
このページは現在工事中です。 また、市販のキットに搭載して、装輪式自走砲とします。 前作の反省と、今回の改良点について
前作の発射速度に関して前回は速度の計測を行っていませんでしたが、今回は弾速計測装置をつくり、その性能を確認しました。 計測方法は、一定の距離を離した2箇所のセンセの位置を通過する時間差から計算して求める方法です。 センサは、LEDとCdSセルで構成され、弾がLEDとCdSセルの間を通ることで光が遮られ、それによりCdSセルの抵抗値が変わり認識されるというものです。 なお、時間差の計測や弾速の計算までマイコンで行い、さらに液晶ディスプレイに表示するという高度なことをやっているサイトもありますが、今回は、製作の簡略化や、複雑な処理を簡単に行える利便性から、PCにサウンドカードから取り込みPCで処理することにします。 ![]() この場合、自分の使っているPCのサウンドカードでは最高サンプリング周波数が96kHzであるため、9万6千 分の1秒単位での測定となります。そのため、センサ間隔が10cm程度ではせいぜい数10m/sオーダーまでの計測となります。 実際の測定結果もそのオーダーで有効数字3ケタが確保されています。 右の写真のように配置して使います。(レトルトカレーの空き箱がちょうどいい高さだった) 右下は回路図です。なお、このLineInと書かれたところをPCのラインインに繋ぎます。センサとPCの間にコンデンサによる直流成分の除去および、可変抵抗器によるレベル調節が組み込まれています。 ![]() 結果、下図のようなデータが得られます。これは、取り込んだ波形に正規化処理を施して、WaveSpectraというソフトで描画して左右の波形をペイントソフトで合成したものです。なお、正規化処理は、ソフトに描画させるために行っています。速度測定の段階では、生のデータのまま用いています。 ![]() この左右で一番下がったところで判断しています。 ここから弾速を計算します。10回計測した結果は次のとおりです。 4.46ms 4.45ms 4.40ms 4.45ms 4.43ms 4.46ms 4.44ms 4.44ms 4.40ms 4.44ms 平均4.437msで22.54m/sとなります。有効数字3ケタで22.5m/s。 この結果わかることは、弾は意外と低速であったということと、弾速のバラつきが非常に小さく安定した加速がおこなわれていることです。 最高値と最低値の差はわずかに1.4%。運動エネルギーで計算しても2.7%の差しか出ていません。 多段加速について 本当に4段加速できているのかを確認しました。体感では3段目までは加速されたように感じられて、4段目は微妙でしたが、今回、弾速を計れるのでその辺りも測定できます。 3,4段目は充電用の線が容易に取り外せるので取り外して確認。2段目は半田付けされているので省略 2段目まで充電 14.8m/s 165mJ 2段目増加エネルギー 83mJ(推定) 3段目まで充電 19.1m/s 273mJ 3段目増加エネルギー 108mJ 4段目まで充電 22.5m/s 381mJ 4段目増加エネルギー 108mJ 3段目も4段目も加速されていました。しかし、全体の加速効率は0.58%と低いです。
加速時間についてこのコイルガンに使用されているコイルは、実測値で直流抵抗が370mΩ(室温25℃近辺)、インダクタンスが87μHでした。 この数値を元に、時間と電流の関係をシミュレーションしたところ、右の図のようになりました。 (なお、MOS-FETやコンデンサなどの抵抗の和を50mΩと仮定しています) 電流が最大の半分以上流れる時間は、1.4msです。この間に、4段目に入る直前の弾速と仮定で、27mm進みます。 また、コイルガンで、弾の大きさ<<コイルの大きさの場合、場所と加速される力の関係は下の図のようになります。 ![]() 弾は左から右へ移動するとして、水色の部分で加速する力、黄色の部分で減速する力を受けます。 図から、効率よく加速できる区間は、コイル全長にくらべかなり短いことがわかります。効率よく加速できる区域に弾がきたときだけ電流を流すようにすれば、効率のよい加速ができることになりますが、放電時間1.4msだと、長すぎて無駄が多くなります。 効率よい加速のためには、放電時間1ms以下。0.5msとかにできるならその方がいい。と判断しました。 今回の設計について こういう物を作ったら、やはり、こういうキットに乗せてみたいと思うので、それに乗せられる程度に小型化・軽量化をします。 前作では、コンデンサのエネルギーは合計66Jでしたが、今回は、軽量化のために減らす必要がありました。今度はコンデンサのエネルギーの合計は25Jです。