【ふい】〜【ふそ】

−−−−−−−ふい(#hui)−−−−−−−
・不意打ちを食う(ふいうちをくう)[=食らう] 「不意打ち」は、予期しないときに切り付けるという意味。思いも寄らないときに事を仕掛けられること。
・吹聴が回る(ふいちょうがまわる) 言い触らすことを強調して言う言葉で、次から次へと噂が広がって行く様子。
・不一(ふいつ) 1.同じではないこと。不揃いなこと。2.手紙の結びに添えて、まだ十分に意を尽くし切れていないことを表わす語。 類:●一二に及ばず
・ふいにする 
駄目にする。無駄にする。無用で役に立たないものとして捨てる。 類:●棒に振る●棒にする
・布衣の友(ふいのとも) 1.庶民同士の交際という意味で、互いの利益に囚われない、身分や貧富の差を乗り越えた友。2.卑賤な者同士の付き合い。 類:●
布衣の交わり ★昔中国で、官位のない庶民は「布(ふ)」(=麻や綿など粗末な布で織った衣服)を着ていた。 出典:「史記−范雎伝」「寡人聞君之高義、願与君為布衣之友
・布衣の交わり(ふいのまじわり) 身分や貧富の差を問題にしない交際。また、貧賤な交友。 類:●
布衣の友 出典:「史記−廉頗藺相如列伝」・「戦国策
・不意を食う
(ふいをくう・くらう) 思い掛けない目に遭う。唐突に事を仕掛けられる。 類:●不意を突(=衝)かれる●
不意打ちを食う

−−−−−−−ふう(#huu)−−−−−−−
・風雲急を告げる
(ふううんきゅうをつげる) 状勢が不穏で、大事件が起きそうな差し迫った状態である。ただごとでない状勢になる。
・風雲児(ふううんじ) 事変に乗じて才能を現わし、目覚ましい活動をする人。 類:●英雄
・風雲の会
(ふううんのかい) 1.時変の時。戦乱。2.竜が雲に乗り、虎が風を得て咆哮するように、賢臣と英明な君主とが巡り合うこと。英雄や豪傑が時を得ること。また、そのような時。 類:●風雲に際会(さいかい)す 出典:「易経−乾」「従竜、従虎」
・風雲の志
(ふううんのこころざし)[=望み] 竜が風や雲を得て飛躍するように、時運に乗じて大功を立てたり、出世したりしようとする気持ち。 例:「風雲の志を抱く」 出典:信(ゆしん)の言葉「或見兵書、遂有風雲之志
・風雲の情
(ふううんのじょう) 大自然の中へ漂白の旅に出たいという気持ち。
・風雲の便り
(ふううんのたより) 自然についての報(しら)せ・拠りどころという意味で、大自然に親しむ手掛かりや、自然の心を呼び起こす手掛かりのこと。
・富貴は天にあり(ふうきはてんにあり) 人間の富貴は天命によるものであるから、人の力ではどうにもできない。 類:●運は天にあり鎧は胸にあり●運否天賦命は天にあり 出典:「論語−顔淵」「子夏曰、商聞之矣、死生有命、富貴在天
・富貴浮雲の如し
(ふうきふうんのごとし) 道ならぬことで金持ちになったり、身分が高くなるのは、永久のものではなく、いつかは儚(はかな)く崩れ去るものである。 類:●不義にして富みかつ貴きは浮雲の如し 出典:「論語−述而」「不義而、於我如浮雲
・風月の本主
(ふうげつのほんしゅ) 風流の所有者という意味で、詩歌や文章に長じている人のこと。
・風月を友とする
(ふうげつをともとする) 俗世間を離れ、自然に親しみ風流な生活をする。
・風光明媚
(ふうこうめいび) 《四熟》 山や川の景色が清らかで美しいこと。 類:●山紫水明
・風采が上がらない
(ふうさいがあがらない) 容姿や身なりが良くない。主に、容姿がぱっとしない。
