【へい】〜【へん】

−−−−−−−へい(#hei)−−−−−−−
・弊衣破帽(へいいはぼう) 《四熟》 破れた衣服と破れた帽子。ぼろぼろの衣服と破れて汚い帽子。特に、旧制高等学校生徒が好んで行った蛮カラな風俗。 
参考:蛮カラ 「ばん」は野蛮の蛮、「カラ」はハイカラのカラ。言動や風体(ふうてい)が粗野なこと。また、わざとそのように振る舞うこと。洋風の「ハイカラ」に対する造語。
・弊衣蓬髪
(へいいほうはつ) 《四熟》 破れた着物を着て、蓬(よもぎ)のように乱れた髪をしているという意味で、すっかり零落(おちぶ)れて、ぼろぼろな着物を着、髪を振り乱しているような見窄(みすぼ)らしい姿のこと。
・閉月羞花(へいげつしゅうか) 《四熟》 月や花でも恥ずかしくて隠れてしまいたくなるような美人の形容。 類:●沈魚落雁
・平気の平左衛門(へいきのへいざえもん)[=平左(へいざ) 「へい」を重ねた語呂を合わせ。人名に準(なぞら)えたもの。まったく動じないこと。ものともしないこと。 類:●平気孫左衛門
・平家を滅ぼすは平家
(へいけをほろぼすはへいけ) 平家を滅ぼした原因は、平家自身の驕(おご)りや贅沢(ぜいたく)による内部崩壊にあったということ。自業自得の喩え。 類:●身から出た錆因果応酬
・閉口する
(へいこうする) 口を閉じて黙ること。 1.口を利かない。特に、黙ってしまって答えない。2.言い負かされたり圧倒されたりして口を噤(つぐ)む。言い負かされて降参する。 用例:天草本伊曾保「とかく論ずるに及ばいで閉口して畏つたが」 3.手の打ちようがなく、困る。また、うんざりする。 類:●参る●辟易(へきえき) 例:「校長の長話に閉口した」
・平行線を辿る
(へいこうせんをたどる) 互いに交わることのない二本の線の上を別々に進むという意味から、お互いに自分の意見を頑(かたく)なに主張して譲らないため、どこまでも意見が一致しなかったり、話し合いが成立しなかったりすること。
・閉口頓首(へいこうとんしゅ) 《四熟》 ほとほと困り果ててしまう様子。 類:●頓首閉口
・閉戸先生
(へいこせんせい) 《四熟》 勉強のために家にばかり閉じ篭もっていて、外に出て他人と付き合おうとしない者のこと。 
故事:中国の楚(そ)の国の孫敬(そんけい)は、常に戸を閉ざして読書に熱中し、眠るときには縄で首を縛り、梁(はり)にその縄を結び付けていたため、町に人に「閉戸先生」と呼ばれるようになった。
・平生を失う(へいぜいをうしなう) 日常のようでなくなるという意味で、心が動揺して、普段の落ち着いた状態でなくなること。
・平談俗語(へいだんぞくご) 《四熟》 日常の会話に普通に現われるような、普通の言葉。 類:●俗談平話●平談俗話●俚言俗語
・平地に波瀾を起こす
(へいちにはらんをおこす)[=波(なみ)・風波(ふうは)を起こす] 穏やかで何事も治(おさ)まっているところへ、わざわざ揉め事を起こす。 類:●波紋を投ずる●日向で埃を立てる●寝た子を起こす●波風を立てる
・平ちゃら(へいちゃら・へっちゃら) 平気の「平」に、冗談、出鱈目などの意味の「ちゃら」を付けた言葉。 1.少しも気に掛けたり恐れたりしない様子。何とも思わない様子。 類:●へっちゃら 例:「この程度の怪我なんか平ちゃらだ」 2.訳もなくできる様子。容易(たやす)い様子。 類:●ちょちょいのちょい
・丙丁に付す
(へいていにふす) 文書などを、焼き捨てる。他人に見られては困る手紙や書類を、火中に投じる。 出典:王陽明「童克剛に復するの書」 ★秘密の手紙の末尾に添える言葉<学研漢和大字典> ★十干(じっかん)の「丙」は「ひのえ」、「丁」は「ひのと」で、共に五行(ごぎょう)では火の意味となる。
・兵に常勢無し
(へいにじょうせいなし) 戦(いくさ)をする場合、敵情に応じた臨機応変の処置をとるべきであり、初めから定まった一定の態勢がある訳ではない。 出典:「孫子−虚実」「故兵無常勢、水無常形」
・兵は神速を貴ぶ
(へいはしんそくをたっとぶ) 戦争には迅速な作戦が大切である。 類:●兵は拙速(せっそく)を尊ぶ●兵は拙速を聞く 出典:「三国志(魏志−郭嘉伝)」「嘉言曰、兵貴神速
・兵は拙速を聞く
(へいはせっそくをきく) 戦争で兵を動かすには、その方法が良くなくても、速い方が良い。戦争は、兵の士気と軍費を失わないためにも、用兵が多少拙(まず)くても、敏速に勝利を得て、速(すみ)やかに収拾すべきである。 類:●兵は神速を貴ぶ 出典:「孫子−作戦」「故兵聞拙速、未睹巧之久也」
・平平坦坦
(へいへいたんたん) 《四熟》 「平坦」を強めた言葉。
・平平凡凡
(へいへいぼんぼん) 《四熟》 「平凡」を強めた言葉。 例:「平々凡々な生活」
・弊履を棄つるが如し
(へいりをすつるがごとし) 破れた履き物を棄てるように、惜し気もなく捨てる。 類:●弊蹤(へいしょう)を棄つるが如し
・兵を挙げる 
兵を集めて軍事行動を開始する。 類:●挙兵する
・兵を催す
(へいをもよおす) 戦いのために兵を集める。

