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ROCK名盤カタログ

<第20回>RAINBOW RISING〜虹を翔る覇者〜 / レインボー
(2005.7.29UP)
<1976年作品>
@TAROT WOMAN
ARUN WITH THE WOLF
BSTARSTRUCK
CDO YOU CLOSE YORE EYES
DSTARGAZER
EA LIGHT IN THE BLACK

 このコーナーの第1回でも取り上げた、RAINBOWレインボー)のアルバムを再
度ご紹介する。2ndアルバムに当たる「RAINBOW RISING〜虹を翔る覇者〜」であ
る。
 RAINBOW というバンドは、未だに日本では根強い人気を誇っている。そして多く
の日本人がRAINBOW を愛聴し続けている理由は、この2ndアルバムの存在による
ところが大きい。70年代のハードロック界が産んだ傑作中の傑作である。
 解散から20年経った現在でも、RAINBOW がフェイバリットなアーティストであり続
けている私にとって、この作品をご紹介することには感慨深いものを感じざるを得な
い。私的には「真打ち登場」といった気分である。


 RAINBOW は、DEEP PURPLEを脱退したリッチー・ブラックモア (g)がELFとい
うバンドを乗っ取るような形で結成された。ELFDEEP PURPLEがアメリカ・ツアー
を行った際に前座を務めたことがあり、この頃からリッチー は、ELFのボーカリスト
ロニー・ジェイムス・ディオ の才能に目を付けていたのだと思われる。
 こうしてELFのメンバーとともにBLACKMORE'S RAINBOW としてアルバム製作
を行ったリッチー (g)だが、この'75年の1stアルバム発表からわずか3ヶ月後には、
ディオ (vo)以外のメンバーを全員解雇している。すでにDEEP PURPLE の中心人
物の1人として世界に名を轟かせていたリッチー (g)と共に活動できるほどの力量を
ディオ (vo)以外の元ELFメンバーが持ち合わせていなかった結果である。
 解雇されたメンバーの代わりに、すぐに3人の新たなミュージシャンがRAINBOW
に加入した。そしてここに、ハードロック史を語る上での極めて重要な運命の邂逅
リッチー (g)を待ち受けていたのである。ロック史上最強のドラマーのひとりであ
る、コージー・パウエル (dr)の加入だ。
 リッチー・ブラックモア (g),ロニー・ジェイムス・ディオ(vo),コージー・パウエル(dr)
の3人による、いわゆる「三頭政治」時代のRAINBOWの幕開けである
 こうした経緯を経て76年に発表された2ndアルバムが「RAINBOW RISING〜虹を
翔る覇者〜」であった。

 RAINBOWの魅力が、中世ヨーロッパを彷彿とさせる音楽性と、リッチーの魔術的
な響きのギターにあることは間違いない。そして、その魅力を完全な形で封じ込めた
のが本作「RAINBOW RISING」('76)であることも、疑いの余地はない。
 しかしこのアルバムにはもうひとつ、重要な要素があった。よく言われることだが、
この作品におけるコージー・パウエル のドラムが「凄い」のである。「上手い」とか
「パワフル」とか、そういったニュアンスではなく、ただ純粋に「凄い」。現在でもドラム
系雑誌などで「ROCKドラム名演10選」といったような企画があれば、必ず取りあげ
られるほどだ。コージー の長いキャリアの中でも屈指のプレイを収めたのが、この
RAINBOW RISING」('76)である。

 アナログLPでは、A面が@〜Cで、B面はそれぞれ8分を越える大作DEの2曲で
占められていた。実際のところ、本作が「名盤」とされているのは、このB面によると
ころが大きいが、しかしA面の曲も充実した作品ばかりだ。
 @「Tarot Woman」は、スペーシーなキーボード・ソロで始まる骨太なリズムが印
象的な曲。現代ではあまりウケそうにない勇ましく重苦しいリズムだが、唯一ガラリと
雰囲気の変わるBメロ部分が妙に格好イイ。各メンバーの力量が程よく発揮された
作品で、初期レインボーらしい隠れた名曲といえる。
 A「Run with the Wolf」は、本作の中で最も「毒にも薬にもならない」タイプの曲
だが、決して質の低い作品ではない。「アルバムに入ってるその他大勢の曲」的なこ
の曲でさえ、これだけの完成度を誇っているのである。当時のレインボーの作曲能
力の充実ぶりが伺える。
 B「Starstruck」は、どことなくヘンな曲。この曲の三連系のリズムや歌メロが嫌
いな人が日本には多いらしいが、しかしこれもよく聴くと、フックのある質の高いアレ
ンジが施されている、よく出来た作品だ。嫌っている人にこそ再評価して欲しい曲で
ある。
 C「Do You Close Your Eyes」は、本作中最もキャッチーな作品。これもやはり
よく出来た曲で、歌メロはかなりポップであるが、愚直なまでにディオ (vo)とコージ
 (dr)は全力投球の姿勢を崩しておらず、この「ハードロック馬鹿」的なアプローチ
が普通のハードポップな楽曲と一線を画す結果となっている。気合の入ったディオ 
のボーカルが秀逸。

