Commentary on Hanasyobu(Iris ensata)

花菖蒲の発達歴史
系統図
江戸以前 江戸初期 江戸中期 明治・大正・昭和 第2次大戦後
ノハナショウブ
ノハナショウブ
より
長井古種
ノハナショウブより 松阪の花菖蒲 伊勢系 現代の伊勢系
ノハナショウブ
より
古種 江戸期の江戸系 江戸系 現代の江戸系
江戸期の江戸系より 肥後系 現代の肥後系
江戸系・肥後系より
アメリカ系
歴史




花菖蒲の観賞は、約800年前から始まっていたと言われているが、栽培が行われた記録は江戸時代の1660年代で、尾張藩主・徳川光友が植えて観賞したというのが初めのようである。
最も花菖蒲の改良に貢献したのは幕府の旗本・松平菖翁で、各地から野生の花菖蒲の変り咲きを集め、苦心して交配を続け、今日に残る多くの名花を作出した。このような武士階級の園芸趣味の流行が一般庶民にまで移り、江戸を中心に発達した花菖蒲を
江戸花菖蒲と呼ばれる。
松平菖翁より花菖蒲を分与された肥後藩主細川斉護侯が国もとの熊本に送ったものが、明治時代の愛好者たちによって改良され今日に至ったものが
肥後花菖蒲と言われている。
一方、伊勢松阪の紀州藩士・吉井定五郎によって、三弁咲きで垂れ咲きになる品種などが作出され、
伊勢花菖蒲と呼ばれる品種群が出来上がった。
また、明治初年に始まった花菖蒲の米国輸出により、江戸、肥後系をもとにアメリカで品種改良されたものを
アメリカ系花菖蒲と呼ばれる。
花菖蒲の色
花菖蒲の色のパターンは基本になる色の濃い、薄い、色の組み合わせ、筋入り、ぼかし入りとなっているが、その微妙な
色合いは言葉で表すのが非常に困難である。
純白色 青紫色 ピンク 紫色
紅紫色 黄色 白筋入り 脈入り
絞り 二色花 白筋入りぼかし 覆輪(フクリン)
花容の用語
三英咲き 六英咲き 八重咲き 受け咲き 平咲き 深咲き
垂れ咲き 台咲き 玉咲き 爪咲き
花菖蒲の系統別特徴と主な品種
ノハナショウブ
山野の草原や湿原に生え、夏の頃赤紫の花が咲く花菖蒲の先祖。
青森県で発見 白花 爪紅(ツマベニ) 青森県に自生
長井古種
山形県長井市に保存されている一群で、江戸系より古い時代に栽培されたもので古種系または長井系と呼ばれている。草丈が高く花形も小さく野性的であるが花色が変化に富み清楚な美しさがある。
日月(ジツゲツ) 三淵の流(ミフチノナガレ) 紬娘(ツムギムスメ) 長井小紫(ナガイコムラサキ)
江戸系(江戸花菖蒲)
江戸時代の中期に松平菖翁により精力的に改良されたもので、花の色や形、花の大きさなどが様々でで品種数が最も多い。花びらの間に隙間がある三英咲きが多く、江戸っ子好みのキリッとした粋な感じを持つのが特徴。庭園などに群生させて楽しむ目的を持って改良されてきたため病気や直射日光に強く栽培も容易で見事な群生美を見せる。
清少納言(セイショウナゴン) 葵祭(アオイマツリ) 千代の春(チヨノハル) 紅公子(ベニコウシ)
都の巽(ミヤコノタツミ) 小町娘(コマチムスメ) 青岳城(セイガクジョウ)  清水桜(キヨミズザクラ)
肥後系(肥後花菖蒲)
江戸時代の終りごろ、江戸系の品種が肥後(熊本県)に運ばれ室内観賞に向く鉢植え用として改良されたもの。したがって、草丈は低めで花は堂々たる大輪で、花弁が僅かに重なり合う六英咲きが多く、花、葉とのバランスもよく男性的な風格を備えている。しかし、風雨に弱く群生美の点でやや劣る欠点があるが、肥後系の特徴を生かし庭植えでもよく咲き競う優れた品種が作出されている。
新七彩の夢(シンナナイロノユメ) 吉野の夢(ヨシノノユメ) 夜の虹(ヨルノニジ) 紫雲の峯(シウンノミネ)
伊勢系(伊勢花菖蒲)
江戸時代の終わり頃から伊勢(三重県)の松阪地方を中心に改良されたもの。花弁はちりめん状で深く垂れる三英咲きで女性的で柔和な感じをもつ。鉢植え栽培を主とし葉と花が同じ高さにまとまることが特徴。
美吉野(ミヨシノ) 青柳染(アオヤギゾメ) 宝玉(ホウギョク) 秀英冠(シュウエイカン)
雑種系
自然条件ではできないが、近年発達したバイオテクノロジーにより、キショウブ、カキツバタなどの近縁種との交配によって生まれた品種である。まだ、品種としての出回りは少ないが今後の躍進が期待される。
愛知の輝(アイチノカガヤキ) 平成(ヘイセイ) 稔の秋(ミノリノアキ) 新世紀(シンセイキ)
アメリカ系(一般的に外国系花菖蒲)
日本と異なったアメリカなど気候風土のもとで、多くの人たちにより品種改良が活発に行われている。外国人の目により選別されたものであるだけに、日本の在来種にない豊かな色彩と花容を備えているのが大きな特徴である。
Silver Cascade Garden Garden Stippled Ripples Fairy Carillon


以上