勇者特急マイトガイン


1.この作品について
この作品はどうだったかなー。
これも見たり見なかったりが多かったのですが、なぜか後半も見ていたようでした。
ただ前作では前半は良く見ながら後半は見なくなるパターンばかりだったのに、
この作品は全体を見ていたものの、半端にしか見てなかったようでした。


2.再会
これも名古屋テレビでの再放送で見ました。
ですがその前にレンタルビデオででも見てました。
中途半端に選ばれた話ばかりでなんとも微妙でしたが。

3.この作品の魅力
三作谷田部監督により続いた勇者シリーズ。
そこから新たに高松監督にバトンタッチされ、 石田敦子さんのキャラデザ同様に見た目も中身も 非常に様変わりしました。
それまで現代的だった世界観から(エクスカイザーも一応 未来らしいですけど)明確な未来という 科学の進んだ舞台となり、
勇者は生命体ではなく人工的なロボット、 そして敵は宇宙人ではなく同じ人間。
この作品は僕にとってなかなか難しい評価となった作品でした。
何故なら、この作品は見ている分には非常に面白いんです。
何でも出来るまさにヒーローの舞人、いつもトラブルに巻き込まれる 薄幸の美少女サリー。
そして舞人を狙うライバルのエースのジョー等々。
ストーリーは面白いですし、キャラは魅力的。
特に敵が一つの組織ではなく、複数の組織であるが故 バリエーションも多い。
ロボットもカッコいいですし、戦闘シーンも演出が良い。
ですがストーリー上少々ご都合主義的な展開や、 偶然に頼った展開など、見終えると少々疑問に残る展開が気になったりしました。
なので一度そういったことが気になると 素直に楽しめなくなります。
なので僕も一時期この作品において色々指摘したりしていました。
が、それも一時期です。
では今はどうかというと、もう大分違います。
なぜそうなったか、それは作品そのものよりこの作品の背景にあります。
監督さんによるとこの作品を作るうえで、悪い言い方をすれば 開き直った作り方をされたとのことでした。
キャラクターに対しこの人はヒーロー、この人はヒロイン、この人は ライバルというように、型にはめた作りを敢えてしたそうなんです。
そう考えるとこの作品で感じていた不自然な 点が見事に解消されました。
舞人はなぜあそこまで完全超人なのか、それはヒーローだから。
少々都合のよい勝ち方や展開が多いのではないか、だって ヒーローは勝つものだから。
サリーはなぜいつもトラブルの渦中にいるのか、 それはヒロインだから。
あんな子供(浜田君)に超技術なロボットの設計が出来るのか、 それは主人公をサポートする友人だから。
個人のような組織でありながら、あそこまで超強力なロボット を所有できるのか。
それは悪の組織だから。
そう考えるとこの作品はむしろ非常に活劇として非常に 優秀な気がするんですよ。
ヒーローがいて悪人が事件を起こして、それを 解決する。
ヒーローとしては何一つ間違っていない理想な姿です。
そして監督さんのインタビューの中で好きなエピソードで、 友情の合体バトルを挙げていました。
その理由として、「努力、友情、勝利と言えば勝てるあたりマイトガインらしい」 とされていました。
今だとすごい納得できるんです、マイトガインとはそういう話なんだと。
そして極めつけです。
その少々都合のよい展開もそれが登場人物たちだけの力だけではない、まるで何か 見えない神のような存在の力が手助けしているような気さえしてしまいます。
何が言いたいかもうお分かりですよね。
そう、この最終回の展開はまさにそれなんですよ。
それまでの少々都合のよかった展開も、全てはブラックノワール、 あるいはそれをも操っていた本当の三次元人。
それら神とも呼べる存在によって全ては仕組まれていた 展開だった。
ハッキリ言って反則に近い禁じ手のようなもんですが、 この作品ではむしろテーマの完結という意味では これ以上ない良い最終回だったと思います。
僕としてはブラックノワール自身も二次元人で、 監督以下スタッフに三次元人と思い込まされていたと 思っていました。
だって本当に神だったらなぜ魔のオーラが消えたのか 分からないはずはないですからね。
最初から負けると決まっていた巨大な悪という名のコマだったと。
そしてもう一つ僕がちょっと面白いと思ったことがあります。
それは、総集編の回であったロボット工学の専門家の語った話です。
勇者特急隊のロボットの技術は誰がどう作ったのか、それは 謎としか言いようがない。
これはまあいいでしょう、普通超技術が作られた場合ある程度 設定があるものですが完全にぼかしている。
さらになぜ列車の形態を取るのかという問いには、 世界中に張り巡らされた鉄道を利用するというのが答えでしょうが、
あそこまで列車の姿を再現する必要はあるのか、謎としか 言いようがない、というものでした。
これ面白いと思うんですよ。
そこは鉄道を利用するためでいいじゃないですかね。
そこを敢えて何のためなのか不明で謎としてしまうのは やはり作品世界の中の誰かではなく、作り手、
あるいは スポンサーの都合というまたも見えない力が働いていて いるという暗示だと思うんですよ。
つまり設定に関して真っ当な理由を付けることが出来るのにも関わらず、 それを自分たちでわざと否定してみせることで、これは 作り物という歪な設定にしているのではないかと。