−−−−−−−へき(#heki)−−−−−−−
・辟易
(へきえき) 「辟」は避けること、「易」は変えること。 1.相手の迫力に圧倒され、恐れ戦(おのの)いて逃げること。 故事:史記−項羽本紀」 「項王瞋目而叱之、赤泉侯人馬倶驚、辟易数里」 落ち延びる項羽の兵は僅か28騎、対する赤泉侯・楊喜(ようき)の兵は5千。項羽が追ってきた楊喜を睨み付け一喝すると、人馬ともに怖気付き、数里も逃げてしまったという。 2.勢いに押されて尻込みすること。 例:「彼女の口数に辟易して何も言い出せなかった」 3.うんざりすること。対応に困り、嫌になること。 類:●閉口する 例:「梅雨の湿気に辟易する」
・碧眼紅毛
(へきがんこうもう) 《四熟》 青い目と紅い髪の毛という意味で、欧米人のこと。

−−−−−−−へそ(#heso)−−−−−−−
臍が茶を沸かす(へそがちゃをわかす)
・臍が曲がっている
(へそがまがっている) 性質が素直でない。性格が捻(ひね)くれている。 類:●
臍曲がり
・臍が縁れる
(へそがよれる) 臍が捻(ね)じれるという意味で、我慢できないほど、可笑しくて堪らない。 類:●臍がくねる●臍が宿替えする
・臍繰り金(へそくりがね)・臍繰り 家人や他の人に知られないように、少しずつ蓄えた金銭。 類:●臍(ほぞ)繰り金 ★綜麻(へそ=織機にかけられるようにより合わせた麻糸)を繰ってためた金銭の意。人のへそと混用して多く「臍」の字を当てる<国語大辞典(小)>
・臍繰る
(へそくる) 他人に気付かれないように、密かに金銭を貯める。特に、主婦が内職などをして、または生活費を切り詰めて、夫に内緒でお金を貯めること。 ★「へそ」の元の字は「綜麻」。麻糸を幾重にも巻き付けた糸巻きの一種のこと。
・臍の緒引き摺る
(へそのおひきずる) 臍の緒を切ることなしにそのまま引き摺っている。生まれた時のままで、少しも進歩していないことの喩え。
・臍曲がり
(へそまがり) 性質が素直でないこと。性格が捻(ひね)くれていること。 類:●天邪鬼旋毛曲がり鼻曲がり
・べそを掻く
(べそをかく)[=作る] 子供などが泣きそうになる。泣き顔をする。 
参考:べそ 子どもなどが口を歪(ゆが)めて泣き顔をすること。また、その顔。
・臍を決める
(へそをきめる) 覚悟する。 類:●腹を決める臍を固める
・臍を曲げる
(へそをまげる) 機嫌を損(そこ)ねて意固地になる。また、機嫌が悪くてわざと意地悪をする。 類:●拗(す)ねる

