【くた】〜【くち】

−−−−−−−くた(#kuta)−−−−−−−
・下さるものは夏も小袖
(くださるものはなつもこそで)[=なら〜] 「小袖」は絹の綿入れのこと。人が下さるものは、仮令(たとえ)夏の小袖のような今不要なものでも、辞退しないで貰うものだということ。貰えるものは何でも貰った方が良いということ。また、欲が深い者を指しても言う。 類:●戴くものは夏もお小袖
・管の穴から天を覗く
(くだのあなからてんをのぞく) 管の細い穴から広大な空を覗こうとするように、自分の狭い知識を基準にして、広大なことについて勝手な推測を下すこと。 類:●
管を以て天を窺う
・くたばり損ない
(くたばりぞこない) 死に損(そこ)なうこと。また、その人。老人などを罵(ののし)っていうのに用いる。 類:●死に損ない●くたばり外れ●墓木已に拱す
・草臥れ儲け
(くたびれもうけ) いくら一所懸命に行なっても草臥れるばかりで、何の効果もないこと。 例:「骨折り損の草臥れ儲け
・草臥れる
(くたびれる・くたぶれる) 1.体力や思考が消耗して疲れる。疲労する。 例:「企画会議は草臥れる」 2.物などが長く使われたりしたために古びてみすぼらしくなる。人が年老いたことについても言う。 例:「草臥れた靴」 3.特に、動詞の連用形に接続して、その行為が、疲れて嫌になる。「待ち草臥れる」「立ち草臥れる」など。 ★「くた」は「くたつ(降)」「くたばる」の「くた」と同根。「草臥」は当て字<国語大辞典(小)>
・下らない
(くだらない)・下らぬ・下らん 1.訳が分からない。意味が分からない。 用例:伎・
独道中五十三駅−序幕「お株で、下らなくなってゐるぜ」 ★「くだる」=つかえないですらすらと進む。また、意味などがよくわかる<国語大辞典(小)>の、否定形。 ★「読みが下らぬ」あるいは「理屈が下らぬ」の略か<広辞苑第四版(岩)> 2.内容に乏しくて、取り上げるほどの価値がない。取るに足りない。 類:●埒もない 例:「下らないことでくよくよする」 3.馬鹿らしい。つまらない。二流(三流)である。 例:「下らない冗談ばかり言う」 類:●埒もない 2.3.の意味については、江戸時代、上方(京都・大坂)から江戸へ下ってきたものが「上物(じょうもの)」=「下り物」と呼ばれており、上物でないものを「下らない物」と呼んだことによるという。 4.ある基準の数量より下ではない。それ以上であることの強調表現。 類:●下回らな い 例:「野次馬の数は二千を下らないだろう」 用例の出典:独道中五十三駅(ひとりたびごじゅうさんつぎ) 歌舞伎。4代目鶴屋南北。文政10年(1827)。晩年の作。南北の怪奇ものの集大成。通称「岡崎の猫」。
・下り坂
(くだりざか) 1.下り道になる坂。 反:■上り坂 2.比喩的に、ものごとが最盛期・絶頂期を過ぎて衰えていくこと。また、衰運に向かうこと。 反:■上り坂 用例:談・根無草−後「我身の上の下り坂」 例:「30歳を過ぎたら下り坂だ」 3.天気が崩れること。 例:「天候は夜半から下り坂になる」
・管を以て天を窺う
(くだをもっててんをうかがう)[=大空をはかる] 管の細い穴から広大な空を覗こうとするように、自分の狭い知識を基準にして、広大なことについて勝手な推測を下すこと。 類:●
管の穴から天を覗く針の穴から天を覗く井の中の蛙
・くだを巻く(くだをまく) 取り止めもないことや不平をくどくどと言う。主に、泥酔して喚(わめ)く状態などを指す。
 ★「くだ」は「くだくだしい」の略で、繁雑で煩(わずら)わしいこと。 ★「くだ」から管(=糸繰り車のつむに差して、糸を巻きつける軸)を連想して「巻く」と言ったもの<国語大辞典(小)>
・件の如し
(くだんのごとし) 前に述べた通りである。前記記載の通りである。書状や証文の最後に書きしるす語句。用例:−133「例に依て進上如件」 用例:
貴嶺問答「大概依貴命言上如件」 ★多く「よって…くだんのごとし」の形で用いる。「如件」と書くことが多い<国語大辞典(小)> 用例の出典:貴嶺問答(きれいもんどう) 往来物。鎌倉前期。中山忠親。群書類従の9部文筆・消息部に属す。

