投資信託の常識、非常識




1.投資信託は新規が得か?
2.基準価額が高いと損か?
3.ノーロード投資信託の是非


証券マン「masaruさん、このファンドBがお勧めです。」
masaru「私の言ったファンドAはダメなのですか?」
証券マン「masaruさん、そのファンドの基準価額はもう高くなっています。
masaru「基準価額が高くたって口数が減るだけですよね。」
証券マン「...。」

証券マンは説明できませんでした。

1.新規が得か?

答えはノーです。気分的な問題が大きいと思います。

有利になる可能性があるのは、過去に他のファンド等が一切てをつけていないで、株価が割安に放置されている、市場に参入する場合です。
その株式を含む投信を最初に買うことになり、割安の購入株式が、同市場の後発投信の参入で株価を押し上げられるとすると、新規で購入する意味もあるでしょう。勿論、市場規模が小さいほどこの効果は期待できます。

しかし、例えば、現在、既に開拓されているインド株投資をする投信の場合、新規設定の投信は従来からある投信の基準価額を押し上げる方に回ります。実際には、それなりに大きな市場になっているBRICsの場合、余程、大きな投信でなければ大きな効果は無いでしょうけど。

結局、本当に有利な投資であれば新規投資信託の申し込み期間から運用開始までの期間の上昇チャンスを逃すからです。

旧ファンドでは申し込んだ日の翌日以降の上昇は教授できます。新規の場合は申し込み期間の終了間近でないと不利になります。

簡単に言うと明日にも株価が連日急上昇する予感がしたなら10日後に運用開始される新規投資信託より、2日後から運用開始可能のファンドでは後者が8日分有利ということです。

またファンド開始直後、運用成績が不安定でマイナスを続けるものもありますからこの点も不利です。

注意)旧ファンドでは信託期間が無期限、或いは十分残期間がある有期限であることを確認してください。購入手数料3%の場合、残期間1年の物と3年の物では次のようにファンド終了まで保持した場合の1年当たりの負担が違ってきます。

残期間1年 1年当たりの購入手数料負担 3%÷1=3%
残期間2年 1年当たりの購入手数料負担 3%÷2=1.5%
残期間3年 1年当たりの購入手数料負担 3%÷3=1%

これは手数料が保有期間に係わらず購入金額に比例して取られるからです。逆に信託報酬は保有期間に比例します。従って、信託報酬が2.4%の場合、トータルで支払う信託報酬は


保有期間1ヶ月  0.2%
保有期間1年   2.4%
保有期間3年   7.2%

この事から、投信をどれだけの期間保有するかはわからないでしょうけど、おおよその見込みを立てて、保有期間が数年以上になるなら、手数料より信託報酬の低さを重視するべきでしょう。逆に言えば、長期保有する事があまり無い人は購入手数料を重視するべきでしょう。

株式の新規公開株の場合、購入手数料が無料で新規公開株プレミアで初値が高騰する可能性が高く有利ですが投資信託の場合、新規であっても実際に購入する株式は通常株式であって新規公開株でないこととしっかり手数料が取られることは認識しておくべき点です

2.基準価額が高いと損か?

構成銘柄の違い等を言い始めたら議論になりませんから銘柄は1つだけでこの銘柄の価格が1年で2倍になったケースを考えましょう。ファンドは1年前のものAと新規ファンドBとします。

銘柄Xは株価が1年前500円、現在1000円、来年1500円になったと仮定します。

ファンドAは昨年銘柄Xを1万円(10,000口)当たり20株購入しました。
現在の基準価額は2万円ですから現在この銘柄を2万円買うと10,000口になります。10,000口当たりの保有株数は20株です。
そして来年には基準価額は3万円になります。保有分の評価額も3万円です。保有株で考えると1500円×20株=3万円。

ファンドBは1万円(10,000口)当たり10株でのファンド開始となり、このファンドを2万円購入すると口数は20,000口になります。

口数がファンドAの倍になるから有利になるでしょうか?

