ステロイド外用薬について★まずはご自分の薬を知りましょう

ステロイドとは 身体の中の副腎という臓器から分泌されているホルモンで、強力な抗炎症作用を持っていると同時に、種々のホルモン作用、代謝に関与しています。
薬理作用 主に抗炎症作用などの抗アレルギー作用
作用機序 ホスホリパーゼA2を阻害し、アラキドン酸カスケードの全行程を抑制。(アラキドン酸カスケードによって合成されるロイコトリエンはI型アレルギー反応において肥満細胞から分泌され、強力な血管収縮作用と気管支平滑筋収縮作用を持つヒスタミンとともに、アレルギー反応を生じ る原因になります)
蓄積性について たとえ内服であっても作用時間の短いもので生物活性の半減期が8〜12時間。長いものだと36〜54時間(約2日強)。
  上記より半減期48時間のもので4日で1/4の量に、 6日で1/8の量に 8日で1/16の量になる計算。このことから何十年もステロイドが蓄積するというのはウソ。しかも皮膚の再生のサイクルは約1カ月なので蓄積するという不安を煽る情報に振り回されないようにしたいものです。もっともステロイド外用剤が体内に蓄積してしまうのであれば、体内の副腎皮質ホルモンも蓄積してしまわなければならないというおかしな話になります。このこととは別に、ステロイドを長期・大量使用することでやめたときのリバウンドは起こる可能性があります。徐々に減量・ランクを下げるなどの方法をとります(この副腎機能を回復する期間が重要なので急な中止は厳禁です。)こちらも参照してください
副作用 皮膚感染症の誘発、多毛、座瘡、皮膚萎縮、酒さ様作用、毛細血管拡張など こちらも参照
注意点 皮膚感染を伴う湿疹や皮膚炎には使用しないのが原則です。
なぜ副作用が注目されているステロイドを使うのか ステロイドも多くの薬と同じく対症療法ですが、保湿ケアをしているにもかかわらず起きている皮膚炎症を放置することのデメリットは大きいと思います。娘の場合はステロイドの使い方がうまくできなかった時期に掻き壊しからハウスダストなどのアレルゲンが侵入したせいなのか、普段症状の出ない所(普段薬を塗っていない所)にも皮膚症状がでました。現に掻くことで表皮細胞傷害にもとづく炎症がさらに悪化するのは周知のことです。もちろんステロイドを使わなくてもいい状態であれば使う必要はないのですが、使うべき症状になっている人がムリに使用を拒否することで、ほかのアレルギーや症状を引き起こすことにもなりかねないと考えます。
ウソ・ホント ステロイドはその作用が強力だったためにアトピー性皮膚炎がステロイドで治るかのような錯覚があったり、重要な保湿ケアをスキップしてステロイドが乱用された時期もあったのは確かなようです。ステロイドの副作用が注目されてからすでに10数年以上経っているわけですから、ステロイドを使わなかった方、ステロイドで治療してきた方(頻度もいろいろ)の公平な比較もできる時期にはいってきたのではないでしょうか。ステロイド批判のうちの数割がステロイド全身作用と塗り薬がごっちゃになっていることも否めない事実ですが、全身作用のでるような処方をする医師がいるというのも事実なようです。良い主治医を見つけ、正しい知識と正しい使い方をすることが原則です。
