四季≪PORY ROKU≫  ポ-ランド初演についての批評記事
 
 
実はもうひとつ批評がでたのだが、ポーランドサイドのプロデューサーMarek氏によれば。そちらもとても好意的なものだったという。
でも、内容うんぬんよりも、僕ら日本で人形劇や児童演劇に関わる者にとっては、批評記事が掲載されることそのものがうらやましい。
 
 
『冬、春、夏、秋、冬』 マリア ・ メイス、kultura.poznan.pl      翻訳:久山宏一(ポーランド広報文化センター)
       

 素朴な物語こそ、最も美しい。冬の雪とクリスマスツリーの飾りつけについての物語。生命に目覚める春の花と蝶々に変身する毛虫について……。若いコウノトリの初恋と夏の夕べのカエルの陽気な合唱について……。秋になれば、(牝鶏と自分の尾っぽ〔!〕を追いかけて駆け出す)赤い葉について。たくさんの魚、クラゲ、カメ、カニたちが棲む深海について……。枝に空いている場所を探す冬のカラスについて……。単純な事物が神秘の力を帯びる――これこそ演劇のなせる業。全世界、一年のさまざまな季節の一巡りが、アーティストの魔法によって、私の目の前で三角形の中から現れるのだから。5名の俳優が一つになり動き始めると、私たちはにわかに、これは舞台にすぎない、演劇にすぎないというのを忘れ、森の真ん中、海の底、野原の隅へ移っていく。

 きわめて精密なアニメーション、俳優たちが生で演奏する繊細で明るい音楽、動物と自然についての面白いお話が、すべての観客の共感をかきたてる――最年少から成人までの。ポーランドと日本のアイデアが、滑らかに絡み合い、懐かしい世界像を提示する――そこでは、すべてに意味があり、すべてが相関している。芝居はほとんどセリフなしで展開する。色鮮やかな三角形から魔法のように現れるキャラクターたちは、それ自体が雄弁だ。一貫して感じられるのは、次々と新しい形・動物・遊戯を一緒になって発見していく喜び。私たちにほんの少しの想像力があれば、この上なく簡単な形態の中からそれらに生命を与えることができるのだ。

ポーランド初演:2016年9月29日 テアトル・アニマツィにて(ポズナン)
飯田人形劇フェスタ(日本)共同制作 `

 

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