機動戦艦ナデシコ。型式番号ND−001。ネルガルがスキャパレリプロジェクトの為に作った艦。
 でも、いつの間にか艦載機はゲキガンガーになって、ネルガルは上から下までゲキガンガーに染まって、スキャパレリプロジェクトって何だったんでしょうね。
 ま、連合宇宙軍とも仲直りして蜥蜴さん叩いてるあたり、ネルガルなりに色々大変なことをくぐり抜けてきたのかもしれませんが。

 その苦労の成果がこの艦だと思うと、ちょっと空しすぎですよね。


機動戦艦ゲキガンガー3

第8話
どっちかって言うと『忘れたい日々』



 てなことで今日は連合宇宙軍と共同でチューリップ落とし。ナデシコ単体でも出来そうな気もするんですが、そこはなんだか大人の事情があるらしく、プロスペクターさんが色々と言ってました。
 まあ、皆さん深く頭は回らないみたいなので、とにかくゲキガンガーさえ出来れば文句はないみたいですけどね。
 おっと、発進です。
「ゲキガクラッシャー…ホシノ、行きます…」
 今までさんざん蜥蜴をコテンパンにしてきたナデシコとゲキガンガーは、無人兵器の蜥蜴さんからもまるで親の敵か何かのように狙われます。連合宇宙軍が無事なのを見ると、案外囮なんでしょうね。
「レッツ!」
「ゲキガインッ!」
 いつものようにゲキガンガーVに合体変形。アカツキさん達のカウボーイジョニーも既に発進してます。
「熱血パワーで奇跡を起こせ、キョアック星人、倒すため〜♪」
 アカツキさんも、この前の一件以来振っ切れたのか壊れたのか、ゲキガンガーのテーマソングを歌いながら元気に特攻。
「行くぜ!ゲキガン・パンチだ!」
「ゲキガン・パンチ!」
「ゲキガン…パンチ…」
 ゲキガンガーの必殺技、ゲキガンパンチが敵の戦艦を照準に捕らえ、その腕を離れます。
 が。
 離れた瞬間にロック対象が後方の連合軍の艦に変更。
「え、何?」
 カウボーイジョニーも同じみたい。ライフルの弾が明らかに不自然な曲がった軌道を描くと、全弾連合宇宙軍を直撃。
「おいおい、なんだなんだ!?」
 ナデシコのミサイルまで全弾元気に連合軍を攻撃中です。オモイカネの誘導コンピュータにも異常は見られないんですが、とにかくヤバそう。共同戦線を張ってるとはいえ、向こうはこっちを信用していませんから、このままだとナデシコが挟み撃ちになる心配すらありそうです。
「兵装システムには異常なし」
「こ…攻撃中止中止!」
「今攻撃を止めたら、蜥蜴さんは狙い放題だぞ!」
「そんな……全員、敵だけを攻撃!」
 副長のジュンさんが悲痛に叫んでますが、自分たちの意志でどうにかなるならとっくに対策取ってます。
 さしあたっては格闘兵器を使って、この場を丸く収めるしかなさそう。
「ゲキガン・フレアでとりあえず逃げ道を開く!」
「了解!」
「了解」
「ゲキガン・フレアァァァ!!!」
「ゲキガン……フレア……」
 何とかゲキガンガーVが突破した所から、ナデシコは退却。散々です。



 結局連合軍の皆さんは戦力の大半を失い、死者こそ奇跡的になかったもののすでにボロボロ。
 蜥蜴さんも呆れたのか理解できないのか、その後暫くしたらまたどっか行っちゃったので助かったと言えば助かったんですが、今度は原因究明のために忙しくなりそうです。
「いくら熱血の分からぬ連合宇宙軍相手でも、味方は味方です!それを相手に平気でボンボン撃っちゃって、一体どういうつもりで!?」
「俺たちだって狙ってた訳じゃない。正規の誘導に従って発射したら、突然進路が変わって…」
「ナデシコの防衛システムも暴走してたじゃない。俺たちパイロットのせいにされたらかなわないね」
 パイロットの皆さんは猛反発。ま、私たちに非がないのは確かですけど。
「では、整備班の皆さんでしょうか?」
「聞き捨てならないことをいいやがるなぁ。俺たちの安全熱血整備にケチを付けるって言うのか?」
「いや、まあそうはっきり言う訳ではありませんが、何分原因が究明できないと今後の活動に支障が出かねませんので。なにしろ連合軍と木星蜥蜴の両方を敵に回すのはなかなか辛いものがありましてね」
「全部熱血パワーでぶっ飛ばしちゃえばいいじゃないかよ」
「そうも行きませんので、はい」
 何だかんだと言ってるうちに、連合軍の調査団が向かってきてます。ま、当然ですよね。
 と思ったらオモイカネが敵軍と認識してロック。原因はこれか、とのんびりしてる余裕はありません。
「だめ、オモイカネ。それは敵じゃない。お願い」
 オモイカネを説得しますが、聞こえてないみたい。ミサイルが一発、空しく飛び立つと、調査団の皆さんの船を直撃。
「あ〜〜!?」
 今更気付いた皆さんが叫んでます。まあ、こういう事だったんですね」



