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 プラスチックについて





















 『プラスチックとは』大きな分子量を有する有機化合物からなり通常最終状態においては固体であるが、それに至るまでの過程において熱や圧力の作用で流動化し、自由に成形出来る一群の材料を総称してプラスチックと言う。
 プラスチックのほとんどが石油から合成された高分子化合物です。石油の中の化学原料にするナフサという成分をさらに分別したり、重合させたりしてプラスチックにします。重合のさせかたによりいろんな種類のプラスチックが作られます。
 また近年、石油系に依存しない環境負荷の少ないラスチックとして、生分解性プラスチック(グリ−ンプラ)がいろいろ研究開発され、いくつかは実用化されています。
           
      ・・・・・【石油の源〜プラスチックになるまで】・・・・・

 石油のもと(源)になったと考えられているのは、数億年前の海や湖で繁殖したプランクトンや藻などの生物体の死骸(有機物)等が土砂とともに水底につみかさなり地層が出来、その地層が硬い岩石となる途上で、中に含まれた有機物が重合してケロジェン(油母)とよばれる複雑な高分子化合物になります。
 さらに長い年月をかけて地層が積もり、ケロジンの層は地中深く下がっていきます。やがて地熱やバクテリアのはたらきによってケロジェンは、油・水分・ガスに分解され地下からの圧力で上へ上へとしみだしていきます。これが石油のもとになったと考えられる中の「ケロジェン根源説」とよばれるもので、石油鉱床形成の最有力説となっています。
 上へ上へとしみだした油・水分・ガスは、やがて隙間のない硬い岩の層(帽岩)にじゃまをされ、その下の柔らかい岩石の地層に溜まります。溜まったこの層を貯留岩といい、油の層の部分が油田と言われている所です。
 この油田から掘り出した油は、ガス・油・水に分離され、分離された油はタンクにためられて、さらに不純物を沈殿させます。油はタンカーで石油コンビナートに運ばれ、原油タンクに移し替えられます。

 石油化学コンビナートに運ばれた原油は、石油精製工場の加熱炉で加熱し常圧蒸留装置で蒸留され沸点の差により「石油ガス」「ガソリン・ナフサ」 「ジェット燃料・灯油」 「軽油」 「重油・アスファルト」に分けられます。
 このうちの合成樹脂などの原料となる「ナフサ」をナフサ分解工場に送り、分解炉で加熱しそれを分解ガス分留装置で蒸留し、基礎製品となる「エチレン」「プロピレン」「ブタジエンン」「ベンゼン」「トルエン」「キシレン」に分けられます。
 これらを中間製品工場でナフサを分解して得た基礎製品に、重合させたりほかの分子をくっつけたりして、身近にある製品を形づくる材料(プラスチック・合成繊維原料・合成ゴム・塗料原料・溶剤・洗剤原料)になります。
 できたばかりのプラスチックは粉や塊で扱いにくいため、いったん溶かして加工しやすくする添加剤などを加え、米粒状(ペレット)に形を整えます(通常はこの段階からプラスチックと呼ばれます)。
 そしてプラスチック製品を製造する成形工場に出荷され、いろいろな製品に加工されます。

 プラスチック用語(JISK-9600)には:高分子物質を主原料として人工的に有用な形状に形作られた固体である。ただし、(繊維・ゴム・塗料・接着剤などは除外される)と定義されています。
 辞書には(プラスチック):熱や圧力を加えて思うとおりの形に作れる物質・合成して作られた樹脂、などと書かれています。
 また英語では(Plastics):合成樹脂・どんな形にでも出きる・どうにでもなる、などと書かれています。
 ププラスチックに万能なものはなく、それぞれの利用目的に応じた性質のプラスチックが研究開発されています。これらのプラスチックについて、決まった定義は無くいろいろな考え方による分類があるようで、一般的には熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂の二分類に分類されます。また熱可塑性樹脂については、耐熱性の度合いで、汎用樹脂汎用エンジニアリング樹脂スーパーエンジニアリング樹脂の3分類に、高分子鎖の配行度合いから、結晶性樹脂非結晶性樹脂の2分類に分類します。
                                            ◇主なプラスチックの概略分類表

 ■熱可塑性樹脂:線状の高分子。加熱すると軟化して加工できるようになり冷却すると固化する。また加熱すると軟化し繰り返し使用可のプラスチック。

 ■熱硬化性樹脂:線状の3次元構造の高分子。加熱すると軟化し化学反応により固化する。一度加熱して固化したものは再度加熱しても溶けないプラスチック。

 ◆熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違いをわかりやすく「チョコレート」「ビスケット」に例えるとチョコレートは、熱を加えると溶け、冷やす固まります。再び熱を加えると溶け、冷やすと固まります。このような性質の樹脂が「チョコレートタイプ」熱可塑性樹脂です。