・風樹(ふうじゅ) 1.風に吹かれ戦(そよ)ぐ木。 類:●風木 2.既に死んでしまった親への思い。 類:●
風樹の嘆 出典:「韓詩外伝−巻九」「欲静而不止、子欲養而親不待也」
・風樹の歎
(ふうじゅのたん) 親に孝養をしようと思い立ったときには、既に親が死んでいて、孝養を尽くすことができないという嘆き。 類:●風木(ふうぼく)の悲しみ●木静かならんと欲すれども風止まず 出典:「韓詩外伝−巻九」
・風する馬牛も相及ばず
(ふうするばぎゅうもあいおよばず) 「風する」は発情して雌雄が誘い合うこと。 1.盛りの付いた馬や牛は、相手をどこまでも追い回していくものだが、そんな牛馬でも及べないほど遠く隔(へだ)たっていること。 類:●風馬牛も相及ばず 2.利害関係がないこと。無関係であること。また、無関心な振りをすること。 類:●風馬牛我関せず焉(えん) 出典:「春秋左氏伝−僖公四年」「君処北海、寡人処南海。唯是風馬牛不相及也」
風声鶴唳
(ふうせいかくれい)
・風前の塵
(ふうぜんのちり)[=埃(ほこり) ものごとが儚(はかな)く頼りないことを喩えていう言葉。 用例:太平記−13「誠に百年の栄耀は風前の塵、一念の発心は命後の灯なり」
風前の灯
(ふうぜんのともしび)
・風袋倒し
(ふうたいだおし) 外観は立派であるが、実質がそれに伴っていないこと。また、そのもの。 類:●見掛け倒し ★「風袋」は、品物を入れたり包んだりしている包装袋・箱・缶などのこと。転じて、実質に対しの、外観のこと。
・風波が起こる
(ふうはがおこる) 風が起き、波が荒くなって海が荒れ模様であるという意味から転じて、争いごとや揉め事が起こること。 類:●風波が生ず●波風を立てる
・風馬牛(ふうばぎゅう) 1.「風」は、盛りが付いて雌雄が呼び合うこと。慕い合って遠方にまで逸走する牛や馬の雌雄でさえも会うことのできないほど、両地が遠く離れていること。転じて、慕い合う者同士が遠く隔たっていて会えないことの喩え。 出典:「春秋左伝−僖公四年」「唯是風馬牛不相及也」 2.転じて、自分とは無関係なこと。また、関係ないこととして無関心な態度を取ること。
・夫婦喧嘩は犬も食わぬ(ふうふげんかはいぬもくわぬ) 夫婦喧嘩は犬さえ気に留めない。夫婦の諍(いさか)いは一時的ですぐに和解するものが多いから、他人が仲裁などするものではないということ。または、仲裁するのは馬鹿らしいことだということ。
・夫婦染みる
(ふうふじみる) 夫婦がいかにも夫婦らしい様子であること。または、本当は夫婦ではないのだが、夫婦らしく仲睦まじい様子に見えること。
・夫婦は合わせ物離れ物(ふうふはあわせものはなれもの) 夫婦は元々他人同士が一緒になったのだから、別れることがあっても仕方がないということ。
・夫婦は二世
(ふうふはにせ) 夫婦の縁はこの世ばかりでなく来世までも繋(つな)がるということ。 例:「親子は一世夫婦は二世」
 ★「親子は一世」「主従は三世」に対していう<大辞林(三)>
・夫婦別あり(ふうふべつあり) 親しい夫婦の間であっても、互いに遠慮や礼儀などがあるべきだということ。夫婦の関係は「礼」を元とせよということ。 出典:「孟子−滕文公・上」「父子有親、君臣有義、夫婦有別長幼有序、朋友有信」
・風林火山
(ふうりんかざん) 《四熟》 戦国時代、武田信玄が軍旗に用いた「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」の略称。また、その軍旗。 出典:「孫子−軍争」「故其疾如、其徐如、侵掠如、不動如、(中略)先知迂直之計者勝。此軍争之法也」


