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ROCK名盤カタログ

<第11回>THE DARK SIDE OF THE MOON〜狂気〜 /
ピンク・フロイド
(2005.5.15UP)
<1973年作品>
@ (a)SPEAK TO ME (b)生命の息吹
AON THE RUN〜走り回って〜
BTIME
CTHE GREAT GIG IN THE SKY〜虚空のスキャット
DMONEY
EUS AND THEM
FANY COLOR YOU LIKE〜望みの色を〜
GBRAIN DAMAGE〜狂人は心に〜
HECLIPCE〜狂気日食〜

 以前このコーナーで紹介したKING CRIMSONに続いての2度目のプログレッシブ
ロックの登場である。PINK FLOYDピンク・フロイド)というバンドのアルバム。そし
て当然のようにコンセプト・アルバムだ。(「プログレッシブ・ロック」及び「コンセプト・ア
ルバム」については、それぞれ KING CRIMSON の「クリムゾン・キングの宮殿
レビューと、コラム「BEST盤という商品」の章を参照されたい)
 今回ご紹介する「THE DARK SIDE OF THE MOON〜狂気〜」という作品が、
「この世で最も完璧なアルバム」と考えている人は、世界中に存在するに違いない。
アルバム1枚を使って、ロック音楽を芸術の域にまで高めたのが本作だ。本当の意
味で不朽の名作である。

 これほど完成度の高いコンセプト・アルバムを1曲ずつ解説しようとするのは、愚の
骨頂だろう。どの曲がイイとかダメとかではなく、あくまでも全曲通してアルバム1枚
で、1つの作品なのである。
 初めてこの作品を聴いた日のことは、今でも鮮明に覚えている。買ってきてステレ
オにセットし、ジャケット等を眺めながらオープニングの心臓の鼓動音が流れてきて
からの約40分間、身動きひとつせず信じられないくらいにアッという間に時間が経っ
ていた。そして聴き終わってからもしばらく呆然とジャケットを眺めながら余韻に浸っ
ていた。動けなかったと表現した方が的確かもしれない。現在に至るまで無数のア
ルバムを聴いてきたが、このような経験は後にも先にも本作だけである。大変な作
品があったものだと心底思った。
 白状するが、この作品がいったい何を表現しているのかは全く理解できなかった。
厳密にいえば今でもよく分からない。それでもこの作品のもつ崇高で神秘的な完成
度には、ただただ圧倒される。
 プログレ界では有名なアート・ワーク集団「ヒプノシス」によるシンプルかつ象徴的
なアルバム・ジャケット、「月の裏側(狂気)」を媒体にした壮大で神聖なコンセプト、
斬新なサウンド・エフェクトと効果的なSEの導入によるビジュアル的な音作り、狂気
的な曲もキャッチーな軽い曲も不自然なく聴かせる卓越した構成力。
 こうした様々な事柄が複合的に絡み合って奇跡的な相乗効果を産み出し、他に例
をみない文化遺産が構築されたのである。

 アルバムを通して、特別盛り上がる場面があるとか、驚異的なテクニックが披露さ
れるとか、そういったことは一切ない。
 PINK FLOYD の作品は全てそうなのだが、外に向かって何かメッセージを送った
り感情を揺さぶらせたりするタイプの音楽ではない。極めて内向的なのだ。プログレ
ッシブ・ロックには、そうした聴き手側の精神的な部分に訴えかけてくるグループが
多い。耳や脳ではなく、思考に直接届くといったカンジだろうか。
 そして、その中でも最もROCKファンの深層心理へ喰い込んだのがこのアルバム
である。

 BEATLESでお馴染みの英国「アビー・ロード」スタジオでレコーディングされた本作
THE DARK SIDE OF THE MOON〜狂気〜」は、そのあまりの完成度ゆえに、
発表後様々な影響を世間に与えた。
 異例のロング・セラー作品となって3,000万枚以上の売り上げ枚数を記録し、一般
の人々に「プログレッシブ・ロック」なるものの存在を認知させ、サウンド・エンジニア
としてアルバム製作に携わったアラン・パーソンズ は、本作で聴ける完璧なサウン
ド処理によって一躍名を上げ、後にアラン・パーソンズ・プロジェクトなるグループ
を自ら結成して表舞台に出てくることになる。(当時、彼はまだアビー・ロード・スタジ
オで働くただのエンジニアだった。その後のインタビューによると、彼は当時通常の
給料を得ただけで、本作のヒットによる印税のようなものは一切もらえなかったらし
い。子門正人の「およげ!たいやきくん」と似たパターンである)

 このアルバムを紹介するときに、「全米チャートに741週(15年間!)チャート・イ
ンし続けた」「ギネスブック公認レコード」などといった宣伝文句がよく使われてい
るが、それらは本作が成し遂げた偉業のひとつの側面でしかない。
 このアルバムのブックレットには次のような一文が掲載されている。
 「音楽は音の有機物なり
 極めて抽象的な表現ではあるが、これが最もこの作品の本質を物語っている一文
だと思う。
 歌謡曲に求められるような要素は皆無であるため、ロック初心者にはピンと来ない
音楽性かもしれない。しかし、ロックという音楽を突き詰めて掘り下げていくと、遅か
れ早かれ邂逅する作品だ。
 このアルバムを「名盤」と呼ばなければ、ロック界には名盤など存在しないと断言
できる。コンセプト・アルバムの最高峰。


     And everything under the sun is in tune.
           But the sun is eclipsed by the moon...
     太陽が照らすあらゆるものは調和されているが、
              太陽そのものは月に侵食されている...
                                      <本作最後の詩>


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