−−−−−−−くち(あ)(#kuti1)−−−−−−−
・口当たり
(くちあたり) 1.飲食物を口に入れたときの感じ。 類:●舌触り●口合い 例:「口当たりが良い」 2.人や物の、外見から抱く感じ。また、話すときの調子。 例:「口当たりは柔らかい」
・口裏を合わせる
(くちうらをあわせる) 1.相手の話に調子を合わせる。 類:●話を合わせる 2.言うことが違わないように、予(あらかじ)め話を一致させておく。 類:●口を合わせる●示し合わす
・口裏を引く
(くちうらをひく) 話し振りから相手の心中を察し、話を持ち掛ける。 用例:談・古朽木−一「母の口末(クチウラ)を引ても、十両出してくれればよいひき」

−−−−−−−くち(か)(#kuti2)−−−−−−−
・口が重い(くちがおもい) 口数が少ない。寡黙(かもく)である。
・口が堅い
(くちがかたい)・固い 軽率に他言するようなことがない。秘密などを軽々しく誰かに話さない。また、そのような性格である。 類:●口堅い(口固い) 反:■口が軽い
・口が軽い
(くちがかるい) 1.言ってはいけないことまで、軽率に喋(しゃべ)りがちである。秘密などを軽々しく話してしまいがちである。また、そういう性格である。 反:■口が堅い 2.良く喋る。多弁である。 反:■口が重い
・口が利く
(くちがきく) 交渉などに当たって、相手を良く知っていたり交際が広かったりするために、有能な働きをすることができる。 類:●顔が利く
・口が利けない(くちがきけない) 意外な事態にどうして良いか分からなくなる。 類:●色を失う●声も出ない
・口が腐っても
(くちがくさっても) 口を動かさないために口が腐ることになってもという意味で、言わない決意が強いこと。 類:●
口が裂けても
・口が肥える
(くちがこえる) 美味いものを食べ慣れている。食べ物に贅沢(ぜいたく)である。 類:●口が奢る
・口が裂けても
(くちがさけても) 口外しないことを強調する言葉。下に打消しの言葉を伴なって使われる。 類:●
口が腐っても 例:「口が裂けても言えない」
・口が過ぎる(くちがすぎる) 1.人並み外れて口喧(やかま)しい。2.控えるべき事柄、遠慮すべき事柄、失礼な事柄を言う。 例:「こら。社長に向かって口が過ぎるぞ」
・口が酸っぱくなる
(くちがすっぱくなる)・酸くなる(すくなる) 同じことを何度も繰り返して言う。嫌になるほど度々同じ事を言う。
・口が滑る
(くちがすべる) 言わないと誓ったことや、言う必要もないことなどを、思わず言ってしまう。
・口が干上がる
(くちがひあがる) 飲食物が得られないために、口が乾涸(ひから)びるということで、暮らしが立たなくなる。 類:●口が上がる
・口が塞がらぬ
(くちがふさがらぬ) 呆れて言葉が出ない。 例:「開いた口が塞がらぬ
・口が減らない
(くちがへらない) ここでの「減る」は負けるの意味。道理に負けても、なお理屈を並べ立てる。負け惜しみを言う。また、勝手なことを遠慮なく言う。 類:●減らず口を利く(叩く)
・口が曲がる
くちがまがる) 1.その罰として口の形が歪(ゆが)んでしまうという意味。目上の人や恩義のある人に対する悪口や過剰な望みを口にすることを諌(いさ)める言葉。 例:「そんな言い方をすると口が曲がるぞ」 2.渋いものや不味いものを食べて、口が痺(しび)れる感じである。 ★「鼻が曲がる」との混用からか。
・口から高野
(くちからこうや) 口が災いの元になって高野山で坊主にならなければならなくなるという意味で、口を慎(つつし)まないため大きな失敗をすること。 類:●口は禍の門
・口から先に生まれる
(くちからさきにうまれる) お喋りや、口の達者な者。嘲(あざけ)りの意味合いを含む。
・口が悪い
(くちがわるい) 1.言葉使いや話す内容が、粗悪である。また、憎まれ口を利く性質である。2.他人をあまり誉めない。3.食欲が起きない。
・朽ち木は雕るべからず
(くちきはえるべからず) 朽ちた木は彫刻するに値(あたい)しない。やる気のない怠(なま)け者は、誰がどう教えようと、どうにもならないということの喩え。 類:●朽ち木は柱にならぬ●朽木糞牆●糞土の牆はるべからず 出典:「論語−公冶長」「宰予昼寝、子曰、朽木不可雕也、糞土之牆不可塰也」 孔子が、昼寝をしていた宰予(さいよ)を見て言った言葉。
・朽木は柱とならず
(くちきははしらとならず) 朽ちた木は柱となることはない。転じて、心根の腐った者は重要な役割を果たすことはできないということ。 類:●腐れ木は柱と成らず
・口切り
(くちきり) 1.容器などの口の封を切って初めて開けること。また、その開けたばかりのもの。 類:●口開け●口開き 2.《季・冬》 陰暦十月の初め頃に、夏から封じておいた新茶の壺を初めて開けること。また、その茶で催す茶会。 例:「口切りの茶事(ちゃじ)」 3.ものごとをし始めること。 類:●手始め●皮切り●口開け 4.《相場用語》 取引所などで、最初に成立した売買のこと。5.〔副〕液体が、容器などの口までたっぷりと入っている様子。 用例:仮・扇音々大岡政談−序幕「酒も口きりついで来ました」 出典:扇音々大岡政談(おうぎびょうしおおおかせいだん) 歌舞伎、時代物。二世河竹新七(木阿弥)。8幕。明治8年(1875)1月守田座(後の、新富座)初演。徳川吉宗の落胤(らくいん)と偽って捕らえられ獄門に処せられた、天一坊事件を大岡政談として脚色したもの。通称「天一坊」。
・口食うて一杯
(くちくうていっぱい) 食べるだけで精一杯で、余裕がない生活。
・口車に乗せる
(くちぐるまにのせる) 巧みに言い包(くる)めて相手を騙(だま)す。 類:●
口三味線に乗せる
・口車に乗る
(くちぐるまにのる) 巧みに言い包(くる)められて騙される。人の口先に欺(あざむ)かれる。
・口答え(くちごたえ) 目上の人の言葉に言い返すこと。特に、逆らうような返事をすること。また、そのような返答。 類:●口返答 例:「親に口答えする」

