4. カックラキン大放送

  「全員集合」と同じく、この番組も公開コント形式を取っていたように記憶している。スタジオに小人数の客を入れるという番組は残っているが、二階席まであるような大きな会場で、お客様を前にコントを繰り広げるという番組は無くなってしまった。笑いの取れるコメディアンが減ったこと、歌手がバラエティーから離れてしまったことなどが理由なのだろう。

  この番組は「芸達者」という言葉がふさわしい芸能人が多数出演していた。まず中心となるのが堺正章である。そして、半年毎に郷ひろみと野口五郎が交代する。郷ひろみは「ミスターGO」、野口五郎は「刑事ゴロンボ」として主役を張っていた。コントには女性の存在が欠かせないが、カックラキンでは研ナオコと高田みづえが番組の華として活躍していた。脇を固めていたのが坂上二郎・井上順・車だん吉である。なんと豪華な顔触れだろうか。
  毎回、ゲストの出演も楽しみであった。アイドルや歌手が実に生き生きとコントを演じていたのが印象的である。僕が何故か鮮明に覚えているのは、細川たかしが出演するときは、なぜか毎回おまわりさんとして自転車に乗っていたことである。当時の細川たかしは「心残り」がヒットしたものの、次の曲に恵まれない不遇の時代であった。それなのに、そんな苦労は微塵も感じさせない能天気なキャラクターを見事に演じていた。子供ながらにこれぞプロと感心したものである。

  ところで、僕はかねがね一つの疑問を抱いている。それは、「ナオコおばあちゃんの縁側日記」というコーナーに関するものである。最近ではめっきり見かけなくなった腰の90度に曲がったおばあちゃんを研ナオコが演じているのだが、コントの中のおばあちゃんのなまえは「研タマ」である。ナオコおばあちゃんというタイトルと矛盾するのではないだろうか。
  最後に、この番組で忘れていけないのが、関根勤がラビット関根として出演していたことである。当時の彼はカマキリ拳法を操っていたが、お世辞にも受けていたとは言えないだろう。今のようなビッグネームになるとは予想することは出来なかった。己の不明を恥じ入るばかりである。