私の自作人生

平成11年6月8日更新


私の自作人生

 星に興味を持ちはじめた人が、まず欲しくなるのは天体望遠鏡でしょう。夜空には肉眼や双眼鏡でも楽しめる対象もありますが、望遠鏡でなければむつかしい対象も多くあります。
 私が天文にハマってしまったきっかけは、中学1年生のときに口径わずか4cmの望遠鏡で月面のクレーターを見たことでした。景品でもらった小さな望遠鏡でしたが、初めて自分の目でクレーターを見た時の感動は忘れることが出来ません。しかし人間は欲深いもので、色々な天体を見ているうちに口径4cmの望遠鏡では物足りなくなってきました。そこで中学2年のとき、お年玉で反射鏡と接眼レンズをを買い求め、口径10cmの反射望遠鏡を自作することにしたのです。鏡面精度は良くない鏡でしたが、それまでの口径4cmの望遠鏡にくらべ暗い星まで見ることができました。
 中学2年の夏休みに自作の望遠鏡を携え、のちにチロの星祭りとして有名となった「星空への招待」に参加しました。これが私の初の天文イベント参加でした。天気はあいにくの雨でしたが、自作望遠鏡コンテストで色々な自作望遠鏡を実際に見ることができました。

 


口径10cm F8ニュートン式

(天文ガイド1977年11月号より)

 この望遠鏡は接眼部と主鏡部が箱状になっていて、それぞれを細長いパイプで連結しています。このような鏡筒を「シーソータイプ」と呼んでいます。鏡はスリービーチから購入したものです(後でテストしたらあまり精度が良くなかった...)。接眼部と斜鏡が同時にスライドしてピントを合わせる形式で「スライド式」といいます。アイピース(接眼レンズ)はケルナーの40mmを常用し倍率20倍、実視野2度で、主に星雲星団を観測していました。この鏡と接眼レンズを買うために、中学1年の時のお年玉はきれいに無くなってしまいましたとさ。しくしく...





口径11.4cm 用赤道儀

口径10cm F8ニュートン式

(天文ガイド1980年11月号より)

 この写真の左に写っているのが口径114mmの中古鏡筒と自作赤道儀です。極軸にはスリービーチ社のウォームホイルと、ピローブロックと呼ばれるユニット式のベアリングを使っています。当時中学生だった私は、極軸の加工をするのに技術の先生に無理にお願いして学校の旋盤を使わせていただきました(先生の息子さんも天文ファンだったので理解を示してくれたようです。)。残念ながら加工精度が悪く、この赤道儀はあまり使われませんでした。

 右側に写っているのが自分で磨いた鏡としては第二作めの10cmF6の反射経緯台です。焦点距離40mmの接眼レンズをつけると倍率15倍、実視野2.6度になり、これで星雲星団をよく眺めていました。三脚部分を、いわゆるハーフピラーにしてあり鏡筒を天頂に向けても三脚に鏡筒がぶつからないようにしてあります。鏡筒は塩ビパイプとアルミ材を使っており、運搬時は伸縮できるようにしました





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口径10cmF16ドール・キルハム

(天文ガイド1981年10月号より)

 鏡面研磨が自分でできるようになって、どうしても作りたくなったのがカセグレン系でした。大きいガラス材が高価なことと、コンパクトなものを作りたい、ということで主鏡口径10cmF4、合成F16、凸鏡径33mmとしました。凸鏡のガラス材は、近所の建物解体現場に落ちていた5o厚のガラスを自分で丸めたものです。はじめは主鏡の精度が悪かったため、後に修正研磨をしました。

 鏡筒前後の補強リングは自動溶接機用のワイヤーのリール(プラスチック製)を加工しました。  筒を丸めた方法ですが、ステンレス板がまだ平らなうちに先端と末端にあたる部分にあらかじめ12等分に穴を空けておき、1穴ごとにリングに現物あわせで穴を空けブラインドリベットで留めていくという方法をとりました。(筒を作るというよりも、補強リングの円周部分にステンレス板を巻きつける、といった感じです。)  ステンレスの光沢から誰かが「手の切れそうな鏡筒だなあ。」といったことから、友田の作った物は切断面の処理が悪くてケガをするとの誤解を受けるようになってしまいました。(私は部品の切断面の処理には神経質なくらい気を使っていて、ほとんどの場合ヤスリでRをつけたあと、さらにサンドペーパーをかけています。楽しいはずの星見の道具でケガをしたのではあまりに悲しすぎるからです。このステンレス板も同様です。)  お金が無かったのでピントは接眼鏡の抜き挿しで合わせました。

 その年の「星空への招待」では部分日食が観測できるということで急遽作ったのがハーシェルニュートン式です。  主鏡の芯を使うというアイデアは、前年か前々年の「星空への招待」で石橋力さんが出品したのをマネたものでした。口径2cm、斜鏡には顕微鏡用のスライドグラスを利用しました。2面の無メッキ反射でもまだ眩しかったため、間に合わせに白黒フィルムの透明部分で減光しました。
 この望遠鏡で日食を観測しているシーン(1秒弱)がNHKの「6:00こちら情報部」のチロ追悼特集で放映され、私のテレビ初デビューとなりました。






以下、次回更新に続く...


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