−−−−−−−ふえ(#hue)−−−−−−−
笛吹けども踊らず
(ふえふけどもおどらず)

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・分がある
(ぶがある) そちらの方がより可能性が高い。そちらが優勢である。 例:「どうも相手チームに分があるようだ」
・深い川は静かに流れる
(ふかいかわはしずかにながれる) 底の深い川ほど、水は静かに流れる。優れた能力を持つ人や思慮深い人は、常に落ち着いてゆったりしているということの喩え。 類:●Deep water runs still.●黙り猫が鼠を獲る●能ある鷹は爪を隠す 反:■浅瀬に徒波■口達者の仕事下手■空き樽は音が高い■痩せ犬は吠える
・不甲斐ない
(ふがいない) 黙って見ていられないほどに意気地(いくじ)がない。まったくだらしがない。用例:虎寛本狂言・
柑子「扨々おのれはふがいないやつの、鍔などに押れてつぶるるといふ事が有る物か」 例:「男の癖に腑甲斐無い」 ★「ふがい(ふがひ)」は「いふかひ」の略かというが不明。「腑」「不」は当て字か<国語大辞典(小)> 用例の出典:柑子(こうじ) 狂言。各流。預かっていた柑子(=蜜柑)を全部食べてしまった太郎冠者は主人に色々と言い訳をするが、ついに六波羅(=腹)に納めたと白状する。
・深い仲
(ふかいなか) 濃密な関係という意味で、男女間の情交を伴う親密な間柄。
・斑が切れる
(ふがきれる) 1.鼈甲(べっこう)にある黒い斑点(はんてん)に切れ目が入るという意味から、はっきり区別ができるようになること。踏ん切りが付くこと。けじめが付くこと。 用例:柳多留拾遺「鼈甲のふより買人のふが切れず」 2.喋り方や動作がはきはきしていること。
・不覚の涙(ふかくのなみだ) 1.他人に見せてはならないと思っていても、いつの間にか流れてしまう涙。2.失敗したりして悔しさのあまり流す涙。
・不覚の名を取る(ふかくのなをとる) 不名誉な評判を立てられること。油断して過(あやま)ちを犯し、不名誉な評判が立つ結果になること。
・不覚を取る(ふかくをとる) 思わぬ恥を掻く。油断して失敗する。
・不可抗力
(ふかこうりょく) 《四熟》 1.天災・地変などのように、人の力では抵抗したり防止したりすることができない力や事態。 例:「不可抗力の事故」 2.法律用語。取引上、人が普通に要求される注意や予防方法を講じても損害を防ぐことができないこと。
 ★主に私法上の責任や債務などを免れさせる標準として用いられる<国語大辞典(小)>
・不可思議千万(ふかしぎせんばん) この上もなく不思議に思える状態。言葉で言い表わすこともできない不思議なことである。常識では想像することもできできないような不思議な状態。
・腑が抜ける(ふがぬける) 1.思慮分別がなくなる。2.意気地がなくなる。勢いがなくなってぼんやりする。 類:●腑抜けになる
・分が悪い
(ぶがわるい) 自分の方へ割り当てられる比率が良くないという意味から、人に比べて条件や形勢などが悪く、損である。振りである。 例:「風下では分が悪い」

−−−−−−−ふき(#huki)−−−−−−−
