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ROCK名盤カタログ

<第25回>CLOSE TO THE EDGE〜危機〜 / イエス
(2005.9.8UP)
<1972年作品>
@Close To The Edge 〜危機〜
AAnd You And I 〜同士〜
BSiberian Khatru

 ようやくこのアルバムに辿りついた。
 すでにこのコーナーでご紹介済みのKING CRIMSONクリムゾン・キングの宮
殿('69)、PINK FLOYD狂気('73)と並ぶ、「プログレッシブ・ロック」古典中の古
典、基本中の基本であるYESイエス)の「CLOSE TO THE EDGE〜危機〜」。
 あとはEL&PGENESISあたりをレビューすれば、とりあえず最低限のプログレ・
バンドは紹介したことになるので、そちらもなるべく早めに取り上げるようにしたいと
思う。
 ともかく今回はYESだ。「危機」だ。名実ともに彼らの代表作である。

 @「Close To The Edge〜危機〜」は、YESの代表曲というだけでなく、プログレ
界を代表する名曲だ。
 小川のせせらぎや小鳥のさえずり声などのSEで始まるこの作品は、4つの章から
なる組曲形式となっており、アナログLPのA面をフルに使った18分を超える大作であ
る。
 イントロのSEの後、YES特有のやたらとベースの録音レベルがデカい「何が演りた
いのかよく分からん」バンド・アンサンブルに突入してから大演壇を迎えるラストまで
の18分を一気に聴かせる構成力・リーダビリティは、見事というよりは奇跡に近い。
特に、中盤のパイプ・オルガンによる荘厳なパートからバンド演奏へ戻り、ハモンド・
オルガンのソロなどを経て感動のクライマックスへ登りつめていく後半部分の流れは
完璧だ。
 神秘的な詩や壮大な曲構成、細部にまで凝った緻密なプレイなど、すべてが様々
なベクトルを描きながらエンディングへ突き進み、「I Get Up〜、I Get Down〜」と
壮大に唄われる部分で頂点に達して昇天を迎える、圧倒的に完成度の高い名曲で
ある。
 長くなってしまうので触れないが、LPのB面にあたるABもなかなかの秀作で、特
にB「シベリアン・カートゥル」は、結果的に@「危機」の名曲ぶりに影が薄くなって
しまっただけで、よく聴けば YES の長所がふんだんに詰め込まれた質の高い楽曲
だ。
 これだけの楽曲が揃ったアルバムである。名盤以外の何物でもない。


 YESの楽曲には、フツーのバンドでいうところの「バッキング」に相当するパートが
ほとんどない。ボーカルがあろうがなかろうが、各メンバーが他の楽器との整合性な
どまるで考慮せずに元となるフレーズを変容させて好き勝手なプレイを繰り広げ、こ
れが二重三重に交差して結果的に複雑で難解なバンド・アンサンブルになってしまう
ことこそ、YESの支離滅裂な音楽性構築の真相なのであるが、これで曲が破綻せず
統制のとれた楽曲として成立しているところに、このバンドの凄みがある。
 ただ、難解とされてる彼らの作品も、よくよく曲を分解して考察すれば、原曲自体
はそれほど複雑なものではない。
 例えば本作収録の@にしても、曲構成だけを考えれば、
  イントロ → 歌1番 → 歌2番 → 間奏及びブリッジ → 歌3番 → エンディング
 という、歌謡曲でもお馴染みのパターンだ。単にそれらひとつひとつが長いというだ
けのことである。
 また、天然ユートピア思想の持ち主ジョン・アンダーソン (vo)が紡ぐ詩も常人には
理解しがたい世界で、良くいえば「壮大で哲学的」なのだが、要するにワケの分から
ん内容なので、正直なところ無理に意味を理解しようとする必要はないと思う。YES
を愛聴し続けて久しいが、いつ聴いても詩が何を表現しているのかさっぱり理解でき
ないし、たぶん理解しようとするだけ無駄である。
 楽曲にあった崇高な雰囲気が感じられれば、それだけで充分だ。

 YESはプログレ・バンドとしては珍しく専任ボーカルの居るグループだった。よって
必然的に他のバンドに比べれば歌にも比重を置くこととなり、その結果、比較的まだ
一般リスナーにも聴きやすいといえる楽曲を作り上げていた。だからこのバンドを突
破口としてプログレの世界へのめり込んだ人も少なくない。
 そんな彼らの作品の中でも本作は、プログレッシブ・ロックの魅力と初心者にもとっ
つき易いメロディとが見事に融合した極めて稀有な作品だ。音楽家として精神的に
も技術的にも急成長を遂げる過程にあった各メンバーの力量が凝縮された歴史的
名盤であり、後の彼らでも超えることのできなかった一大傑作である。事実、ビル・
ブラッフォード (dr)は、もうYESでやり残したことはないと言うかの如く、本作を最後
に脱退して、KING CRIMSON へ移籍することとなる。
 「七色のキーボード」リック・ウェイクマン (key)を迎えて初めて製作された、前作
FRAGIRE〜こわれもの〜」('71)において、YESでしか聴けない独自のスタイルと
音楽性を確立させた彼らが、誰も到達し得ない領域まで入り込んでしまったのが、
本作「CLOSE TO THE EDGE〜危機〜」に他ならない。必聴盤である。

 尚、このA面1曲、B面2曲という大作揃いのアルバムは、予約だけでゴールド・ディ
スクを獲得した作品でもあった。いい時代だったんだなぁ。


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