■ルンバール(腰椎穿刺)
◆目的
@中枢神経系疾患の診断および治療方針の確定
A検体としての髄液採取と髄液圧の測定
B新旧頭蓋内出血の有無の確認
C薬剤注入(造影剤・抗生物質・抗腫瘍剤)
◆禁忌
@頭蓋内圧亢進症状のある場合
A穿刺部位に創感染のある場合
◆検査の説明
・理解しやすいように説明
・イラスト・紙芝居・模擬体験(お医者さんごっこ)
・必要以上の説明は不安・苦痛が増強することもある
・罰だと誤解する場合があるので、罰ではないことを話し緊張をほぐす
◆物品
・腰椎穿刺セット(穿刺針・鑷子・ガーゼ圧棒)
・スキントレイ(消毒液・鑷子・ガーゼ)
・絆創膏・カット絆・滅菌手袋・膿盆
・ディスポ針・検体容器
・酸素・吸引セット・救急カート
・鎮静剤・経皮的麻酔剤
・腰椎穿刺活栓付きセット(腰椎穿刺針・長鑷子・八つ折ガーゼ)
ポイント
@周囲の生理整頓(清潔保持のため)
A必要物品を手順や動作に合わせ並べる
B患児が好むオモチャなどを用い、緊張をほぐし「頑張り」を支援する
◆患児
@薬剤の副作用や急激な圧の変化により、嘔気・嘔吐が見られることがあるため穿刺前2時間は絶飲食にする
A尿意・便意を我慢すると血圧や脳圧が上昇することがあり正確な値を測定できないため、排尿を済ませておく。オムツを使用している場合は清潔を保つため直前に交換する。
◆消毒
穿刺部位を中心にイソジン消毒2回、ハイポアルコール消毒1回施行。説明しながら行う
「冷たいけど痛くないよ、3回あるよ」
◆患児の固定
@児を処置台の縁に寄せる
A介助者は処置台に上がり、両膝の間に患児の下肢を深く挟み込む
B左手を患児の体幹の下を通して処置台の端をつかんで支点とし、右腕で肩を抱えるようにしながら右手で頭部を支える
C背部を処置台に対し垂直に保ち、前屈姿勢で腰部を突き出す
===ポイント===
@室温に注意して体温管理
A露出を避けてプライバシーの保護
B椎間腔が広くなり穿刺針が刺入しやすいような体位を取れるように具体的に説明。上手に出来たらほめる。
「エビの様に丸くなり、おへそを見るように」など
C固定に際しては言葉を添え、押さえつけられたという圧迫感・束縛感を軽減
D検査に対する恐怖心から全身で抵抗することがあるが、患児の言い分に耳を傾け再度説明し調整できることは調整する。検査が出来ない時は必要に応じて鎮静剤を使用する。
◆穿刺部位

===ポイント===
@針の刺入時の思わぬ動きは神経損傷の危険がある。医師とタイミングを合わせ、固定を十分に行う
A患児の協力が得られ安全に検査が出来るように「頑張る姿勢」を支援する
1.手を握る・なでるなどのスキンシップ
2.受容・共感・承認の姿勢で接する
3.場面の状況説明
4.患児の好きな音楽などで注意を他に向ける
B鎮静剤使用時は特に静かな環境を整える
C緊急事態に備え、酸素吸入・吸引セット・救急薬品などの準備をしておく
◆穿刺中の観察
|
穿刺中 |
一般状態(呼吸・心拍・脈拍・顔色・全身色) 脳ヘルニア(意識レベルの低下・呼吸停止) ショック徴候(冷汗・徐脈・顔面蒼白) 髄圧の亢進(頭痛・嘔気・嘔吐) |
|
穿刺後 |
一般状態(呼吸・心拍・脈拍・顔色・全身色) 穿刺部位(出血・髄液の漏れ・疼痛・腰痛・下肢のしびれ・麻痺・歩行障害) ショック徴候(冷汗・徐脈・顔面蒼白・意識レベルの低下) 髄圧の亢進(頭痛・嘔気・嘔吐) |
◆穿刺部位の圧迫
@検査終了を伝え、「頑張り」を褒め緊張をほぐす
A圧迫のガーゼに関して違和感があるが取らない様に協力を得る
◆検査後
@ベッドに戻し枕をせずに1時間ほど安静(脳脊髄圧の変化に伴う頭痛・嘔吐の予防)
A1時間後少量の水を飲ませ、嘔吐などのないことを確認できたら経口摂取開始
B嘔気嘔吐・頭痛・下肢の痺れなどを観察しながら、3−4時間後穿刺部位の出血のないことを確認し圧定をはずす