・吹き込む(ふきこむ) 1.風が吹いて雨・雪や埃などを中に入れる。また、息で吹いて中に入れる。 用例:人情・春色梅美婦禰−初「口から直に吹込(フキコマ)なくっては飲みは仕ませんから」 例:「文壇に新風を吹き込む」 2.前もって教え込んでおく。言い聞かせておく。 類:●教唆(きょうさ)する 用例:浄・冥途の飛脚−中「梅川殿へもふきこんで此方から挨拶切り」 例:「悪い知恵を吹き込む」 3.上方の遊里言葉で、遊女に贈り物を送る。 用例:浮・傾城禁短気−三「宿屋へ内証をふき込(コミ)」 4.ボイスレコーダーやCDのような録音メディアなどに、音を入れる。録音する。 例:「新曲を吹き込む」
・吹き出す
(ふきだす)・噴き出す 1.風が吹き始める。吹き立つ。吹き出(い)ず。2.内にあるも のが一気に外に出る。水などが勢いよく溢(あふ)れ出る。湧(わ)き出る。噴出する。3.堪(こら)えかねて、ぷっと笑う。我慢しきれず笑い出 す。 用例:浄・蝉丸−一「可笑しさどうもたまられず、ふっとふきだす斗也」 4.吹き出物・腫(は )れ物が皮膚に現れ出る。5.草木の芽が勢いよく出る。萌(も)え出る。 用例の出典:蝉丸(せみまる) 浄瑠璃。時代物。五段。近松門左衛門。元禄14年(1701)大坂竹本座初演。謡曲「蝉丸」に題材を取り脚色したもの。竹本義太夫が筑後掾(ちくごのじょう)受領の祝儀として上場。 参考:蝉丸(せみまる) 謡曲。四番目物。各流。世阿弥。延喜帝の第四皇子蝉丸の宮は幼少から盲目だったので、帝は逢坂山に捨てさせる。一方、髪がさか立つ病気を持つ姉の逆髪の宮は、さまよい歩いて逢坂山に至り、蝉丸の琵琶の音に惹(ひ)かれて弟と再会する。二人は互いの身の不幸を嘆き合う。古名『逆髪(さかがみ)』。
・不帰の客となる
(ふきのきゃくとなる) 二度とこの世に戻らない人になる。死ぬ。 類:●黄泉の客
・不義にして富みかつ貴きは浮雲の如し(ふぎにしてとみかつたっときはふうんのごとし) 人道に外れたことをして得た富貴は、儚(はかな)いものである。 類:●富貴浮雲の如し 出典:「論語−述而」「飯疏食飮水、曲肱而枕之、楽亦在其中矣。不義而富且貴、於我如浮雲<粗末な飯を食べて水を飲み、腕を曲げてそれを枕にする。楽しみはそんな中にも自然にあるものである>
・不義はお家の御法度
(ふぎはおいえのごはっと) 男女の密通は厳禁であるということ。近世、特に武家で、家人や使用人への戒めとした言葉。
・俯仰天地に愧じず
(ふぎょうてんちにはじず) 省(かえり)みて、自分の心や行動に少しも恥じるところがない。 出典:「孟子−尽心・上」「仰不愧不圉於

−−−−−−−ふく(#huku)−−−−−−−
・吹く風枝を鳴らさず
(ふくかぜえだをならさず) 風が静かで木の枝も動かない。平和で穏やかな様子。世の中が良く治まり、天下太平であることの喩え。 類:●風条(えだ)を鳴らさず●雨塊を破らず五風十雨 出典:「塩鉄論−水旱」「当此之時、雨不破塊、風不鳴条
・河豚食う無分別、食わぬ無分別
(ふぐくうむふんべつ、くわぬむふんべつ) 河豚の毒に構わず、無闇に食べるのも無分別だが、毒を恐れて河豚の美味を味わわないのも無分別であるということ。
・複雑多岐
(ふくざつたき) 《四熟》 事情などが込み入っていて、しかも多方面に分かれていて、分かり難い様子。 類:●盤根錯節
・副産物
(ふくさんぶつ) 1.ある品物を作る過程で、それに付随して得られる他のもの。2.転じて、あるものごとの発生や進展に伴って起こってくる他のこと。
・覆車の戒め
(ふくしゃのいましめ) →前車の覆るは後車の戒め
・復讐するは我にあり