  ビスケットは、混ぜた材料を加熱すると固まり焼き上がります。しかし、再びビスケットを加熱しても 一旦硬化したものは軟らかくなりません。このような性質の樹脂が「ビスケットタイプ」熱硬化性樹脂です。

 ●汎用樹脂:樹脂価格が比較的安く加工もしやすい熱可塑性プラスチックのこと。中でもPE,PP,PVC,PSが四大汎用樹脂と呼ばれている。熱変形温度100℃未満、引っ張り強さ500kgf/cu未満、耐衝撃5kgf.cm/cm未満の特性を持つ熱可塑性樹脂。

 ●汎用エンジニアリング樹脂
:熱変形温度100℃以上、引っ張り強さ500kgf/cu以上、耐衝撃5kgf.cm/cm以上の特性を持つ熱可塑性樹脂。

 ●スーパーエンジニアリング樹脂:汎用エンジニアリング樹脂よりも更に高い熱変形温度150℃以上にも長期間使用できる特性を持つ熱可塑性樹脂。


 ●結晶樹脂:架橋や枝分かれがほとんど無く、規則正しい分子構造をもった高分子。ふつう 全ての分子が結晶化することはない。結晶化している部分の量を結晶化度で示し、 結晶化度が高いほど硬度、弾性率強度などが向上し透明性はない。

 ●非結晶樹脂:分子主鎖に無秩序に側鎖がついていたり枝分かれや架橋があり、無定形状態にある高分子。 無定形状態には、硬いガラス状態と柔らかいゴム状態などがあり通常透明性にすぐれたものが多い。


 ●生分解性プラスチック(グリーンプラスチック):使用時は従来のプラスチックと同じ様な機能を保ち、使用後は自然界の土や水中に生息する微生物の働きにより分解され、最終的には水や二酸化炭素に分解されるプラスチックです。*例(トウモロコシやジャガイモなどのデンプンや糖類を乳酸菌で発酵させ、さらに化学的に重合して作るものなどあります)環境負荷の少ないプラスチックとして、また未来のプラスチックとして注目されています。すでに実用化されていますが本格使用には、まだ問題点も多いようです。
 またプラスチックは、成形する前の材料を合成樹脂や単に樹脂(Resin)とも呼ばれています。樹脂という呼名についてプラスチックは樹木から出来た物質ではないのに樹の脂と書く事を疑問に思い調べて見ると、1907年にベルギー生まれのアメリカ人化学者ベークランド氏によって開発された、人類が合成し工業化に成功し最初に本格的に生産された熱硬化性樹脂のフェノールが(茶褐色をしている)天然樹木の分泌物(身近に有る物で松脂)に外観が似ていたことから樹脂と呼ばれ現在に至るようです。 
 プラスチックが歴史年表に初めて登場したのは、1835年にポリ塩化ビニール粉末が発見されたが、熱分解しやすく製品化までに至らなかった。
 製品化された最古のプラスチックは1851年にエボナイトで、つづいて1868年のセルロイドとなるが、天然ゴムやセルロースという天然の高分子を原料とするため半合成品といえる。
 完全なる合成品、すなわち、低分子を原料として合成されたプラスチックとしては、1907年に開発されたフェノール樹脂である。そして1920年ころ〜1940年ころの間にユリア樹脂、ポリ塩化ビニール、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、メラミン樹脂、ナイロンなどが開発され工業化されました。ナイロンのキャッチフレーズ「石炭と空気と水とから合成され、クモの糸より細く、鉄鋼よりも強く、絹糸にも勝る繊維」に象徴されるように、1940年頃まではプラスチックの主原料は石炭でした。
 それ以降プラスチックの主原料は石炭から石油に代わり、その後もいろいろなプラスチックが開発され現在まで続いています。工業製品として大量に作り始められたのは主原料が石油に代わった1950年代以降であり、歴史としては比較的新しい素材と言えます。現在では、その使い勝手の良さから鉄鋼・セメント・ガラス・木材・軽金属などと同じように、基本的な資材として重要な材料の一角を占めています。
◆プラスチックという言葉に対して大半の人は硬い感じのする物だけをプラスチックと思い、軟らかい感じのする物は単にナイロンやビニールと言い、プラスチックの仲間ではなく異種のものと思っているようですがほとんどはプラスチックです(天然ゴムは区別する)。プラスチックという言葉はいくつかの特定された材料だけの呼び名ではなく、これら一群の材料を総称してプラスチックと言う事を理解していただければ幸いです。

★お断りプラスチックについていろいろと調べて見ましたが、はっきりとした定義が無い部分もあるように感じました。この辺がプラスチックのわかりにくい要素の一つと思いました。作者の勉強不足につき、内容につきましては必ずしも保証するものでは有りませんので了承下さい。
                           
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