 結局、ナデシコに撃たれた調査団に冷静な判断が出来るはずもなく、ひたすら感情的にナデシコの欠陥を指摘した上で、強引にオモイカネを再インストールすると決定しちゃいました。
「この艦のコンピュータは、かつて連合宇宙軍と戦闘した際のデータを蓄積していたために、今回のような共同作戦において連合軍を敵として認識した次第だ!ということで内部は総再インストール、絶対服従の戦艦へと仕立て上げる!」
 あの後みんなで色々抗議しましたが、聞いてもらえず。結局再インストールを開始されちゃいました。
 暑苦しくても、オモイカネはオモイカネ。ここまで一緒に居てきた大事な存在ですから、彼(?)が消されるのは耐えられない。
 かといってどうしようもない、と塞ぎ込んだ所に、ウリバタケさんが妙な自信を持ってやってきました。
「どうしたルリルリ?もしかして、オモイカネの再インストールを止める手段を探してたりはしないか?」
「出来るんですか?」
 待ってました、と言わんばかりにウリバタケさんの眼鏡が光ります。
こんな事もあろうかと、俺の部屋にオモイカネへのアクセス装置を用意してある!あそこから侵入すれば何とかなる!」
 乗らない手はないです。他に手段もない訳ですから。
「ただ、ルリルリ。ゲキガンガーのパイロットを出来れば一人連れてきて欲しいんだ」」
 お安いご用…ですよね。



 テンカワさんは食堂で料理をしてました。オモイカネを再インストールする関連で、ゲキガンガー上映会は出来ないとか。
「どうしたの、ルリちゃん?ラーメン、要る?」
「あ、貰います」
 て、そうじゃなくて。
「テンカワさん、ちょっと来てください。テンカワさんの力が要るんです」
「俺の力が?」
「はい」
「なら、このラーメン作ってからね」
「ダメです。時間がないんです」
「そんなぁ」
 あ、でもちょうどお昼時。お腹が空いてます。

 ごめんなさい、ちょっと待ってね、オモイカネ。
「いただきます」



 私、テンカワさん、ウリバタケさんは「瓜畑研究宇所ナデシコ支部」……ウリバタケさんの自室に集合しました。
 少し──というかかなりシンナーくさくて、作りかけのフィギュアにプラモが散乱してる部屋ですが、あんまり文句は言えません。ウリバタケさんにオモイカネの未来がかかってるようなものですもんね。
 ウリバタケさんはパソコンを立ち上げると、なんだか危なそうなプログラムを幾つか立ち上げてます。ぱっと起動表示を読んでる限りでも、オモイカネへのクラック寸前のアクセスを行ってますね。
「よぉ〜し、テンカワ。これからオモイカネに潜入してもらうぞ」
「ど、どうやって?」
こんな事もあろうかと用意しておいたIFSシミュレーションマシンだ。これでオモイカネ内にお前のイメージフィードバックプログラムを投入する!」
 ちなみに私はバックアップ。こればっかりはオモイカネと複雑な情報通信を行うので私の仕事です。
「それじゃあ、イメージを転送するぞ!テンカワ、準備は良いな!」
「は、はいっ!」
 テンカワさん、緊張して声が上擦ってます。ま、突然そんなこと言われたら無理ないけどね。
「レッツ!」
「ゲキガインッ!」