ただそれだけでは納得いかない問題もあります。
やはりロボットたちの個々の活躍の無さや、合体しても 主役以外はやられてばかりというのはどうかと思います。
ヒーロー物として作っているのなら、ヒーローたちを しっかり活躍させることは必要だと思います。
もっとも勇者トイの本で、タカラのスタッフがアニメスタッフに ロボットが多すぎて描ききれないと文句を言われたとあったので、
意図したわけではなくそうせざるを得なかったということかもしれません。
しかし仲間ロボであるボンバーズ&ダイバーズは完全に前作のセイバーズ& ランダーズとポジションを変えただけですからね。
ダイバーズも救助活動を主としたチームですが、結局救助自体が あまり描かれていなかったと思います(総集編でも個々の 解説の際、武装しか紹介されないというのも裏づけだと思います)
サブタイトルで〜〜登場!!としつつも今一つその新ロボが活躍できていなかった というのも問題だと思います。
特にバトルボンバー、マイトガンナーの回は完全にウォルフガングが 主役なうえ、割と味わい深い話だっただけに初陣の登場が少々霞んでしまった 気がします。
またバトルボンバーは結局初登場回以降一度も単独での登場回が無く、 登場する回はかならずダイバーズも一緒でした。
やはりマイトカイザー、グレートマイトガインが登場してしまっては 戦闘に重点を置いているバトルボンバーでは活躍出来なかった ようです。
逆にダイバーズは救助活動のおかげで2回単独での出番がありましたし、 戦闘では目立てない分まだ良かったですね。
ただロボットの活躍において本作で特筆したいのが、マイトガイン、マイトカイザー の1号ロボ、2号ロボが同時に活躍する場面が多かったことですね。
矢田部監督作品の場合設定上エクスカイザー、ファイバードは同時に 両立させることが出来ず(ドラゴンはあくまで命令を受けて戦うだけですからね) ダ・ガーンXとガ・オーンは声優さんが同じなためか同時に戦うことは ほとんどありませんでした。
それだけに本作ではマイトガイン&マイトカイザーのWヒーローコンビで 戦ったおかげで、片方が合体要員にならずに済んだと思います。
偶然なのか狙ったのか分かりませんが、高松監督作品では 1号ロボ2号ロボが同時に戦い、合体後5体編成になることが多かったですね。
バトルボンバーが後半ほとんど活躍出来なかったと書きましたが、これも マイトガイン&マイトカイザーを立たせるためには仕方なかったかも 知れませんね。

あと全体的な戦闘シーンの使いまわし描写の多さ、特にマイトガインVS 飛龍は多すぎですよね。
せめて決着のつけ方は変えて欲しかったです。
また終盤の戦闘でも、量産期の倒され方やリーダー格のロボットVS Gマイトガインの戦闘も1話前を思いっきり使ってましたよね。
そして悪人に対する扱い。
前半までは脱出、あるいはギャグ描写でも吹っ飛んでボロボロで 助かるというのもありました。
しかし後半では脱出描写はほとんどなかったですし、おそらく 明確に死んだ悪人もいます(ドリル特急を追いかけてマグマに飲まれた中華の人など)
そしてエグゼブやパープルなどのように、洗脳された だけの悪人も結局は死んでしまいました。
パープルはどういう人間だったかは分かりませんが、 少なくともエグゼブは有能な政治家だったんですよね。
具体的にどういう人間だったかは不明ですが、洗脳する必要があった ということは悪い人間ではなかったと思いますし。
またユリウスに対していきなりキャノンを撃つのもちょっと 酷いですよね。
無論舞人を狙い撃ちにしている人殺しなんですが、 生身の人間かも知れない相手にロボットに撃つ兵器を放つのはいわゆる オーバーキルです。
マイトガンナーは百発百中の射撃ロボなので、小さくて早い弾道だけを 消滅させ、衝撃波だけで吹き飛んだだけというのでも良かったと 思います。
各組織壊滅もあっさり、わるいはなし崩しでちょっとおざなりだったと思います。
同時期に放送されていたジャンパーソンは一つの組織との決着に2話を要したり していたのと比べるとちょっと気になります。
捕えられたはずのカトリーヌビトンはなぜ自由でいたのか謎ですし、 ウォルフガングのキャラも今一つ定まらなかった気もします。
勝利に大きな貢献をした人物ではありますが、別に改心したわけじゃないですよね。
マイトガンナー初登場時の回で未だにマイトガインを打倒していたみたいですし。
キャラの個性は出ていましたが、悪人に対しては少々 雑だった気がします。

色々時になった点もありますが、非常に面白い作品でした。

4.最後に
この作品は人気作でしたね、知名度もシリーズ中トップだと思います。
その要因としてはやはりキャラ人気が大きかったのではないかと思います。
キャラデザが石田敦子さんに変更され、女性を中心にキャラクター人気を得ていたようなので。
アニメディアでも三回表紙を飾り、アニメージュでは二回。
特にアニメージュで表紙を飾ったのはこの作品だけです。
余談ですが、この作品のおもちゃは人気があった 、なかったと情報が極端に二分されています。
僕があるサイトで見た情報では、売れ行きの悪さに 年末を待たずに生産を打ち切ったとありました。
しか勇者トイの本の高松監督のインタビューによると、 思いのほか売れたので在庫がなくなったとコメントされています。
どちらもある意味最終的に品薄になったという点では一致していますが、 理由はどちらなのか定かではありません。
売れなかったという情報が載っているサイトは個人サイトっぽいので 勝手にリンクを張ってよいのか分からないので伏せておきますが、 どうなんだろうなあ。
単純にロボットのデザイン自体は結構カッコよいですし、悪くはないと 思うんですけどね。
ただ超勇者復古列伝として、マイトガイン、マイトカイザー、マイトガンナー までもが復刻。
しかもカラーリングまで変更。
そして当時でも発売されなかったグレートのパーフェクトモードセット の販売など、今までの復刻シリーズの中でも気合の入った 売り方だったのは間違いありません。
それが売れなかった作品で出来るとは思えないですよね。
ということはやっぱり売れたのかもしれませんね。


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