−−−−−−−くち(さ)(#kuti3)−−−−−−−
・口さがない
(くちさがない) 他人のことを、口悪く言い触らす傾向がある。批評がましく口煩(うるさ)い。また、言葉に品位や節度がない。或いは、お喋りである。 用例:源氏−行幸「くちさがなきものは世の人なりけり」 例:「口さがない女」
・口自慢の仕事下手
(くちじまんのしごとべた) 口ばかり達者だが、仕事のほうは碌にできないということ。また、理論や考えを滔々(とうとう)と語る者に限って、実際にやらせてみると満足にできないものだということ。 類:●理屈上手の行ない下手●口叩きの手足(た)らず●未熟の芸誇り●口では大阪の城も立つ
・口三味線に乗せる
(くちじゃみせんにのる) 巧みに言い包(くる)めて騙(だま)す。 類:●
口車に乗せる
・口添え(くちぞえ) 脇から言葉を添えて、交渉や頼みごとを取り成すこと。また、助言すること。 例:「先輩が取り成してくれたお陰で事無きを得た」

−−−−−−−くち(た)(#kuti4)−−−−−−−
・朽ちたる木をば雕るべからず
(くちたるきをばえるべからず) 素質の悪い人間には、教育する方法がない。 出典:「論語−公冶長」「朽木不可雕也、糞土之牆、不可
也」
・口では大坂の城も建つ
(くちではおおさかのしろもたつ) 口先だけならどんな大きなことでも言える。
・口と腹は違う(くちとはらはちがう) 口に出して言うことと、心に考えていることとは別だ。 類:●口は口心は心●心と口と違う●口と腹は砥石(といし)の裏表

−−−−−−−くち(な)(#kuti5)−−−−−−−
・口尚乳臭し(くちなおちくさし・ちちくさし)[=乳臭(にゅうしゅう)あり] 口がまだ乳臭いということで、年がまだ若くて経験不足である。 類:●口尚乳臭
嘴(くちばし)が黄色い青二才 出典:「漢書−高帝紀」「是口尚乳臭、不能当韓信」
・朽ち縄を杖に突く
(くちなわをつえにつく)[=に取り付く] 蛇を杖にして歩く。危険なものを頼りにすることの喩え。 類:●虎の尾を踏む竜の鬚を撫でる
・口に合う
(くちにあう) 飲食物が、好みと合致する。好きな味付けである。 例:「お口に合いますか」
・口に合わない
(くちにあわない) 食べ物や飲み物が、自分の好みに合わない。 例:「妻の作る料理はどうも口に合わない」
・口にする
(くちにする) 1.口に出して言う。喋(しゃべ)る。噂する。また、話題にする。 例:「そんなことは口にするべきじゃない」 2.口に入れる。口に咥(くわ)える。食べる。味わう。 例:「口にしたことのない食べ物」
・口に地代は出ない
(くちにちだいはでない)[=税は掛からぬ・年貢(ねんぐ)はいらぬ] どんなに勝手なことを言っても、それに地代(税)が掛かる訳ではないという意味で、身勝手、好き勝手な放言をすること。
・口に絶つ
(くちにたつ) 1.あることを、決して話さない。喋らない。2.ある特定の物を決して飲食しない。 類:●断ち物をする
・口に手を当てる
(くちにてをあてる) 口を手で隠してひそひそ話すということから、陰口を利く。陰口を言って嘲(あざ)笑う。
・口に土用が入る
(くちにどようがはいる) 江戸時代、夏の土用には仕事を休む職業が多かったところから、口が休みになる。食物が口に入ったので、お喋りが途絶える。
・口に乗る
(くちにのる) 1.人々の話題の種になる。世の中に広く知られる。評判になる。 類:●人口に膾炙(かいしゃ)す 2.相手の言葉に騙されて言い成りになる。 類:●
口車に乗る
・口に入る物なら按摩の笛でも
(くちにはいるものならあんまのふえでも) 意地汚くなんでも食べる。
・口に針あり
(くちにはりあり)[=棘(とげ)あり] 言葉が刺々しく、皮肉や悪意が感じられる。
・口に任せる
(くちにまかせる) 深く考えないで、思い付くままに喋る。類:●口から出任せに言う
・口に蜜あり、腹に剣あり
(くちにみつあり、はらにけんあり) 口先では優しいことを言いながら、心の中は陰険なこと。 類:●笑みの中(うち)の刀●口に甘きは腹に害あり●口に接吻胸に匕首 出典:「唐書−李林甫伝」「世謂林甫、口有蜜腹有剣」 
★中国、唐の玄宗の時の宰相・李林甫(りりんぽ)の人柄を述べた言葉。
・口の子
(くちのこ) 売買などの仲介料。また、利息。 類:●口銭(こうせん)
・口の下から(くちのしたから) 主に、「〜という口の下から」の形で使われる。言い終わるか終わらないうちに。 類:●舌の根も乾かぬうち
・口の虎は身を破る
(くちのとらはみをやぶる)[=食(は)む] 迂闊(うかつ)なことを言うと身を破滅させてしまう。言葉は慎むべきであるという教え。
・口の端に掛かる
(くちのはにかかる) 人々の話題の種にされる。噂をされる。 類:●口に掛かる●口に上る
・愚痴の闇(ぐちのやみ) 愚かゆえにものごとの道理が分からないことを、闇に喩えて言う言葉。
・口の世
(くちのよ) やっと食べるだけで生活する。また、やっと食べるだけの僅かな手当て。 用例:浮・
日本永代蔵−五「やうやう口の世で抱へられ」 用例の出典:日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら) 浮世草子。6巻。井原西鶴。元禄元年(1688)刊。副題は大福新長者教。各巻5章。西鶴町人物の第一作。富を獲得する商人や破産する商人など、様々な町人群像を描く。話題は諸国に渡り、事実と虚構を織り交ぜて金銭を巡る人の心のありようや、町人の経済生活の裏面などを暢達な文体で活写している。