(ふくしゅうするはわれにあり) ここでの「我」は、神のこと。悪を行なった者は、神が裁き、神が復讐するであろうということ。悪に対して悪で報いてはならない。 出典:「新約聖書−ローマ人への手紙」「主いい給う。復讐するは我にあり、我これを報いん」
・腹心の疾
(ふくしんのやまい)[=にある病] 腹または心にある重い病気。救い難い憂(うれ)い。 類:●心腹の疾 出典:「春秋左氏伝−哀公六年」「除腹心之疾、而[ウ/眞]諸股肱、何益」
・腹心を布く
(ふくしんをしく) 心の奥底にあるものを広く知らせるという意味で、心中を包み隠さず、すっかり打ち明けること。 出典:「春秋左氏伝−宣公十二年」
覆水盆に反らず(ふくすいぼんにかえらず)[=返らず]
・河豚好きで灸嫌い
(ふぐずきできゅうぎらい) 一歩間違えば死んでしまう河豚を好んで食べ、健康のことは少しも考えず、お灸(=医者)などは大嫌いな人である。河豚を食べて死ぬのなら本望(ほんもう)という、粋人(すいじん)気取りの者や、拗(す)ね者のこと。 ★江戸川柳に「玉の緒よ たえなばたえね 鰒(ふぐ)が好き」などがある。
・腹蔵ない
(ふくぞうない) 腹に隠し持つものがない。考えや計画を全て明らかにし、何も心の中に包み隠していない。 例:「腹蔵ないご意見を」
・不倶戴天(ふぐたいてん) 《四熟》 共に天を戴(いただ)くことはできないという意味で、殺すか殺されるか、どちらにしてもこの世に一緒には生存はできない間柄であること。どうしても許せないほど怨みが深く、報復しないではいられないこと。また、そのような間柄。 類:●倶不戴天 例:「不倶戴天の敵」 出典:「礼記−曲礼・上」「父之讎、弗与共戴天、兄弟之讎、不反兵、交游之讎、不同国」 
★読み下して「倶(とも)に天を戴(いただ)かず」というようにも使う<国語慣用句辞典(集)>
・福徳の三年目
(ふくとくのさんねんめ)[=百年目] 福徳を齎(もたら)す神様は三年目に回ってくるという意味で、久し振りに幸運に巡り会うこと。思い掛けない利益を得ること。
・河豚にも中れば鯛にも中る
(ふぐにもあたればたいにもあたる) 運の悪いときは安全なものでも毒になることがある。禍(わざわい)はどこで起こるか分からないということ。
・腹背の風
(ふくはいのかぜ) 腹と背中に当たる冷たい風という意味から、世間の人々の批判が渦巻く中に身を曝(さら)している状態である。
・河豚は食いたし命は惜しし(ふぐはくいたしいのちはおしし) 河豚は食べたいが下手に料理すると命を落とすという意味から、あることをしたいが、それをすると障害が生じるということ。結果の恐ろしさを思うと、中々実行に移せない。行なうか止めるか、どちらとも決められない。 類:●痛し痒し●Honey is sweet, but the bee stings.(蜜は甘いが蜂が刺す)
・覆盆の雨
(ふくぼんのあめ) 水が一杯入ったお盆を覆(くつがえし)したような雨。どっと一気に振る強い大雨の喩え。
・含むところ(ふくむところ) 心の内に包み持つもの、収め隠しているもの。心に密かに持っている考えや企(たくら)み、または、恨み。 例:「上司に対して含むところがある」
・膨れっ面(ふくてっつら) 不機嫌で、また怒って、むっとした顔。頬を膨らました顔付き。 類:●ふくれづら●仏頂面
・袋の中の鼠
(ふくろのなかのねずみ)[=内の〜] 袋の中に追いこまれた鼠。追い詰められて、逃げ出ることができない状態の喩え。 類:●
袋の鼠
・袋の鼠(ふくろのねずみ) 追い詰められて逃げも隠れもできない状態の喩え。 例:「犯人はもう袋の中の鼠だ」