1年後の基準価額は15,000円になります。10,000口当たり10株保有していた株が1500円になっているからです。
そして保有投信の評価額はやはり30,000円になります。株で考えれば全く同じで1500円×20株=3万円。

基準価額が半分なら、倍の投信口数購入できますが、単位口数当たりの株数は半分になっているので結局、損得無いのです。

以下にまとめます

現時点で2万円を購入した場合の比較

株価 ファンドA ファンドB
基準価額 10,000口
当たりの株数
20,000円
購入口数
保有株数 評価額 基準価額 10,000口
当たりの株数
20,000円
購入口数
保有株数 評価額
1年前 500円 10,000円 20株
現在 1000円 20,000円 20株 10,000口 20株 20,000円 10,000円 10株 20,000口 20株 20,000円
1年後 1500円 30,000円 20株 20株 30,000円 15,000円 10株 20株 30,000円


簡単に言うと、基準価額が2倍になら単位期間の基準価額の増減量も2倍ということです。ですから基準価額が違う二つのファンドで、もし両方のファンドが100円上昇したらなんていう意味のない仮定をすると冒頭の証券マンと同類扱いされてしまいます

また一般にファンドが新規設定されればその初期株式購入で株価は上昇します。新ファンドはその上昇した株価で購入するので自分の株価上昇効果の恩恵は受けられません。旧ファンドは新ファンドの株価上昇効果の恩恵を受けることができます

勿論、もし需給を無視した考えで言えば一時的に株価が上昇しても企業利益が増えるわけではありません。従って、一度上昇した株価は基に戻り意味のないことになります。しかし実際の株の世界では需給が株価構成の重要なファクターであり一度上昇した株価は元に戻る場合もそのまま高止まりする場合もあり平均するとプラスなのです。それにファンドの株式購入は通常の株式売買と違い、ファンド運用期間は売りに出ない場合が多く需給関係から株価は高止まりする可能性が高いといえます。

3.ノーロード投資信託の是非

もしあなたの買いたい投資信託Aが手数料3%のものと手数料0%のノーロードがあるのであれば後者を買うのが得です。

  このような証券会社による手数料の差の実例

さてあなたの一番欲しい投資信託Aにノーロードが無く手数料3%、二番目に欲しい投資信託Bにノーロードがある場合を考えましょう。

勿論、将来のリターンは不確定ですがあなたの判断がかなり当てになる場合で考えましょう。

Aのリターンを25%、Bのリターンを20%と読んだ場合、ノーロードBを買うべきかもしれません。その理由はリターン差の5%は不確定ですが手数料の3%の差は確定するからです。しかし、これは個人の好みの問題でしょう。

しかし、Aのリターンを25%、Bのリターンを15%と読んだ場合は私なら躊躇無くAを選択します。

理由は簡単です。

投資信託は@元本が保証されておらずA指値売却ができず、故にB長期保有が原則だからです。

例えばノーロードで購入し1%基準価額上昇があった場合、その時点で売却注文を出しても実際の売却基準価額は翌日のものになり、更には1%以上下がったら売却しないというような指値売却ができないからです。翌日下がって赤字だったなんてことは間抜けですよね。ですから短期で数%の利益を得る取引には合わない金融商品です。

長期で十分利益が乗った場合に売却するのが妥当で、十分利益が乗った場合とは少なくとも一日の基準価額の最大変化の5倍は欲しいでしょう。例えば最低でも15%くらいは

もしノーロードの投資信託を買って数%の利益を狙うようなら、それよりリスクの無い長期国債を勧めます
元本の保証された1.5%程度の長期国債と元本の保証されない数%の利益の投資では前者に分があります。

さて結論を言いましょう。

実際の利益がどうかは別として投資信託は20%以上の想定利益が適当でしょう。これは元本割れリスクや手数料と利益の比率から各自算出するべきものではありますが、これくらい考えなくてはリスクを取る意味は無いでしょう。

そしてリスクを取ると決めた以上は手数料の差を考えた上でまず投資信託を選んでその投資信託取扱証券会社の中にノーロード或いは安い手数料のところがないかを探すのが正しいのでありノーロードの中から投資信託を選ぶ(ノーロードの設定の無い地域に投資する投信は選ばない)のは間違いです
(投資にリスクはつき物で実際は利益が出ないと思っていたノーロードの方が利益が出て手数料も含めて2度おいしいなんて事もあるでしょう。しかしそれは、結果論に過ぎません。)

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