ステロイドのせいだけで色素沈着を起こす→ウソ アトピー性皮膚炎のように慢性の炎症を繰り返している疾患では、メラニンを多く含む表皮基底層が傷害された結果この症状がでるのは当然のことです。ステロイドを全く使用してこなかった症例でも不規則な色素沈着はみとめられないものの、くすんだ灰褐色を呈し、乾燥・粗造化は顕著で同じように弾力繊維の変性や消失がみられるそうです。一番著明な副作用が認められるのは、不規則に使用・中止を繰り返してきた症例とのこと。このことから、脱ステを繰り返して挫折することが一番危険であると思われます。
光に当たるとよくない→一部ホント ステロイドに限らず、ワセリンでもサンオイルのような働きで日光を集め、日焼けするという意味でよくないと思います。ステロイドではないが、プロトピックは強い日差しにあたってはいけない薬です。
骨がもろくなる→ウソ 全身投与の副作用であり、正しい使い方では全身作用はでない。
顔がまるくなる→ウソ これもムーンフェイスと言われる全身作用。塗り薬を正しく使っていればまず大丈夫。ちなみに全身作用の副作用としては消化性潰瘍の憎悪や糖尿病発症、骨粗しょう症、腎不全、感染症憎悪、緑内障などなど。
使い方のポイント 主作用と副作用の間がステロイドの安全域になります。安全域は非常に狭く、非ハロゲンステロイドの製剤など工夫が試みられてきましたがいまだ主作用と副作用の分離は不可能です。・・・となると使い方が問題になってきます。だらだら塗らない位の効き目の正しいランクが一番のポイントですが、効かなくなってくるようではランクをUPするしか手段がなくなります。そこで休薬期間が重要になってきます。症状に合ったステロイド外用剤で炎症を充分に抑えこんでいれば多少の期間はステロイド無しでも症状の悪 化がしのげます。その間に「ステロイドの慣れ」がかなりリセットされるので、悪化した分のみ改善するように塗り、また休薬します。そうすればステロイドの慣れからどんどんランクを強くしていかなければならない状況は乗り切れることになります。だらだら合っていないランクのものをつけることは本当によくありません。「ガツンと使って休薬」を心がけつつ、生活の改善を実践することこそアトピー改善の近道ではないでしょうか。(だからこそ、アトピー日誌が重要になってきます。日誌のページにも記載しましたが実際に記載して観察してみないと具体的なことが見えてきません。本人または家族がわからないことは1カ月に数回しか会わない主治医にもわからないはずです。)憎悪レベルを脱却すればスキンケアと抗アレルギー薬だけのコントロール、さらに良ければスキンケアのみのコントロールレベルになるときもあります。ただ、これはコントロールという意味合いのもので、生活改善は必須です。ステロイドは我が家での対策に書いたTh1細胞、TH2細胞の作用をともに局所で抑制します。Th1までも抑制してしまうことや、リバウンド(副腎がホルモンは十分だとみなして正常な機能をしなくなることにより起こる)の面から考えても、治療をステロイドだけに頼るべきではありません。ステロイドをやめた時の免疫反応は抑えていたTh1の細胞障害性が強く、それによって組織を傷害される可能性があるといわれています。このことからステロイドはあくまでもコントロールのための補助であり、生活改善によるTh1,2、のバランスの改善の努力は必須だと思います。
またかゆみのない紅斑にはむやみにステを使うべきではなく、使用タイミングも重要だと感じます。
プロピオン酸クロベタゾールを一日10g塗る=リンデロン0.5mg錠内服 とも言われており、内服のほうがよほど全身作用が生じやすいことになりますから、外用を上手に使用することが大切だと思います。
抗生剤入りステの是非こちらも参照
 希釈の是非はこちらも参照


