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英・仏の再処理工場

深刻な放射能汚染発覚


 イギリスのセラフィールド、フランスのラ・アーグ両再処理工場で、深刻な放射能汚染が相次いで発覚し、大きな問題となっています。

 両工場では、日本から送られた使用済み燃料の再処理も行われており、私たちにもその責任の一端があるのではないでしょうか。

 また六ヶ所に建設されている再処理工場が稼働すれば、同じように日本全国、そして近海が汚染されると覚悟しなければなりません。


[ラ・アーグ]

仏版動燃=核燃料公社(COGEMA)
膨大な放射性物質を排出


 日本で動燃のずさんな体質が問題になっていますが、フランスの動燃にあたる「核燃料公社」も負けず劣らずずさんなようです。

 ラ・アーグでの発端は、今年の1月、フランスのブザンソン大学ジャンフランソワ・ビエル教授が、イギリスの科学誌(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)に発表した論文です。

 それによると、ラ・アーグから35キロ圏に住む白血病にかかった子ども27人と健康な子ども192人とそれぞれの母親の生活を調査、比較したところ、頻繁に海水浴をしたり、地元産の魚を多く食べた子どもほど白血病にかかりやすい傾向が確認されたというものです。

 一方、グリーンピースが再処理工場の廃液排出管周辺を調査し、4月にはパイプが自然状態の3900倍に達する放射線を発していることを発見、さらに6月には、排出管や周辺の堆積物などを採取、分析したところ、排出液からは1リットルあたり1億6千万ベクレルのトリチウムをはじめ、通常の海水の1700万倍の放射能を検出しました。

 グリーンピースによると、ラ・アーグ再処理工場は毎日10万リットルの放射性廃液を放出しており、全長7kmのパイプの内側には厚さ2cmの放射性物質が付着しているとのことです。

 慌てた核燃料公社は、排出管の放射性付着物の除去作業を計画、グリーンピースなどの環境影響評価の要求を無視して、7月7日から作業を強行しました。

 しかし、逆に50キロ、10億ベクレルもの放射性物質を漏らしてしまいます。

 7月10日、ついにフランス環境相が、排出管周辺海岸への立ち入りを禁止しました。

 さらに9月には、除去作業で生じた放射性廃棄物のドラム缶や排出装置の部品やパイプが、海岸からわずか250メートル沖の水深7mの海中に放置されているのをグリーンピースが発見しました。

 追いつめられた核燃料公社は、グリーンピースの調査活動を禁止するよう裁判所に提訴しましたが、当然ながら却下されました。

 9月25日、グリーンピースが、排出管付近で採取したカニからセシウム137、コバルト60など、キロ当たり1350ベクレルの放射能を検出したと発表、さらに10月2日には、排出管から、コバルト60、アメリシウム241を含む基準より大きな粒子の放射性物質が放出されているのを確認したと発表しました。

 ラ・アーグには、日本の他、ドイツ、オランダ、ベルギー、スイスが再処理を委託しています。そこで、ラ・アーグ周辺の住民は、ドイツ政府に対してドイツで発生した使用済み燃料をラ・アーグに運ぶのを許可しないように求める裁判を起こしましています。

 さて、今や世界でただ1国、プルトニウム利用にしがみつく日本の国民として、私たちは・・?


[セラフィールド]

子どもの歯にプルトニウム蓄積
大西洋〜北極圏まで広がる汚染


 イギリスからもセラフィールド再処理工場による深刻な放射能汚染を報じるニュースが届いています。

 まず、イギリス政府が実施した未成年者の歯の分析調査で、プルトニウムによる汚染が、セラフィールドを中心に同心円状にイギリス全国に及んでいることが判明しました。

 それによると、歯科治療で抜歯された未成年者の歯を全国から集め分析したところ、工場から75km圏内に住む子どもの歯では平均1kg当たり換算7ミリベクレル、225km圏内では5ミリベクレル、それ以上では3ミリベクレルのプルトニウムが検出されたというものです。

 また、96年第4四半期にセラフィールド近海で捕獲されたロブスターから、1kg当たり3万6千ベクレルのテクネチウム99による汚染が検出されました。これは同じ場所での96年のデータの92倍に相当します。

 セラフィールドは、毎日900万リットル以上、年間2億3千万リットルの放射性廃液をアイルランド海に放出しており、これによる汚染は、アイルランド海全体は勿論、北海、バルト海、ノルウエー海、バレンツ海、グリーンランド海にまで及んでいるとのことです。

 セラフィールドの汚染については、白血病の増加や、海岸にすむ家族の電気掃除機の塵からプルトニウムが検出されるなど、ずいぶん前から地元で問題となっていましたが、政府や推進派はその都度因果関係を否定する宣伝を繰り返してきました。

 日本でも「セラフィールドからの手紙」というパンフレットで、地元の被害者の声が伝えられると、電力会社は早速、現地工場関係者を登場させて安全性を宣伝するパンフレットをばらまきました。

 しかし、今や事実は覆いようもなくなりました。このままでは、六ヶ所でも同じことを繰り返してしまいます。

参考資料
GREENPEACE-INTERNATIONAL/PRESSREREASE
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美浜の会ニュースNO39
福井新聞(8月2日)
反原発新聞234号