−−−−−−−ふけ(#huke)−−−−−−−
・不景気(ふけいき) 1.社会全体の経済状態に活気がないこと。景気が悪いこと。特に、商売が繁盛しないこと。2.盛んな状態を失うこと。振るわないこと。活気がないこと。閑散としていること。陰気なこと。3.人の態度や様子に活気がないこと。陰気くさいこと。浮かない様子。 用例:雑俳・柳多留−四「ふけい気なお子だと乳母は木戸を出る」 例:「不景気な顔をするな」 4.面白くない。嫌らしい。いけ好かない。惨(みじ)めったらしい。 用例:人情・春色梅児誉美−三「およしな。ふけへきな、小児をだますやうな」
・吹けば飛ぶよう
(ふけばとぶよう)[=散るよう] ちょっとした風にも吹き飛んでしまいそうなほど貧弱なものの喩え。貫禄がない者のこと。 例:「吹けば飛ぶような掘っ立て小屋」
・不言実行
(ふげんじっこう) 《四熟》 あれこれ言わず、成すべきことを黙って実行すること。 類:●無言実行 反:■有言実行
・不言不語
(ふげんふご) 《四熟》 何も言わないこと。言語で表現しないこと。 類:●言わず語らず

−−−−−−−ふこ(#huko)−−−−−−−
・不幸中の幸い
(ふこうちゅうのさいわい) 不幸な出来事に見舞われたとき、その慰めとなるような幸運。不幸事の気休めとなること。 類:●勿怪の幸い 例:「事故に遭ったのに骨折だけで済んだのは不幸中の幸いだった」
・不孝に三あり、後なきを大なりとす
(ふこうにさんあり、のちなきをだいなりとす) 親不孝の最たるものは、跡継ぎを作らないことである。 出典:「孟子−離婁・上」「孟子曰、不孝有三、無後爲大」 ★残りの2つの不孝は「親の不義を見過ごしにすること」と「貧窮して親を養えないこと」という。
・不孝の上塗り
(ふこうのうわぬり) 普段から不孝であるのに更に不孝なことを重ねてすること。度重なる親不孝をすること。
・無骨(ぶこつ)・武骨 1.礼儀作法を弁(わきま)えていないこと。無礼なこと。 類:●
不束 用例:平家−八「たちゐの振舞の無骨さ」 2.具合いが悪いこと。都合が悪いこと。 用例:源平盛衰記−一四「六波羅近き家なれば無骨(ブコツ)也」 3.役に立たないこと。才能がないこと。 類:●不才 用例:曾我物語−五「吾、ぶこつなりといへども」 4.骨ばってごつごつしている。洗練されていない。また、武芸に優れている。 類:●木強 ★「こちなし」の漢字表記「無骨」を音読みした語<大辞林(三)>

−−−−−−−ふさ(#husa)−−−−−−−
・塞ぎの虫(ふさぎのむし) 心が晴れ晴れしないことを、虫のせいとして言った言葉。 例:「塞ぎの虫に取り付かれている」
・巫山の雲雨(ふざんのうんう)[=夢・雲・雨] 1.男女の情が細やかなこと。 類:●巫山の夢●朝雲暮雨●雲となり雨となる●雲雨の交わり 2.男女が夢の中で結ばれること、また一般に、情事のこと。 故事:宋玉「高唐賦」 楚の懐王(かいおう)が昼寝の夢で、巫山の神女(天帝の末娘の瑤姫)と契った。

−−−−−−−ふし(#husi)−−−−−−−
・無事安穏
(ぶじあんのん) 《四熟》 変事もなく、全てが安らかで穏やかなこと。社会や暮らしなどが、穏やかな様子。 類:●無事太平●平穏無事●太平無事●天下太平●天下治平●天下平泰●万民太平●千里同風
・節が立つ
(ふしがたつ) 刺々(とげとげ)しくて、相手の感情を刺激するような言動をすること。 類:●角が立つ