−−−−−−−へた(#heta)−−−−−−−
・下手があるので上手が知れる
(へたがあるのでじょうずがしれる) 下手な人がいてこそ、上手さが分かる。なにごとも、比較になるものがあるからこそ、その良さが分かるのだということ。下手な者が己を弁護して、また、周りの人が下手な者を庇(かば)って言う。 類:●下手は上手の飾り物●悪人あればこそ善人も顕れる
・下手すると
(へたすると) 対処の仕方が適切でないと〜になる、という意味で、事によると。ひょっとすると。 類:●下手をすると
・隔てなし
(へだてなし) 双方の間に遮(さえぎ)るものがないという意味から、互いに打ち解けて心を許しあう状態である。
・下手な鉄砲も数打てば当たる(へたなてっぽうもかずうてばあたる)[=打ちゃ〜] 数多い中には紛(まぐ)れ当たりすることもある。
下手の考え休むに似たり
(へたのかんがえやすむににたり)
・下手の道具調べ
(へたのどうぐしらべ) 技量の劣った者ほど、不出来を道具にせいにする。 類:●下手の道具選び●A bad carpenter quarrels with his tools. 反:弘法筆を択ばず
・下手の長談義
(へたのながだんぎ) 話の下手な人が長々と話をすること。口下手な人に限って、長話をする傾向があること。また、そのために聞く方が迷惑すること。
下手の横好き
(へたのよこずき)
・下手は上手の元
(へたはじょうずのもと) 初めから上手な者はない。下手からやがて上手になるものだ。
・下手をすると(へたをすると) → 下手すると

−−−−−−−へち(#heti)−−−−−−−
・糸瓜
(へちま) 1.つまらないもの、取るに足りないものの喩え。「〜もへちまもない」の形で、前の語が下らないものであることを表わす。 用例:浄・心中天の網島−中「なごりもへちまもなん共ない」 例:「権利も糸瓜もあるか」 2.気が利かないこと。生真面目(きまじめ)で野暮(やぼ)なこと。 用例:雑俳・柳多留拾遺−巻20「跡をとる手代へちまな男なり」 3.醜女(しこめ)を喩えていう言葉。
・糸瓜の皮
(へちまのかわ) 1.糸瓜の外皮。2.糸瓜の外皮や種子を取り除いたあとの繊維。垢すりなどに用いた。3.取るに足りないもの、役に立たないものの喩え。 類:●糸瓜の皮の段袋●糸瓜の根
・糸瓜の皮とも思わず
(へちまのかわともおもわず) つまらないものとさえ思わない。何とも思わない。 類:●屁とも思わぬ
・糸瓜野郎
(へちまやろう) ぶらぶらと何もしないでいる男を罵って言う言葉。 類:●ぐうたら
・へちゃ
 鼻が低いこと。男性にも使うが、特に、女性が不器量なこと。また、そのような人。 類:●鼻ぺちゃ 例:「おへちゃな娘」
・へちゃむくれ
 人を罵(ののし)る言葉。特に、人の容貌を罵って言う言葉。 類:●へしむくれ●へちむくれ●へちゃもくれ ★「へしむくれ」からの転か。 ★「へし」は、押し潰すこと。「むくれ」は、罵りの意で添えたもの<国語大辞典(小)>

