明神下 神田川本店 ★★★★★
古びすぎた門 店構え 店内(2階の廊下) 菊の間
お通し うざく(1,050円) 白焼き(半分) うな重(3,990円)
すぐ外は外堀通り
05年12月24日訪問

秋葉原電気街のすぐ脇、外堀通り沿いにある古〜い、どちらかと言えば小汚い外見の建物が鰻の名所、「明神下 神田川本店」である。看板からして、置き忘れた昭和のような、遺物に近い趣である。

一歩足を踏み入れると、決して置き忘れられているわけでないことがわかる。旅館のように間口の広い玄関から、個室に案内される。別に個室を取ったわけでもなく、全部が個室なのである。建物内も外見同様に古いが、掃除が行き届いていて清潔感に溢れ、床や柱は柔らかいツヤを放っている。

うざく、白焼き(大、2,835円)、うな重(大、3,990円)とビール、日本酒を注文。ほどなくお通しと飲み物が到着。それから30分ほどして白焼きが登場。二人分に分けて配膳される。これは気配りなのだろう。白焼きは皮のパリッと感を残した仕上がり。パリッとというより、バリッとという感じで、箸で切れないくらい硬い。が、身の方はふっくらしていておいしい。個人的にはパリッと感が好きなので、まったく問題ない。山葵は卸し立てで、鼻につんと来るような辛さはなく、上品である。

白焼きの後に待つこと15分、うざくが登場。このお店の順番はこうなのね。蒲焼の前哨戦という感じで、緊張しながら摘む。これがおいしい。甘さを抑えてやや辛目のタレと酢が絶妙に絡む。ふっくらとしながら締まった鰻がそれらを十分に受け止め、口のなかで一気に広がる。いと美味し。

うざくを食してさらに15分、ついに真打登場である。蓋を開けるとほわっと広がるうな重の香り。この段階で好みの美味しさであることを確信する。お味はその通りであった。機械で測ったような正確さで適度に抑えられた甘さ。しかし、しっかり感じられる。甘さを覆うような醤油味の辛さが、これまた控えめだけどしっかり味の決め手になっている。焼き目のきれいな鰻が実に香ばしい。

焼加減は、ふっくらふわふわながら、身がしっかり詰まった歯ごたえを残している。口の中で溶けるのではなく、しっかりと噛んで味わえる加減だ。

大変おいしく頂いた。特に蒲焼の味については、これまでの中で一番好みである。甘さがなく辛いだけ、という評をよく目にするが、決してそんなことはない。甘さは抑えてあるだけで、僅かであるけどしっかり感じられる。どっち味だと二つに分ければ辛口となるけどね。実に深く洗練されたお味だと思う。

お味の順番では、「神田川」、「石ばし」、「小川家」かな。しかし、焼き方では「小川家」、「石ばし」、「神田川」の順になる。

ちなみに、白焼きの好みでいくと、「小川屋」、「野田岩」、「石ばし」、「神田川」かな。なんだ、結局「石ばし」より下じゃないか、というなかれ。「蒲焼の味」も大きなポイントである。

そうそう、神田川の最大の問題は価格である。量的に同じ「石ばし」のうな重(上)は2,800円。神田川は3,990円にサービス料15%がつく・・・。庶民としては何かを犠牲にする覚悟である。今度は小さいほう(3,360円×サービス料)にチャレンジしてみるかな。

明神下 神田川本店
住 所 東京都千代田区外神田2-5-11 03-3251-5031
営業時間 昼 11:30〜13:30(最終入店)
夜 17:00〜19:30(最終入店)
定休日 日・祝


06年8月26日、「神田川」再び
お通し 白焼き・大(2,835円) うざく(1,050円) うな重・中(3,360円)
店内 「本日売り切れ」 店構え
秋葉原での買い物ついでに、「明神下神田川」を再訪。やっぱりうまい!

今回も、ビールと冷酒、「白焼き・大」(2,835円 )、「うざく」(1,050円)にうな重・中(3,360円)を注文。前回は「小川家のトラウマ」のせいで「うな重・大」(3,990円)を頼んだけど、中で十分だということが分かっていたので、安心して頼んだ。

お通しやうざくのディスプレイが前回と微妙に違う。でも、おいしい。「白焼き」は二分割ではなく、丸ごと串付きで登場。ディスプレイはこちらの方がいいね。表面は冷め気味なのに、内側が熱々なのにびっくりした。これが炭火の力なのだろうか。なんだか鰻が生きている様で、とてもありがたい一品に感じられる。とにかくおいしい。

そして、うな重。前回同様に、焼き方が実にきれい。全体に落ち着いた輝きに満ちていて、上品でありがなら、原始の魅力を醸しだしている。そして、白焼き同様に、表面が冷め気味だけど、中身がジワリと熱い。アチぃ!と叫びそうな熱さではなく、じっくりじわじわといつまでも冷めない熱さなのだ。やはり、炭火の強さ?このあたり、浅草の「前川」とは雲泥の差である。

