriolis19.jpg

 上の図に示すように、北半球で風が北向きに吹いているとき、コリオリの力は東向きに作用する。風向がy.jpg軸の値が増加する方向に向いているとき、コリオリの力はx.jpg軸の値が増加する方向に作用する。このことから、この場合に単位質量の大気に作用するコリオリの力はfV.jpgとなる。

Coriolis20.jpg

 一方、上の図に示すように、北半球で風が東向きに吹いているとき、コリオリの力は南向きに作用する。風向がx.jpg軸の値が増加する方向に向いているとき、コリオリの力はy.jpg軸の値が減少する方向に作用することから、この場合に単位質量の大気に作用するコリオリの力は fU.jpgとなる。

Coriolis21.jpg

 任意の方向に向けて風が吹いている場合でも、風速をx.jpg成分とy.jpg成分に分解して考えれば、それに対応するコリオリの力のy.jpg成分とx.jpg成分が計算できることから、それらを合成することによって、その風(大気)に作用するコリオリの力を求めることができる。

 以上をまとめると、北半球で風速のx.jpg成分がU_Large.jpg、風速のがy.jpg成分がV_Large.jpgの風(単位質量の大気)に作用するコリオリの力のx.jpg成分、とy.jpg成分Fy.jpgは、以下の式で与えられる。

Coriolis22.jpg

 上の式で示されるように、コリオリの力は風速にコリオリ・パラメータf.jpgを掛けた大きさであるから、同じ風速の風に作用するコリオリの力は高緯度の場所ほど大きくなる。

 今回はエクセルの出番がなかった。

(2011.10.6)


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