平成20年度後半・平成21年度前半期

ガラ紡

p1/p2 ガラ紡の歴史

ガラ紡とその復元模型製作(科学部技術班と合同)

製作したガラ紡↓
外枠

復元模型は科学部技術班と合同で製作。


何故「ガラ紡」か


 今年度は一転して「ものづくり」に挑戦しました。
 愛知県は「ものづくり」の県ですが、トヨタがもともとは自動織機や紡績機械をつくっていたメーカーだったように(原料綿も栽培されていたように)かつては木綿工業が特に盛んな県でした。そして、このガラ紡は明治初期に臥雲辰致が発明した傑作紡績機で、愛知県で大活躍をした紡績機です。つまり、ガラ紡の技術を復元する試みは愛知の「ものづくり」の原点をさぐる試みとなります。
 そこでトヨタの産業技術記念館でガラ紡の見学をして、復元することにしました。

ガラ紡の仕組みに入る前に


 木綿という素材は不思議で切れてもすぐつながります。また綿の繊維は絡まりやすい性質を持っています。この性質を生かして綿の糸をつくります。

ガラ紡の機構


 そこで問題になるのは、どのようにして丈夫な、切れにくい糸を作るのかという点です。
 このためにはふたつ必要なことがあります。まず、「より」をかけることです。もう一つは太さが違う糸で布を織ると破れやすくなってしまうので、糸の太さを同じになるように紡ぐことです。
 このふたつを同時に実現するのがすぐれもののガラ紡です。回転してよりをかけ(筒を回す)、かつ糸が太くなりすぎれば糸の張力で筒が持ち上げられ(筒を上げて見せる)回転板から浮き上がり、その結果減速します。
 減速しすぎれば筒自体の重みで下がり、再び回転しはじめます。
(そのうち動画をアップロードします)

苦労した点


 一年近くたっていますがまだ試作段階で、筒の回転速度が遅いために糸が切れるなどの課題があります。(仕組みどおりにはなかなか動きません。)
 動力をハンドルから筒まで伝えるかという点が一番問題となりました。まずハンドルを回し、真ん中の回転軸に回転を与えて、それから上と下の軸に伝えます。上に向けては回転速度を遅くして糸が切れないようにします。そのために小さな滑車から大きな滑車へ回転を伝えます。こちらは回転速度が遅く、摩擦が小さいのでさほどの問題は在りません。
 しかし逆の下に向けて回転速度を早くすることが最大の障壁でした。当初はこの部分(指)がゴムベルトだったのですが、恐ろしい勢いでゴムが擦り切れて空回り、調節してベルトをかけなおしても空回りという事態に陥りました。この状況を打開するためにゴムベルトのかわりに用意されたのがチェーンとスプロケットです。これにより、ようやく文化祭の発表前日に空回りを防ぐことに成功しました。しかし、チェーンの長さを調節できないために複雑な構造(指)となり、また市販のスプロケットチェーンでは直径の大きなものがなく、回転速度があげられない原因の一つとなっています。
他にも、木の板を丸く切るには自在錐というごつくて厄介な電動ドリルを使わざるをえず、回転盤をつくるのにはベルトサンダーというちょっとの油断で簡単に指一本飛んでしまう機械を技術の先生に協力してもらいながら使いました。

総括

ともあれ文化祭での展示までにはなんとか現在の状態までにすることができました。当日のお客さんのなかにデジカメでガラ紡を撮影している方いらっしゃいました。うかがってみると、豊田自動織機の研究員で、その方に「若い技術者はマニュアルに頼ろうとする。マニュアルに書いてないことに直面するとあきらめてしまう。自分達で考えながら工夫を重ねる君たちの試みは貴重だ。会社のミーティングで紹介したい」と言っていただけました。
ガラ紡は発展途上国での利用価値も在り、また人間の手回しか水力、それに地球の引力を使うだけで、「究極のエコ」ともいえます。

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アルミで試しに作った筒(上)と撚子(下)
アルミで試しに作った筒(上)と撚子(綿を丸めたもの)(下)
外枠
外枠
工具・材料など
工具・材料など
雨樋
どうもアルミではうまく円形に筒が作れない
ので、 雨樋を切ったものに。
底蓋はヤスリで大きさをあわせる。
撚子と筒2
この筒に撚子をつめて
上から見た写真


滑車
滑車と軸






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