お味の方は流石の一言。もちろん、おいら好みという意味だ。全体に抑えに抑えたストイックさがある。鰻の魅力を引き出すための必要最小限の味付け。鰻との信頼関係がなければ、出せない味付けだろう。焼き方も丁寧。鰻はふっくらとしつつも、しっかりした歯ごたえにうまみを凝縮した焼き上がりである。

本日も、前回と同じ「菊の間」。「煩いお席で落ち着かなかったでしょう」と、帰り際に相席だったことの侘びをもらった。ま、でも衝立で仕切られていたし、タバコを吹かす人もいなかったので、快適であった。

高いけど、それだけの価値はあるお店。まだ訪問したことのない方、一度は味わっておきましょう。

2007年秋の神田川
部屋から 秋葉原のビル お通し 白焼き大(2,520円)
うまき(1,680円) うな重小(3,360円)
2007年10月20日訪問。

1年ぶりくらいかな〜。先日の石ばしに続いて、明神下神田川を訪問。今回は初めてのお部屋、入り口から一番奥の雪の間だった。窓からは庭と遠目に秋葉原のビルが見える。この方角以外だと隣接した民家の壁か家並みなのが、都心の一軒家の限界だろうか。

いつもの「白焼き」(大、2,520円)と「うな重」(小、3,360円)、それに初体験の「うまき」(1,680円)を注文してみた。それと、ビールと日本酒ね。相変わらず日本酒のメニューは貧弱で、器も悪い意味の昭和レトロ。この辺りは是非とも改善してもらいたいところ。

お通しでぐびりとやりながら30分ほど待っていると「白焼き」が登場。白焼きは皮の焼き加減が絶妙で、わずかなパリッと感がなんともいえない。触感を残しつつもふんわりとやわらかい仕上がりも流石。

次が「うまき」。写真は小分けにした一人分。ふんわり卵で閉じた蒲焼〜。おいしいんだけど、おいらには卵の味付けがどうにも甘ったるい。「うざく」の方がいいなあ。

そして、「うな重」。もう言葉もありませんわ。写真でもわかるこの丁寧な仕上がり、控えめながら堂々たる照り。甘さをきっぱりと抑えたタレと鰻の旨味がどんぴしゃりの相性。やや硬めのご飯と鰻の柔らかさが口の中で混じると、どうにもこうにも幸せな気分になるのである。

いやあ、ごっつぁんです。これだけ払えばうまくて当たり前、といえば当たり前なんだけど、わかっていながらこの満足感はなんだろう。また、確かめに来よう。



2008年冬の神田川
1階テーブル席 お通し うざく 白焼き(並)
鰻重 鰻重(並)
2008年12月訪問。

今シーズン初訪問。先日来、立て続けに石ばしを訪問しており、とりあえず今シーズンのノルマ達成(?)。

今回は初めて1階に案内され、しかも椅子席。事前に噂は仕入れていたものの、驚きである。座敷同様の土壁を残しながら、木のテーブルに木の椅子と、木目を活かした空間造り。おいらは座敷の方が好みだけど、これはこれで落着ける。

どうやらサービス料がかからない点は、経済的にはGOOD。足の悪い人や高齢者にも優しいね。そうそう、このご時勢にお値段据え置きであったのも、驚き。元が高いので、頑張れちゃうのかな。

「肝焼き」が売り切れのため、今回はいつものごとく「うざく」に「白焼き(並)」、「うな重(並)」を注文。お酒はビールと日本酒。相変わらず日本酒は菊正宗の常温と冷酒のみで、取り揃えは超がつく貧弱さ。とおもっていたら、冷酒の器が焼き物に変わっていた。大きな進歩か、それとも冬季限定か。

お通しを摘みながら、しばらくぐびぐびやっていると、「うざく」が登場。「白焼き」が先になるいつもと順番が違うが、先客のために作ったついでなのだろうか。淡く酢に浸かった蒲焼は、締まりがよくて肉厚。お味はいつもの通り甘みを抑えた辛口。おいしい〜。

そして白焼き。外側パリッの中身ホクホク。焼き方は完璧においら好み。鰻にはじんわりと滲み出てくるような甘さがほんのりと感じられ、微かな焦げ風味と絶妙のハーモニーである。う〜む。来た甲斐があった。

そしてトリがうな重。重箱が新調されていてきれい。やわらかい艶を放ちつつ、まだ傷一つないのね。蓋を開けると〜。もう、たまりませんわ〜。相変わらず、控えめできれいな焼き目から、丁寧な仕事振りが窺える。並ながら十分に面積も嵩もある蒲焼。白焼き同様に外側パリッの中身ホクホクな焼き上がり。辛口のストイックなお味。ちょっと固めのご飯。もう、何も言うことはないのである。ひたすら、おいしい。

石ばしと神田川を続けて堪能し、おいらたちの鰻シーズンは開幕早々に終了・・・のわけないか。
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