−−−−−−−へつ(#hetu)−−−−−−−
・へったくれ
 取るに足りないこと、つまらないことを、罵(ののし)って言う言葉。「〜もへったくれもない」の形で使われることが多い。 類:●ひょうたくれ 用例:浄・
小野道風青柳硯−四「イヤ置け置け。断りもへったくれも入らぬ」 例:「道徳もへったくれもない」 ★「へったくれ」の語源は不明。「妙なことを言う」という意味の「剽軽(ひょうきん)」→「剽(ひょう)げる」からの成立とされる「へうたくれ(ひょうたくれ)」の転訛か?・・・根拠なし。 ★「へちまくれ」の変化。へちまのまくれたような形の意<新明解国語辞典(三)> ★『野乃舎随筆』には「今下ざまの人の悪言に、ヘウタクレといふは、ヘタクレといふ辞の転言なるべし。ヘタクレは、クソタクレといふ辞の転言ならん。もとはクナタブレを訛れるなるべし。クナタフレを、屎タフレと訛(あやま)りて、其対言に屁タクレといひしを、それを又、ヘウタクレと、音便にいへるならん」とある。 ★茨城方言に「へったくれる」が残る。もしかすると、これが関わっているか。「へたった」「へこたれた」と同義…参った、挫(くじ)けた、くたびれたなどの意。 用例の出典:小野道風青柳硯(おののとうふうあおやぎすずり) 浄瑠璃。3巻。近松半二・竹田出雲ら。宝暦4年(1754)。2段目には、小野道風が柳に跳び付く蛙を見て発奮する(帝位に危機が迫っているのを予感する?)場面もある。 出典:野乃舎随筆(ののやずいひつ) 随筆集。大石千引。文政3年(1820)。著者は大鏡や栄花物語などを専門とした人であり、史書の考証を中心とするが、そこに見聞談が入り交じる。娘による文政3年の跋があり、それによれば3巻あったというが、現在刊行されているのは1巻のみ。
・竃より女房
(へっついよりにょうぼう) 生計を立てていく力もないのに女房を欲しがること。 類:●かまどより先に女房 ★「へっつい」は、かまどのことで、身代(しんだい)や生計の喩え。
・別嬪
(べっぴん)・別品 1.別の品物。特別良いもの。取り分け良くできた人。 類:●別品(べつしな)●器量人 2.非常に美しい女性。 類:●器量好し ★俗に、素顔でも美しい女性を「素嬪(すっぴん」とも言う。
・鼈人を食わんとして却って人に食わる(べつひとをくわんとしてかえってひとにくわる) スッポンが人を食おうとして逆に取って食われると言うことで、愚かな者が、他人を害しようとして、却って我が身を滅ぼすことのたとえ。 類:●人捕る亀は人に捕らえられる
・へっぽこ 技量が劣っている者や、役に立たない者、頼りにならない者などを罵(ののし)って言う言葉。 類:●へぼ間抜け頓馬へな猪口 用例:滑・浮世床−初「あのへっぽこめヱ」 例:「へっぽこ議員め」

−−−−−−−へて(#hete)−−−−−−−
・屁でもない
(へでもない) まったく問題にならない。まったく相手にならない。 類:●取るに足りない
・ペテンに掛ける
(ぺてんにかける) 巧みに人を騙(だま)すこと。 類:●詐欺をする ★「ペテン」は、中国語のbeng-ziからかという。

−−−−−−−へと(#heto)−−−−−−−
・反吐が出る
(へどがでる) 1.食べたものを吐く。2.胃袋の中のものを吐きそうになるほど、気分が悪くなる。また、不愉快になる。 類:●虫唾が走る
・屁とも思わぬ(へともおもわぬ) 物の数とも思わない。少しも驚かない。 類:●糸瓜の皮とも思わず

−−−−−−−へな(#hena)−−−−−−−
・埴猪口(へなちょこ) 1.酒を入れるとじゅうじゅう泡立つ楽焼きの粗末な杯。外側に鬼面、内側にお多福面が描かれていた。 出典:野崎左文「昔の銀座と新橋芸者」 
★明治14,5年(1881-82)頃、野崎左文達数名が神田明神境内の料亭「開花楼」で酒宴を開いた時使用した杯に由来します<ざつがく・ザツガク・雑学> 2.未熟な者。取るに足りない者。また、そのような人を嘲(あざけ)っていう。 類:●へっぽこ

−−−−−−−へに(#heni)−−−−−−−
・屁にもならない
(へにもならない) なんにもならない。何の役にも立たない。
・紅を注す
(べにをさす) 赤い色を付けるという意味から、頬紅を付けたり、口紅を付けたりすること。また、緊張や恥じらいの気持ちなどのために、頬が赤くなること。

−−−−−−−への(#heno)−−−−−−−
・屁の河童(へのかっぱ) なんとも思わないこと。造作もないこと。 例:「そんなことは屁の河童だ」 
★「木っ端の火」が訛(なま)って「河童の屁」となり、「屁の河童」となった言葉<国語慣用句辞典(集)> ★「木端(こつぱ)の火」の転とも、河童は屁を水中でするので勢いがないからともいう<大辞林(三)>
・屁の突っ張りにもならない(へのつっぱりにもならない) ★多く関西で使われる、という説もある。屁にもならない

