参考図書案内

最終更新日 平成13年2月8日

新刊案内


中村要と反射望遠鏡 〜 宇宙物理学の黎明を支えて 〜
著者 富田 良雄・久保田 諄
発行 ウインかもがわ (かもがわ出版 発売)
初版発行 2000年11月10日
定価 2000円
ISBN4-87699-557-5

東亜天文学会のHPに通信販売の案内あり。

 昭和の始め、「科学画報」という雑誌に反射望遠鏡の自作に関する記事が連載され、同時にガラス材と研磨材の販売も行われました。これが元となって第一次鏡面研磨ブーム(と私が勝手に呼んでいる)がおきました。このブームにより、木辺 成麿氏、星野 次郎氏ら第二世代の鏡面研磨家が反射鏡の製作を始め、後に戦後の望遠鏡自作ブームを支えることとなります。そして鏡面研磨家の第一世代の代表といえるのが、「科学画報」に記事を執筆した中村要です。
 彼は京都大学の天文台の助手として観測業務を行う傍ら、300面近い凹面鏡を製作するとともに、前述の記事のほか東亜天文学会会報「天界」でも自作に関連する記事を執筆し戦前の望遠鏡自作ブームを支えたのでした。彼の研磨した鏡を使用した望遠鏡を製作したのが京都の望遠鏡メーカー、西村製作所の始まりです。
 彼は身分の低い観測助手であったことや、29才の若さで自ら命を絶ったということなどから、日本の天文史の中で語られることはあまりありませんでした。この本は東亜天文学会80周年記念出版として発行され、関係者への取材や残された資料から、彼の生い立ちと業績について非常に詳しく書かれています。
 彼の業績はあまりにも大きなものがあり、現在の望遠鏡自作にも少なからず影響を与えています。この本を読んで、日本の反射望遠鏡製作の原点に思いをはせてはいかがでしょうか。



ノーラコミックスDLUXE
まんがサイエンスZ
著者 あさりよしとお
発行 学習研究社
初版発行 2001年1月1日
定価 本体781円
ISBN4-05-602252-6


 「5年の科学」「6年の科学」で連載中の学習マンガの単行本化です。「見る」科学をテーマに、天体望遠鏡に関するマンガも収録されています。ちなみに、この著者は「宇宙家族カールビンソン」でドブソニアンネタを描いたことがあります。




現在書店で入手可能と思われるもの


天体望遠鏡の作り方
著者 天文ガイド編集部 編
発行 誠文堂新光社
初版発行 1998年3月30日
定価 1600円

 天体望遠鏡の自作についての本が(雑誌記事ではなく書籍という形で)発行されるのはおよそ10年ぶりではないでしょうか。鏡面研磨からドームまで、ひと通り紹介されています(ドブソニアンと赤道儀の記事はありませんが)。自作に興味のある方は取り敢えず買っておきましょう。天文ガイドは自作関連の書籍のシリーズ化を考えているそうですので今後も期待しましょう。



初めての天体望遠鏡
[続]星を見に行く
著者 えびなみつる(漫画家)
発行 誠文堂新光社
初版発行 1996年8月8日
定価 1500円

 天体望遠鏡が欲しくなった主人公が先輩のアドバイスをうけながら天体望遠鏡を手に入れる、というストーリーのマンガです。望遠鏡全般について初心者に対してもやさしく解説されています。
 主人公がメーカー品を購入する前に、手始めに塩化ビニール管と紙で口径4cmの望遠鏡を作ってみる、というくだりがあります。これまでの天文書の中で、もっともやさしく記述された望遠鏡の作り方、かも知れません。



チロの天文シリーズ
藤井旭の天体望遠鏡ガイド
著者 藤井旭(天体写真家)
発行 誠文堂新光社
初版発行 1990年1月30日
定価 1165円

 「ドブソニアンを作ろう」という章に、具体的なドブソニアン式望遠鏡の作り方が掲載されています(口径10〜45cmの作例)。
天体望遠鏡の構造や使い方など望遠鏡全般にわたって説明があり、図版も多く初心者の方にお薦めです。



反射望遠鏡
大口径・広視野化に向けて
著者 山下泰正(国立天文台教授)
発行 東京大学出版会
初版発行 1992年2月20日
定価 本体6,000円

 大型反射望遠鏡(メートル級)に関する最新の理論(光学、構造関係)の一部を垣間見ることができます(難しい数式がガンガン出てきます。)。この本を読んでいるとプロとアマの違いをなんとなく感じてしまいますが、ある程度大きな望遠鏡を作る方は参考にされるとよいでしょう。



天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編
著者 吉田正太郎(東北大学名誉教授)
発行 誠文堂新光社
初版発行 1988年11月30日
定価 1,942円

天文アマチュアのための望遠鏡光学・屈折編
著者 吉田正太郎(東北大学名誉教授)
発行 誠文堂新光社
初版発行 1989年12月10日
定価 1,942円

 さまざまな望遠鏡の光学系の設計例が挙げられており、具体的な設計値の書かれているものもあります。「こんな光学系をつくってみたいなぁ。」という気分にさせてくれる本です。



