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大地の物語

世の中に映画は星の数ほどあれど、私たちの住む星「地球」を、
大きく、美しく、暖かく表現した作品はそれほど多くない。
そんな作品を観て、その中に描かれる様々な「地球」を感じてみよう。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』 DANCES WITH WOLVES

1990年アメリカ
監督:ケヴィン・コスナー
出演:ケヴィン・コスナー、メアリー・マクドネル、グラハム・グリーン
アカデミー作品賞を含む7部門受賞

アメリカの大平原の美しさに思わずため息をつき、オオカミや草原のコオロギの鳴き声に聴き耳を立て、 バッファローの大爆走に地響きを感じてしまう。 どこまでも美しく、そして雄大な大自然の姿を、思う存分満喫できるヒーリングムービー。 そんな自然と共に生きるインディアンと、彼らを討伐するためにやってきたはずの白人将校との、 心温まる友情を壮大なスケールで描く。そして、さわやかな感動のエンディングへと続くその物語は、 現代人が見失ってしまった何かを改めて気づかせてくれる。 映画全編に渡り、大平原の象徴として登場するオオカミの名前を 「twosocks」という(脚の先が白く、2足の靴下を履いているようだから)。

「フロンティアが見たい、それが失われる前に...」

『猿の惑星』5部作 PLANET OF THE APES SERIES

『猿の惑星』『新・猿の惑星』『続・猿の惑星』『猿の惑星・征服』『最後の猿の惑星』
1968、1970、1971、1972、1973年アメリカ

結論からいってしまうと、ズバリ、猿の惑星とは「地球」である。 前2作では、核戦争により荒廃してしまった未来の地球が舞台で、猿社会とそこに紛れ込んでしまった人間の対立を描く。後3作は逆に、現代〜近未来で、人間社会と高い頭脳を持った猿とが対立する。 タイムスリップがトリックのシリーズ構成ではあるが、悲劇は繰り返さないというテーマの完結編で見事に締めくくった。また、第1作のラストシーンは映画史上、類を見ない最高の名シーンである。
2001年に製作された第1作目のリ・イマジネーション(再創造)作品『PLANT OF THE APES/猿の惑星』もあるが、こちらは地球を感じるというよりは、
タイム・パラドックスを前面に打ち出した内容である。
更に、2011年の『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』から始まった新シリーズも、これまたエイプマニアにはたまらない。5部作の時系列は、3→4→5→1→2なのだが、現代的解釈として、3と1の間を壮大なドラマとして描き直している感じだ。

「猿は、猿を殺さない」

『ウォーターワールド』 WATER WORLD

1995年アメリカ
監督:ケヴィン・レイノルズ
出演:ケヴィン・コスナー、ジーン・トリプルホーン、デニス・ホッパー

地球温暖化により極冠の氷が溶け、文字通り「水の惑星」になってしまった未来が舞台。 そんな水の世界に、唯一残されているという陸地「ドライランド」を求めて大海原を旅する大冒険活劇。 リサイクル装置を駆使して細々と暮らす環礁の民と、酒、タバコ、銃など 「消費社会」の象徴として登場する海賊との対決が、いかにも現代的テーマである。 「ドライランド」を示す地図が漢字で書かれていて、日本人ならすぐ読めてしまうのだが、 ハリウッド流の未来世界に漢字がよく使われるのは、なんとも不思議な感じがする。

『インデペンデンス・デイ』 INDEPENDENCE DAY

1997年アメリカ
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム

突如飛来した超巨大UFOにより、地球が壊滅的打撃を受ける宇宙人襲来SF。 ニューヨークやロサンゼルス上空に現れたUFOや、その攻撃により街が一瞬にして崩壊していくシーンは、 正に圧倒的大迫力!そんな未知なる強大な敵を前に、地球人が団結して立ち向かう姿を描くが、 その解決法にひねりも説得力も無いところが惜しまれる。 また、アメリカ合衆国大統領が、自国の独立記念日を「人類の独立記念日にしよう!」 と高らかに宣言してしまうあたり、この作品はアメリカ人の、アメリカ人による、アメリカ人のための 映画であると思わざるを得ない。