これは、EMLとして非常に小さい値ですが、効率を高めることで、前作と遜色がない速度を目指します。 加速効率の向上は、放電時間の短縮をし、さらに放電を途中で止められる機構にすることで主に行います。また、初段加速用コイルと、2,3段目加速コイルの設計を変えています。前者は、小電流(といっても数10Aオーダーだが)長時間流すためにインピーダンスの大きいもので、後者は大電流短時間用のインピーダンスの小さいものです。 充電速度も速くします。蓄電すべきエネルギーが少ないので、同じ電源を使えば容易ではありますが、さらに出力の大きな電源を使い、さらなる高速化を目指します。目標は1発発射する充電時間10秒以内。 ![]() あと、前回は、006P電池と、単三型8本を使っていましたが、今回は単三型8本だけでの動作とします。 右の図のように、それぞれの部分に電力を供給します。 各部分の設計について
加速コイル今回の加速コイルは右の図に示したような枠に巻いています。 初段は0.4mmφの線を約400回、2段目・3段目は0.6mmφの線を約200回巻いています。 2、3段目の直流抵抗は、前作よりやや高めで400mΩ強の設計です。1段目は割と適当です。 ![]() 前回と比べると、コイルを巻く芯そのものが銃身を兼ねるようになっている点が違います。 これは、前作で、何回も発射してみたが、内側には傷はついていなくて、傷がつく場所は、銃の先端部分(外からものがぶつかる場所)であったため、先端を保護すれば、銃身自体は薄くても大丈夫と考えたためです。 銃身が薄くなった分、同じ回数巻くのに必要なエナメル線の長さが短くなり効率がよくなります。 ![]() 今回は、小型化するために、鉄ワッシャを省きました。それにより、前回と比べてコイルはだいぶ細く見えます。(針金の磁気シールドだけつけてる) 右上写真のように、前回と同じように、加速コイルと、MOS-FETとコンデンサがひとまとめになっています。 右の写真は、コイル3段分を巻いたところです。 制御基板 下図は、2段目まで。クリックすると、3段目まで全部の回路図が出ます。 前回のようなキワモノ回路ではなく、今回は、タイマICと、微分回路を使ったトリガ生成回路の組み合わせで、まともな構成のはず。
上の段に時間差を作る回路とトリガ生成回路、下の段にON時間を決める回路とMOS-FET駆動回路(とインジケータLED)が書かれています。前作に比べて画像の大きさは大きくなっていますが、ICが多くなって、レイアウト的に線が多くなってしまったためで、実際に組むと、前作よりも小さな面積に実装できます。 右写真のように、前回の半分の大きさの基板に実装することができました。 回路図に二つあるスイッチS1 S2は、実際には、ひとつの2回路スイッチです。 ![]() 通常時 S1>GND S2>GNDに接続 (リセットピンがLowレベルなので発射されない) スイッチを反転 S1>Vcc S2>Vccに接続 (RC時定数回路によりリセットピンの電圧が上がる (右図2秒まで)) スイッチを反転 S1>GND S2>GNDに接続 (S1からトリガが発生し発射される) (RC時定数回路によりリセットピンの電圧が下がる (右図2秒から)) (発射し終わったころ、リセットピンの電圧がLowレベルに なり元の状態にもどる)
動作テストの様子肉眼で動作を確認できるように低速で動作させてます。 やはり動画でないと伝わらないので動画 前回のと違って、前のが消灯したあとに次のが点灯することができるようになっています。 この仕組みによって、発射エネルギーをケチります ちなみに前回のはこんな感じの動作。 コンデンサ
それぞれの段ごとに、50V3300μFの電源用電解コンデンサを2本直列にして、100V1650μFにしたものを使います。それを3セットなので、合計100V4950μF(25J)となります。 これに、充電するときの逆流防止ダイオード・逆充電防止のダイオードを保護用につけています。 なお、逆充電防止ダイオードは、通常、コイルの直流抵抗とインダクタンスによりますが、コイルの最大電流の半分程度のピーク許容電流のものを使用する必要がありますが、今回は、放電を途中で止める機構があるので、そちらには電流は流れないので、容量の小さいもの(ピーク30A)を使用しています。 また、途中で放電を止めるため、バックダイオードのピーク許容電流は、コイルの最大電流程度必要になるので、そちらは、ピーク150Aのものを使用しています。 充電回路