−−−−−−−へひ(#hehi)−−−−−−−
・蛇に咬まれて朽ち縄に怖ず
(へびにかまれてくちなわにおず) 一度蛇に咬まれたことがあると、朽ち縄のような動かないものを見ても怖がる。必要以上に用心することの喩え。 類:●羹に懲りて膾を吹く
・蛇に見込まれた蛙
(へびにみこまれたかえる)[=睨まれた蛙] 恐ろしさに身が竦(すく)んで動けない様子。また、大敵に狙われて、抵抗できないこと。
・蛇の生殺し
(へびのなまごろし) 1.半死半生にして、殺しもせず生かしもしないこと。2.転じて、ものごとに決着を着けず、中途半端な状態のままにしておくこと。 例:「いつまで経っても結婚話を切り出さず、蛇の生殺しにしている」

−−−−−−−へへ(#hehe)−−−−−−−
・へべれけ 酒を飲んで酩酊した様子。 類:●べろんべろん 
★語源は、なんとギリシア語で、しかもかの《ギリシア神話》が元になっていると言う説が現在の所、有力だとされている。《Hebeerryke:ヘーベーエリュエケ・ヘーベーリュエケ》と発音し、意味は『ヘーベーのお酌』。「ヘーベー」と言うのは、ゼウス神とヘーラー神との間に生まれた青春を司る女神の名前。<雑学庫[知泉]>より抜粋 ★『希臘羅馬神話』(木村鷹太郎)の説による。『方言俗語語源辞典』(山中襄太、校倉書房1970)によれば、「納得のいく語源説を出しえない現在、いちおうこの説を参考とせざるをえないであろう」とのこと。

−−−−−−−へほ(#heho)−−−−−−−
・へぼ 1.技量や腕前が拙(つたな)いこと。また、その人。 類:●下手(へた)●へっぽこへな猪口 用例:俚言集覧「下手をへぼと云、へぼ棋・へぼ象棋など云」 例:「へぼ将棋」 2.優れたところがない、平凡なこと。 3.果物や野菜などが、出来が悪いこと。また、その物。 例:「へぼ茄子」 ★「へいぼん(平凡)」からか<国語大辞典(小)>

−−−−−−−へま(#hema)−−−−−−−
・へま 1.気が利かないこと。間が抜けていること。 例:「へまな奴だ」 2.手抜かりをすること。失敗すること。 類:●とちる 例:「何をやらせてもへまばかり」 3.処置や行為が食い違うこと。 例:「へまな返事をしてしまった」 ★語源は不詳。「下手(へた)な間」からか。

−−−−−−−へら(#hera)−−−−−−−
・減らず口
(へらずぐち) 負け惜しみを言うこと。憎まれ口を叩くこと。遠慮なく口から出任せを言うこと。また、その言葉。 例:「減らず口を叩く」
・平等平等
(へらへいとう) 《四熟》 すべて一様であること。 類:●一緒くた●へらへいと 用例:洒・
通人三国師「夫雅人(いきじん)通人と近来へら平等(ヘイトウ)にいへども」 ★「平等(へいとう)」を「へら」とよみ、「平等」と重ねてできた語か<国語大辞典(小)> 用例の出典:通人三国師(つうじんさんごくし) 洒落本・黄表紙本。・・・調査中。 参考:「通俗三国志
・便乱坊(べらぼう)[=箆棒] 1.戯(たわ)け。馬鹿。阿呆。愚か者め。人を嘲(あざけ)り罵(ののし)っていう言葉。 
★これに接尾語「め」が付いて「べらぼうめ」となり、さらに音が変化して、江戸言葉の「べらんめえ」となる<国語大辞典(小)> 2.筋が通らないこと。馬鹿げていること。馬鹿馬鹿しい。 類:●出鱈目 用例:雑俳・柳多留‐一一「べらぼうな夫を持って御仕合」 3.あまりに甚だしい。特に、並外れて酷(ひど)い。 類:●法外●無闇矢鱈  用例:滑・浮世床−初「夕はべらぼうに酔たぜ」 類:「べらぼうに暑い」 ★「便乱坊」の名からとも、飯粒を潰す「篦棒(=穀潰し)」からともいう<国語大辞典(小)> ★「篦棒」は当て字<大辞林(三)> 参考:便乱坊(べらんぼう) 寛文末年(1672)から延宝初年(1673)にかけて、見世物で評判を取った奇人。容貌極めて醜く、全身真っ黒で、頭は鋭く尖(とが)り、眼は赤くて円く、顎(あご)は猿のようで、愚鈍な仕種(しぐさ)を見せて観客の笑いを誘ったという。「可坊(べくぼう)」とも呼ばれた。
・箆を使う(へらをつかう)[=掻(か)く] どちらへも都合が良いように、曖昧(あいまい)な口調を使う。その場逃れの間に合わせを言って誤魔化す。
・べらんめえ 
戯(たわ)け。馬鹿。愚か者め。人を嘲(あざけ)り罵(ののし)っていう言葉。 類:●
便乱坊 ★「べらぼうめ」からの転訛。
・べらんめえ口調
(べらんめえくちょう) 江戸の下町で、職人などの間で用いられた巻き舌で荒っぽく威勢の良い口調。

