しまのうたしゃ



    「今日はパイロットが上手かった。」


ここは風の島、船も飛行機も欠航は日常茶飯事。
そしてどちらも生活に欠かせない大切な輸送手段。
だからいつも誰もが到着を気にかけている。
「ここの飛行機に乗ったらどこの飛行機も怖くない。」
そんなフライトもいつものことなのだ。 ♪東京・八丈島



    「オンナにはあたったけどな・・・」


天気とフグはあたらない。
そんな言葉が島にはある。
それは長く連れ添えた自慢話?
♪東京・八丈島



    「そっちはどうだ?」


漁業は衰退、観光客も減ってしまったオリーブの島。
どこからか豊かな風が吹いてくれることを待ち望んでいる。
どこも同じと聞いた背中がさらに曲がった。
♪香川・小豆島



    「今までいろいろ世話になってますから・・・」


片道2時間の道を歩いて毎朝座り込みに行くサクマさん。
何でそこまでできるの?と訊くと・・・
照れ隠しの笑顔は子供のようだった。
♪沖縄・辺野古



    「履いてないよりイーでしょう!」


「パンツ丸見えだぞ!」
そう言ったらこう返ってきた。
確かにそれはそうだが・・・・
♪群馬・前橋



    「俺が許す!あそこに沢山あるから採ってこい!」


そう言ったオヤジの帽子にはしっかりと密漁監視の札。
駐在さんも自分で食べる分なら採っても構わないと言う。
夏でも冷たい北の海に潜った。
ウニ、ツブ、アワビ。
それを採る漁師ももうわずかの北の島。
♪北海道・?島



    「何も見るものないぞ!」


会う人、会う人が何しに来たと聞く。
来たってなんにもないと・・・。
いやいや、たくさんありますよ。
♪奄美・喜界島



    「そう、この子は知床の子。」


サケマス漁が始まった北の海。
家族揃って岬の出小屋で準備に忙しい。
一人ぽつんと遊ぶ子供に、
手を休めたお母さんが言った。
♪北海道・知床



    「まだここにその時の傷があるさー。」


おばぁが頭の後をさすって言った。
集団自決、親戚のおじさんに頭を丸太ん棒で殴られた。
「でも、運良く助かったさー。」
と、また頭をさすった。
♪沖縄・渡嘉敷島 



    「そんなに焼けてて日焼け止めですか?」


快晴続きで顔がピリピリになった。
10時の開店が待ち遠しかった薬屋で。
♪隠岐・中ノ島



    「こんなもの置くからゴミを捨てるべさ。」


ゴミ箱があるからゴミを捨てる。
それをカラスやクマが狙う。
「乙女の涙」の滝の上でその命名者の鳥海洋子が言った。
その後数年してゴミ箱はなくなった。
♪北海道・知床



    「これ食べよう。」


アキコちゃんは海から上がると水着の胸に手を入れた。
ツブやアワビがいくつも握られていた。
俺はツブになりたかった。
♪北海道・焼尻島



    「演者紹介だけで一日かかります。」


民俗資料博物館で「八月踊り」のビデオを見た。
延々と舞台で演者の顔見せが続く。
かんじんの踊りはいつ?と訊くとこう返ってきた。
そのビデオはまるまる一本顔見せだけだった。
♪沖縄・多良間島



    「電池で照らして見ろ。」


だまされたと思って夜の港へ行った。
ホントにアワビがテトラに張り付いていた。
電池とは懐中電灯のこと。
♪北海道・?島



    「朝、浜に行ったら真っ黒になって死んでたさー。」


終戦間近、仲村メイユウさん一家が日本軍にスパイ容疑で殺された。
このおばぁはその生き証人。
デイゴの真っ赤に咲く公園で。
♪沖縄・久米島



    「サカナはサカナさー。」


橋の袂の天ぷら屋。
サカナ、アーサー、ベニイモ、サヤマメ、モズク、
どれでもみんな一個40円。
サカナって何?に。
♪沖縄・奥武島



    「2年したら好きなところへ行かせてやる。」


そう言われたのですがとフクシマさんは頭を掻いた。
そして約束の時、
彼は島に残ることを選んだ。
♪奄美・喜界島



    「ふん、バカって言われた方がバカなんだからね。」


? ? ? ? ? ? ?
お前は本当に国際線スッチーか?
♪群馬・某宅



    「食べたことあるの?」


魚市場でヒラガニはないか訊いた。
ヒラガニという言葉がリレーのように人から人へと渡っていった。
捕ろうとしても捕れないまぼろしのカニ。
食べたことあるよと言うとまたザワザワと言葉のリレー。
確かに食べたさ。礼文で一杯100円。
♪北海道・稚内