今回は、前回と違い、ごく普通なチョークコイルとスイッチ(パワーMOS-FET)とダイオードを使い、コイルの自己誘導で昇圧するようなものです。効率は前回作ったコッククロフト・ウォルトン回路を用いたものに比べやや劣りますが、コンデンサの容量を小さくしたことに加え、電源回路の容量も増やしたため充電はかなり速くなっています。 今回は、前回の電源回路と違い、充電電圧が設定された値に到達したら、タイマーICの発振が止まるようになっています。(前回は、昇圧回路への電力供給を止めるやり方でした) タイマICの発振を止める方法は、リセットピンの電圧をGNDに落とすやり方です。この方法だとICの出力はLレベルになるため、安全に停止します。 発振が停止している間の電力消費は、タイマICの待機電力くらいですが、実際は電圧検出に使っているコンデンサの容量は小さく、並列にいれた抵抗+ツェナーダイオードもあるため、充電>停止>充電>停止 を繰り返すことになり、数10mAオーダーの電流を消費しつづけるようです。
その他 コントローラは、例によって紙細工で外側が作られていて、そこにスイッチがつきます。 銃上下スイッチ 発射スイッチ 走行用モータ制御用ボリュームx2 が搭載されています。 走行用の2個に関しては、アナログ制御が可能となっています。 銃の上下は、ギアボックスの軸で糸を巻いて引き上げるという単純なやり方で行います。 なお、モーターは、4.8Vで動作できるように、巻き線を細い線を長く巻く改造が施してあります。 片方を中点(4.8V)に、もう一方を、スイッチで、9.6V 開放 GND に切り替えるという単純なやりかたで操作します。 走行用モーターの制御はPWMで行います。コントローラのボリュームと、LMC555のコンデンサ電圧を比較して、それを元に制御するやり方ですが、一応動きはしたものの出来が悪すぎるので回路図などは省略。 あと、弾を入れるのは手動です。いろいろあって断念しました。実装スペースとか加速効率とか・・ 発射テスト
前回と同じ装置ですね。砲単独の性能試験では本体から取り外します。(そうしないと計測しにくい)こちらでもちょうどいい厚みのカレー箱。 今回は多めに20回測定しました。 前回は完成していなかった解析ソフト(といっても最小を検索して処理するだけだからたいしたものではない)が完成し、そのソフトが直接速度を表示するので、速度で表記します。(4ケタ目は、測定器具の分解能の関係で、4程度刻みになってます。) 19.16m/s 19.32m/s 19.20m/s 19.35m/s 19.28m/s 19.32m/s 18.82m/s 19.12m/s 18.97m/s 19.24m/s 19.16m/s 19.05m/s 19.12m/s 19.32m/s 19.20m/s 19.35m/s 19.35m/s 19.32m/s 19.28m/s 19.16m/s 平均速度 19.20m/s 平均エネルギー 277mJ 最大と最小の差 2.82% 標準偏差 0.142m/s (発射回数と速度の)相関係数 +0.0072。 前回に比べ、速度は落ちています。それでも前回の3段目までと同じ速度なので効率は倍以上になっています。 回数が増えたので標準偏差と相関係数を追加しています。前回に比べて、バラツキが大きくなっています。これは、効率を優先したため前回よりも安定性が犠牲になったことが考えられます。 相関係数の絶対値が0に近いので、回数が増え(=コイル温度が上昇し)ても速度の変化はほとんどないことがいえます。 さて、気になる効率ですが、今回のコイルガンでは途中で放電を止める機構がついているため、発射した後、コンデンサにエネルギーが残ります。そのため、実際に加速に使われたエネルギーを求める必要があります。 1段目 発射前 99.0V 発射後 72.2V 使用されたエネルギー 3.79J 2段目 発射前 99.0V 発射後 59.6V 使用されたエネルギー 5.16J 3段目 発射前 99.0V 発射後 87.4V 使用されたエネルギー 1.78J 3段目がほとんど使われていないという結果でした。それでも3段目で加速されるため、放電時間はさらに短い方がいいのかもしれません。 合計消費エネルギー10.7J ということは・・ 効率 2.58% 目標の効率1%を大きく超え、一気に2%台まで上がっていました。 全体の動作テスト
走行テストと発射テスト。結構動きは速いです。また、アナログコントローラの効果で、微調整も効きます。 出来が悪すぎるというのは、走りではなく、PWMの信号でスイッチングするトランジスタが発熱する問題があるということです。流す電流の割に発熱量が多すぎる気がします。 それでも、一応動作はするので、そのまま撮影しました。 動画
ターゲットへの発射テスト。右写真は当たった瞬間のものです。 跳弾が怖いのでやや右を狙ってます。(操作してる人は左にいる) 動画 トップページへもどる |