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ROCK名曲カタログ

<第17回>バラとワイン#2 / レッド・ウォーリアーズ
(2005.7.4 UP)

「CASINO DRIVE」

「RED SONGS」
<1987年発表>

●「CASINO DRIVE」
●「RED SONGS」 (BEST盤)
に収録

 SHAKE こと小暮武彦(g)がNOKKO (vo)らと共に結成したバンドREBECCA が、
デビューを飾ったのは1984年のことである。土橋安騎夫(key)という才能豊かなミュ
ージシャンを中心に、後にこのグループは日本ポップス界を席巻することになるが、
シャケ自身はデビューの翌年'85年の初頭に、レコード会社側との方向性の不一致
により解雇されている。彼はあくまでもロック音楽にこだわり、会社側はポップス寄り
の幅広い音楽を強要したらしい。
 こうして自ら結成したバンドを追われたシャケ は、旧知の仲だったダイアモンド・
ユカイ こと田所豊(vo)らとニュー・バンドを結成する。RED WARRIORSレッド・ウ
ォーリアーズ)である。
 RED WARRIORSは、日本では珍しいグラム・ロックの流れを汲むバンドであった。
無骨でオーソドックスな彼らのロック・スタイルは、音楽シーンの頂点を極めたとまで
は言い難いものの、多くの熱狂的なファンを獲得し、4年余りという短い活動期間に
残されたたった4枚のスタジオ・アルバムは、愚直なまでにひたすらROCKという音楽
にこだわった彼らの情熱とエネルギーを感じることの出来る作品となっている。(後
に再結成されているが、ここでは触れないこととする)

 「バラとワイン#2」は、彼らの2ndアルバム「CASINO DRIVE」のラストを飾った名
曲だ。ラッパ系のブラス・サウンドを大々的に導入した、悲壮感のかけらもない「どん
ちゃん騒ぎ」的作品で、「美しい」とか「もの悲しい」といった要素と正反対に位置する
曲である。ボーカルのレコーディングの際に、スタジオに持ち込まれたワインをしこた
ま飲んだダイアモンド・ユカイ の酔っ払いボーカルが秀逸だ。
 こういったパーティ・ロックのようなノー天気な曲は、あまり日本では受け入れられ
にくい。日本人は美しくもの悲しい旋律を好む傾向にあるからだ。だからこのような
曲が日本で作られることは少なく、また作られても、どこか無理をしているような不似
合いな出来栄えに仕上がってしまう。パーティなどといった、根っから騒ぎ好きのアメ
リカ人とは根本的に人種が違うのである。
 しかし、この「バラとワイン#2」に不自然さはまったく感じられない。無理して賑や
かさを演出しているような雰囲気はないし、努めて明るく振舞っているようなフシもな
い。
 日本のバンドでこのテの曲を違和感なく演奏できるということ自体が極めて珍しい。
それは、とりもなおさずRED WARRIORSというグループが、4人の「ロック馬鹿」に
よって成り立っていたからである。
 決して「世渡り上手」とはいえないシャケ の経歴、赤面するほどにストレートで情熱
的なユカイ の唄いっぷり、当時暴挙だと呆れられたスタジアム1,000円コンサート。
「ロック馬鹿」たちが己の信ずるROCKを忠実に模索した結果、楽曲や軌跡といった
RED WARRIORSの全てが古き良き時代のロックを彷彿とさせるものであった。
 彼らが残した4枚のスタジオ・アルバムのうち、初めの3枚は「ロックン・ロール三部
作」と呼ばれている。どれもこれもロック以外の何物でもない楽曲ばかりで占められ
た作品だ。そして4枚目のラスト・アルバムは、当時どんどん幼稚化していった日本
のROCKに対する反動によって、やや意図的に非歌謡曲化を目指した「裏ロック」と
もいうべき通好みの逸品であった。これら4枚のアルバムに、駄作と呼べる作品は
ひとつもない。駄作を作ってしまう前に彼らが解散を選択したのは、彼ら自身が憧れ
続けたROCKという神聖な存在を、汚したくないという想いがあったからではないだろ
うか。

 そのRED WARRIORSの楽曲群の中でひときわ異彩を放っている名曲が「バラと
ワイン#2」である。先述したように日本ではウケないタイプの曲であったため、アル
バムに先行して発売されたシングルもヒットには至らなかったが、現在でもファンや
音楽評論家といった人たちからは高く評価されている作品だ。
 「いつもの罪滅ぼしに一年のうち今日この日くらいは、夜景の見えるホテルの
スウィート・ルームで、バラの香りとワインに囲まれた素敵な夜を過ごそうぜ
という無邪気でロマンティックな歌詞も、ユカイ のお気楽な唄によってかえってピー
スフルな魅力的を撒き散らしている。

 RED WARRIORS解散後シャケ はアメリカに渡り、元VOW WOWのキーボーディ
スト厚見玲衣、アメリカ人ボーカリスト、フランス人ベーシスト、イギリス人ドラマーと
いう5人編成の多国籍バンドCASINO DRIVEカジノ・ドライブ)を結成した。中期
KING CRIMSON と LED ZEPPELIN を足して、T-REXのスパイスを振り混ぜたよ
うな個性的な音楽性だったが、やはり古き良きロックへの憧憬が感じられる作品で
もあった。そしてそのバンド名は、言うまでもなく「バラとワイン#2」を収録したRED
WARRIORS の2ndアルバム「CASINO DRIVE」からとられたものだ。
 REBECCAの結成と脱退、RED WARRIORSの活動と解散、そして単身での渡米
CASINO DRIVEの結成・消滅。SHAKE の音楽キャリア自体がROCKそのもので
あったといえる。

 ちなみに、シャケ はNOKKO と、ダイアモンド・ユカイ は元CoCo三浦理恵子
とそれぞれ結婚したが、その後あえなく離婚。ユカイ は飯島直子と交際していた時
期もあった。知ってるよね?


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