    「おじぃー!」


後から子供が声を掛けてきた。
やかましい!おじぃーじゃねえ!
「じゃあ、なんでクバ笠かぶってる?」
それは・・・・・おしゃれだからさ。
♪沖縄・石垣島



    「シカのため?」


春先、雪解けの早い道路端にシカが草を求めてやって来る。
横断しようとして車に跳ねられるので柵ができた。
おかげでシカは自由に移動ができなくなってしまった。
老人たちの山菜採りの楽しみも。
「土建屋のためだろう。」
知床に住んで20年、カズくんは怒ったように言った。
♪北海道・知床



    「新暦で言われてもわからんさー。」


自然とつき合うとその合理性に旧暦オソルベシと思う。
旧暦でないとわからんと言うおにーちゃんはどう見ても俺より若かった。
♪沖縄・大神島



    「姿のまま持ってくると観光客がうるさいから。」


イルカ船に食事の招待を受けた。
すでに沖でさばいてあった。
感情論の捕鯨禁止に反対!
♪  ?



    「溺れていると思って大騒ぎさ。」


島に戻った男がサーフィンをした。
それまで誰も見たことがなかった。
ボードに掴まって浮いていたのを見て・・・。
♪  北海道・利尻島



    「いくら採れても安いからな・・・。」


父娘船から山盛りのモズクが上がった。
二人黙々と働いている。
沢山採れたネに、返ってきた言葉。
♪  沖縄・来間島



    「冬はマタギしか登りませんよ。」


何処にも誰にも故郷の山がある。
それを登りに物好きがはるばるやってきた。
「おらが山に登った群馬の植村直己。」
その物好きさが大歓迎を受けた。
♪  津軽・今別



    「そんなこと、誰もせん。」


車も自転車も家にも誰も鍵を掛けないと言う。
やったってすぐ捕まるからな。
しかしそれだけが理由でないことは3日もいれば分かる。
ここは笑顔の絶えない島。
♪  鹿児島・与論島



    「眠り舵に気をつけろ。」


短い夏の寸暇を惜しんでのコンブ漁
採るのも、それを干すのも重労働だ。
サイレンと供に血眼で出漁していく。
時間いっぱい働いて帰る船の上で漁師は別の舟を漕ぐ。
♪  北海道・礼文島



    「そこにもいたさ。」  
part.1

わずか7世帯の島。
ハブはそこらじゅうにいる。
俺の後のヤブを指しておばぁが言った。
♪  沖縄・東奥武島



    「そこにもいたさ。」  
part.2

岬の番屋でキャンプ。
人より多いヒグマ。
夕食のオショロコマを釣っていた川を指して。
♪  北海道・知床



    「オカマさー。ブラジャーしてるさー。」


子供たちがそっと教えてくれた
島でたった一人の歯医者さんの秘密。
♪  沖縄・?島



    「アマシンのおかげさ。」


公共工事は離島の生命線。
便利なことは良いこと。
しかし、そのために失うものがあることを次代に伝えてほしい。
♪?島



    「すぐ引き返すよ。」


土地のおばちゃんたちとキノコ採り。
ヤブをかき分けるとでっかいクソがあった。
真新しいヒグマのクソ。
キノコはヤツの好物だ。
そしてここはヤツの国。
♪  北海道・知床



    「まぁ、カタイことは言わずに。」


公用車はヒッチハイカーなぞを乗せてはイケナイのだ。
ゼーム課のお兄ちゃんは快く止まり、後込みする俺に言った。
♪  沖縄・?島



    「俺たちは嫌われ者だから。」


雪を蹴立ててスノーモービルがかっ飛ぶ。
うるさい、クサイ、メーワク千万。
そんな一人が我々の非難小屋にやって来て自嘲気味に言った。
こんな人なら許せる気がした。
♪  北海道・積丹