−−−−−−−くち(は)(#kuti6)−−−−−−−
・口は口、心は心
(くちはくち、こころはこころ) 口に出して言うことと、心の中で思っていることとが一致しない。裏腹である。
・嘴が黄色い(くちばしがきいろい)[=青い] 鳥の雛(ひな)は嘴が黄色い(青い)ところから、年が若くて経験が浅い。 類:●乳臭い●
口脇(くちわき)黄ばむ
・口走る
(くちばしる) 1.正気を失って、喋(しゃべ)る。 用例:義経記−七「此人々祈り給ひける景気心中の恐ろしさにや、口走る」 2.思わず口に出す。調子や弾みで、言ってはならないことや、心にもないことを口にする。 類:●口が滑る●失言する 例:「酒の勢いで余計なことを口走る」
・口は滑ることがあり、目は嘘を吐くことがあるが、鼻は知っている
(くちはすべることがあり、めはうそをつくことがあるが、はなはしっている) 嘘や軽々しいことは言うものではないということ。 ★英語のThe lips can slip, the eye can lie, but the nose knows.から。lipとslip、eyeとlie、noseとknowsの洒落(しゃれ)。
・嘴を容れる
(くちばしをいれる)[=挟む] 他人のすることに対して、あれこれ言って口出しをする。 類:●口を挟む●口を出す●口出しする●容喙(ようかい)する●差し出口をする
・嘴を鳴らす(くちばしをならす) 1.喋り立てる。2.歯軋(ぎし)りをして悔しがる。 類:●切歯
・口八丁
(くちはっちょう) 「八丁」は一度に八つの道具を使うことができるほど、ものごとに巧みなこと。巧者のこと。喋ることが達者なこと。また、その人。 → 口も八丁手も八丁
・口幅ったい
(くちはばったい) 身のほども考えないで大きなことを言うようである。言うことが、偉そうに感じられる。 用例:伎・
八幡祭小望月賑−四幕「よく口幅ったくなく情人(いろ)だなどと」 例:「口幅ったいことを言うようですが」 用例の出典:八幡祭小望月賑(はちまんまつりよみやのにぎわい) 歌舞伎脚本。世話物。4幕。河竹黙阿弥。万延元年(1860)江戸市村座初演。文化4年(1807)の深川八幡祭の雑踏で永代橋が落ちた事件と、深川芸者が刺殺された事件とを合わせて脚色。
・口幅広し
(くちはばひろし) 遠慮ない思い切った物言いをする。 類:●大口をたたく●大言壮語
口幅ったい
口は禍の門
(くちはわざわいのかど・もん)
・口火を切る
(くちびをきる)[=点(つ)ける] 1.ものごとをし始める。切っ掛けを作る。 例:「反対運動の口火を切った」 2.話を始める。 例:「座談会で口火を切る」
唇亡びて歯寒し
(くちびるほろびてはさむし)
・唇を反す
(くちびるをかえす)[=翻(ひるがえ)す] 不服である。嘲(あざけ)り謗(そし)る。
・唇を噛む(くちびるをかむ) 悔しがる様。また、憤りを堪(こら)える。
・唇を尖らす
(くちびるをとがらす) 角立ててものを言う。不平、不満を表わす。 類:●口を尖らす
・口減らし
(くちべらし) 「口」は物を食べる人数のこと。人数を減らすこと。特に、生活費を助けるために、家族の中の何人かを他に奉公に出したり、養子にやったりする。
・口鉾に掛かる
(くちぼこにかかる)[=掛けられる・乗る] 巧みな言葉に誤魔化される。
・口ほどにもない
(くちほどにもない)[=もない] 実際の行動能力が口で言う程のことはない。