・無事是貴人(ぶじこれきにん) 禅語。為(な)すべきことが最早(もはや)ない者こそ貴(とうと)い人であるということ。一切の妄念を排除すれば、心は常に清浄平穏であるということ。 ★「無事」は、作為を以って行なわず自然のままであること。また、そのような境地。 出典:「臨済録」「無事是貴人、但莫造作、祇是平常」 2.誤った解釈で、人生行路において、災厄(さいやく)に見舞われず、平穏無事で過ごせるのが最上の人生であるということ。
・無事是名馬
(ぶじこれめいば) 1.競馬では、なんの故障もなく、長い間第一線で活躍できる馬こそが名馬である。 ★競馬ファンだった小説家菊池地寛が禅語の「無事是貴人」を捩(もじ)って言った言葉。 2.一般に、華々しい手柄などなくても、大きな災禍(さいか)なく、長い間活躍するのが一番である。 類:●健康第一
・無事息災
(ぶじそくさい) 《四熟》 事故や病気などの心配事がなく、平穏に暮らしていること。 類:●無事平安●無病息災●平穏無事
・ふしだら 1.
締まりがないこと。生活態度に規律がないこと。 類:●だらしない 2.素行が良くないこと。品行が悪いこと。特に、男女間でけじめがないこと。 用例:人情・珍説豹の巻−前「段々の不行跡(フシダラ)、知らぬ振して見るに忍びず」 例:「ふしだらな女」
・武士に二言はない(ぶしににごんはない) 武士は信義を重んじるので、一旦口に出して言ったことは必ず守るということ。 類:●武士の誓詞は金鉄の如し●男子の一言金鉄の如し
・武士の一言
(ぶしのいちごん) 武士は、一度承知したことは、約束を守って必ず実行するということ。 類:●然諾を重んず
武士に二言はない
・武士の商法
(ぶしのしょうほう) 明治維新以後、武士であった者が商売をしても、威張ってばかりいて失敗することが多かったことから、商売の遣り方が下手(へた)であるとことの喩え。 類:●士族の商法
・藤の花盛りが雨の魚の旬
(ふじのはなざかりがあめのうおのしゅん) 藤の花盛りに、アメノウオ(=琵琶鱒)は最も美味で、良く獲れる。 ★奈良県のことわざ。
・藤の花と念仏の行者とは下るほど美事なり
(ふじのはなとねんぶつのぎょうじとはさがるほどみごとなり) 藤の花と念仏の行者とは下がるほど見事なり、ともいう。念仏を行ずる者は謙虚な心で、ただひたすら唱えれば良いので、理屈は無用であること。念仏者の驕りを戒めていう。 類:●念仏者と藤の花とは下がるほど見事なり
・藤の花に豆蒔き
(ふじのはなにまめまき) 藤の花が咲いたら豆を蒔け。 ★新潟県のことわざ。
・藤の花見て綿を蒔け
(ふじのはなみてわたをまけ) 綿を蒔く時期をいうことわざ。
・節の間
(ふしのま) 1.節と節との間。2.転じて、少しの間。暫(しばら)く。 用例:新古今−1049「なにはがた短かきあしのふしのまも」
・武士は相身互い
(ぶしはあいみたがい) 武士同士は同じ立場であるから、互いに思い遣り、助け合わねばならないということ。また、そのような間柄。
武士は食わねど高楊枝
(ぶしはくわねどたかようじ)
・不始末
(ふしまつ) 1.後始末をきちんとしないこと。ものごとをきちんと処理しないこと。だらしがないこと。2.他人に迷惑を掛けるような不都合な行ないをすること。また、そのような行為。 類:●不埒(ふらち)●しくじり 例:「不始末をしでかす」
・不惜身命
(ふしゃくしんみょう) 《四熟・仏教用語》 1.仏道のために、身も命も惜しまず精進すること。 出典:「法華経−譬喩品」「若人精進、常修慈心、不惜身命、乃可為説」 2.ものごとに、身や命を捧(ささ)げて惜しまないこと。我が身を顧(かえり)みないこと。 反:■可惜身命