光学設計学習ソフト
テレオプト
著者 天文ガイド編
発行 誠文堂新光社
初版発行 1996年10月1日
定価 本体8,544円

 Windows 3.1及び95で動作する光学設計ソフトですが書籍扱いですので本屋さんで入手出来ます。工業用の光学設計ソフトは非常に高価なものが多いですが、このソフトは望遠鏡に特化しているかわりに比較的安くなっています(そんでも8,800円もするけど...)。設計例も100例ほど集録されています。



新潮文庫
宇宙を見つめる人たち
著者 ドナルド・ゴールドスミス
訳 青木 薫
発行 新潮社
初版発行 平成5年10月25日
定価 738円

 帯に「最先端の天文学者たちの研究と豊富な写真で、宇宙の神秘を解明する楽しい宇宙探索ガイド。」とあります。「第三章 われわれはみな天文学者」の99ページからの「ジョン・ドブソンと人々のための天文学」の項にドブソニアン式望遠鏡が考案された経緯が書かれています。



星になったチロ
著者 藤井 旭(天体写真家)
発行 ポプラ社
初版発行 1984年4月
定価 951円

 第31回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書にもなった本ですので読まれた方も多いのではないでしょうか。世界一の移動望遠鏡である「チロ望遠鏡」製作の経緯と、自作望遠鏡コンクールも行われたイベント「星空への招待」についても書かれています。



おまけ

少年キャプテンコミックス
宇宙家族カールビンソン13巻
著者 あさりよしとお
発行 徳間書店
初版発行 1997年7月15日
定価 本体400円

 SFほのぼのホームコメディーという独特の雰囲気をもったマンガで、今は無き「月刊少年キャプテン」に連載されていました。コミックス13巻「星の記憶の巻」は第2百武彗星のころ雑誌に掲載された作品で、物語の舞台の惑星アニカで天文ブームがおこり、ドブソニアン式望遠鏡をつくるというエピソードです。




絶版図書コーナー

これから紹介する本は現在絶版になったと思われる本です。もう古本屋さんでしか入手できないと思われます。大きな図書館なら蔵書でおいてあるかもしれません。

新版 反射望遠鏡の作り方
著者 木辺 成麿(鏡面研磨家)
発行 誠文堂新光社
初版発行 昭和42年4月15日

書名は「新版」となっていますが、残念ながら現在では絶版となっています。内容の大部分が鏡面研磨についてであり、機械部分は概論のみ解説しています。鏡面研磨を試みたアマチュアのほとんどの人が参考にした本で、まさに鏡面研磨の教科書といえる本です。
理工系専門の古書店では2800円ぐらい(定価の2倍以上)で、一般の古本屋さんでは600円くらいで売っているのを見かけました。
著者の木辺 成麿氏は反射鏡研磨の第一人者で(本職はお寺の住職)、戦前から反射鏡の製作を続けてこられました。昭和40年代頃までに国内で製作された口径30〜60cmの反射望遠鏡の主鏡のほとんどは氏の研磨されたものです。平成2年5月に亡くなられるまで約950面以上の鏡を研磨されました。
新版 反射望遠鏡の作り方 木辺 成麿著


初心者のための
天体望遠鏡の作り方 屈折編
著者 原田 光次郎 他
発行 誠文堂新光社
初版発行 昭和42年9月30日

主な内容は、口径6cm程度の屈折望遠鏡の製作記事です。天文ガイドに掲載された記事や、当時既に絶版となっていた書籍等から抜粋されたものです。執筆者はあわせて6人にもなります。 現在となっては、この本をもとに自作をする人は、ほとんどいないと思われますが、自作のヒントを得るために一度読んでみても良いと思います。
天体望遠鏡の作り方 屈折編 表紙


新版 反射望遠鏡の作り方
著者 星野 次郎(鏡面研磨家)
発行 恒星社
初版発行 昭和49年7月15日

木辺先生とともに日本の鏡面研磨の中心的人物であった星野先生の本です。木辺先生の本とくらべて、機械部分やカセグレン式やシュミットカメラ等についても詳しく記載されております。木辺先生の本が「鏡面研磨の教科書」であるとするならば、星野先生の本は「反射望遠鏡製作の教科書」と言えるかも知れません。
戦後間もない頃から日本のアマチュア天文家にとって「木辺鏡」(きべきょう)、「星野鏡」(ほしのきょう)は良鏡の代名詞でした。星野先生は福岡県庁にお勤めの傍ら、600面近くの鏡をアマチュアの方々に供給されてきました。その功績を称えられ、昭和57年「第一回 星のチロ賞」を授賞されております。(詳しくはポプラ社刊「星になったチロ」を参照。実は私は授賞式典に参加させていただいております。)また、小惑星3828番に「ホシノ」の名前がつけられています。誠に残念なことに、平成9年9月6日、81歳で他界されました。
反射望遠鏡の作り方 星野次郎著 表紙


写真で見る
自作天体望遠鏡
著者 天文ガイド編
発行 誠文堂新光社
初版発行 昭和53年12月9日

73cm反射望遠鏡からポータブル赤道儀やアストロカメラまで55台もの自作望遠鏡が紹介されています。私が高校生のころ、「こんな望遠鏡を作ってみたいなー。」とワクワクしながら読んでいた本です。
写真で見る自作天体望遠鏡 表紙



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