−−−−−−−くち(ま)(#kuti7)−−−−−−−
・口増せば水増す
(くちませばみずます) 家族の人数が増えればそれだけ費用が嵩(かさ)む。 類:●人増せば水増す
・口元了見
(くちもとりょうけん) 深い思案を巡らさないこと。また、そのような考え。
口も八丁手も八丁
(くちもはっちょうてもはっちょう)
・口貰う
(くちもらう) 他人から食物を貰って生活するということで、人に生活を見て貰う。 類:●寄食する

−−−−−−−くち(や)(#kuti8)−−−−−−−
・口止まず
(くちやまず) 口の動きが止まない。また、絶え間なく喋り続ける。
・口汚し
(くちよごし) 1.十分な量の飲食物ではない。他人に食物を薦めるときなどに、遜(へりくだ)った言い方として用いる。 例:「ほんのお口汚しですが」 2.口先でその場限りに誤魔化すこと。媚(こ)び諂(へつら)うこと。
・口より出せば世間
(くちよりだせばせけん) 一旦口外してしまえば、世間に知れて、秘密も秘密でなくなる。

−−−−−−−くち(わ)(#kutiwa)−−−−−−−
・口脇黄ばむ
(くちわききばむ) 口の辺りがまだ黄色みを帯びている。まだ年若くて経験が乏しい。 類:●口脇白し●青二才
口なお乳臭し●尻が青い●嘴が黄色い
・口脇を下ぐ
(くちわきをさぐ)[=引き垂(た)る] 口をへの字形に歪(ゆが)める。