・不定の雲
(ふじょうのくも) 心が定まらず迷っている状態を、雲が月を覆い隠すことに喩えて言った言葉。 類:●心の雲
・不承不承
(ふしょうぶしょう) 《四熟》 嫌々ながらする様子。 類:●渋々 用例:虎寛本狂言・止動方角「あとからうせいといふに、あのふしゃうぶしゃうなつらは」 例:「不承不承引き受ける」 
★「不請不請」とも書く<大辞林(三)>
・夫唱婦随
(ふしょうふずい) 《四熟》 夫が言い出し、妻がそれに従うこと。夫婦仲が良いこと。 故事:「
関尹子−三極」 後漢の梁鴻(りょうこう)は謹厳な人物で、結婚してから1年以上も妻と口を利かなかった。思い余った妻がその訳を尋ねると、「美しく着飾って顔に紅まで差している女は自分の妻ではない」と言う。妻は「私は礼儀に厳格なあなたのことを気づかってこのような格好をしてきましたが、それが意にそぐわないのであれば、質素な身なりも用意してあります」と答え、質素な服に着替えて荊(いばら)の冠を被(かぶ)った。梁鴻は「それでこそ我が妻である」と言い、以後睦まじく暮らした。 出典:関尹子(かんいんし) 中国、道家の書。周代。老子が西遊した際の函谷関の長(関尹かんいん)であった尹喜(いんき)の作とされるが、後世(唐代か?)の偽作。
・不精髭
(ぶしょうひげ) 剃るのを怠(おこた)って、薄汚く生えている髭。
・負薪之憂
(ふしんのうれい・うれえ・ゆう)[=病(やま)い] 《四熟》 士(し)が自分の病気を謙遜して言う言葉。禄(ろく)が十分でなく、薪(たきぎ)を背負って働いたので病気になったという意味。「負薪」は、生活のために雑用や力仕事をすることの喩え。 類:●采薪の憂 出典:「礼記−曲礼・下」<君主から弓を射るように命じられて、もしできなかったらこう答えるものだと記されている>
・不審を打つ
(ふしんをうつ)[=立てる] 怪しく思う。訝(いぶか)しく思う。また、疑わしく思う点を挙げて尋ねる。

−−−−−−−ふす(#husu)−−−−−−−
・ぶす 1.お世辞にも美人と言えない女性の顔。また、その女性。2.一般に、女性を罵(ののし)る言葉。 ★付子(ブス)を食ったような顔、の意<新明解国語辞典5(三)> 参考:ぶす顔(ぶすがお) 苦りきった顔。おもしろくなさそうな顔つき。*山谷詩集抄‐三「下戸が、酒の座敷で、ぶすがをでいたは」<国語大辞典(小)>

−−−−−−−ふせ(#huse)−−−−−−−
・符節を合するが如し
(ふせつをがっするがごとし)[=合わせたよう] 割符がぴったり合うように、双方が全く一致する様子。矛盾なく符合すること。 類:●符を合わす●符合する●割り符が合う 出典:「孟子−離婁・下」
・布施無い経には袈裟を落とす(ふせないきょうにはけさをおとす) 僧侶(そうりょ)は布施をくれないときには袈裟を着けずに、或いは安物の袈裟で出掛けるということ。転じて、報酬の多い少ないによって、労力を出し惜しみすることの喩え。 参考:狂言「布施無経(ふせないきょう)」

−−−−−−−ふそ(#huso)−−−−−−−
・不即不離
(ふそくふり) 《四熟》 二つのものの関係が、付き過ぎもせず、離れ過ぎもしていないこと。また、そのような関係。 類:●付かず離れず

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