水流渓人のページ「登山日記」No,90

2002/4/10
比叡山
ひえいやま
第1スラブ「スーパー+ノーマル」ミックスルート

第1スラブを見上げる スーパールート 終了点
 
 行きたくて仕方なかった「比叡山」のクライミングルートである。実は、岩登りならどこでも行きたかった。3月の繁忙期に鬱積したものを、すべてスカッとしたかった。しかし、私だけではどうにもならないので、山の師匠・所属山岳会の会長に同行をお願いしていた。その願いが、ようやく実現したのである。
「もう、あんたが二度と来たくない!って思うところに連れて行くわ!」
その言葉を聞いたときから、不安と期待一杯だった。さしづめ前夜は、はじめての修学旅行の気分であったが、睡眠は別みたいで布団に入るといつものように、5分と起きていられなかった。

 6時に迎えに来てくれた。横で喋っているだけの私は、まるでどちらが先輩だか判らない態度だ!・・・ん?それが私なのかも知れない。相当な図々しさだ。ましてや、大先輩の師匠は、本日仕事なのにムリに連れだしたのだ。
 岩場に取り付く所の駐車場は、もちろん私達だけである。クライミングシューズを履き、ハーネスをつけ、カラビナ・シュリンゲ・確保器などをぶら下げると、身が引き締まってきた。
 1Pの取り付きは、真っ直ぐに登り少し左へ逸れて樹林帯がでピッチを切る。微妙な岩の起伏とシューズのグリップが、私を上へ持ち上げてくれる。続いてが核心部だっような気がした。2Pは20bだが、樹林帯から抜けるようにトラバース気味に進むと、急に視界は300b直下の綱の瀬川まで切れ落ちて見える。これをクライミングの醍醐味というか、楽しさと言うならば、もっと技術を上げないと景色に興じている余裕はなかった。実に微妙なバランスがすべての筋肉に緊張を与えていた。何度も、「落ちる」と心の中でつぶやいていたが、なんとかビレー点にたどり着く。10p程度のステップに2人が立ち、ビレーを入れ替わる。限りなく足下は切れ落ちている。3Pが始まった。実に微妙なバランスだ。2度、ピンに立ってしまった。でも、ついにザイルに身を任せる事無く登れた。続いて4Pをクリア。当然、ずっとセカンドである。
 気がつけば、喉がカラカラだった。もらったトマトが旨かった。なんか、楽しさが体中を包んでいた。紛れもなく、先輩のなせる技で、私がここにいた。20bほど、ノービレーで移動する。
 5Pは、ちょっとしたチムニーを横に蹴り、狭いテラスにはい上がる。少しのトラバースでルートは上へ向かう。通称「亀の甲スラブ」。亀の甲羅のように溝が走り実に登りやすい。快適な登りだと思った。楽しいと思った。岩の割れ目がビレー点?だったと思う、6Pは50メートルのザイルがめいっぱい伸びる。7Pは印象にないが、後半は実に楽しく登れた印象だけがある。そして、最終8P。私にトップを任せてくれた。怖い気持ちより、先輩の気持ちが嬉しくて断るはずもない。下からの心強い声で、なんとかルートをたどれた。
 「登る」と言うことしか頭になかった2時間30分が終わった。到達点から、矢筈・丹助が重なるように見えた。吹く風も、気持ちいい。いつにない満足感と、先輩への感謝。惜しむ気持ちで高度を下げた。
6:10自宅発--8:05登山口駐車場--8:20登山開始(取り付き)--11:05登攀終了点--昼食--11:50下山開始--12:10ニードル取り付き見学--12:30下山--高鍋温泉--16:00自宅着

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参加者 ぱぱ まま 長女 次女 長男 次男 ゲスト
出欠 NAMA
年齢 43  42 12 10 6  
山数合計 135   
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