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| 地下鉄(メトロ)に乗って | ||
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浅田次郎原作の同名小説を、「天国の本屋」の篠原哲雄監督が映画化したファンタジードラマだ。現在の地下鉄・メトロを使って生活している主人公が、自分の子ども時代の東京オリンピック開幕直前の昭和39年(1964)に、地下鉄を通じてタイムスリップして父親との確執を解いていく。わては見ている最中には気が付かなかったが、2006年の現在から1964年にタイムスリップするには、主人公の年齢がおかしいと後で気が付いた。当時中学生くらいの年齢なら、現在は50歳くらいのはずだからだ。でも、小説の出版が1995年という今から10年前のことならつじつまが会う。
この小説は浅田次郎が、1995年に吉川英治文学新人賞を受賞した自伝的な内容だそうだ。わてはそこまで調べて、やっと納得した。この映画はその点の時間調整をしっかりとしていないので、主演の堤真一や父役の大沢たかおの年齢的な違和感があったのだ。それと、タイムスリップの形態を取ってはいるが、この映画は主人公の父を理解しようとする努力と夢の形を取った父との和解の過程を物語にしたものだ。見ている最中に、タイムマシンのようなお話だと思いこんでしまうと多少誤解するだろう。 以上の前提を元に、この映画を見直すとなかなかの秀作だとわては思う。自分のことしか考えていないような頑固な父だと思っていた一人の男性が、実は太平洋戦争の出征の時、命を捨てる覚悟でいた。また、派兵された満州から引き上げる時には、民間人を助けようと懸命に戦った。そして、運良く帰国すると闇市が開かれている修羅場で家族を守るために手段を選ばず、たくましく生きようとしていた。 そして、昭和39年10月5日には、真次(堤真一)の兄昭一(北条隆博)を交通事故で亡くす。最初にこのシーンが登場するのだが、父は兄を帝大にやって、次男真次を平凡なサラリーマンにして、三男を手元に置いて育てるという夢を持っていた。真次は兄の交通事故をなんとか防ごうとするが、それは不可能なことだった。それから、主人公は自分のやっていることが、父とそっくりだと感じるようになる。 父(大沢たかお)は一代で巨大な企業を起こして、政界にも顔が効くほどの大物になった。兄を殺したと思い込んで父を嫌い、高校卒業と同時に家を飛び出した真次が、自分の愛人みち子(岡本綾)とともに、地下鉄を通じた夢の旅に出る。その旅は、父の生き様を知ることにもなるし、自分の生き方と父の生き方を比較して父との気持ちの交流にもなるのだ。危篤状態になった父と会話をすることはできなかったが、充分に心は通じていたと思う。ラストは、感動的だ。 Amazonでのお買い物はこちらからどうぞ。 地下鉄(メトロ)に乗って:DVD 地下鉄(メトロ)に乗って:文庫本 | ||
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