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| ナイロビの蜂 | ||
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2006年公開、「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督が、ジョン・ル・カレの同名ベストセラーを映画化した作品だ。主演はレイフ・ファインズで、共演は本作でアカデミー賞助演女優賞を獲得したレイチェル・ワイズだ。わては「シティ・オブ・ゴッド」を見たときの衝撃を忘れられないが、今作も全く動揺の衝撃と感動を得られた。全く、この監督はすごい映画を作る。社会派で現代の問題を鋭く指摘すると共に、人間ドラマを丁寧に描いてその映像と音楽はこの映画を芸術作品の領域にまで高めている。是非劇場に足を運んでもらいたいが、それが無理ならDVDになってからでもいいので一見の価値がある。
ケニアの首都ナイロビで外交官として勤務しているジャスティン(レイフ・ファインズ)は、妻のテッサ(レイチェル・ワイズ)と黒人医師のアーノルド(ユベール・クンデ)がロキへ飛行機で飛び立つのを見送っていた。ジャスティンはガーデニングが趣味の平凡な外交官で、妻のテッサは自然保護運動や難民支援運動に非常に熱心に取り組んでいた。自分の庭のことにしか興味を示さないジャスティンは、妻のように広い視野を持って世界の問題に取り組む人間とは全く違う種類の人間だった。ジャスティンはそれでも、夫婦として愛し合い子供まで出来ていたので満足だった。 ところが、その思い込みはつ妻がケニアの北部のトゥルカナ湖の湖畔で死体で見つかったという知らせで崩れ去る。警察は医師のアーノルドが男女関係のもつれで、発生した殺人事件だと済ませようとしたが、妻テッサのパソコンや資料を全部証拠として押収する。あまりのすばやい警察の対応と、同僚のサンディ(ダニー・ヒューストン)の手紙を返してくれというおかしな申し出も不審に感じる。妻は決して不倫をするような女性ではなく、死産になったが妊娠までしていて慈善事業に取り組んでいたのだ。妻の死に不審を抱いたジャスティンが行動を起こそうとしたら、アフリカ局長のペレグレン(ビル・ナイ)から本国に帰って長期休暇を言い渡される。しかも、ロンドンの空港ではパスポートが偽造の疑いで取り上げられてしまう。 妻の死でショックだろうから、どこか保養地でゆっくりと休めという趣旨だが、陰謀の疑いを抱いたジャスティンがそのままおとなしくしているわけがない。これ以上関わると、妻と同じ目になるぞという脅迫を受けながら、ジャスティンは徐々に真相究明に乗り出していく。妻が自分に危険が及ばないように秘密にしていたことを、一つ一つ解き明かして行きながら、ジャスティンは妻の愛の深さを知る。妻の従姉妹の弁護士に違う名前のパスポートと現金を用意してもらい、鉄道を使ってパリやベルリンと移動しながら真相を追究していく。 その行く場所全部に監視の目があって、ジャスティンは常に危険と隣りあわせだった。その危険に身をさらすことによって、ジャスティンは妻テッサが味わった切迫感を追体験することになる。そして、そこで始めてつ妻の愛の深さについて知り、真の愛に目覚めていく。彼の目覚めの過程と、真相解明の過程が同時進行で進み、観客の心をつかんで離さない。製薬会社と援助組織であるはずのスリービーズ(三匹の蜂)と現地の当局の癒着というどうしようもない腐敗が、ジャスティンの前に立ちはだかる。その壁に立ち向かうのは一見無謀とも思えるが、ジャスティンは愛の力で妻といっしょになることができた。壮大な愛の叙事詩をアフリカの不毛な大地を舞台に、たくましい民俗音楽のBGMで雄弁に表現している。我々観客は、その映像の力に打ちのめされる。 Amazonでのお買い物はこちらからどうぞ ナイロビの蜂(上):集英社文庫 ナイロビの蜂(下):集英社文庫 ナイロビの蜂:サントラ | ||
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