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引きこもりニート列伝その9 ソクラテス・プラトン  NF


引きこもりニート列伝その9 ソクラテス(前470〜前399)・プラトン(前428頃〜前347頃)

ソクラテス
 西洋哲学に大きな影響を残したギリシャの哲学者。石工を父・助産婦を母としてアテネに生まれる。基礎教育に加え弁論術や対話術、哲学、アテネの政治文化にも習熟。スパルタとのペロポネソス戦争では、歩兵として奮戦。
 本を書くよりも議論を重んじ、後半生はアテネの広場で対話や議論をしながらすごした。機智や嫌味のないユーモアのセンスでアテネの人々に人気を博した。
 ソクラテスはアテネの法に従ったが、政治にはかかわらなかった。各人が自分の魂をみまもることの大切さをアテネ人たちにおしえることで、自分の国に奉仕できると考えていた。
 彼個人に関する記録はすべて、哲学者プラトンと歴史家クセノフォンの2人の著作による。プラトンはソクラテスを主人公にした作品の中で自分自身の見解をソクラテスの口をかりて語り、クセノフォンはソクラテスを道徳家として描く。
 ソクラテスは自らは無知を告白して相手に質問を浴びせて巧みに議論をリードし、相手の知識が不明瞭なの暴露してしまう(無知の知)方法をよく用いた。
 魂を美しくするためには正しい知を身につけることが必要で、正義・愛などの概念を客観的に知ることができると主張、更にあらゆる悪徳は無知の結果で徳とは知であると信じた。ソクラテスの論理は合理的議論と一般的定義の追求を重んじた。アテネ市民の多くは国家に対する彼の態度に不信感をもっており、彼は若者を堕落させたという理由で告訴され死刑となった。友人たちはソクラテスを脱走させようと計画したが、ソクラテスは国法に従い死を選んだ。プラトンはソクラテスの裁判と死のようすを「ソクラテスの弁明」「クリトン」「ファイドン」で描いている。

プラトン
 西洋哲学に大きな影響を残した古代ギリシャの哲学者。
 アテネの名門に生まれ、若い頃は政治を志すが専制的な政治家に幻滅しソクラテスに師事。ソクラテス刑死後は危険を避けるためアテネを離れ各地を放浪。前387年にはアテネ近郊にアカデメイアを開き、天文学・数学・政治学・哲学などを講義した。前367年にシチリア島に渡りシュラクサイのディオニュシオス二世を指導して哲学的な統治の実現をめざすが失敗。前361年に再度シュラクサイに赴くがこの時も政治参加は成功しなかった。最晩年はアカデメイアでの講義と著作に専念し、前348年頃に死亡。著作には、「クリトン」「プロタゴラス」「ソクラテスの弁明」「カルミデス」「リュシス」「ゴルギアス」「メノン」「ファイドン」「饗宴」「国家」「ファイドロス」「テアイテトス」「パルメニデス」「ソフィステス」「フィレボス」「ティマイオス」「法律」などがある。


 ソクラテスもプラトンも、一家の家計を働いて支えるより、広場で一般世間には何の益もない抽象的な議論にうつつを抜かしていました。時に兵役を務めてはいますが、これは当時のギリシア都市国家市民の義務であったので就職とはいえません。ソクラテスの妻・クサンティッペは口うるさい悪妻として有名ですが、夫が家計を助けるでもなく何の役にも立たなそうな無駄話に花を咲かせてたら、そりゃ怒りたくもなるでしょう。おまけにソクラテスの場合、それで身を滅ぼしたわけですから。たとえ話の内容がどれほど普遍的で高尚であろうと、その日の生活に何の役に立つでもない事ばかり。ネットの掲示板などで無駄話して時間を潰すのとどれ程の違いがあるかと言われると返答に困ります。まあ、ソクラテスは石工という説もありますしプラトンは後年に政治顧問をしていますからニートの定義を厳密に当てはめると怪しくなるわけですが。しかしながら、「銭を儲けるとか、家事をみるとか、あるいは軍隊の指揮や民衆への呼びかけに活動するとか、その他にも、官職につくとか、また徒
党を組んで、騒動を起すとかいう、いまの国家社会に行われていることには、関心をもたなかった」(「ソクラテス」岩波新書 P25より。出典は「ソクラテスの弁明」36B)と言われていますし、ソクラテス死後の家族の生計について余り心配していないところを見ると、彼は家計には余り影響しない存在であったのは確かなようです。父親の遺産と友人たちからの援助により生計を立てていたと推測されます。プラトンも、成人するとほぼ同時にソクラテスの門下に加わっており似たり寄ったりな青年時代だったようです。
 まあ、彼ら二人に限った話ではなく、古代ギリシア人はそんな人の割合が多かったみたいですね。アテネでは公費で養われている人間が二万人にも上ったと言われ、アテネの成年男子が四万五千である事を考えると相当な割合です。彼らが熱中したのは白を黒と言いくるめる技術やらこの世の根源を考える思想やら…。中国の諸子百家みたいな事をやりながら、必ずしもそれで立身しようとする訳でもなく家庭は妻に任せてブラブラと過ごす。時に役職や兵役を務める。物質的に貧しくても南国である関係もありそれなりに生きてはいける。…古代ギリシア文明は、極論すると奴隷と女性の労働やら何やらの上に成り立ったニートの文明とも言えなくもなさそうですね。何だかなあ。

おわりに
 ニートの中から輝く玉が出た、ギリシア哲学ってのはそんな感じですかね。無論、数多くの石や瓦の中に混じっている訳ですが。

参考文献
ソクラテス 田中美知太郎著 岩波新書
プラトン 斎藤忍随著 岩波新書
プラトン入門 R. S. ブラック著 内山勝利訳 岩波書店
ソークラテースの思い出 クセノポン著 佐々木理訳 岩波文庫
世界の歴史4ギリシア 村田数之亮・他 河出書房新社
世界の歴史5ギリシアとローマ 桜井万里子・本村凌二 中央公論社
饗宴 プラトン著 久保勉訳 岩波文庫
ソクラテスの弁明・クリトン プラトン著 久保勉訳 岩波文庫
ギリシア哲学者列伝(上) ディオゲネス・ラエルティオス著 加来彰俊訳 岩波文庫
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