−−−−−−−へり(#heri)−−−−−−−
・屁理屈
(へりくつ) 無理にこじつけた理屈や道理に合わない理屈のこと。また、くだらない議論。 例:「屁理屈を並べる」
・屁理屈と膏薬は何処にでも付く(へりくつとこうやくはどこにでもつく) 1.屁理屈を付ける者は、言い方一つでどちらの意見にも味方できるが、結局のところ、確固とした意見を持っている訳ではないということ。日和見主義の喩え。 類:●内股膏薬 ★昔の「膏薬」は、両面張り付いたので、日和見(ひよりみ)の喩えとして用いられた。 2.屁理屈を捏(こ)ねれば、どうとでも解釈できるということ。屁理屈を咎(とが)めて言う。

−−−−−−−へを(#hewo)−−−−−−−
・屁を放って尻窄める
(へをひってしりすぼめる) 人前でおならをしてしまった後で、尻の穴を窄める。失敗した後で慌(あわ)てて取り繕(つくろ)ったり、誤魔化(ごまか)そうとしたりする喩え。 ★江戸いろはがるたの「へ」の札。

−−−−−−−へん(#hen)−−−−−−−
・卞和の璧
(べんかのへき・たま) 昔、中国にあったという名玉。 類:●和氏(かし)の璧●連城の璧 故事:韓非子−卞和篇」 中国、戦国時代の楚の人・卞和(べんか)が粗玉(あらたま)を楚の山中で拾い、王(れいおう)に献じたが只の石だと決め付けられ、左足を切る罰を受けた。次の武王には右足を切られた。次の文王が位に就いたとき、今度は命を奪われるだろうと三日三晩泣き暮らした。文王が磨かせてみると、正(まさ)しく立派な璧(たま)であった。
・変が変わる
(へんがかわる) 正常でない状態になるという意味から、病状が急に悪化する、臨終の時期が迫っているということ。 類:●変が来る
・弁が立つ(べんがたつ) 演説や話し方が巧(うま)い。 類:●雄弁
・勉強する
(べんきょうする) 1.努力をして困難に立ち向かうこと。熱心にものごとを行なうこと。また、気が進まないことを仕方なくすること。2.将来のために学問や技術などを学ぶ。学校の各教科や、珠算・習字などの実用的な知識・技術を習い覚える。また、社会生活や仕事などで修行や経験を積むこと。 類:●学習 3.商品を安く売る。商品を値引きする。 例:「せいぜい勉強させて貰います」 ★「勉強」の原義「困難なことを無理して頑張る」から。
・弁慶ぎなた式
(べんけいぎなたしき) 「弁慶は、なぎなたを持って」を、「弁慶はな、ぎなたを持って」と誤読するような、句切りを間違えた読み方。
弁慶の立ち往生
(べんけいのたちおうじょう)
弁慶の泣き所
(べんけいのなきどころ)
・扁鵲も白骨に肉する能わず
(へんじゃくもはっこつににくするあたわず) 名医で名高い扁鵲でも、死者を蘇(よみがえ)らせることはできない。どんな名医でも、死人は治せない。 出典:「塩鉄論−非鞅」「扁鵲不能肉白骨、微箕不能存亡国也」 ★「史記−扁鵲倉公列伝」には、死んだと思われたカク国の太子を鍼(はり)で蘇生させ、「当然に生きている者を起(た)たせただけだ」と言った、という逸話が残る。
・片言隻語
(へんげんせきご) 《四熟》 「片言」も「隻語」も、僅(わず)かな言葉という意味。ちょっとした短い言葉。 類:●片言隻句(せっく)●一言半句
・弁舌さわやか
(べんぜつさわやか) 話し方が清々(すがすが)しく快いという意味で、淀みなくすらすらと述べ、その語り口が実に清々しい様子。
・鞭撻(べんたつ) 1.鞭で打って懲(こ)らしめること。2.努力を怠(おこた)るなと強く励ますこと。激励すること。 例:「御指導御鞭撻の程、お願い致します」