−−−−−−−くち(を)(#kutiwo)−−−−−−−

・口を開かす
(くちをあかす) 相手にものを言わせる。他の人に喋らせる。 用例:
無名抄「くちあかすべくもなく難ぜられければ」 用例の出典:無名抄(むみょうしょう) 鎌倉初期の歌学書。2巻。鴨長明著。建暦元年(1211)頃成立。和歌の風体や表現、詠歌の心得、歌人の逸話や思い出などを記した、80段ばかりから成る随筆風の書。無名秘抄、長明和歌物語とも。
・口を合わせる
(くちをあわせる) 1.相手の話に調子を合わせる。 類:●話を合わせる 2.言うことが違わないように予め話を一致させておく。言葉を示し合わす。 類:●口裏を合わせる
・口を掛ける
(くちをかける) 1.前もって先方に事を通じておく。予め申し入れておく。 類:●渡りを付ける 2.芸娼妓などを席に呼び出す。
・口を藉る
(くちをかる) 口実を作る。託(かこつ)ける。藉口(しゃこう)する。 類:●口に敷く
・口を箝す
(くちをかんす) 1.口を噤(つぐ)んで喋らない。 類:●
口を噤む 2.口を塞ぐ。言いたいうことがあっても言えないようにする。
・口を利く
(くちをきく) 1.物を言う。話をする。 例:「生意気な口を利く」 2.巧みに言う。口が達者である。大言壮語する。3.人々の間で重んぜられる。 類:●幅が利く 4.関係が巧くいくよう取り持つ。第三者が話をする。調停する。仲立ちをする。
・口を切る
(くちをきる) 1.まだ開いていない樽や瓶や箱などの蓋や詮を開ける。2.話をし始める。多くの人たちの中で最初に発言する。 類:●口火を切る 3.遊女などと前もって遊興の約束をしておく。江戸深川の遊里で言った。4.馬を歩かせ始めるために、手綱を緩(ゆる)める。
・口を極める
(くちをきわめる) ありったけの言葉を尽くす。あらゆる言い方で述べる。 例:「口を極めて賞める」
・口を消す
(くちをけす) 1.他言させないようにする。2.前にした証言を取り消す。
・愚痴を零す(ぐちをこぼす) 言っても益のないことを言う。
・口を過ごす
(くちをすごす) 1.暮らしを立ててゆく。生活する。 類:●口を過ぎる 2.余計なことを言う。 類:●言い過ごす●口が過ぎる
・口を酸っぱくする(くちをすっぱくする) 同じことを何度も繰り返して言う。嫌になるほど何回も同じ事を言う。 類:●口を酸(す)くする
・口を滑らす
(くちをすべらす)[=滑らせる] うっかりして、言ってはならないことを言ってしまう。
・口を窄める
(くちをすぼめる)[=つぼめる] 遜(へりくだ)った物言いをする。言い訳やお世辞を言う。
・口を添える
(くちをそえる) 1.ちょっとひと口飲む。付け差しをする場合などにいう。 
参考:付け差し(つけさし) 飲みさしの杯をそのまま相手に与えること。親愛の気持を表すものとされ、特に、遊里などで遊女が情の深さを示すしぐさとされた。 2.人の言うことなどに、端(はた)から助成の言葉を足して取り成す。 類:●口添えをする