使用部位による吸収率の違い




使用部位によって全く吸収率が違います。顔や陰部は非常に良く吸収するので要注意です。以下、腕内側を基準とした吸収率の違いの目安です。   
参考・アトピー性皮膚炎専門医ガイド

頭 3.5
ひたい6.5 
あご13

わき3.6  
背中1.7
腕内側1
腕外側1.1
手のひら0.83
陰のう42
足首0.42 
足の裏0.14

ステロイド強弱表


こちらを参照してください

2004.8.1現在 参考・今日の治療薬 皮膚科学会ガイドライン 各添付文書 日本医事新報 

☆同じ成分でも製薬会社の違いで薬品名がちがいます。赤は先発品、その他は五十音順です。含まれるステロイドに関する詳細は成分名をクリックするとジャンプします(詳細はそれぞれ先発品の添付文書を参考にしてありますが、中には動物実験の結果であったり、本当にまれな副作用も網羅していますので、気になることがあってもご自身の判断で使用を中止せず、医師の指示に従って下さい)
☆使用量・期間の上限はあくまでめやすです。必ず医師の指示に従ってください。
☆眼軟膏は吸収の良い瞼などや眼の周囲に使える弱いものです。
☆同じ主成分でも剤型はさまざま・・・★軟膏=保護・柔軟化作用。乾燥・侵潤面の両方に ★クリーム=刺激があるので湿潤面に使用不可 ★ローション=湿潤面には不可・頭皮に使いやすい ★テープ=湿潤面に不可・成分の吸収が良い
顔面・首・腋窩・外陰部への使用ならびに密封療法・小児・老人の使用はこの1/2の量。 密封療法(ODT)はフィルムなどで密封する方法で、吸収は通常の数倍に。
上から亜鉛華軟膏を塗ったりリン塗布を貼る
重層法というのもある
↓小児はこの1/2の期間 備考・ただし詳細は成分名をクリック 
薬効 商品名 成分名
ガイドラインのランクは薬品名下に記載(武田の分類)
使用量上限めやす
成人(1日当たり単純塗布
使用量上限めやす
小児(1日当たり単純塗布
成人の体幹 四肢への使用期間上限めやす 備考
最強 デルモベート(軟膏・クリーム・スカルプ)、エンチフルゾン(軟膏・クリーム)、グリジール(軟膏・クリーム・スカルプ)、ソルベガ(軟膏・クリーム・ゲル)、デルスパート(軟膏・クリーム)、デルトピカ(軟膏・ローション)、マイアロン(軟膏・クリーム・ローション)、マハディー(軟膏・クリーム・液) プロピオン酸クロベタゾール
I群
5g 2g 4週間以内 大量で全身性作用あり特に注意
非常に強い ダイアコート(軟膏・クリーム)、アナミドール(軟膏・クリーム)、カイノチーム(軟膏・クリーム)、サコール(軟膏・クリーム)、ジフラール(軟膏・クリーム)、テオロップ軟膏 酢酸ジフロラゾン
I群
大量で全身性作用あり特に注意
強い マイザー(軟膏・クリーム)、サイベース(軟膏・ローション)、シフナール(軟膏・クリーム)、スチブロン(軟膏・クリーム・ローション)、ソロミー軟膏、、トリホモン(軟膏・クリーム)、ナルタール(軟膏・クリーム)、プラパスタ(軟膏・クリーム)、フルナート(軟膏・クリーム) ジフルプレドナート
II群
10g 5g 6週間以内 抗炎症作用はプロピオン酸クロベタゾールと同等だが副作用は吉草酸ベタメタゾンと同等
リンデロン−DP(軟膏・クリーム・ゾル)、ダイプロセル(軟膏・クリーム)、ディーピーポロン(軟膏・クリーム)、デルモゾールDP(軟膏・クリーム・ローション)、ヒズボット(軟膏・クリーム)、フロダーム(軟膏・クリーム) ジプロピオン酸ベタメタゾン
II群
作用時間長い
フルメタ(軟膏・クリーム・ローション)、フランカルボン酸モメタゾン(軟膏・クリーム・ローション)、マイセラ(軟膏・クリーム・ローション) フランカルボン酸モメタゾン
II群
局所抗炎症作用にすぐれ、全身作用少ない。
アンテベート(軟膏・クリーム・ローション)、アンフラベート(軟膏・クリーム・ローション)、サレックス(軟膏・クリーム) 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン
II群
局所抗炎症作用にすぐれ、全身作用少ない。作用時間長い
ネリゾナ(軟膏・クリーム・ソリューション)ネリゾナユニバーサル(クリーム)、アフゾナ(軟膏・クリーム・ローション)、アルゾナ軟膏、アルゾナユニバーサルクリーム、テクスメテン軟膏、テクステメンユニバーサルクリーム、ユートロン軟膏、ユートロンユニバーサルクリーム 吉草酸ジフルコルトロン
II群
  
メサデルム(軟膏・クリーム・ローション)、デルムサット(軟膏・クリーム)、ヒフメタ(軟膏・クリーム)、プロメタゾン(軟膏・クリーム)、メインベート(軟膏・クリーム・ローション) プロピオン酸デキサメタゾン
III群
作用時間長い
トプシム(軟膏・クリーム・ローション・スプレー)、トプシムEクリーム、グリコベース(軟膏・クリーム)、シマロン(軟膏・クリーム・ゲル)、ソルニム(クリーム)、ハケロン軟膏、ビスコザール(軟膏・クリーム)、ベスタゾン「ガレン」(軟膏・クリーム)、メドレキシムクリーム、ルーフル(軟膏・ゲル) フルオシノニド
II群
 
ビスダーム(軟膏・クリーム) アムシノニド
II群
アドコルチン(軟膏・クリーム)、サワスチン(軟膏・クリーム)、ムタヤイン(軟膏・クリーム) ハルシノニド
III群
 
