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イタリア人はここヴェネツィアを「世界で一番美しい都」と誇りにしているそうだ。運河に浮かんで見える石造りの建物の間を優雅なボートが行き来するシーンや、真っ青な海に架けられた橋を列車がゆっくりと走るシーンはテレビで見たことを思い出した。 まさにその橋を渡って列車はVenezia Santa Lutia駅に着いた。駅のインフォメーションのスタッフはスムーズに仕事をこなしているように見え、ここでホテルを取ることにした。ホテルリストがあったので、それを貰って目星をつけた。地図に印をつけて歩いて捜しても簡単だと思ったが、インフォメーションのスタッフにお願いした。ヴェネツィアにしてなぜか「Hotel Florida」という、駅の近くの第一希望のホテルがすぐに取れた。イタリアの中高級ホテルは寒い時期(行ったのは3月だ)は大幅に室料を割り引き、例えばそのホテルでは部屋に掲示されている正規料金から40%引きになっている。その正規料金は恐らく夏期バカンスシーズンの値段ということだろう。 とりあえず一息つこうとホテルに向かったが、あっけなく着いてしまった。案内された部屋は本来はダブルルームで、ダブルとしては広いとは言えないが、一人のスペースには十分だった。ベッドに腰掛けてインフォメーションで貰った地図を見て行動の足について考えた。とはいえ、この町の交通はすべて水上で、バスはおろか自動車は1台も走っていない。ともかく駅前の停船所に行くことにした。当然ながら通勤も運河を渡る定期便のようだ。というのも、朝のラッシュ時など便数が多くなっている。観光客にとっては、交通手段が船に限られてしまうので必然的にクルージングを楽しめるというメリットはある。それなら定期便を利用しようと、一日券を買った。 それにしてもこの街は幻想的だ。絵画やアニメにしかないような水の都が本当にあることを自分の目で見たという気を起こさせた。土台は大丈夫なのかと心配になるが、水際の建物たちは朽ちながらも傾くことなく真っ直ぐに立っているのも不思議でならない。 |