・口を揃える
(くちをそろえる) 1.二人以上の人が同時に同じことを言う。異口同音に言う。2.示し合わせて同じことを言う。 類:●
口を合わせる
・口を出す(くちをだす) 他人のすることに対して、あれこれ言う。 類:●嘴を容れる
・口を垂る
(くちをたる) 卑下した物言いをする。下手(したて)に出て言う。 類:●言葉を垂れる
・口を衝いて出る
(くちをついてでる) 次から次へと自然に言葉が出てくる。
・口を噤む
(くちをつぐむ) 口を閉めて開かない。黙る。 類:●口を閉ざす
・口を尖らす
(くちをとがらす)[=尖らせる] 唇を前に突きだして尖らせる。怒ったり、言い争ったりするときなどの口付き。また、不平不満を表わす顔付き。
・口を閉ざす
(くちをとざす) 黙る。沈黙を守る。一切喋(しゃべ)らない。 例:「貝のように口を閉ざす」
・口を拭う
(くちをぬぐう)[=拭(ふ)く] 盗み食いをした後、口を拭いて素知らぬ顔をするということ。何か悪いことや拙(まず)いことをしておきながら、していない振りをする。また、知っていながら知らない振りをする。
・口を濡らす(くちをぬらす) 1.少しばかり飲み食いする。口の中を潤(うるお)す。2.
口を糊(のり)す
・口を糊す
(くちをのりす)[=餬(こ)す] 1.「糊す」は粥(かゆ)を啜(すす)ること。ぎりぎりの暮らしの喩え。貧しい生活を送ること。 類:●糊口を凌ぐ露命を繋ぐ一箪の食一瓢の飲手鍋を提げる 2.食客や居候(いそうろう)になる。
・口を挿む
(くちをはさむ)・挟む[=入れる] 人が話しているところに横から何かを言う。
・口を開く
(くちをひらく) 喋(しゃべ)り始める。話し始める。発言する。 例:「口を開けば姑(しゅうとめ)の悪口ばかりだ」
・口を封じる
(くちをふうじる) 1.喋(しゃべ)らないようにさせる。口止めする。 類:●口を塞(ふさ)ぐ 例:「脅迫して口を封じる」 2.殺す。 例:「そこまで知られては口を封じるしかない」
・口を塞ぐ
(くちをふさぐ) 物を言わせないようにする。悪事や秘密などを喋らせないようにする。金品を与えて喋ることを封じる。
・口を守ること瓶の如くす
(くちをまもることかめのごとくす) 瓶に蓋(ふた)をして紐(ひも)で締めるように、口もしっかりと閉じなさいということ。 1.言葉は慎(つつし)むべきであるという戒(いまし)め。 出典:「宋名臣言行録−富弼」「守口如瓶、防意如城」 ★富弼を評した劉器(りゅうき)の言葉。 2.秘密を漏(も)らしてはならない。
・口を毟る
(くちをむしる) 誘いを掛けて尋ねる。問い落とそうとする。 類:●鎌を掛ける
・口を寄す
(くちをよす) 巫女(みこ)が霊魂を招いて自分に乗り移らせ、その口から思いを述べさせる。 類:●口寄せをする
・口を割る
(くちをわる) 自白する。

<か行>―・―<慣用句のTOP>
―・―<次ページ>