 ということで、テンカワさんは電脳世界にゲキガンガーVの姿で出現。案外私もゲキガクラッシャーのコクピットにいつも通り座ってるあたり、あんま変わらないか。
「私がサポートします。次の通路を上に」
「了解ッ!」
 どうでもいいけど、テンカワさん、ゲキガンガーのパイロットスーツ着てるのが似合いすぎてます。
「次の角を左へ」
 しばらく行くと、オモイカネの中枢意識周辺に到着。大きな樹が意識のイメージとして作り出されています。
「あれが……オモイカネの中枢意識?」
「ええ。あれの伸びた枝を切って、少しだけ大人になってもらいます」
「分かった!」
 でも、ゲキガンガーが樹に向かった瞬間、どこかから飛んできたロケットパンチで吹っ飛びました。
「何だ!?」
 オモイカネは、自分の意識を守るために、今まで取り込んだデータの中から最も強く、正義に近いものを防衛プログラムの姿として記録してます。ま、この艦がこの艦ですから、当然
「ゲキガンガーV!?」
 そう。どこから見てもゲキガンガー。あのオモイカネなんですから、当たり前でしょう。
「テンカワさん、あのゲキガンガーを倒して!」
「そんな無茶言うなよ!あれは、無敵のゲキガンガーなんだぞ!それに……それに!?」
 テンカワさんが言わんとすることも、まあ分かります。ナデシコの皆さんから見れば、ゲキガンガーは無敵のヒーロー。それを倒せというのに抵抗があるのも当然でしょう。でも、あれを倒さないとオモイカネは消されてしまいます。それに……
「テンカワ、あちらさんはあっさり帰してはくれなさそうだぞ!?」
『ゲキガン・ビームッ!』
 オモイカネ・ゲキガンガーのゲキガン・ビームをテンカワさんは慌ててかわします。でも、オモイカネ・ガンガーは躊躇しません。
『ゲキガン・カッターッ!!』
 2対のカッターが容赦なく飛んできます。テンカワさん、やる気出さないとそろそろやられちゃいますよ、そう言おうとした瞬間…
「やるしかないか……!!」
 突然、テンカワさんの目が暑苦しく輝きます。
「無敵のゲキガンガーを倒したくない、そう思っていた……でも、オレのゲキガンガーも無敵のゲキガンガー、そうだろ、ガイ!?」
「ゲキガン・ビームッ!!」
『ゲキガン・ビームッ!!』
 テンカワ・ガンガーとオモイカネ・ガンガーのゲキガンビームがぶつかり合います。威力は互角。
「なら…ゲキガン・キーック!」
『ゲキガン・キーック!!』
 オモイカネ・ガンガーも全く同じパターンで応戦。威力も同じなので受けるダメージはお互いに同じ。
「くそっ…このままじゃ決着なんてつかない!」
「いや、人間が扱ってる分、こっちが不利だ!」
 ウリバタケさんが言うことも然り。でも、このぐらいは最初から分かってたことです。
「そんなことない!」
 せっかく波に乗ったと思ったらもう意気消沈しているテンカワさんに、私の口調も少し厳しいものになります。普段散々ゲキガンガーについてとうとうと語っていながら、こんなときに力を出せないようじゃ、ダメ。
「テンカワさんのほうが、あの漫画のこと、ずっと前から知ってて、思い入れもオモイカネよりずっと強いはずです!テンカワさんの思い入れは、オモイカネにも勝てないぐらいなんですか!?」
 テンカワさんは俯いていた顔を上げると、暑苦しいなりに爽やかに笑いました。そう、そんな風にゲキガンガーについて嬉しそうに語ってるから、テンカワさん。
「嬉しい事言ってくれるぜ……ずっと前から、ずっと好きで……そう!」
 オモイカネ・ガンガーをキッと見据えると、今度は勢いよくこぶしを振り上げて絶叫。
「お前は知っているか、ゲキガンガーには幻の変形パターン、ドラゴンガンガーがあったことを!」
 どこからともなく支援戦闘機のようなものが飛んできて、ゲキガンガーと合体。これがテンカワさんの言うドラゴンガンガーでしょうね。
 でも、オモイカネも負けずに同じパーツを呼び出して合体しちゃってます。ゲキガン・マニア同士の戦いですもんね。
 なのにテンカワさんはむしろ嬉しそう。
「それだけじゃ無いッ、天空ケンは一人で戦っていたわけではないことを知っているか!」
 ものすごく嫌な予感がして空に目をやると、どこからともなくカウボーイジョニーの姿が。
「待たせたね、テンカワ君!」
「いや、信じてたぜ、お前が来るのを!」
 アカツキさん、気がつけばウリバタケさんの部屋に入り込んで、テンカワさんの隣でイメージ投入中です。いつの間に部屋に入ってきたんだろ。
「いくぞ、テンカワ君!」
 言いながらアカツキさんがハンマーとライフルで牽制します。オモイカネ・ガンガーも反応しないわけにはいかないんで攻撃態勢に入ってます。
『ドラゴン・ブラストォ!!』
 ドラゴンガンガーの胸のマークから高エネルギーが吐き出されます。カウボーイジョニーはあっさり焼かれちゃってますが、アカツキさんは余裕ありげに笑って言います。
「いまだテンカワ君!!」
「アカツキィィィィィ!!!」
 テンカワさんは感動か何かは知りませんが涙に濡れると、一杯に操縦桿を引きます。どうせイメージだけですから、やられてもアカツキさんに害はないんですが、そこは誰も気にしてないみたい。
「ドラゴン・ブラストォォォォォ!!!!!」
 オモイカネ・ガンガーはアカツキさんを相手にしている間に、テンカワ・ガンガーのドラゴンブラストで殲滅。これでとりあえずは一件落着です。
「テンカワさん、後は記憶の修正を」
「了解ッ!」
 めでたしめでたし……ですよね?