・へんちき・へんちきりん
 普通とは違っている様子。変な。また、そういう者。→「へんてこ」 用例:柳多留−四四「へんちきな献立を書く長崎屋」 ★「ちき」は、人や人の状態を表す語に付けて、からかいや嘲りの気持を込める。…な奴(やつ)の意。「高慢ちき」「とんちき」など。「てき(的)」の変化か<国語大辞典(小)>
・ベンチを温める
(べんちをあたためる) 運動選手が補欠として控えの席に待機したままで、活躍する出番が与えられずにいること。 類:●補欠選手 例:「野球部では三年間ベンチを温めていた」 ★ここでの「ベンチ」は、野球場内の選手や監督の控え席のこと。
・変梃
(へんてこ) 変な。奇妙な。馬鹿げている。また、そのような物や人。 類:●へんちきりん●へんちくりん●へんみょうらい●変梃りん 例:「変梃な服装」「変梃なことをいう」
・変哲もない
(へんてつもない) 変哲は、普通と違っていること。これといって変わったところがない。平凡である。 例:「なんの変哲もないただの紙切れ」
・弁当持ち先に食わず
(べんとうもちさきにくわず) 弁当運びを任(まか)された者は、手元に皆の弁当を持っているが、皆より先に食べることはない。持ってるものが多い人ほど、それを使わないものであるということ。 類:●金持ち金を使わず●槍持ち槍を使わず
・ペンは剣よりも強し
(ぺんはけんよりもつよし) 言論が人の心に訴える力は、武力よりも強い力を持っているということ。言論には永続性があり、広範囲に及ぶものということ。 ★リットンの戯曲「リシュリュー」 英語The pen is mightier than the sword.の和訳。 参考:「三つの敵意ある新聞は千の銃剣よりも恐ろしい」(ナポレオン・ボナパルト)
・辺幅を修飾する
(へんぷくをしゅうしょくする)[=飾(かざ)る] 「辺幅」は、布などのへりのこと。上辺(うわべ)を飾る。見栄(みえ)を張る。 出典:「後漢書−馬援伝」「修飾辺幅、如偶人形」
・ぺんぺん草が生える
(ぺんぺんぐさがはえる) 家などが荒れ果てている喩え。家屋や蔵などが取り払われ、空き地になって荒れ果てた状態になること。 例:「工場跡はぺんぺん草が生えている」 ★「ぺんぺん草」は、ナズナ(薺)の異名。
・ぺんぺん草も生えない
(ぺんぺんぐさもはえない) 俗語。根こそぎ奪われて、または破壊されて、何も残らない様子の喩え。 類:●根絶やしになる●焦土と化す 例:「近江商人が歩いた跡にはぺんぺん草も生えない」
・偏旁冠脚
(へんぼうかんきゃく) 《四熟》 漢字の字形を構成する要素の名称。偏(へん)、旁(つくり)、冠(かんむり)、脚(あし)の意味。垂(たれ)や構(かまえ)、繞(にょう)などを含む総称として用いる。
・片鱗を示す
(へんりんをしめす) 学識や才能などの一部分をちらりと覗(のぞ)かせる。
・ペンを折る
(ぺんをおる) 作家や記者などが、書くことを一切(いっさい)止(や)める。文筆に携(たずさ)わる職を辞(や)める。 類:●筆を折る筆を断つ ★「筆を折る」からの変化。
・弁を振るう
(べんをふるう) 大いに話すという意味で、勢いよく、淀みなくすらすらと述べること。
・弁を弄する
(べんをろうする) 喋(しゃべり)り立てる。勝手なことを言う。また、屁理屈を言って言い逃れようとする。 類:●捲し立てる


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