パンデル(軟膏・クリーム・ローション)、イトロン(軟膏・クリーム・ローション)、デートニン(軟膏・クリーム)、ハーユロン(軟膏・クリーム) 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
II群
ハロゲンを含まないステロイドで比較的早く分解される。体内で活性の弱いものに代謝され、副作用少ない。作用時間短い
普通 エクラー(軟膏・クリーム・ローション・テープ・プラスター)、アロミドン(軟膏・クリーム) プロピオン酸デプロドン
III群
20g
7g 8週間以内 ハロゲンを含まない
ボアラ(軟膏・クリーム)ザルックス(軟膏・クリーム) 吉草酸デキサメタゾン
III群
作用時間長い
リンデロン−V(軟膏・クリーム・ローション)、インファナル、ケリグロール(軟膏・クリーム)、デルモゾール(軟膏・ローション)、トクダーム、トチプロベタゾン軟膏、ノルコット(軟膏・クリーム)、ベクトミラン軟膏、ベトネベート(軟膏・クリーム) 吉草酸ベタメタゾン
III群
作用時間長い
リンデロン−VG(軟膏・クリーム・ローション)、デビオンVG軟膏、デキサンG軟膏、デキサン−VGローション、デルモゾールG(軟膏・クリーム・ローション)、ベストフラン(軟膏・クリーム)、ベトネベートN(軟膏・クリーム)、ベトノバールG(軟膏・クリーム)、リダスロン軟膏、ルリクールVG軟膏 吉草酸ベタメタゾンの合剤
III群
★ベトネベートN、ベストフラン、フルコートFはフラジオマイシン(抗生剤)との合剤★リンデロンVGやその他はゲンタシン(抗生剤)との合剤です。 作用時間長い
プロパデルム(軟膏・クリーム)、ベクラシン(軟膏・クリーム) プロピオン酸ベクロメタゾン
V群
全身性作用少ない
リドメックスコーワ(軟膏・クリーム・ローション)、スピラゾン(軟膏・クリーム・ローション)、ユーメトン(軟膏・クリーム) 吉草酸酢酸プレドニゾロン
W群
ハロゲンを含まないステロイドで比較的早く分解される。体内で活性の弱いものに代謝され、副作用少ない。
フルコート(軟膏・クリーム・ローション・スプレー・ソリューション)、フルコートF軟膏、デルモランF軟膏、フルベアンコーワテープ、フルポロン軟膏、ポリシラール軟膏 フルオシノロンアセトニド
III群
デルモランFは、フラジオマイシン(抗生剤)との合剤
やや弱い アルメタ軟膏、タルメア軟膏、ビトラ軟膏 プロピオン酸アルクロメタゾン
W群
幼小児や老人では副作用が生じやすいのでこのランク以下がよく処方されやすい       局所抗炎症作用は酪酸ヒドロコルチゾンより強い
ロコイド(軟膏・クリーム)、アボコート(軟膏・クリーム) 酪酸ヒドロコルチゾン
W群
作用時間短い
ケナコルト−A(軟膏・クリーム)、トリシノロン(軟膏・クリーム)、ノギロン(軟膏・クリーム)、レダコート(軟膏・クリーム) トリアムシノロンアセトニド
W群
★ケナコルトAGは、フラジオマイシン(抗生剤)との合剤。作用時間中程度
ロコルテン・製造中止(軟膏・クリーム・ローション)、テストーゲン軟膏 ピバル酸フルメタゾン
W群
   
グリメサゾン軟膏オイリッチクリーム、オイラゾンクリーム、デキサA軟膏、デキサメサゾン(軟膏・クリーム・ローション)、デキサメタゾン軟膏、ビスオDS軟膏 以下眼軟膏 サンテゾーン眼軟膏、D・E・X眼軟膏、デキサメサゾン眼軟膏 デキサメタゾン
W群
★グリメサゾンは、匂いのあるグリテ-ル(抗菌剤)との合剤。★オイリッチはグリチルレチン酸(抗炎症剤)+ピリドキシン配合剤  作用時間長い 
弱い キンダベート軟膏、キングローン軟膏、キンダロン(軟膏・ローション)、クロベタポロン軟膏、パルデス(軟膏・クリーム・ローション)、ピータゾン軟膏、ベタフルゾン軟膏、ミルドベート軟膏 酪酸クロベタゾン
W群
全身作用少ない
非常に弱い エアゾリンD1(エアゾル)、ビスオクリームAクリーム、ハイセチンP軟膏、クロマイ−P軟膏、プレドニゾロン(軟膏・クリーム) 以下眼軟膏 プレドニゾロン眼軟膏 プレドニゾロン
X群
★ハイセチンP、クロマイ−Pはクロラムフェニコールとフラジオマイシン(抗生剤)配合 ★エアゾリンD1はフラジオマイシン(抗生剤)配合 作用時間中程度
コルテス(軟膏・クリーム)・強力レスタミンコーチゾンコーワ軟膏 酢酸ヒドロコルチゾン
X群
★強力レスタミンコーチゾンコーワはフラジオマイシン(抗生剤)と塩酸ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬)の合剤 作用時間短い
エキザルベ、オイラックスH軟膏、テラ・コートリル軟膏、テラコー・スプレー ヒドロコルチゾンの合剤
★エキザルベは大腸菌等混合死菌を配合★オイラックスHはクロタミトン配合 ★テラ・コートリルはオキシテトラサイクリン(抗生剤)配合 作用時間短い

眼・耳科用リンデロンA軟膏


リン酸ベタメタゾンナトリウム ★フラジオマイシン(抗生剤)配合
プレドニン眼軟膏、酢酸プレドニゾロン眼軟膏 酢酸プレドニゾロン