 結局、プロスペクターさんたちの必死の説得も功を奏し、連合軍の皆さんにはゲキガンガー3の400分の1スケールのガレージキットで帰ってもらい、ナデシコは平和です。
「これからもよろしくね、オモイカネ」
「ゲキガンガー上映会、続きやります」
 やっぱりというか何というか、これがオモイカネですよね。
「ルリさん、今度こそ上映会に来てください。来ないと封鎖します」
 前言撤回。いっそ、絶対服従のコンピュータになってたほうが良かったかもしれませんね。
 ま、オモイカネだけ元に戻っても無駄なんですけど。



次回予告


 ナデシコに配備されることが決定したゲキガンガーの強化パーツ!
 今まで姿を隠していた最後のニューフェース!

次回「『科学と熱血』説明します」をみんなで見ようっ!


あとがき

 ふぅ〜(脱力
 今年大驀進したゲキガンガーもここで一休み。次回は新年になります。
 年明けは例のあの人が脅威のあれを持って登場!(意味不明

 ではでは。
柳井ミレア


タッチ:ミレちゃんから8話頂きました

ルリ:一応、今年最後のゲキガだそうです

タッチ:なんで一応?

ルリ:いつもそう言いながらここのところ毎日送ってきてますから

タッチ:ああ、そう言えば・・・・・

>皆さん深く頭は回らないみたいなので、とにかくゲキガンガーさえ出来れば文句はないみたいですけどね

タッチ:こういう時、単純なクルーだと助かるよな(笑

ルリ:バカばっかですから

タッチ:いや、そんな一言で・・・・・(^^A;

>アカツキさんも、この前の一件以来振っ切れたのか壊れたのか、ゲキガンガーのテーマソングを歌いながら元気に特攻

タッチ:なんとなく今回も背中がすすけてる気が

ルリ:良いんじゃないですか?私には関係ありませんから

タッチ:・・・・・そういう問題なの?

ルリ:勿論です

>>「どうしたの、ルリちゃん?ラーメン、要る?」
「あ、貰います」
 て、そうじゃなくて。
「テンカワさん、ちょっと来てください。テンカワさんの力が要るんです」
「俺の力が?」
「はい」
「なら、このラーメン作ってからね」
「ダメです。時間がないんです」
「そんなぁ」
 あ、でもちょうどお昼時。お腹が空いてます。
ごめんなさい、ちょっと待ってね、オモイカネ。
「いただきます」

タッチ:・・・・・オモイカネとラーメン、どっちが・・・・・(−−;

ルリ:・・・・・よく言うじゃないですか、腹が減っては戦は出来ぬって

タッチ:そりゃまあ、そうだけど・・・・・

ルリ:だから良いんです

タッチ:そうなんだ(^^A;

>プロスペクターさんたちの必死の説得も功を奏し、連合軍の皆さんにはゲキガンガー3の400分の1スケールのガレージキットで帰ってもらい

タッチ:ソレでいいのか?

ルリ:帰ったってコトは、良いんじゃないですか

タッチ:そうしとこうか

ルリ:ハイ



ご感想はメール掲示板へお願いします



第7話へ

第9話へ


戻る