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| ◆入会地や里山は、無償で利用はできるが、アクセスが、地域コミュニティのメンバーに限定されていたり、現地住民が相互利益に配慮しながら管理してたりしている。つまり、里山は、「ローカル・コモンズ」の一種である。現地住民は、地域コミュニティの他のメンバーの利益に配慮して、ローカル・コモンズを利用する。そこで、フリーライダー、モラルハザードが抑制され、「コモンズの悲劇」は生じにくい。 ◆つまり、現地住民が利用する里山・入会は、自由にアクセスできる自由財ではなく、地域コミュニティのメンバーに限って利用できるローカル・コモンズであり、持続可能な利用がされてきた。 ◆ローカルコモンズは、世界各地に古くから存在してきた。そして、地域コミュニティの現地住民による利用と管理の下にあった。このようなローカル・コモンズとして里山や入会地が維持できるのであれば、フリーライダー、モラルハザードに起因する里山の崩壊、すなわち「コモンズの悲劇」は、起こらないであろう。 ◆入会・里山は、牧草あるいは薪というバイオマス供給源であり、飼料や再生可能エネルギーを住民に提供してきた。バイオマスというと、現在の日本では、バイオ発電、バイオ液体燃料など間接利用が注目されているが、歴史的には、入会の牧草利用、里山からの薪採取という形で、住民にバイオマス供給していた。これは、草の根民活として、地域コミュニティの住民が、自主的に入会・里山を管理していたことを示すものである。 ◆他方、日本の里山の再生が唱えられているが、NPOやボランティアのメンバーが、薪炭などを利用する現地住民でない場合、里山復活は困難な場合が多い。里山利用に伴う利益が、レジャーや自然観察に留まっているのであれば、 財政支援あるいは税制上の優遇措置が必要かもしれない。
◆以上のように、ローカルコモンズは、飼料や再生可能エネルギーの供給源として、利用され、保全されてきた。つまり、持続可能な開発に大いに関連している。里山の議論を、自然と親しむとか、身近な緑を守るとか、狭い範囲に限定するのではなく、バイオマス利用の場として、世界に通用する視点で、持続可能な社会形成に役立てるべきであろう。 この意味で、日本に限らず、ローカルコモンズの利用と管理は、開発途上国の地域コミュニティに学ぶべき点が多いのである。
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