    「20度過ぎたら寒いさー。」


店のおばぁはキャンプする俺を心配して言った。
なんのなんの、ここまで歩くだけで汗ばんでいた。
♪  沖縄・新原



    「ここのサルは悪さをしません。」


北限に暮らすサル。その研究者は自信たっぷり。
それがわずか4年でがらりと変わってしまった。
悪いのはサル?それとも・・・・
♪  下北・脇野沢



    「アイスクリームがあったかいんですよ。」


冬にはマイナス40度にもなるという。
そんな場所でもドッコイみんな楽しそう。
♪  北海道・美深



    「海のバカはサワラ、偽物の魚を追う・・・」


島に伝わる海人の言葉。この後に
「陸のバカは男、ものにできない女に群がる」と続く。
う〜ん、返す言葉がない。
♪  鹿児島・与論島



    「余ってる牛乳なんてネエ!」


牧場に牛乳を分けてもらいに行った。
乳価が安く、生産調整。しかし毎日の作業は変わらない。
決して余っているわけではない。
そう言いながら牧場のおやじは一升瓶にたっぷりと分けてくれた。
♪  北海道・風連



    「私より詳しいんですね。」

憧れのネーネーとデートなのだ。
島について知ったことをあれこれと話した。
でも一番知りたいことは・・・まだ何も知らない。
♪沖縄・宮古島



    「一周10分切ったさ。」


島で暮らす数少ない若者。
島一周をどれだけ速く走れるかが彼の楽しみ。
初めて10分を切り、得意そうに話す。
島にはもう自慢する仲間さえいないのだろうか。
♪  北海道・焼尻島



    「楽しみを見つけられないと長続きしません。」


日本の端の島のさらに陸の孤島の集落。
教師は居着かずほとんど臨時採用。
今日も渡し船の中で女先生がここを去りたいと話している。
センゾー先生はそれを諦め顔で見ていた。
♪  沖縄・西表島



    「少しでも早く春を味わいたいから。」


まだ凍れた土をツルハシで砕いて採ったエゾエンゴサク。
北で最初に咲く花。
みそ汁に落とすと薄紫色の春がひろがった。
♪  北海道・知床



    「あたりまえさー、美味しいところしかあげんよー。」


浜で魚をさばいていた海人がハラワタをくれた。
腸はしごいてウンコを絞り出す。
海水で洗って口に入れた。
うまいねー。
♪  沖縄・多良間島



    「野菜たっぷりお願いします。」


旅をしていると野菜が不足がちになる。
なるべく野菜の多そうなヤツを注文した。
カウンターのおねーちゃんは俺の気持ちを知ってか、
大きな声で厨房に向かって言った。
♪  沖縄・石垣島



    「今年は蚊が少ないね。」


ウソだ〜!喰われまくっているぞ。
三日でここを逃げ出した。
♪  北海道・根室



    「そうか?」


この島は制限速度以上で走る車は少ない。
ヒッチした赤いスポーツカーのおにいちゃんに、
速くて気持ちイイねと言うと、
まんざらでもなさそうにアクセルを踏み込んだ。
♪  沖縄・宮古島



    「冬になんかに来なくてもいいさ。」


冬の日本海は厳しい。来ても見るものなんてなにも無い。
漁師のおやじさんはそう言いたかったのだろう。
でも俺には分かっているんだ、そんなことないことを。
♪  新潟・粟島



    「生きた心地がしなかった。」


沖縄本島シーカヤック一周のカミヤマさん。
金武岬沖でサメに襲われかけた。
サメは舟に身体を擦り寄せてきたという。
どうせなら他のものに擦り寄せられたい。
♪  沖縄・本島



    「あんたは肉ソバにしなさい。」


ソバどころ十勝。ざるそばが食いたかった。
しかし俺が大雪縦走後、太平洋までカヌーで下る途中というのを聞いて、
店のおやじはスタミナを付けなくてはと言った。
でもやっぱり、ざるそばが食いたかった!
♪  北海道・芽室



    「道の真ん中を歩け。」


暗くなったらハブが出てくる。
道の端や木の下は危険が一杯。
♪  沖縄・久米島



    「おとこはタチショーベン、おんなはガマン。」


名言、迷言?
下校中の小学生が・・・
♪  群馬・前橋



    「終点まで行くと140円です。」


名護発名護行き、やんばるを巡るバスに乗った。
右回り、左回りどちらから行っても目的地まで料金は一緒。
そして乗れば乗るほど料金が下がっていく。
♪  沖縄・名護



    「潜っても何も採らんのか。」


島で初めてのダイビングショップができた。
ただ海を見せるだけで商売になるのか、
島人は信じられなかった。
♪  沖縄・伊是名島



    「島が沈むかと思ったさ。」


かつての日本最南端の島。観光ブームに沸き立っていた。
しかし今は忘れ去られたようにひっそりと。
どちらが良いか、誰にも分からない。
♪  鹿児島・与論島