 次からいよいよ「史上最強のB面」が始まる。問答無用の大作2連発だ。
 D「Sargazer」とE「A Light in the Black」は、詩の内容がつながっている。
 ロニー・ジェイムス・ディオ (vo)本人の弁を借りれば、Dは「エジプトの奴隷達が、
空を飛び彼らを自由に操る魔術師のために石塔を建てるが、いざその石塔が完成
すると、魔術師はニセ者であることがばれてしまい、塔の頂上から転落ししてしまう
という内容だ。
 そして「この後、奴隷達が目的を見失って困惑していると、突然暗闇の中に一条の
光が見える」というEに続いていくらしい。

 D「Stargazer」は、詩の内容通りの重苦しいミディアム・テンポの曲。サウンドで
はなく、曲そのものがかなりHEAVYだ。間奏ではいかにもリッチー らしいギター・ソ
ロが聴けるし、程よく導入されているオーケストラ・サウンドも見事である。
 しかしこの曲の最大の聴き所は、終盤およそ2分に渡って延々と繰り返されるサビ
のリフレイン部分での、ディオ のボーカルとコージー のドラムであろう。
 泣けるタイプの曲ではないが、終盤のディオ の火を吐くようなボーカルは訳詩を読
みながら聴けば、ある種の感動を感じさせられるし、何よりも圧巻なのはコージー 
の超弩級のドラミングだ。特に間奏が終わってからの、狂ったようにシンバルを
叩きまくるテンションの高さは尋常ではない。凄まじいのひとこと。技術的に高度
なプレイは皆無に等しいが、圧倒的な迫力をもって聴き手に迫ってくる。心底凄い。
他のバンドでは絶対にお耳にかかれない、奇跡的な名曲だ。
 E「A Light in the Black」でも、コージー は大爆発。Dとはまったく異なるハイ・
スピードな作品で、ツー・バスを駆使したコージー のドラムが怒涛のような勢いで押
し寄せてくる。
 残念ながらこの曲は歌メロがあまり魅力的ではないが、代わりに今度はリッチー 
のギターが炸裂しまくる。間奏部分の後半に長めのギター・ソロが導入されており、
溜まったうっ憤を晴らすかのようなハイ・ボルテージな演奏が留まるところを知らず
続き、ソロの最後では、全楽器による超ド迫力のユニゾン・バトルが繰り広げられ
る。何度聴いても全身総毛立つ名演だ。
 そして間奏が終わると再び唄が入り、最後まで雄々しくエンディングを迎える。
 聴き終えたトキにはもう放心状態。お腹一杯というカンジであり、心地よい虚脱感
が聴き手の心を満たすであろう。

 リッチー・ブラックモア (g)がDEEP PURPLEを脱退したのは、「音楽性の不一致」
などが原因とされているが、この「RAINBOW RISING」を聴けば、それもうなずける
話である。本作で繰り広げられる音楽性は、DEEP PURPLE のそれと似てはいる
が、明らかに異質のものだ。アルバムの始めから終わりまでDEEP PURPLE では
再現不可能なRAINBOW 以外の何物でもない極上のハードロックが封印されてい
る。
 世界的評価ではRAINBOW よりもDEEP PURPLEの方が断然格上ではあるが、
こと日本に限ってはRAINBOW の方が人気は高い。そして日本のファンにとっての
真のRAINBOW とは、本作「RAINBOW RISING」('76)に他ならないのである。


 80年代後半から、DEEP PURPLE を含めた様々な「過去のバンド」が再結成を果
たした。こうした流れの中でRAINBOW も95年に再結成され、1枚の作品を発表した
が、リッチー・ブラックモア (g)以外はまったく関係のない若いミュージシャンばかり
のラインナップだった。しかし日本のファンが本当に望んだのは、リッチー (g)、コー
ジー (dr)、ディオ (vo)の3人が結集した形での再結成だったはずである。
 1998年4月5日、コージー・パウエル (dr)が自動車事故でこの世を去ったことによ
り、我々日本人の悲願ともいえる「三頭政治レインボーの再結成」という望みは、
永久に叶わぬ夢と消えた。


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