『コンタクト』 CONTACT

1997年アメリカ
監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー、ジェームズ・ウッズ

UFOも異形の宇宙人も登場しない異色のSF。 人間(地球人)と宇宙人との空間を越えた接触(コンタクト)をリアルに描く。 本当に宇宙からの声が地球に届いたら、こんな行動を起こすのではないかと思わせるほど、 主人公の心情と人類の持つ宗教観を徹底的に追求している。 最終的にコンタクトに成功した場所が、宇宙からの声=神の声として無神論者を批判したアメリカではなく、 なぜか、東洋の日本であるところがおもしろい。

「こんな広い宇宙に、人類だけではもったいない」

『タイムマシン』 THE TIME MACHINE

2002年アメリカ
監督:サイモン・ウェルズ
出演:ガイ・ピアース、ジェレミー・アイアンズ、サマンサ・マンバ

TIMEMACHINEで紹介している『タイム・マシン 80万年後の世界へ』のリメイクで、 原作者H.G.ウェルズの曾孫サイモン・ウェルズが監督している。 数十万年〜数億年もの時間を旅する課程で、砂漠が森になり、 平原が大峡谷になっていくという地球の姿を見ることができる。

「誰もが心の中にタイムマシンを持っている。
過去に戻るタイムマシンは"記憶"と呼び、
未来に旅するタイムマシンを"夢"と呼ぶ」

『愛と哀しみの果て』 OUT OF AFRICA

1985年アメリカ
監督:シドニー・ポラック
出演:メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード、マイケル・キッチン
アカデミー作品賞を含む7部門受賞

アフリカでコーヒー園を経営する大資産家夫人の不倫の物語。 一匹狼のパイロットと激しい恋に落ち、アフリカの大草原を飛行機で飛び回るシーンが 何といっても幻想的で美しい。しかし、自由と孤独を求める男は彼女のもとを去ってしまい、 最後に残ったのは広大なアフリカの大地だけであった。

『アラビアのロレンス』 LAWRENCE OF ARABIA

1962年アメリカ
監督:デビッド・リーン
出演:ピーター・オトール、オマー・シェリフ、アーサー・ケネディ
アカデミー作品賞を含む7部門受賞

第一次大戦中の実在の人物ロレンスの半生を描いた戦争映画ではあるが、 砂漠の美しさに魅せられる壮大な叙事詩でもある。とにかく砂漠、砂漠、砂漠の連続で、 これほど大画面で観るべき作品というのは他にないだろう。 砂漠の民を導くロレンスは、正に「現代のモーゼ」ともいうべき存在としてとらえられている。

『人類創世』 QUEST FOR FIRE

1981年カナダ・フランス
監督:ジャン・ジャック・アノー
出演:エバレット・マクギル、ロン・パールマン、レイ・ドーン・チョン

原始時代の人類が火を求めて旅に出る。途中、サーベルタイガーに襲われたり、 マンモスの群れに遭遇したりと様々な苦難の冒険の果てに、仲間の待つ集落へと火を持ち帰る。 最初は野蛮な獣同然だった主人公たちが、徐々に文明に目覚め、 人間性を帯びてくるところに進化の過程を感じる。裏テーマは「セックスの起源」。

『楢山節考』

1983年日本
監督:今村 昌平
出演:緒方 拳、坂本 スミ子、あき 竹城

おそらく、江戸時代末期か明治か大正の頃の日本。 雪深い山奥のとある集落には、70歳を過ぎた老人は山へ捨てられるという風習が残っていた。 それは、限られた食料を皆で分かち合いつつ、自分の家族も養わなければならないという、 村の厳しい掟の1つに過ぎなかった。 「生と死」(性もか?)というわかり易いテーマに徹底しているが、飢饉やそれに近い状況で暮らしていると、 人間性ってこんな風にもなるんだなぁと、現代人としては感じ入るところが大きい。


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